『法学部・法学研究科ファクトブックⅡ』 (沿革・構成編)

『法学部・法学研究科ファクトブックⅡ』
(沿革・構成編)
1.沿革・設置目的
・・・P1
9.ミッション(教育研究上の目的・設置の趣旨目的)・・・P12
2.研究科長・学部長
・・・P9
10.ディプロマ・ポリシー
3.副研究科長
・・・P9
11.アドミッション・ポリシー・・・P14
4.構成
・・・P9
12.カリキュラム・ポリシー
・・・P16
5.取得可能な学位
・・・P11
13.教育上の取り組み
・・・P17
6.専任教員数
・・・P11
14.学生に関すること
・・・P17
7.予算規模
・・・P11
15.就職
・・・P17
8.校地・校舎等の状況
・・・P11
16.教育研究の活動状況等
・・・P18
・・・P12
神戸大学法学部・大学院法学研究科
1.沿
革 ・設置目的
◆明治 35(1902)年
神戸高等商業学校設立
《設置目的》
明治維新以降の国内産業及び貿易の拡大は、国際的視野と高度な商業知識を身につけた人材
養成を必要とした。このような時代の要請のもと、明治 11 年に設立された兵庫県立商業講習
所(明治 18 年に文部省所管となり、翌年に神戸商業学校と改称)を基礎として、東京高等商
業学校(現在の一橋大学)に次ぐ官立第二高等商業学校として、明治 35 年、帝国議会の決議
により、神戸市葺合町筒井村(現神戸市中央区野崎通)に官立神戸高等商業学校が設立された。
その教育の特徴は、「真摯・自由・協同」の精神に基づいて、学理とともに実学を修得するこ
とにあった。それは、水島銕也初代校長が明治 36 年の始業式で示した就学上の教訓談で示さ
れている。「本校の目的は、主として自ら大規模の商業又は外国貿易を経営すべき人材を養成
するに在り、(略)卒業の後自ら商務を処理し、事業を経営するに当たり、最も適切に必要を
感ずべき知能を授くる方針を以て各学科を教授すべし(略)。」このような学理だけでなく実
学を重視した優れた教育により、出光佐三、越後正一、市川忍などの優れた人材を輩出した。
◆昭和4(1929)年
神戸商業大学へ昇格
《設置目的》
明治末期になり高等商業学校の大学昇格運動が盛んとなり、大正9年に東京高等商業学校は
東京商科大学となった。
神戸高等商業学校も、教員の充実、カリキュラム、奨学金など教育の改善に努めるだけでな
く、
兼松商店の寄付による研究所の設置、鈴木商店の寄付による講堂の建設など設備を拡充し、
大学昇格運動を続けた。この結果、大正 12 年3月、帝国議会において大学昇格が承認された。
しかし、関東大震災の復興費用捻出のため、神戸商業大学の設立は昭和4年を待たねばならな
かった。その後、昭和9年に現キャンパス(神戸市灘区六甲台町)に学舎移転した。さらに、
戦時中の昭和 19 年、神戸商業大学は神戸経済大学と改称され、終戦を迎えた。
◆昭和 24(1949)年
神戸大学法学部発足
《設置目的》
昭和 24 年5月公布の国立大学設置法の公布により、神戸経済大学、神戸経済大学予科、神
戸経済大学附属経営学專門部、姫路高等学校、神戸工業專門学校、兵庫師範学校、兵庫青年師
範学校を包摂して神戸大学が設置され、神戸経済大学は、法学部、経済学部、経営学部の3学
部となった。神戸大学学生定員 1430 名のうち法学部学生定員 80 名であった。
なお、設立年次だけをみると神戸大学法学部は、歴史の浅い新設学部と思われがちであるが、
しかし、実際には法学部の創設自体、国立大学の中では東京大学、京都大学に次いで古い。し
かもその前身の神戸高等商業学校(明治 35(1902)年創設)→神戸商業大学(昭和4(1929)
年昇格)→神戸経済大学(昭和 19(1944)年改称)の時代から、法学関係の教官が在職し、法
律学の講義も行われていた。したがって本学における法学の研究・教育の歴史は、全国的に見
てもかなり長い伝統を有している。
1
神戸大学法学部・大学院法学研究科
◆昭和 28(1953)年
大学院法学研究科を併設
《設置目的》
昭和 21 年 12 月の教育刷新委員会(内閣総理大臣の所轄機関)総会において、大学には研究
科あるいは研究所を設け大学卒業後学問研究を行う者を収容することが原則として決議され
た。神戸大学法学部は、旧制神戸経済大学の時から講座を単位としていたことから、昭和 28
年、国立大学設置法の改正により、旧帝国大学などと並んで、神戸大学大学院が設置され、法
学研究科として博士課程及び修士課程が置かれた。その構成は、私法専攻と経済法専攻の2専
攻と定められ、学生定員は、各専攻修士課程がそれぞれ 10 名、博士課程は両専攻合わせて 10
名と決定された。なお、大学院要覧に以下のような記述がある。
神戸大学大学院は、今春 4 月より発足する。後記の通り経済学、経営学、法学研究科が、五十
年の歴史を有する神戸経済大学を背景とする夫々の学部を基盤として設置せられ、最高の学府
としてその一歩を踏み出すことになった。いうまでもなく大学院は、学術の最高の理論と応用
を研究教授する事を目的とし、科学の深奥を究めて以て文化の進展に寄与する事を至上の使命
とするものである。阪神大都市の中間、風光秀でた六甲台に壮麗な学舎を擁する神戸大学大学
院は、有為な学徒の研鑽に理想的な環境である。
(「神戸大学大学院要覧」1953 年、1頁)
◆昭和 29(1954)年
法学部における講座名称が以下のとおり定められた。
憲法1講座、民法3講座、商法2講座、刑事法1講座、国際法1講座、海法1講座、
民事訴訟法1講座、経済法・労働法1講座、国際私法1講座、法理学1講座、
法史1講座、英米法1講座、行政法1講座、政治学1講座 計 17 講座
◆昭和 30(1955)年
法学部に第二課程設置
《設置目的》
法学部第二課程(夜間部)の新設問題は、1952(昭和 27)年の秋から教授会で論議されてい
る。すでにその前年から、経済学部、経営学部では第二課程が発足しており、そこでは法学・
政治学関係の講義も行われていた。当時兵庫県と神戸市から、法学部にも夜間部を開設するよ
うに要請があり、1953(昭和 28)年6月以降、この問題が真剣に検討され始めた。
当時の設置認可申請書によると、「大学教育を受ける能力、資格を有しながら、昼間業務に
従事するためそれをうけ得ない幾多の好学の士に対して、大学の門戸を開放することは教育の
機会均等の見地から、切実に要請される」と考えられ、「神戸経済大学(旧制)は、ここに鑑
みて、つとに第二学部を開設し、我国最初にして且つ唯一の国立夜間大学を実施し、また学制
改革に当っては第一着手としてまず経済学部と経営学部に第二課程を設置し、連年多数の志願
者中から優秀な学生を厳選採用して着々とその業績を挙げてきた。法学部としては、つねにそ
の法学部門を担当して、一応の責を果してきたのであるが多数の要望に応えて来る昭和三〇年
四月より独立」するという経緯があった(出典:『神戸大学法学部第二課程設置認可申請書』
1955 年)。学生定員 80 名であり、設立当初は昼間部の学生定員も 80 名であったから、昼間
と夜間の学生数は同一であり、それだけ第二課程が大きな比重を占めていた。
2
神戸大学法学部・大学院法学研究科
◆昭和 33(1958)年
法学部第二課程学生定員 60 名に改訂
◆昭和 34(1959)年
法学部に「労働法講座」増設、「経済法・労働法講座」を「経済法講座」と改称
◆昭和 35(1960)年
大学院法学研究科に公法専攻(修士課程・博士課程)増設、経済法専攻廃止
《設置目的》
設立時にあって、法学研究科の専攻が私法専攻と経済法専攻の2専攻であったことは、神
戸大学の特徴をよく示しているものであったが、通常であれば「私法」に対応するのは「公法」
であり、変則的であった。経済学との関係が深い神戸大学の場合は、「私法」と「経済法」と
いう類似した領域の2専攻になっているとの変則性を解消すべく、昭和 35 年3月 31 日に経済
法専攻は廃止され、代わって公法専攻が設置されることになった。
◆昭和 37(1962)年
◆昭和 39(1964)年
神戸経済大学廃止
国立大学の学科・課程及び講座・学科目に関する省令公布
法学部に置かれる講座の名称が次のとおり定められた。
第一課程・第二課程 法理学、法史、憲法、行政法、刑法、刑事訴訟法、民法第一、民法第
二、民法第三、商法第一、商法第二、海法、国際私法、民事訴訟法、経済法、労働法、国際
法、英米法、政治学
◆昭和 41(1966)年
法学部第学生定員 160 名に改訂
大学院法学研究科学生定員を私法専攻(修士課程 22 名、博士課程 11 名)、
公法専攻(修士課程 14 名、博士課程7名)に改訂
《設置目的》
大学院教育の本格化により、大学院の学生定員は増員されていった。昭和 41 年5月2日、
法学研究科の学生定員が改められ、私法専攻については、修士課程が 22 名、博士課程が 11
名、公法専攻については、修士課程が 14 名、博士課程が7名となった。
◆昭和 41(1966)年
法学部に法律学科設置
◆昭和 42(1967)年
法学部に「西洋法史講座」、「政治史講座」増設
大学院法学研究科公法専攻修士課程学生定員 16 名に改訂
法学部に「比較法講座」増設
◆昭和 44(1969)年
法学部に「国際関係論講座」増設
大学院法学研究科公法専攻博士課程学生定員8名に改訂
◆昭和 45(1970)年
大学院法学研究科公法専攻修士課程学生定員 24 名に改訂
◆昭和 47(1972)年
大学院法学研究科公法専攻博士課程学生定員 12 名に改訂
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神戸大学法学部・大学院法学研究科
◆昭和 48(1973)年
法学部学生定員 175 名に改訂
法学部に「経済行政法講座」増設
◆昭和 50(1975)年
法学部に「法社会学講座」増設
大学院法学研究科(修士課程・博士課程)の課程を、博士課程前期課程(2年)
及び博士課程後期課程(3年)とした。
◆昭和 52(1977)年
大学院法学研究科公法専攻博士課程前期課程学生定員 26 名に改訂
◆昭和 54(1979)年
大学院法学研究科公法専攻博士課程前期課程学生定員 28 名に改訂
◆昭和 55(1980)年
法学部に置かれる講座が「基礎法」、「法社会学」、「公法」、「刑事法」、「民事法」、
「商事法」、「社会法」、「国際法」、「国際関係論」、「政治学」の大講座(10 講座)
に改組
法学部学生定員 200 名に改訂
法学部第二課程編入学学生定員 20 名設定
《設置目的》
法学部では、すでに昭和 52 年4月以後、大講座制への移行および学生定員の拡充のための
改革構想が検討されていた。そして昭和 55 年3月 31 日、大講座制への移行が正式決定され、
以後昭和 58 年までの4年間で、法学部は旧講座制(小講座制)から大講座制に移行した。国
立大学の法学部では、すでに北海道大学法学部に大講座制の例があり、また法学部以外でも筑
波大学、広島大学などに例があった。神戸大学法学部の場合、改正までは 25 の小講座からな
り、教官定員は教授が 25、助教授 25、助手 16 の構成であったが、これを 10 の大講座に再編
し、教授 46、助教授 22、助手9の構成に改編した。なお、大講座制への移行にともなって、
学生定員も増員された。
◆昭和 62(1987)年
法学部学生定員 230 名に改訂
《設置目的》
戦後のいわゆるベビーブームで生まれた「団塊の世代」の子どもの世代が大学に入学する
時代となったために、一時的に定員を 200 から 230 に増やした。
◆昭和 63(1988)年
法学部に「政治過程論講座」増設
◆平成4(1992)年 大学院法学研究科に法政策専攻(公共政策コース及び企業取引コース)増設
《設置目的》
大学院改革の第一歩として、まず平成4年 10 月、大学院法学研究科に、従来からの私法専
攻、公法専攻に加えて、第3の専攻として法政策専攻(修士課程)が設置された。それは研究
者養成を目的とした従来の大学院とは異なり、高度の専門知識を有する社会人の養成をめざし
たものであった。法学研究科の文書「法政策専攻(独立専攻)の設置について」は、法政策専
4
神戸大学法学部・大学院法学研究科
攻の設置目的を、以下のように説明している。
近年、法律家が対象としている「社会」は、「高度化」、「多様化」等の言葉で表されるよ
うな急激な変化を遂げており、その結果、様々の新しい問題が、これまでは認識されること
がなかったような分野、領域において発生し、広義の法律家はこれらの問題に、迅速かつ的
確に対応することを求められている。(中略)社会のこのような変容は、法律家に期待され
る役割を加重し、そのことから、法律家に必要とされる能力や素養もまた加重されることと
なる。このように一般社会が期待する法律家像が変わりつつあることにより、法律家を養成
する法学部、法学研究科の研究教育体制に対しても、このような研究教育の内容面での国際
化、学際化や、それらの知識を実務に結びつけるような教育方法に向けての強い要請がある
といわなければならない。このような見地から、様々の社会問題に対応する方策――政策―
―の立案、決定、実施、評価に関連する法学政治学の専門的、応用的な知識とそれを現実に
実施する手法を習得させ、これらの学問領域の総合的、学際的な研究教育の実施を目指すこ
とが、ここに神戸大学法学研究科が新たに設置しようとする「法政策専攻(独立専攻)」の
基本理念である。
(『法政策専攻(独立専攻)の設置について』1 頁)
◆平成5(1993)年 大学院法学研究科私法専攻博士課程前期課程学生定員 14 名、公法専攻博士課程前期
課程学生定員 16 名に改訂、法政策専攻修士課程学生定員 28 名
◆平成6(1994)年 法学部第一課程、第二課程を昼間主コース、夜間主コースに改組
昼間主コース学生定員 250 名、夜間主コース学生定員 40 名
《設置目的》
昼間部(4年制)と第二課程(5年制)は、「昼間主コース」と「夜間主コース」(いず
れも4年制)からなる昼夜開講制の法学部に再編・統合された。これによって、夜間主コース
の学生は、一定の条件付きで、昼間に開講されている授業も履修することができるようになっ
た。また夜間主コースの学生も、4年間で卒業することが可能となったが、それを促進するた
めの1つの方法として、演習については研究論文の提出を求め、それに対して8単位を認める
こととした。学生定員も改定され、第二課程の1学年の学生定員 60 名は、夜間主コースの 40
名へと減少したが、他方で昼間主コースの学生定員は、20 名増の 250 名となった。昼夜開講
制への移行は、次のような理由によるものであった。社会経済状況の変化により、第二課程に
職業を持たない学生が増えてきており、他方で職業を持っている場合でも、週休2日制の普及、
フレックス・タイム制や在宅勤務制の増加などによって勤務形態が多様化し、有職者・社会人
であっても、昼間の講義を受講できる状況が生まれつつあった。第二課程の改編は、従来、と
もすればないではなかった第二課程学生の不公平感を解消することにもなると期待された。
◆平成7(1995)年 法学部昼間主コース学生定員 240 名に改訂、「私法総合講座」増設
大学院法学研究科私法・公法専攻(博士課程前期課程)に研究者コース・総合研究
コースの履修コースを設置
大学院法学研究科法政策専攻(博士課程後期課程)設置
私法専攻博士課程前期課程学生定員 21 名、後期課程学生定員 9 名
5
神戸大学法学部・大学院法学研究科
公法専攻博士課程前期課程学生定員 15 名、後期課程学生定員 7 名
法政策専攻博士課程前期課程学生定員 28 名、後期課程学生定員 14 名
《設置目的》
学部定員については、戦後のいわゆるベビーブームで生まれた「団塊の世代」の子どもの
世代に対する一時的な増員措置の緩和が図られた結果である。
大学院についてはさらなる拡充が行われた。法政策専攻に博士課程が設けられると同時に、
既存の大学院私法専攻・公法専攻の博士課程前期課程に、総合研究コースが新設された。法
政策専攻については、修士課程が、5年間の博士課程(2年の前期課程と3年の後期課程)
に改組された。学生定員は、前期課程が従来の修士課程と同じ 28 名、後期課程が 14 名であ
る。この改組の理由は、次のように説明されている。
法律問題、政策問題の国際化、学際化のテンポは早く、そのため、学際的な問題解決のために
は、問題を原理的に解明することへの必要性は強まっている。また、政策決定をめぐって多く
の法分野が絡まり、必然的に分野横断的な思考を必要とする現実の社会状況に対応するため、
分野横断的に法的意思決定と法制度設計の理論と手法を探求するための組織的有機的取り組
みが、現在の重要課題である。このような事情に鑑みると、実際的総合的な教育研究プログラ
ムとより高度でかつ理論的な研究活動とが一体となった教育研究体制の整備が不可欠であり、
本専攻を新たに博士課程として設置する必要がある。
(「神戸大学大学院法学研究科法政策専攻(独立専攻)博士課程(後期課程)の設置計画」平成7年)
◆平成 10(1998)年
法学部昼間主コース学生定員 230 名に改訂
平成7年に続き、学部定員について一時的な増員措置の緩和が図られた。
◆平成 11(1999)年
法学部昼間主コース学生定員 220 名に改訂
「公法総合講座」増設
大学院法学研究科公法専攻博士課程前期課程学生定員 22 名、後期課程学生定員9名
に改訂
平成 10 年に続き、定員の一時的な増員措置の緩和が進められた。
◆平成 12(2000)年
大学院重点化により、大学院の専攻・講座及び学部の学科目が整備された。
大学院法学研究科
経済関係法専攻:民事法、商事法、社会法、経営法政策、金融法政策、
国際経済法政策、私法総合の各講座
公共関係法専攻:基礎法、公法、刑事法、国際法、自治体法政策、比較法政策、
公法総合の各講座
政治社会科学専攻:法社会学、政治学、国際関係論、政治過程論、政策過程分析、
総合政策学の各講座
各専攻の博士課程前期課程には、研究者コース、社会人コース、専修コース、
後期課程には、研究者コース、高度専門職業人コースの履修コースが設置された。
法学部
法律学科:基礎法学、公法学、私法学、政治学・国際関係論の各学科目
6
神戸大学法学部・大学院法学研究科
大学院法学研究科学生定員
経済関係法専攻:前期課程 33 名、後期課程 15 名
公共関係法専攻:前期課程 31 名、後期課程 14 名
政治社会科学専攻:前期課程 22 名、後期課程 11 名
《設置目的》
従来の組織形態は、法学部が母体で、法学研究科はその上に乗っていたものであったが、今回
の改革で大学院が母体となる形に変更された。それまで教官は法学部に所属し、いわば法学研究
科に「出向」していたのに対して、以後は教官は法学研究科に所属し、法学部に「出向」する形
となった。大学院重点化は、すでに平成3年に東京大学法学部が実現し、以後旧帝国大学を前身
とする大学を中心にほかの大学にも広がっていたが、神戸大学法学部も平成 11 年の経営学部に
続いて経済学部とともに、それを実現した。平成 11 年6月の「神戸大学大学院法学研究科の大
学院重点化――説明資料――」は、重点化の背景に、①法学・政治学分野の教育・研究上の国際
競争力の増強、②現代日本における新たな法学・政治学的諸問題の研究の必要性、③大学院にお
ける高度な法学・政治学教育への社会的ニーズの存在を挙げている。
◆平成 15(2003)年
法科大学院設置認可
◆平成 16(2004)年
国立大学法人神戸大学発足
法科大学院の設置に伴い、大学院の専攻・講座・入学定員の改組及び学部の入学定員の改訂並
びに夜間主コース募集停止により、次のとおり整備された。
大学院法学研究科
◎博士課程
・理論法学専攻:理論公共法、理論取引法、基礎法理論の各講座
・政治学専攻:政治理論、国際政策分析、現代政治分析の各講座
各専攻の博士課程前期課程には、研究者、社会人、専修の各コース、理論法学専攻
に法曹リカレントコース、後期課程には、研究者、高度専門職業人の各履修コース
が設置された。
博士課程学生定員
理論法学専攻:前期課程 28 名、後期課程 14 名
政治学専攻:前期課程 12 名、後期課程6名
◎専門職学位課程(法科大学院)
・実務法律専攻:実務公共法、実務取引法、先端領域法の各講座
受験コースとして、法学未修者(3年)、法学既修者(2年)を設ける
専門職学位課程学生定員
実務法律専攻:専門職学位課程 100 名
法学部
法学部夜間主コース学生募集を停止した。
法学部夜間主コース第3年次学生募集を停止した。
昼間主コース及び夜間主コースの区分を削除し、法学部の入学定員を次のとおり
改訂した。
7
神戸大学法学部・大学院法学研究科
法律学科:入学定員 180 名
第3年次編入学定員 20 名
《設置目的》
平成 16 年の法科大学院制度の開始に伴って、本研究科においても、専門職学位課程として
の実務法律専攻が開設されることになった。
法科大学院制度は、我が国の高等教育におけるまったく新たな教育課程として導入されたも
のであるが、その制度の立ち上げに当たっては、法科大学院のカリキュラム、選抜制度等につ
いて本研究科は全国をリードする内容を先行して公表した。この結果、本研究科の取り組みは
同制度の立ち上げにあって全国を牽引する機能を担ったとされる(いわゆる「神戸モデル」)。
本研究科における法科大学院は、従来の学部・大学院教育とも内容的・人的に有機的な連携
を実現することを目的として、法学研究科の1専攻として設置されるとともに、法科大学院に
求められる独立性を確保するために、専攻長(法科大学院長)の職を設けるとともに、従来の
研究科教授会の権限を大幅に、実務法律専攻の専攻会議に委譲している。
このような法科大学院の設置は、単に新たな教育課程の設置というだけではなく、既存の教
育課程の役割の見直しを伴うものである。そのような観点から、博士課程全体の再編を行い、
実定法に関する前期課程は原則として留学生、社会人を対象とするものに限定する等の内容的
な見直しを行った。また、法科大学院が社会人を対象とする再教育の役割をも担うことをふま
え、夜間主コースについては廃止し、学部定員等の見直しを行った。
◆平成 22(2010)年
大学院法学研究科実務法律専攻専門職学位課程(法科大学院)学生定員 80 名に改訂
《設置目的》
法科大学院制度の導入後、新司法試験の合格率が、当初予定していた割合を大幅に下回るこ
とが社会的な問題となり、そうした中で、全国的な規模での法科大学院の定員見直しが問題と
なり、各法科大学院に対して定員の見直しが求められるに至った。本法科大学院は、開設後、
十分な実績を挙げており、累積合格率は、制度開設当初に想定されていた合格率を十分にカバ
ーするものであったが、こうした要請に協力することとし、定員を 20 名削減し、80 名とした
ものである。
なお、従来の実績ならびに幅広い分野からの法曹人材育成という法科大学院制度の趣旨に沿
うことを目的として、相対的に、未修者コースの割合が従前より大きくなる形での定員設定と
したものである。
◆平成 27(2015)年
大学院法学研究科博士課程前期課程の理論法学専攻に Global Master Program (GMAP) in
Law コースが設置された。
8
神戸大学法学部・大学院法学研究科
2.研究科長・学部長
◆中 川
(H27.10.1)現在
丈 久(専門:行政法)
任期:1期目(H27.10.1 ~ H29.9.30)
3.副研究科長
◆大 西
(H27.10.1)現在
裕(専門:比較政治)
任期:1期目(H27.10.1 ~ H29.9.30)
4.構
成
(H27.5.1)現在
◆法学部
学科名
法律学科
合計
備考
入学定員
180
(3年次編入20)
180
(3年次編入20)
◆大学院法学研究科
入学定員
専攻名
備考
(M)
(D)
理論法学専攻
28
14
政治学専攻
12
6
実務法律専攻
合計
(専門職学位課程80)
40
20
(専門職学位課程80)
◆部局内センター・部局内フェロー制度
○
パブリック・コミュニケーション・センター 平成 23(2011)年 6月1日設置
・目的
社会の多様化、分断化が進展し、あらゆる社会的、経済的活動が自分の所属する集団の外との
関係なくしては完結しなくなってきている。そういったグローバル化の進展を受けて、他国との
関係においても、普遍的な論理で自分の意思を伝えることの必要性は拡大する一方にもかかわら
ず、その能力不足が言われている現状がある。本研究科では、その能力を高めるといった現代的
な要請に応えるため、法学・政治学の立場から取り組み、普遍的な論理を用いながら、公共的な
9
神戸大学法学部・大学院法学研究科
問題の解決策を見いだし、その実現のために様々な利害関係者を説得し、説明を与えていく能力
を高める専門教育を提供することを目的としている。
・業務 この目標を達成するために、「ジャーナリズム・プログラム」、「国際公共人材育成プログラム」
の2つのプログラムを実施している。ジャーナリズム・プログラムは、現役の新聞記者や放送ディ
レクターを外部講師として招聘し、現在の変動する社会を捉え、分析し、伝えていく能力を実践的
に養うための講義を展開する。国際公共人材育成プログラムとは、現代日本の抱える公共問題の特
徴を捉えた上で、その解決策を探り、さらに英語と日本語の双方で自らの見解を示し、多くの人に
伝えていく能力を養おうとする。講義のすべてを英語で行うことや、実践的なライティング・スキ
ルを授ける少人数講義など幾つもの新しい試みに取り組んでいる。
○
神戸大学法科大学院リーガルフェロー 平成 22(2010)年4月設置
・目的 実務法律家を輩出する法科大学院の使命を全うするにあたり、現役の法律実務専門家と在籍学生
のネットワークを構築すること、そしてそれを通じて高い水準の教育と学修支援を推進することが
求められている。このため、法学研究科では「神戸大学法科大学院リーガルフェロー」の制度を設
けている。
・業務 平成 22(2010)年4月以降、法科大学院における教育・学修支援及び進路指導の推進に協力する
のに相応しい高い見識と経験を持つ学外の専門家に、リーガルフェローに就任いただき、継続的に
教育指導を仰いでいる。このリーガルフェローによる学修支援制度により、たとえば法科大学院の
院生は授業に参加しているリーガルフェローからコメントを得られるほか、法律文書の作成のため
の高度な技術に関して指導を受けることができている。平成 27 年現在、延べ 167 人のフェローが在
籍している。
◆関係する大型研究プロジェクトの遂行上不可欠な組織
○
資料室および判例調査室
昭和 33(1958)年 11 月 1 日設置
・目的 法学政治学の研究教育に欠かせない雑誌、書籍、そして政府刊行資料、データベースへのアク
セスを担保し、法学部・法学研究科の構成員が効率よく研究と教育の準備を行うことができる場
を提供することがその目的である。関西圏において、集中的に法学政治学の資料を所蔵する数少
ない拠点として重要な役割を担っている。
・業務 国内大学紀要・海外大学紀要・国内一般雑誌を整理所蔵し、最新の研究成果へのアクセスを担
保する。法令・判例関係については、法令集・判例集・判例解説を収集し整理し、法にかかわる
情報を一元的に調達できる環境を整える。また、弁護士会関係については、弁護士会関係出版物
を所蔵しており、特に法科大学院生による利用を促している。このほか、政治学関係の統計・年
報の蓄積、一般図書の蓄積、民法関係を中心とした故柚木馨氏の個人蔵書である柚木文庫を管理
運営している。
10
神戸大学法学部・大学院法学研究科
5.取得可能な学位
◆法学部
◆法学研究科
学士(法学)
博士課程前期課程:修士(法学又は政治学)
博士課程後期課程:博士(法学又は政治学)
専門職学位課程:法務博士(専門職)
→法学部・法学研究科ファクトブックⅢ
6.専任教員数
(データ・資料編)のとおり
7.予算規模
平成 26 年度
運営費交付金等
外部資金
総計
1,017 百万円
159 百万円
1,176 百万円
※1 各部局における予算執行額を予算規模としている(ただし、設備整備費補助金・施設整備費補助金及び
目的積立金は除く)。
※2 百万円未満を四捨五入して計上。
8.校地・校舎等の状況
(H27.5.1)現在
◆建物の延べ床面積
17,051 ㎡
第2学舎
3,427 ㎡
第4学舎
3,304 ㎡
フロンティア館
8,986 ㎡
法科大学院自習棟
1,081 ㎡
模擬法廷棟「ラ・クール」
253 ㎡
◆教室等
講義室 5室
演習室 19室
◆専任教員研究室
71室
11
神戸大学法学部・大学院法学研究科
9.ミッション(教育研究上の目的、設置の趣旨目的)
◆法学部
広く知識を授けるとともに、法学・政治学の教育研究を行い、幅広い教養及び法学・政治学の専門的知識を身
に付け、ますます高度に専門化した社会における要請に対応しうる問題解決能力を有する人材及び急激に進展し
つつある国際的環境のもと、法的・政治的な領域について国際的な貢献を行う能力を有する人材を養成すること
を目的としている。
◆法学研究科
◯理論法学専攻
法の基礎的研究とともに、前期課程においては、研究・教育に従事する国内外の次世代の法学研究者の養成、
学部段階以上の法学の知識を有し、豊かな問題解決能力を備えた人材の養成、現代社会の法律問題、政策問題
に対応しうる応用的・実際的・総合的な解決能力を有する社会人の教育、より専門性の高い分野で活躍できる
職業法曹等の養成と継続教育を提供する。後期課程においては、実務法律専攻を修了した者も含め、 次世代研
究者の研究・教育能力のさらなる深化、前期課程において行った研究を踏まえ、より高度な問題解決能力を有
する専門職業人の養成を目的としている。
◯政治学専攻
政治学の基礎的・応用的研究とともに、前期課程においては、研究・教育に従事する国内外の次世代の政治
学研究者の養成、 学部段階以上の政治学の知識を有し、豊かな問題解決能力を備えた人材の養成、現代社会の
政治問題・政策問題に対応し得る応用的・実際的・総合的な解決能力を有する社会人の教育を行う。後期課程
においては、 次世代研究者の研究・教育能力のさらなる深化、前期課程において行った研究を踏まえ、より高
度な問題解決能力を有する専門職業人の養成を目的としている。
◯実務法律専攻 (専門職学位課程)
法の応用的研究とともに、基本的な法領域に関して深い知識と豊かな応用力を有する職業法曹や基本的な法
領域に関する知識に加え、 ビジネス・ローを中心とした先端的法分野についての知識と能力を有する職業法曹
の 2 種類の法曹を中心としつつ、 先端的な研究に裏打ちされた、国際性・専門性に富んだ職業法曹を養成する
ことを目的としている。
10.ディプロマ・ポリシー
◆法学部
神戸大学法学部は、開放的で国際性に富む文化の下、体系的な教育課程を通じ幅広い教養及び法学・政治学の
専門知識を提供することによって、 (1) 高度に専門化した社会における要請に対応し得る問題解決能力を身に
つけた人材、 (2) 急激に進展しつつある国際的環境において、法的・政治的な領域における国際的な貢献を行
う能力を有する人材を養成することを目的とする。
この目的の達成に向けて、国際的水準を満たす法学・政治学の専門教育を保証し、以下の方針に従って学位を
12
神戸大学法学部・大学院法学研究科
授与する。
・法学部に所定の期間在学し、卒業に必要な単位を修得すること。
・卒業までに次の学習目標を達成すること。
市民社会にふさわしい倫理観と責任感をもって、法学・政治学の専門的知識を用い、社会的問題を解決
し得る能力及び国際貢献をなし得る能力を有する。
◆法学研究科
神戸大学大学院法学研究科理論法学専攻及び政治学専攻は、開放的で国際性に富む文化の下、体系的な教育
課程を通じ高度に専門的な法学・政治学の知識を提供することによって、法学・政治学の領域の研究者を養成す
ること、
高度化・複雑化する現代社会において専門知識を用いて問題を解決する能力を持つ職業人を養成するこ
と、急速に変化する社会において新しい問題に直面している社会人・職業法曹に対し継続教育を行うことを目
的とする。
この目的の達成に向け、倫理観・責任感を持って研究を遂行できるよう、国際的に卓越した教育を保証し、
それぞれのコースに関する以下の方針に従って、学位を授与する。
○博士課程前期課程
・法学研究科博士課程前期課程に所定の期間在学し、修了に必要な単位を修得し、研究科の定める審査に
合格すること。
・修了までに次の学習目標を達成すること。
研究者コース
国内外の大学等の研究・教育機関において理論法学および政治学の諸分野の研究・教育に従事す
る者としての基礎的な能力を有する。
社会人コース
現代社会の変化によって生じている新たな法および政治上の問題に対する応用的・実際的・総合
的な解決能力を有する。
専修コース
学部段階よりも高度な法学・政治学の知識を有し、豊かな問題解決能力を有する。
法曹リカレントコース
より専門的・先端的な法分野で活躍できる職業法曹としての能力を有する。
Global Master Program in Law コース
国内外でビジネス法実務に従事する者として、国際ビジネス法の基礎知識および実務英会話能力
を有する。
○博士課程後期課程
・法学研究科博士課程後期課程に所定の期間在学し、修了に必要な単位を修得し、研究科の定める審査に
合格すること。
・修了までに次の学習目標を達成すること。
研究者コース
法学または政治学の各専攻領域において研究をさらに深化させ、法学および政治学の諸分野の研
究・教育に従事する者として、より高度な能力を有する。
13
神戸大学法学部・大学院法学研究科
高度専門職業人コース
高度化・多様化する社会における法学・政治学上の諸問題に対応しうる、より高度な問題解決能
力を有する。
○専門職学位課程
神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻は、開放的で国際性に富む文化の下、体系的な教育課程を通じ
高度な法学の知識を提供することによって、深い学識と豊かな応用力を有する職業法曹を養成することを
目的とする。
この目的の達成に向け、高度な専門能力・知識を身につけられるよう、先端的な研究に裏打ちされた、
国際的に卓越した教育を保証し、以下の方針に従って、学位を授与する。
・法学研究科専門職学位課程に所定の期間在学し、修了に必要な単位を修得すること。
・職業法曹を目指す者として、修了までに次の学習目標を達成すること。
すべての法曹に必要な基本的な知識に加えて、法曹として求められる高い倫理感を身につけ、豊
かな応用能力を有する。
基本的な法領域に関して深い知識及び豊かな応用力を有し、あるいは基本的な法領域に関する知
識に加えてビジネス・ローを中心とした先端的法分野についての知識及び能力を有した上で、新た
な問題事象に対して、これまでの法的思考を継承しながらも、それを批判的・創造的に発展させて
問題を解決していく能力を有する。
多様な考え方や異なる文化の存在を踏まえ、社会の多元性を尊重した問題解決能力を有する。
11.アドミッション・ポリシー
◆法学部
法学部では、幅広い教養と法学・政治学的素養とを備え、高度に専門化した社会における要請に対応し得
る問題解決能力を身につけた人材、及び急激に進展しつつある国際的環境のなかで法的・政治的な領域にお
ける国際的な貢献を行う能力を有する人材の育成を目標として、次のような学生を求めている。
法学部の求める学生像
・社会科学特有の一般的教養・知識を有し、そのうえで特に、日本語文章の読解・表現、外国語の理解・
使用、および理論的・数理的な思考に関する優れた能力を有する学生
・それらの能力を活用しつつ広く法学・政治学の専門的知識を修得する意欲に富む学生
・国際的な領域での活躍を希望し、幅広い視野のもとで法学・政治学の専門的知識を積極的に活かそう
とする学生
◆法学研究科
○各コースの教育目的
法学研究科博士課程前期課程には、研究者コース・専修コース・社会人コース・法曹リカレントコー
ス・Global Master Program in Law コース、 後期課程には、研究者コース・高度専門職業人コースが
それぞれ置かれている。
本研究科が、各コースに掲げている教育目的は次のとおり。
14
神戸大学法学部・大学院法学研究科
・前期課程研究者コース: 日本内外の大学等の研究・教育機関において研究・教育に従事する、
次世代の研究者を養成することを教育目的としている。
・前期課程専修コース: 昨今の国内外社会の急速な情報化、高度化、流動化に伴い、 社会における
問題も多様化、複雑化していることを受けて、学部段階以上の法学や政治学の知識の会得、 問題
解決能力の涵養を教育目的としている。
・前期課程社会人コース: 第一の教育目的は、 現在の社会の急速な変化によって生じている法律問
題、政策問題に対応し得る応用的 ・実際的・総合的な解決能力を養成することにある。しかしな
がら、 社会の多様な問題に直面し、様々な関心を有しているのは、 実務経験者だけではない。
この点を勘案し、法学や政治学の領域における関心を有する社会人学生を対象とする、 いわゆる
リフレッシュ教育を、第二の目的としている。
・前期課程法曹リカレントコース: 職業法曹等の資格を有する者を受け入れ、 専門的・先端的な領
域における教育と研究を通じ、より専門性の高い分野で活躍できる人材の育成と継続教育を目的
としている。
・前期課程 Global Master Program in Law コース:専門教育に加えて、英語での実務的能力を育
成し、国際ビジネス法律家として社会で活躍できる人材の育成を目的としている。
・後期課程研究者コース: 前期課程又は専門職学位課程修了後に、各専攻領域において対象を更に
深化させる研究及び総合的な法学や政治学の知識、問題解決能力を学生に伝える教育を行い得る
能力の養成を行う。
・後期課程高度専門職業人コース: 前期課程又は専門職学位課程において行った研究や学習を踏ま
えて、 高度化・多様化する社会における法学や政治学上の諸問題を主体的に解決し得る能力の育
成にある。
○法学研究科が求める学生像
以上を踏まえ、本研究科が、各コースにおいて求める学生像は次のとおり。
・前期課程・後期課程研究者コース: 研究機関において、 法学・政治学に関する次世代の研究者・
教育者となるに相応しい優れた能力と知識等を有する学生
・前期課程専修コース: 法学・政治学に関して学部において習得した学問的成果を前提として、
それを更に向上させるに相応しい能力等を有する学生
・前期課程社会人コース: 一般社会における法学・政治学的な実務上の問題解決に必要な知識 ・能
力を身につけるに相応しい、又は、各自の法学・政治学上の関心に応じて、 大学院レベルのリフ
レッシュ教育を受けるに相応しい、社会経験、能力と意欲を有する学生
・前期課程法曹リカレントコース: 職業法曹等の資格を有し、 専門的・先端的な領域における知識
の習得や研究を今後の職業活動に活かす能力と意欲を有する学生
・前期課程 Global Master Program in Law コース:国際ビジネス分野で活躍することを望む学生,
特に、高度な専門知識の習得に加え,英語コミュニケーション能力および海外実務の基礎的経験
の習得を希望する学生
・後期課程高度専門職業人コース: 一般社会における先端 ・国際的な実務に専門的に携わるために
高度な能力を有する職業人となるに相応しい、 社会経験、能力と意欲を有する学生
15
神戸大学法学部・大学院法学研究科
◆法科大学院
○教育目標
現在のわが国における職業法曹教育においては、量的拡大と質的向上の両面が求められている。特に、
社会の多様化、高度技術化、国際化、および、市場化が進む中で、わが国の社会は、質的に高い能力を
有する多数の職業法曹を必要としている。そのため、本学法科大学院は、以下に述べるような2つの教
育上の理念・目的を掲げる。
第1の目的は、すべての法曹に必要な基本的な知識と豊かな応用能力を有する職業法曹を養成する。
法曹が専門職業人である以上、そこに共通に必要とされる膨大な知識があることは当然だが、本学法科
大学院においては、そのような知識を十分に有していることを前提として、さらに有する知識を多様な
現実社会において妥当させる豊かな応用力のある職業法曹の養成を目的とする。
第2の目的は、上記のような基本的な法領域に関する知識に加えて、 ビジネス・ローと呼ばれる広義
の企業取引に関わる先端的分野について、特に深い知識と応用能力を有する職業法曹を養成する。 社会
の高度技術化、市場化が進む中で、各種の経済取引は複雑化し、それをめぐる法的紛争も必然的に非常
に複雑かつ高度なものとなっている。
本学法科大学院は、
多岐にわたる法分野で充実した教育を提供し、
このような法的紛争に対応しうる人材の育成を行うことを目的とする。
以上の目的を達成するため、優れた資質と強い勉学意欲を有する学生を受け入れて、所属教員の高い
教育・研究能力を活用し、現在必要とされている高度な能力を身につけた職業法曹を社会に送り出すこ
とが、本学法科大学院の使命である。
○法科大学院が求める学生像
・自然科学、人文科学、または、実定法学以外の分野の社会科学について十分な知識と能力を有し、高
度な能力を持つ職業法曹となるための基礎的学力(読解力、理解力、分析力、表現力)と強い学習意
欲とを備え、かつ、国際化が進展する今後の法的環境に対応しうる能力を有する学生。
・高度な能力を持つ職業法曹となるために必要な実定法学についての基礎的な知識と能力を有し、基礎
法学、政治学等を含めた社会科学分野、または自然科学、人文科学に関する豊富な知識と能力、およ
び、強い学習意欲を備え、かつ、国際化が進展する今後の法的環境に対応しうる能力を有する学生。
・豊かな社会経験とそれを実務法律専攻における学習に結びつける能力を有し、高度な能力を持つ職業
法曹となるための基礎的学力(読解力、理解力、分析力、表現力)と強い学習意欲とを備え、かつ、
国際化が進展する今後の法的環境に対応しうる能力を有する学生。
→法学研究科ファクトブックⅢ
12.カリキュラム・ポリシー
(データ・資料編)のとおり
16
神戸大学法学部・大学院法学研究科
13.教育上の取組
◆多様な学習の機会(英語授業,ボランティア活動,海外留学等)
◆ボランティア活動,海外留学の教育的効果を高めるための、
単位認定以外の特別な取組(例えば TOEIC 受験など)
◆ダブルディグリープログラム受入れ・派遣学生数
→法学部・法学研究科ファクトブックⅢ
(データ・資料編)のとおり
◆協定に基づく海外留学者数
◆4月以外の入学者状況
◆ナンバリング導入状況
14.学生に関すること
◆入学者数等 (入学状況等調査のデータを引用)
→法学部・法学研究科ファクトブックⅢ
◆留学生の出身地域内訳
(データ・資料編)のとおり
◆日本人学生の海外派遣人数内訳
15.就
職
◆就職率 (各年5月1日現在、5年分、就職率=就職者/就職希望者 )
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
学部(夜間主は除く)
93.5%
96.4%
80.3%
95.5%
96.1%
96.5%
博士前期課程
91.7%
95.5%
81.3%
88.5%
81.8%
81.0%
博士後期課程
-
-
42.9%
40.0%
100.0%
100.0%
◆就職先
→法学部・法学研究科ファクトブックⅢ
◆博士課程後期課程の就職先
(データ・資料編)のとおり
◆日本国内における外国人留学生の就職先
17
神戸大学法学部・大学院法学研究科
16.教育研究上の活動状況等
16-1 科研費等
◆科学研究費補助金(補助金分・基金分)
◆共同研究,受託研究,その他外部資金
→法学部・法学研究科ファクトブックⅢ
(データ・資料編)のとおり
16-2 研究業績の状況
◆主な業績数
16-3 その他の教育研究上の活動状況等(平成 27(2015)年 5 月 1 日現在)
◆海外において通算して1年以上教育研究に従事した日本人教員の在籍状況 (平成 18(2006)年度以降)
36人
◆国外で学位を取得した日本人教員の在籍状況 (平成 27(2015)年 5 月 1 日現在)
Master/修士 8人
PhD./博士 0人
◆ベンチャーの実績
とくになし
18