アルゼンチンからのキャリア

略歴
スサーナ・マルコーラ氏は2004年9月、WFP 国連世界食糧計画事務局次長
(管理部門)に就任しました。WFPの管理部では、財務、人事、ITと総務
を管轄しています。
WFPは国連唯一の食糧援助機関であり、世界最大の人道援助機関です。
WFPは、2004年の新規拠出金は22億米ドルにのぼり、世界80ヵ国1億1,300万
人に食糧を支援しました。WFPは、紛争や自然災害の犠牲者や、家族が
HIV/エイズに侵され、また、その影響で孤児となった子どもたちなど自ら
の食糧を調達できない人々や、貧しい地域の子どもたちに食糧援助を行っ
ています。WFPの本部はイタリアのローマにあります。
スサーナ・マルコーラ氏は、障壁をのりこえて自身のキャリアを構築して
きました。故郷のアルゼンチンにおいては、ロザリオ大学で電気技術を学
んでいる女性は彼女一人でした。後ろを振り返ることなく、氏はラテンア
メリカで最も成功を収めた女性の一人となりました。そして、企業での25
年間の経験や才能を生かすべく、2004年9月にWFPに転身しました。
工学士の資格を携えて、氏は研修生として米国企業のIBMでキャリアをス
タートし、14年在籍し、当時アルゼンチンにおいて最大部門であった公的
部門の部長に就任しました。その後、IBMの本部がある米国に拠点を移し、
本部とメキシコ、そしてラテンアメリカのアンデス地域を統括する部門を
管轄していました。
氏は1993年1月にIBMを退社し、最近民営化されたばかりの通信会社の
Telecom Argentinaに参加しました。その後10年間、当時国内第2位の通信
企業の中で、昇進していきました。
1995年から2001年にかけて、氏はCOO(最高業務執行責任者)とED(経営
責任者)を兼任し、アルゼンチン当局との交渉を重ねました。また、企業
利益の10パーセントが社員に保証されるようになる際にも重要な役割を果
たしました。
2001年3月、通信市場自由化の流れの中でアルゼンチンにおける通信市場
のトップを担うため、CEO(経営最高責任者)に任命され、年間32億米ド
ルの売り上げと1万5,000人の従業員の責任者となりました。
2002年にTelecom Argentinaを退任し、共同出資した会社Vectis
Managementで大企業の変革をサポートしています。
氏は、国際女性フォーラム(IWF)アルゼンチン支部の創設メンバー。IWF は、
著名な女性陣が、その指導力を高め、世界規模のネットワークと機会を拡大し、
存分に影響力を高めるための機関です。
さらに、ブエノスアイレスのサン・アンドレス商科大学の諮問委員も務めてい
ます。アルゼンチンの非特権階級層の子どものデジタル・ギャップを取り除く
NGO「Equidad」でも諮問委員として尽力しています。
氏は3人家族。
Updated: July 2005