2011 年5月 27 日~28 日 建交労第5回中央執行委員会(拡大):決定文書 第13回大会の成功めざす震災対策と夏季闘争の強化 1.被災救援・震災復興をめざす喫緊のとりくみと中長期の課題 (1)被災組合員と被災組織への支援 ① 建交労は、第4回中央執行委員会で“大震災被災者救援と復旧・復興活動を推進” する緊急方針(別紙:一般経過報告のP3~4 に掲載)を決定しました。被災した組 合員と組織に対する支援の基本は、この緊急方針を徹底することにあります。 ② 自治体などに届けられた国民からのカンパが迅速に被災者の手に渡らない実態も あって、被災者には日常の買い物をする資金が手元にあることは切実な要求です。 全国の建交労から寄せられたカンパは、被災した組合員に全国のなかまの気持ちを 届ける意味でも、給付基準にもとづいて早急に届け切る対策を強めます。 ③ 今回の震災ボランティアには息の長い活動が求められます。建交労は全労連との 連携を基本に6月以降のボランティア活動を本格的に呼びかけますが、ボランティ アを派遣する組織は、ボランティア保険の加入(中央本部で加入)を含め中央本部 との連絡を徹底します。また、全労連などが呼びかける大震災復興を求める要請署 名や原発災害支援などに関する要請署名、諸行動にも全力をあげます。 (2)組織建設と一体の復興推進体制の確立 ① 息の長い強靱な体力が求められる震災復興活動は、組織建設の強化と一体でなけ れば前進しません。震災復興にむけた運動の拠点は経済的にも政治的にも東北地方の 中心地である宮城県に置く必要があります。しかし、事務所も備品も津波によって流 失した宮城県本部が単独で震災復興の拠点としての役割をはたすことは困難です。 ② 一方、第4回中央執行委員会で確立した“大震災現地対策本部”にも活動の拠点と すべき事務所がありません。被災した宮城県本部、岩手県本部、福島県本部を中心 とする東北各県本部の組織強化と震災復興を一体で推進するため、活動の拠点とな る統一事務所の設置と体制の確立を早急に実現します。 ③ 推進体制の確立では、宮城県本部をはじめ東北各県の体制強化を視野に各県本部 と中軸となる業種部会、中央本部との連携による体制の拡充をはかります。そのた め新たな人材確保と被災した県本部での幹部育成などの対策をすすめます。また、 こうした対策は少なくとも3年~5年先を見た計画が必要です。 1 (3)震災復興・組織建設に向けた財政確保 ① 具体的な対策をすすめる財政は非常時としての位置づけを明確にし、被災組合員 の救済と被災した県本部の再建および震災復興を一体で推進する措置を行います。 1つは、現在おこなっている救援カンパ活動を継続します。当面は、第 13 回大会を 1つの節目としてとりくみを強化します。 全国青年部がとりくむ震災復興グッズ (シ リコンバンド 1000 円)の 3000 個販売による支援カンパを成功させます。 ② 財政確保の2つは、本部救援基金の運用です。救援基金規定第1条の“この規定 は、組合規約第 19 条5項にもとづき各級組織、組合員の闘争力を拡充・強化……… に資することを目的として設ける。”第4条4項の“中央執行委員会がとくに必要 と認めた争議・組織活動。”にもとづいて活用をはかります。当面は第 13 回大会で の決定を前提に「具体的な予算を含む5カ年計画を策定」し○○円を活用します。 ③ こうした対策の具体化は“大震災建交労対策本部”“現地対策本部”“関係県本 部”“関係する業種部会”などの合意にもとづいて執行します。重要案件について は中央執行委員会はじめ機関での決定を経て執行します。 ④ また、全労連から提案されている“建交労宮城県本部の事務所再建・確保のため の支援カンパ”については、フランスの労働組合CGTと全労連の好意に応えるよ うに積極的な活用をはかります。 ※ フランスの労働組合CGTが大震災支援として全労連にカンパを送ることを決め、全労連は、 この使途の一つとして“建交労宮城県本部の事務所確保”を正式に位置づけました。 2.2011 年春闘の解決と夏季一時金闘争の強化 (1)2011 年春闘の解決にむけた闘争強化 ① 2011 年春闘の現状は、組織力量の実態が反映しています。同時に大震災や原発事 故の影響や中小企業の経営困難、大企業のコスト削減などがありますが、要求の未 提出は労働組合側の主体的な問題です。県本部や支部は、2011 年春闘の流れ解散 を許さず、夏季一時金闘争と結合して組合員の切実な要求を団体交渉の議題 に載せるなど対策を強化します。 ② 建設関連業種や自治体関連、ダンプの合材職場などは、春闘第2グループとして 6月段階から賃金・単価交渉を本格化させます。職場・現場では、県本部、業種部 会とも連携して回答引き出しにむけた団体交渉を強化し、解決能力をもつ元請や自 治体闘争なども展開します。そのためには、当該の組織が県本部・支部に結集し、 県本部・支部は、その指導・援助を強化することです。 (2)夏季一時金闘争の強化 ① 夏季一時金の確保と大幅引き上げは切実な要求ですが、5月 24 日までに報告され ている要求提出は 298 組織 45.2%(昨年同期 427 組織 63.3、09 年 419 組織 60.0%) と 50%に届かず春闘要求と同様に大きく立ち遅れています。県本部・支部は要求の未 提出を一掃し交渉配置から回答引き出しなど個別対策を強化します。 2 ② 今後の回答集中日は第1グループが 6/1(水)ですが、それ以降は、第2グループの 統一闘争に結集します。第2次Gの第1次集中回答日は6月8日(水)とします。 それ以降は6月 15 日(水)、6 月 22 日(水)、6 月 29 日(水)、7月6日(水)、 7月 13 日(水)、7月 20 日(水)、7月 27 日(水)を回答日に、翌日を統一闘争 日としてたたかいを強化します。遅くとも7月中の一時金支給を追求します。 夏季一時金要求提出率の推移 提 00 年 出 70.8 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 67.2 73.5 70.5 73.4 75.4 80.9 72.5 08 年 09 年 75.5 76.6 3/14 4/7 33.9 50.7 5/15 5/26 57.7 60.0 10 年 11 年 75.9 3/16 3/18 42.2 36.3 5/26 5/24 63.3 45.2 3.業種別闘争と国民的課題の追求など (1) 被災地支援と結合した業種別闘争の強化 ① 4つの大運動をはじめとする業種別闘争は、第4回中央執行委員会で決定した“大 震災と原発事故被害に対応する政策の確立と具体化”との結合による運動を基本に すえます。また、公契約法・公契約条例運動をはじめ適正単価(賃金)と仕事(雇 用)確保のたたかいは、業種部会全体の重点課題とします。 ② 失業者・高齢者大運動は、国や自治体の雇用対策を全国的に活用・推進するとと もに県本部・県労連との共同で自治体要請・申し入れ行動などを展開します。 ③ 建設産別民主化大運動は、関連6部会の要求・政策にもとづいて組合員の実利を 獲得する現場交渉を強化します。現場交渉では要求での一致点にもとづく広範な共 同を追求します。特に大震災復興にむけた仕事と生活の確保、適正単価の確保に向 けた運動は、生公連はじめ関連組織との連携を強化します。 ④ 自治体関連大運動は、総務省による「指定管理者制度の運用に関する通達や大臣 の見解」などを活かし入札制度や委託契約などの改善にむけた運動を展開します。 また、保育を破壊する子ども子育て新システムなどを許さないたたかいと合わせ、 次年度予算獲得をめざす自治体・省庁交渉や議員要請行動などを展開します。 ⑤ トラック大運動は、トラック政策を軸に職場からの要求闘争を強化すると同時に、 トラック大運動を職場労使の運動として追求します。また中央労使協議会、職場労 使協議会・地方労使協議会の確立・強化を追求します。 ⑥ 大震災によって、公共交通機関の役割の大きさと、その役割がはたせていない現 状が浮き彫りになりました。鉄道やバス業種の職場での労働条件・職場環境改善の たたかいは、公共交通を守り拡充する運動として重要なたたかいです。利用者の要 求・声も反映させるため利用者アンケートなどに挑戦します。 3 ⑦ 東日本大震災・原発事故、豪雪被害、新燃岳噴火被災者をはじめ“いのちと健康 を守る運動”を業種部会・県本部・支部の連携で推進します。健康相談会や健康チ ェック活動などを業種部会の重要課題と位置づけます。福島原発事故で「原発安全 神話」が崩壊するなかで住民への被害防止を含め原発問題の関心を高める運動を追 求します。また、被災地での“がれき撤去”“清掃”“ビル解体工事”などによる じん肺・アスベスト被害防止、振動工具の規制強化などの対策を強く求めます。 (2)当面する国民的課題 ① 最低時給 1,000 円以上、全国一律最賃の確立をめざす最賃闘争を強めます。同時 に公契約運動のいっそうの広がりを全国的に追求します。また、これらの闘争をは ばむ公務員賃金削減法などには官民共同での反撃を強めます。 ② 労働者派遣法抜本改正のたたかいに全国から結集します。また、INAXメンテ ナンスなどの最高裁勝利を活かし労働者の権利を拡充するたたかいを強めます。 ③ 医療・介護や年金制度の抜本的拡充など社会保障・福祉充実にむけたたたかいを 強化します。一方、保育を破壊する子ども子育て新システムなどには反対します。 ④ 震災を口実にした震災復興税の創設や消費税増税、TPP参加などの策動を阻止 するたたかいを職場・地域から追求します。こうした運動と合わせて全労連が震災 発生日の 11 日に毎月おこなう“イレブンアクション”などに結集します。 ⑤ 日本の原発に依存する行政を根本から見直させる国民的な運動に結集します。全 労連が提起する署名運動をはじめ6月 18 日に予定されている福島での集会、 浜岡原 発の廃炉を求めて7月 16 日に静岡県で開催される1万人集会などを重視します。 ⑥ 大震災を契機に国の責任で防災対策を強化する国民的な世論と運動が求められて います。 この運動に逆行する地域主権改革の推進を阻止する官民一体のたたかい 「頑 張れ全建労行動」や「地域主権学習会」の開催などを全国的に追求します。 (3)憲法改悪阻止、平和を守るたたかい ① 沖縄普天間基地の即時無条件撤去を実現するたたかいを強化します。 ② 憲法署名の集約は約7年を経過して5月 23 日現在 126,499 筆(昨年同期 123,224 筆) にとどまっています。第 13 回大会までに 15 万筆達成をやり切ります。 ③ 核兵器廃絶の運動は、この間のたたかいで大きく前進しています。今年新たに提 起された“核兵器全面禁止を求める新署名”は 10 万筆を目標にとりくみます。 ④ 建交労青年部を中心とする反核トラックを全国のなかまの力で成功させるため財 政面でも全国的な協力を推進します。 4 4.建交労二大闘争の全面解決をめざすとりくみ ① じん肺根絶闘争は、第3陣の東京地裁で被告ゼネコン企業が法的責任を認め、和 解条項に「真摯な謝意を」を表明し5月 27 日に和解しました。同日開催の院内集会 では与野党国会議員 130 人以上(議員秘書を含む)が参加し「トンネルじん肺基金 創設」の意志を固め合いました。「トンネルじん肺基金」は、今通常国会での成立 を全面に国会議員要請をはじめとする諸闘争を徹底します。 ② 1047 名不採用問題は、「政治解決案」にもとづき「雇用確保」の要求を実現する ため6月からの闘争を強化します。4社・4団体をはじめ建交労・鉄道本部、全労 連国鉄闘争本部などによる大衆闘争の本格的な展開とともに、政府与党と各政党会 派によるJRへの要請・働きかけを求めます。さらに、雇用促進助成金など鉄道運 輸機構の「特例勘定利益剰余金」の活用を求めます。 5.13回大会にむけた組織建設の追求 (1)第13回大会を組織的前進で迎えよう ① 建交労第13回大会を組織的高揚のなかで迎えるため、全組織が6月まで延長した 拡大月間での成果を勝ちとります。 ② 建交労の本部財政は、登録人数の減少がつづいています。また、第 12 回中央委員 会の時点では組織の実勢を把握できていません。厚労省の「労働組合基礎調査」と結 合して組織の実態把握をすすめると同時に実数登録にむけた運動を推進します。 ③ 大会開催を含む中央本部の機能を確保するため、組合費の早期納入のとりくみを 呼びかけます。各組織は、会計年度末の6月末までには、2010 年度の組合費、機関 誌費などの完納をお願いします。 ④ 新結成を含め「建交労共済加入」での前進をはかります。各組織は、建交労共済へ の加入促進を意識的に追求します。また、大震災で被災した組合員で建交労共済の給 付対象者は申請もれのないように加入組織は点検を行ってください。 (2)学習教育活動の確立・強化 ① 勤労者通信大学のとりくみを引き続き追求し全国で 100 人の受講を達成させます。 ② 6月 10 日~12 日に伊豆・長岡温泉で開催する第8回建交労学校を成功させます。 また、県本部、支部、業種部会は、独自の幹部学校や労働学校、研究集会などの開 催を追求し、次代幹部・オルグの養成・育成にむけた対策を強化します。 ③ 5年振りに再開する建交労パワーアップ試験は6月に募集をはじめます。全国で 1000 人の受験を目標に成功させます。 ④ 2012 年6月 29 日~7月1日に沖縄で開催する第5回建交労フェスタの成功に向 けてこの夏の段階から全国的に参加のとりくみをはじめます。 5 6.第13回大会の諸準備 ① 第13回定期大会方針案(事前討議用)は、7月 12 日~13 日に開催する第6回中央 執行委員会での討議を踏まえて常任中央執行委員会で成文化し、7月末~8月初旬を 目途に登録組合員数に応じて県本部と登録 200 人以上の支部宛に送付します。 ② 次期中期構想については、大会直前の第7回中央執行委員会の討議を経て第 13 回大 会に予備提案として報告し、全組織による1年間の討議を呼びかけます。 ③ 大会代議員数は、6月末時点の中央登録人数によって確定しますが、各支部・県本 部(合同選挙区)は、代議員選挙を早めに実施します。選出された代議員については 8月 11 日(木)までに中央本部への登録を完了させます。 ④ 大会代議員資格要件の「組合費納入」を厳格にチェックし滞納を一掃します。昨年 7月以降の組合費が未納の組織には所属する県本部に事前に報告し対策を協議します。 ⑤ 大会費用節減のため「旅行会社JTBの東京・越後湯沢間の上越新幹線往復指定列 車」を利用します。利用人数は県本部でまとめ必ず4週間前までに予約します。 7.第13回大会までの主な会議などの日程 6月1日 6月7日 6月10日~12日 6月21日 6月24日を目途に 7月5日 7月8日を目途に 7月12日~13日 7月20日を目途に 7月末日を目途に 8月1日 8月11日 8月26日~29日 8月27日~29日 2011 年建交労パワーアップ試験申込み受付開始 第19回常任中央執行委員会 第8回建交労学校 静岡県伊豆の国市 第20回常任中央執行委員会(大会方針と次期中期構想議論) 13回大会方針(第1次原案)を中央執行委員に送付 第21回常任中央執行委員会(大会方針と次期中期構想議論) 13回大会方針(第1次案)を中央執行委員に送付 第6回中央執行委員会 13回大会方針(全国への事前送付案)を中央執行委員に送付 第13回大会方針(案)を全国発送 2011 年建交労パワーアップ試験の解答提出の〆切期限 大会代議員・特別代議員・傍聴者の登録〆切期限 大会議長、諸役員の登録〆切期限 第7回中央執行委員会 建交労第13回大会 6
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