H23.5.25.薬剤科 5.25.薬剤科 (No6 No65) インスリン製剤 インスリン製剤の 製剤の取り扱いについて インスリン製剤 インスリン製剤の 製剤の保管方法が 保管方法が開封前と 開封前と開封後で 開封後で異なるのはどうして? なるのはどうして? インスリンのカート、 インスリンのカート、キット製剤 キット製剤の 製剤の保管方法 開封前: 開封前:冷蔵庫など 冷蔵庫など( など(2~8℃) 開封後: 開封後:室温で 室温で保管 開封後の 開封後の製剤を 製剤を冷蔵庫などで 冷蔵庫などで保管 などで保管しない 保管しない理由 しない理由は 理由は、 「冷たいインスリンを注入 たいインスリンを注入することによる 注入することによる痛 することによる痛み」 「結露による 結露による注入器 による注入器の 注入器の不具合」 不具合」 を避けるためです。 けるためです。 なお、 なお、バイアル製剤 バイアル製剤は 製剤は、開封前後で 開封前後で変わらず冷蔵庫 わらず冷蔵庫などで 冷蔵庫などで保管 などで保管します 保管します。 します。 ≪保管方法≫ 保管方法≫ 必ず遮光して 遮光して保管 して保管 カート・キット 開封前 (未使用) 未使用) バイアル 冷蔵庫など 冷蔵庫など (2~8℃) 開封後 室温 (使用中) 30℃) 使用中) (1~30℃ 冷蔵庫など 冷蔵庫など (2~8℃) 注意事項 ・凍結を 凍結を避け、冷蔵庫などで 冷蔵庫などで遮光 などで遮光して 遮光して保管 して保管 <冷蔵庫扉の 冷蔵庫扉の棚(卵入れ 卵入れ付近) 付近)、野菜室 、野菜室など 野菜室など> など> ■カート・キット製剤 カート・キット製剤 ・冷蔵庫には 冷蔵庫には保管 には保管せず 保管せず、 せず、室温で 室温で遮光して 遮光して保管 して保管 (高温や 高温や直射日光を 直射日光を避け室内の 室内の涼しい場所 しい場所) 場所) ・使用期限は 使用期限は製剤によって 製剤によって異 によって異なる (下記【 下記【参考】 参考】を参照) 参照) ■バイアル製剤 バイアル製剤 ・凍結を 凍結を避け、冷蔵庫などで 冷蔵庫などで遮光 などで遮光して 遮光して保管 して保管 ・1 ヶ月を目途に 目途に使用する 1 【参考】 参考】開封後の 開封後の使用期限等の 使用期限等の目安 会社名 主な商品名 開封後の 開封後の使用期限等 ノボラピッド注 ノボラピッド注、ノボラピッド30 ノボラピッド30ミックス 30ミックス注 ミックス注 ノボ リリー サノフィ 4週間、 週間、30℃ 30℃以下 イノレット注 イノレット注、ペンフィル注 ペンフィル注、ノボリン注 ノボリン注キット、 キット、 6週間、 週間、30℃ 30℃以下 レベミル注 レベミル注 ノボリン注 ノボリン注(バイアル) バイアル) 6週間、 週間、25℃ 25℃以下 ヒューマリン注 ヒューマリン注(バイアル) バイアル) 32日間安定 32日間安定、 日間安定、30℃ 30℃ ヒューマログミックス注 ヒューマログミックス注ミリオペン 28日間安定 28日間安定、 日間安定、25~ 25~37℃ 37℃ ヒューマログ N 注 18日間安定 18日間安定、 日間安定、25~ 25~37℃ 37℃ ランタス注 ランタス注、アピドラ注 アピドラ注 4週間、 週間、25± 25±2℃ イノレット注 イノレット注 ノボラピッド注 ノボラピッド注フレックスペン 薬局から 薬局から持 から持ち帰る時・外出中・ 外出中・旅行中・ 旅行中・出張中のインスリン 出張中のインスリン製剤 のインスリン製剤の 製剤の保管 ≪未使用≫ 未使用≫ ・短期間であれば 短期間であれば室温 であれば室温においても 室温においても差 においても差し支えない。 えない。但し、遮光して 遮光して保管 して保管し 保管し高温環境に 高温環境に注意 する。 する。 ・旅先のホテルなどにある 旅先のホテルなどにある冷凍 のホテルなどにある冷凍コーナー 冷凍コーナー付 コーナー付ワンボックス型 ワンボックス型の冷蔵庫では 冷蔵庫では、 では、冷凍コーナー 冷凍コーナー の影響を 影響を受けて冷蔵庫内 けて冷蔵庫内の 冷蔵庫内の温度が 温度が0℃以下になる 以下になる可能性 になる可能性があり 可能性があり、 があり、凍結を 凍結を避けるため 室温保管でも 室温保管でも良 でも良い。 ≪未使用・ 未使用・使用中≫ 使用中≫ ・持ち歩き:直射日光に 直射日光に当てたり熱 てたり熱くならないように注意 くならないように注意する 注意する。 する。 ・飛行機に 飛行機に乗る時:貨物室では 貨物室では凍結 では凍結することがあるため 凍結することがあるため、 することがあるため、手荷物に 手荷物に入れ機内に 機内に持ち込む。 ・ 真冬( :かばんに 真冬(特に寒冷地) 寒冷地) :かばんに入 かばんに入れる、 れる、タオルに包 タオルに包むなどして外気 むなどして外気に 外気に触れないように する。 する。 (真冬は 真冬は外気に 外気に触れたり自動車内 れたり自動車内でも 自動車内でも凍結 でも凍結することがある 凍結することがある) することがある) ・高温・ 高温・直射日光下: 直射日光下:自動車内や 自動車内や窓際などに 窓際などに長時間置 などに長時間置かないようにする 長時間置かないようにする。 かないようにする。 (具体的な 具体的な保管方法は 保管方法は次々項目参照) 項目参照) 2 「凍らせてはいけない」 らせてはいけない」理由と 理由と凍らせてしまった製剤 らせてしまった製剤の 製剤の見分け 見分け方 インスリン製剤 インスリン製剤は 製剤は、凍結すると 凍結すると溶 すると溶けても、 けても、インスリンの結晶 インスリンの結晶が 結晶が変化したり 変化したり注入器 したり注入器が 注入器が 故障したりするなど 故障したりするなど品質 品質を を 保 てないために使用 てないために 使用できません できません。 。 そのために、 そのために 、 凍 らせてし したりするなど品質 使用できません まった製剤 変化・ ・見分け まった製剤の 製剤の変化 見分け方(カートリッジ内 カートリッジ内に大きな気泡 きな気泡、 気泡、カートリッジにヒビ、 カートリッジにヒビ、 ゴム栓 ゴム栓の膨らみなど) らみなど)を患者様に 患者様に伝えておく必要 えておく必要があります 必要があります。 があります。 「凍結」 凍結」は季節に 季節に関係なく 関係なく起 なく起きており、 きており、特に夏から秋 から秋にかけては、 にかけては、冷蔵庫内の 冷蔵庫内の温度 管理の 管理の失敗による 失敗による凍結 による凍結に 凍結に注意が 注意が必要です 必要です。 です。 冷蔵庫での 冷蔵庫での 保管の 保管の注意点 ・保管場所 冷蔵庫の 冷蔵庫の冷気の 冷気の噴出し 噴出し口、冷気が 冷気が直接あたる 直接あたる場所 あたる場所、 場所、冷凍庫の 冷凍庫の保管は 保管は 避け、冷蔵庫扉の 冷蔵庫扉の棚(卵入れ 卵入れ付近) 付近)、野菜室 、野菜室などに 野菜室などに保管 などに保管する 保管する ・温度設定 夏場は 夏場は「強冷」 強冷」に設定することが 設定することが多 することが多いため特 いため特に保管場所( 保管場所(上記) 上記)に 注意し 注意し、夏を過ぎたら冷蔵庫 ぎたら冷蔵庫の 冷蔵庫の設定を 設定を「強冷」 強冷」から弱 から弱めの設定 めの設定に 設定に切 り替える ・冷蔵庫( 冷蔵庫(家庭用) 家庭用)を新しくした時 しくした時の使い始めの温度管理 めの温度管理や 野菜室だ 温度管理や、野菜室だ と思って保管 って保管したら 保管したら冷凍庫 したら冷凍庫だったという 冷凍庫だったという失敗 だったという失敗などに 失敗などに注意 などに注意する 注意する 凍らせてはいけない 理由 ・インスリン製剤 ・インスリン製剤は 製剤は凍結すると 凍結すると結晶 すると結晶が 結晶が変化・ 変化・析出することがあり 析出することがあり、 することがあり、懸濁 製剤では 製剤では作用時間 では作用時間に 作用時間に影響を 影響を与える可能性 える可能性がある 可能性がある ・カートリッジや注入器 ・カートリッジや注入器が 注入器が破損など 破損など故障 など故障して 故障して注入 して注入できなくなる 注入できなくなる恐 できなくなる恐れがあ る 凍らせてしまった 製剤に 製剤に見分け 見分け方 ・カートリッジ内 ・カートリッジ内に小豆より 小豆より大 より大きな空気 きな空気( 空気(気泡) 気泡)がある (直径5 直径5mm 程度の 程度の気泡は 気泡は正常でも 正常でも入 でも入っている場合 っている場合がある 場合がある) がある) ・注入ボタンが 注入ボタンが重 ボタンが重くて押 くて押せない( せない(いつもより重 いつもより重い)<注入器 )<注入器が 注入器が壊れてい る> ・カートリッジのガラスにヒビが入 ・カートリッジのガラスにヒビが入ったり、 ったり、ゴム栓 ゴム栓が膨張・ 膨張・破裂してい 破裂してい る ・懸濁製剤の 懸濁製剤の沈殿がいつもより 沈殿がいつもより速 がいつもより速い 「高温・ 高温・直射日光を 直射日光を避ける」 ける」理由とそのような 理由とそのような環境 とそのような環境に 環境に置いてしまった製剤 いてしまった製剤 の見分け 見分け方 インスリン製剤 インスリン製剤は 製剤は、高温・ 高温・直射日光下に 直射日光下に長時間置いておくと 長時間置いておくと、 いておくと、インスリンの変性 インスリンの変性や 変性や 含量が 含量が低下する 低下する可能性 する可能性があり 可能性があり、 があり、懸濁製剤が 懸濁製剤が透明・ 透明・半透明に 半透明に、透明な 透明な製剤が 製剤が白濁するな 白濁するな どの変化 どの変化が 変化が見られることがあります。 られることがあります。このような変化 このような変化が 変化が見られた場合 られた場合には 場合には使用 には使用しない 使用しない ように患者様 ように患者様に 患者様に伝えておく必要 えておく必要があります 必要があります。 があります。 高温・ 高温・直射日光下 直射日光下 になりやすい場所 になりやすい場所 自動車内( 自動車内(特にダッシュボードの上 にダッシュボードの上・中)、トラ 、トランク トランク、 ンク、屋外、 屋外、窓際 など 3 ・インスリンはたんぱく質 ・インスリンはたんぱく質で出来ている 出来ている為 ている為、長時間・ 長時間・高温に 高温に放置した 放置した場合 した場合、 場合、 約37℃ 37℃以上になると 以上になると変性 になると変性する 変性する 高温・ 直射日光を を ・光によりインスリンの含量 によりインスリンの含量が 含量が低下する 低下する 高温・直射日光 (*短時間 避ける理由 ける理由 (*短時間では 短時間では、 では、高温でも 高温でも大 でも大きな変化 きな変化は 変化は見られないが、 られないが、2~8℃より高 より高い 温度で 温度で保存する 保存する場合 する場合は 場合は37℃ 37℃以上にならないようにすることが 以上にならないようにすることが一 にならないようにすることが一つの 目安) 目安) 高温・ 懸濁製剤(白濁の 白濁の製剤) 製剤)が透明・ 透明・半透明になっている 半透明になっている( になっている(無結晶化) 無結晶化) 高温・直射日光下 ・懸濁製剤( に置いてしまった ・透明 透明な な製剤が白く濁ってい っている(結晶出現) 結晶出現) 製剤の 製剤の見分け 見分け方 ・カートリッジ内 ・カートリッジ内に空気( 空気(気泡) 気泡)がある 高温環境下でのインスリン 高温環境下でのインスリン製剤 でのインスリン製剤の 製剤の簡易保管法 ケースに入 ケースに入れたインスリン製剤 れたインスリン製剤を 製剤を、タオルで包 タオルで包んだ150 んだ150~ 150~350g 350 の保冷剤 (凍らせたもの) らせたもの)とともに保冷 とともに保冷バック 保冷バック又 バック又はクーラーボックスに入 はクーラーボックスに入れて密閉 れて密閉し 密閉し、 自動車の 自動車の後部座席下に 後部座席下に保管する 保管する。 する。朝から夕方 から夕方までの 夕方までの半日 までの半日くらい 半日くらい( くらい(8~9時間) 時間) の持ち運びに便利 びに便利。 便利。 * 保冷剤( 保冷剤(凍らせたもの) らせたもの)は結露を 結露を発生させる 発生させる為 ずタオルに包んで させる為、必ずタオルに包 使用する 使用する * 保冷剤や 保冷剤や保冷バックは 保冷バックは100 バックは100円 100円ショップなどで購入 ショップなどで購入することが 購入することが出来 することが出来る 出来る これから、 これから、暑い季節になります 季節になります。 になります。 また、 また、計画停電があるかもしれません 計画停電があるかもしれません。 があるかもしれません。 皆さん、 さん、ご注意願い 注意願います。 ます。 参考資料: 参考資料:スズケン医療情報室発行 スズケン医療情報室発行 TOPIC( TOPIC(№88) 88) 4
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