水門用制限開閉器付き開度計システム

水門用制限開閉器付き開度計システム
シンプルで高精度、耐久性に優れた検出器と制限開閉器内蔵の演算器により構成した
開度計システムは、水門制御設備の更新や新規設備へのご採用に適しています。
Before
発電用ダムの他、分流、貯水、逆流防止などを目的に河川、湖、沼、貯
水池等に設けられた水門には、ローラゲートやラジアルゲートなどが採
用されています。これらのゲートの開度によって水の流れや量を制御す
ることから、その開度を正しく検出して開閉制御を適性にすることが求
められます。
従来、ゲート開度の検出にはセルシン開度計(シンクロ電機)が多く用
いられ、現場側の発信機が出力する信号を制御室側の受信機が追従して
セルシン発信機
開度を表示させるものでした。これは構造がシンプルで故障が少ない半
面、次のような欠点がありました。
●検出器の機械的結合部の経年変化への対応が困難
●開度の設計値と実際の値との補正が大変
●旧来と同等品の入手が困難
セルシン表示器
After
NSD 社製の「水門用複合型開度演算器」
は次のような機能を持つ検出器と制限開
閉器を内蔵した演算器により優れた開度
計システムを構成することができます。
●スケーリング機能と補正機能
●現在地プリセットとリミット出力機能
●抜群の耐久性と高い信頼性の検出器
開度検出器(アブソコーダ)
開度演算器
この「水門用複合型開度演算器」を用い
ることでセルシン開度計からの置き換え
が簡単に行えます。
これまでのセルシン開度計と同様、ゲー
ト開閉機構近くに検出器を据え、遠方に
ある制御盤へ信号を長距離伝送し、専用
演算器で開度表示や制限出力が行えます。
製品仕様
【水門用複合型開度演算器】
【MRE-32/G□SP105 シリーズ】
ローラゲート用
複合型開度演算器
GCW-10F1-1
仕 様
項 目
仕 様
項 目
ラジアルゲート用
複合型開度演算器
GCW-10F2-1
電源電圧
DC24V (DC21.6 ∼ 30V)
消費電力
10W 以下
使用周囲温度
スイッチ出力数
0 ∼+55℃ (氷結しないこと)
15 点
位置データ有効数
6 桁 (−999999 ∼ 999999)
※ EL 表示時は7桁 (0 ∼ 9999999)
設定値保存
不揮発メモリ(F-RAM)に保存
異常検出
メモリーエラー、センサエラー、システムエラー、未設定
付属機能
現在値プリセット機能
センサフィルタ機能
EL 表示 kk のう
多段巻き補正
スイッチ出力強制出力
開度出力値特性グラフ
開度出力値補正グラフ
開度出力値検出グラフ
入力回路
DC 入力、フォトカプラ絶縁
出力回路
トランジスタ(オープンコレクタ)フォトカプラ絶縁
質量
約 0.7kg
アブソリュート
位置検出器回転数
32
64
128
160
256
320
512
直線性誤差(°MAX)
0.6
1.2
2.4
3.0
4.8
6.0
9.6
総分割数
131072
周囲温度(使用時)
−30 ∼+60℃
起動トルク
9.8×102 N・m以下 (1kgf・cm 以下)
軸許容荷重 ラジアル
1.5×102 N (15kgf)
軸許容荷重 スラスト
78 N (8kgf)
機械的許容回転数
4000 r/ min
1280 2048
24
38.4
保護構造
防浸型(IP67 JEM 1030 に準拠)
材質
ケース:ステンレス(SUS303,304 相当)シャフト:ステンレス(SUS304)
質量
約 8.5kg
引用:エヌエスディ株式会社(2011)『水門用複合型開度演算器』商品カタログ
製品の特徴
■高機能演算器
従来の開度計の多くは、角度換算のために機械的結合にギヤやチェーンとスプロケット
を用いていました。そして、それらの機構が有するバックラッシの増大、チェーンの伸
びなどの経年変化は開度検出の精度低下の主因となっていました。これらの問題への対
応は機械側で再調整するか、部品交換などの処置を行っていました。また、ゲート開閉
の機構に用いられる巻き上げワイヤの巻き方や伸び、ゲート開度に影響する機械部品の
寸法の違いなどによる誤差を修正本製品はこれらの問題を解決すべく次のような優れた
機能を有する演算器を採用しています。
* スケーリング機能により機械部品を用いた回転比調整は不要です。
* 補正機能によりバックラッシ、チェーンの伸び、ワイヤ巻き方などへの補正が簡単に
行えます。
* 現在値プリセット機能により経年変化、部品交換時の対応が短時間に行えます。
■アブソコーダの原理図
図1
■入出力信号の形態
■抜群の耐久性と高い信頼性の検出器
本製品の検出器(アブソコーダ ®)には電子部品が一切使用されていません。アブソコー
ダの検出原理は磁気抵抗の変化を利用しています。検出器内部の偏心ロータが、機械の
動きに合わせて回ることにより内部コイルの励磁電圧と誘起電圧に、位相の差が生じま
す。(図 1)そして、この位相差を取り出すことで絶対値変位量とすることができます。
(図 2)アブソリュート方式なので、電源断や偶発的ノイズがあっても、正確に位置を
検出することができることから検出器と演算器の距離も最大 500m まで伝送可能です。
図2
■設備更新への対応が簡単
今まで使っていたセルシン開度計を交換しようとしても同等品が入手できず、適当な開
度検出の代替え方法が無く、設備更新のネックになっていた現場にもフレキシブルカッ
プリングで機械的結合ができる検出器と高機能演算器により更新工事に対応できます。
引用:エヌエスディ株式会社(2011)『水門用複合型開度演算器』商品カタログ
アブソコーダ ® は、株式会社エスジーの登録商標です。
興電舎 ® と KDS マークは、株式会社興電舎の登録商標です。また、本書に掲載されている他社の製品名・サービス名は、それぞれ各社が所有する商標または登録商標を含んでいます。
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LE005-1512 2015 年 12 月版