金融商品取引法

金 融 商 品 取 引 法
( Securities Regulation Law )
1学期
担当教員:德本
土曜6時限
穰
授業時間:75分×10回
研 究 室:教員研究室510
単 位 数:1単位
オフィスアワー:
履修年次:2 年次または 3 年次
授業概要:
近年、わが国では、企業の合併や買収等(M&A)が増加しており、その中には、敵対的企業買収
もみられる。この授業では、証券取引について、その規制のあり方を概観した上で、特に、企業
買収に関わる規制を中心に採り上げ、検討する。そして、金融商品取引法についての法的知識と
理解を得させ、法的思考力の養成を図る。授業方法は、いずれの回も、事前に学生に配布された
予習資料の学生による十分な予習を前提に、講義に加え、ケースメソッドやプロブレムメソッド
を併用し、ソクラテスメソッドによる質疑応答を交えながら、進めてゆく。毎回の授業について
は、担当者から配布された資料(指定された教科書の該当箇所、判例、学術論文、法律に関する
記事、仮設事例等)について、予め指示された予習(資料を熟読することや仮設事例の分析・検
討等)が要求され、授業への毎回の出席が求められる。
評価方法:
成績評価は、
(1)面談(質疑応答)
、(2)平常点、(3)レポートで行う。その比率は、(1)
面談:10%、(2)平常点:15%、(3)レポート75%、である。
教科書:
①多賀谷充『金融商品取引法(新訂版)』(同文館出版 2010 年)
②黒沼悦郎『金融商品取引法入門
③大崎貞和『解説
金融商品取引法
第四版』(日本経済出版社 2011 年)
第三版』
(弘文堂 2007 年)
上記の教科書に加えて、適宜、配布資料を補足的に使用することにしたいと思います。
参考書:
近時、新しい文献が刊行ないし刊行予定であるため、開講時に紹介することにしたいと思いま
す。
授業計画:
第1講
金融商品取引法の概要
主な内容:金融商品取引法の全体像、証券市場、金融商品取引法と商法・会社法との関係、金融
商品取引法の目的
ねらい:本講の全体像を鳥瞰した上で、証券市場の役割や金融商品取引法と商法・会社法との
関係を理解させた上で、金融商品取引法の目的を、金融商品取引法の規定を意識しな
がら、理解させる。
第2講
企業内容等の開示制度①
主な内容:ディスクロージャーの方法、金融証券取引法
ねらい:なぜ企業内容等の開示が必要であるのか、そうした開示の方法にはいかなるものがあ
るのか等について、金融商品取引法の規定を意識しながら、理解させる。
第3講
企業内容等の開示制度②
主な内容:ディスクロージャーの方法、金融証券取引法
ねらい:なぜ企業内容等の開示が必要であるのか、そうした開示の方法にはいかなるものがあ
るのか等について、第2講に引き続き、金融商品取引法の規定を意識しながら、理解
させる。
第4講
公開買付制度①
主な内容:公開買付、企業買収、ディスクロージャー、金融商品取引法
ねらい:企業内容等の開示制度において重要な役割を果たしている、公開買付について、金融
商品取引法の規定を意識しながら、理解させる。
第5講
公開買付制度②
主な内容:公開買付、企業買収、ディスクロージャー、金融商品取引法
ねらい:企業内容等の開示制度において重要な役割を果たしている、公開買付について、第4
講に引き続き、金融商品取引法の規定を意識しながら、理解させる。
第6講
大量保有報告制度
主な内容:大量保有報告書、企業買収、ディスクロージャー、金融商品取引法
ねらい:企業内容等の開示制度において重要な役割を果たしている、大量保有報告制度につい
て、金融商品取引法の規定を意識しながら、理解させる。
第7講
企業買収
主な内容:企業買収の意義、企業買収の方法、企業買収の影響、企業内容等の開示制度との関わ
り、敵対的企業買収、証券取引所、自主規制
ねらい:企業買収をめぐるわが国の状況について、金融商品取引法との関わりを意識しながら、
理解させる。また、証券取引所やその自主規制についても、検討する。
第8講
金融商品取引法の今日的課題と将来①
主な内容:企業買収、金融商品取引法と会社法の交錯、敵対的企業買収
ねらい:金融商品取引法の今日的課題として、企業買収に焦点を合わせ、金融商品取引法と会
社法の交錯について、検討する。
第9講
金融商品取引法の今日的課題と将来②
主な内容:企業買収、金融商品取引法と会社法の交錯、敵対的企業買収
ねらい:金融商品取引法の今日的課題として、第 8 講に引き続き、企業買収に焦点を合わせ、
金融商品取引法と会社法の交錯について、検討する。
第 10 講
金融商品取引法の今日的課題と将来③
主な内容:インサイダー取引規制、内部統制、第1講~第10 講の全範囲のまとめ
ねらい:金融商品取引法の今日的課題として、インサイダー取引規制や内部統制に焦点を合わ
せ、検討する。また、最後に、本講の全体のまとめを行う。