訂正 3 月 29 日、2003 年2月5日教育プロ 大場メモ MOT の考え方 MOT コースは広い視野にたって、産・官・学のそれぞれの分野で指導的立場にたてる人 材育成を行う。 1.対象者として、以下が考えられる。 (1)理工系出身者を対象とした最近の科学・工学の動向及び経営に必要な学問分野の教 育・演習・実習。 (2)経営者に対し、工学的知識(含 考え方)及び最近の国内外の情勢の教育・演習・実 習。 (3)将来の指導者に対し、工学分野及び経営・行政に必要な分野の教育・演習・実習。 いずれも、知識だけでなく、資質も大切な要素であり、受講者選別は重要である。 2.理工系出身者対象の MOT・・・上記(1)のケースを目指す 日本の産・官・学の経営風土において、起業家を除いて 30 歳未満の若者が経営指導者 に立つことは困難である。 同僚、関係者からの納得は得難い。したがって以下の考え方にて進める。 (1)対象者 ・ 理工系出身者(取得科目を指定) ・ マネージメントの経験を有すること(企業又は行政部局からの推薦者) ・ 社会において 10 年以上の経験を有すること。但し、起業を志向する者に対しては通 常のMOT教育と異質となるが、希望があれば特別選考も可能とする。 (2)MOT 教育コース ⅰ)講義科目 ① 直近の科学・工学動向 ② 企業・経営に関する講義 内部管理:財務・会計、人事管理(組織論)、生産管理 外部 :経営戦略、マーケティング論、etc。 国際関係:国際情勢、国際基準(ISO、etc)・・・。 ⅱ)経営セミナー 各業種の経営者によるセミナー及び演習 ⅲ)フィールドワーク(フィールドトリップ) 企業に少人数で訪問し、活動状況を調査・実習。 その場合、国内外企業・機関を対象とする。 ⅳ)テーマ研修 各人のテーマを決め、修士論文としてまとめる。 1 (参考1) (1)イメージ(議論あり) 研究者 ↑ 知識 技術者 機械 化学 ナノテク 技術 生命 材料 MOT 法文系 経営工学 分野 (リーダーシップ) (2)MOTコース 22歳 25歳 年齢 35歳 理工系出身 MOT2年コース 学部卒 一部 修士卒 MOTコース取得 MOT1年コース (3)学年進行としての見方 経営・指導者教科 MOT 工学応用 企業 専門 修士 専門基礎 学部 工学基礎 2 (参考2)他大学の例 1.MIT ①入学者:理工学部出身者。8∼15 年の実務経験者。上席の責任にあること。 数学(微分積分)・経済を1年間学んでいること。 ②期間:1年 ③費用:$74,000、本代他$5,000、コンピュータ$3,000、フィールドトリップ$2,000。 合計$84,000(約 1,000 万円) ④コース 夏学期(6∼8月):6科目(経営関連科目) ・工学経営セミナー 冬学期(9∼12 月):4科目(経営関連科目) ・工学経営セミナー ・東海岸フィールドトリップ ・テーマ研修 1月 : ・国際フィールドトリップ ・ テーマ研修 2∼3月 : ・西海岸フィールドトリップ 工学経営セミナー テーマ研修 6月:修了 但し、Bio-MOT:2年間であり、ハーバードと共同にて実施。 2.ミシガン大学 MBA のオプションとして工場経営コースがある。 3.カリフォルニア工科大学(バークレー) 工学、ハースビジネススクール、情報経営システムの修士・博士課程の学生へ MOT 講義を設けて認証をしている。 4.東北大学 MOST(技術社会システム専攻) ・工学研究科技術社会システム専攻(技術経営大学院):大学院前期・後期共有する 第 1 期(平成 14 年度 前期 24 名、後期 10 名入学) ・教育:技術のわかる経営者の育成、社会人再教育の「実践コース」と 文理融合的に次世代型産業創成を開拓する研究者、指導者育成の「学術コース」 ・未来科学技術共同研究センター(NICHe:New Industry Creation Hatchery Center) 連携にて産学協同(リエゾン領域)、別途 H12 年度よりエクステンションスクール開 講し、仙台駅近くで、毎週 2 時間の 1 年間コース。 第 1 期(2000.10∼2001.9):27 名、第 2 期(2002.1∼2002.12):13 名 3 第 3 期については、ISTU(Internet School of Tohoku University)との連携と 首都圏での開講を検討ちゅう。 ・担当教授が精力的に企業、行政への PR と共に、就職先開拓を実行している(例、 1200 以上の関係ある企業・機関へのダイレクトメール発送など) 。学生は、大企業を 志向するケースが多く、意識変革の面談をする事もある。 入学者選抜、研究、教育カリキュラム(含むインターンシップ、企業調査、スタディ ツアー)、修了生の就職など検討すべきことが多く、大変な仕事量になっている。 5.早稲田大学 専門大学院「アジア太平洋研究科国際経営学専攻:早稲田大学ビジネススクール」 2003 年 4 月開校 ①修士課程…2年生コース、1年生コースあり。 週末(金・土)授業制を採用し、社会人の修士号取得を可能にしている。 ②ノンデグリー課程が数講座(経営者コース、ミドルコース・・・)ある。 6.阪大フロンティア研究機構(FRC)+ グロービスグループ 2003 年 7 月開校予定 ① 2003 年 7 月∼9 月(全6回) ② 対象者:グロービス・オリジナル・MBA のプログラム合格者 ③ 講義 ・テクノロジー競争戦略 ・技術評価/ポートフォリオ ・プロジェクトマネージメント/組織設計 ・R&D と製品化/ビジネスモデル ・アライアンス/特許/標準/グローバル ・ハイテクマーケティング その他 ・フィールドトリップ、ゲストスピーカーセッション ・ ベンチャーヘのコンサルティングプロジェクトを検討 7.ジョージアテック(EMSMOT) ①入学者:企業経験5年以上、企業からの支援、強い推薦状、学部卒 ②期間:19ヶ月 ③費用:$51,000 8.九州大学 1)平成15年度にビジネススクール開講 「九州大学大学院経済学府 産業マジメント専攻 修士課程」 特徴は MOT を目指しながら、経済学部の先生がビジネススクールの長である。 終了年限:2年 募集:社会人中心で1学年45名 対象者:主として社会人(技術経営トップ、技術ベンチャー経営者、地域クラスター 4 政策担当者) 開講形式:夜間及び土日曜日(留学生は昼間もあり) 狙い:MBA であるが、技術のわかる経営者、東南アジアに向かって開いていく。 講義は MBA ベーシックを基礎として、ビジネス戦略マネージメント分野と産業・ 技術マネジジメント分野から選択して学ぶ。他にインターンシップ、プロジェク ト演習を取り入れて、実践的なケーススタディとする。 以上 <参考3参考文献> 1.「先端マネージメント工学専攻(MBA)の新設」 H11年度先導的起業家育成システム実証事業に係る研究成果報告 工学系研究科長 H12年3月 中島尚正 わが国におけるMBA教育方法の探査・・野口悠紀雄教授・児玉文雄教授 Gr 第1部 国際的に活躍するために、語学を基礎としたスキル習得の米国MBAを評価。帰国 後退社する人が増加傾向にあり、40歳代をエグゼクティヴコースに派遣する方が良 いとの意見あり。日本でMBA、MOTを開講する場合には、語学研修に勝る特徴を 出す必要がある。 ・ 大企業は米国型MBAへの関心が強く、テクノマネージメントは低い。 (金融工学、米国型、エグゼクティブ、研究会、テクノマネージメントの5分類) ・ カリキュラムは企業・技術戦略、財務分析、リスク管理などの必要性が高い。 第Ⅱ部 マネージメント教育プログラムに関する調査・・新井民夫教授Gr システム創成学科設立で、MITスローンスクール・ハーバード大学ケネディス クール・スタンフォード大学エンジニアリングスクール・バンダビル大学エンジニア リングスクールの調査をしている。 ・ 官庁・企業との緊密な連携によるⅤividなテーマ選択、交流、ハードなカリ キュラムを組んで進めること。大学院は20歳後半から30歳前半代の再教育で、 トップ人材の育成を検討すること。 ・ 海外の動向 コロンビア大学、スタンフォード大学、ハーバード大学、MIT、テキサス大学、 ペンシルベニア大学、ジョージワシントン大学、ミシガン大学・・・を調査 MBAからMOTへの動きがある。分離融合、社会との積極的な交流、分離融合、 新教育方法などを積極的に進める必要性がある。 第Ⅲ部 PBLによる先導的起業家育成システムに関するモデル的実証研究 ・・金子成彦教授 海外調査:学部 3・4 年ハーベイマッドカレッジ、メリーランド大学 大学院スタンフォード大学 5 東大での大学院生「遠心分離機の異常振動」(佐久間製作所)、学部生「洗濯機の騒 音」(日立製作所)の実績報告書。 リエゾンの重要性、即ち製造現場との積極的な交流の重要性。 2.九州大学における技術経営プログラムの研究・開発・実践 先導的起業家育成システム実証事業(平成13年度)報告書 ・ ・九州大学ベンチャービジネスラボラトリー 海外調査:香港の香港大学・香港中文大学・香港科学技術大学、シンガポールの シンガポール大学・ナンヤン技術大学・INSEAD・シカゴ大学の調査。 欧米との提携を積極的に行い、MBA,MOT へ積極的に進出している。 以上 6
© Copyright 2024 Paperzz