SEC高信頼化技術セミナー モデルベースシステムズエンジニアリング入門 ~システムを考えるハンズオンワークショップ~ 2014年8月25日(月) Model Based Systems Engineering Workshop 慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 1 本日の演習のスコープ • システムズエンジニアリングを構成する4つの 活動のうち、「システム設計」を演習。 1. システム設計 • 要件から要求分析、アーキテクチャ設計を実施し、下 位への要求を導出する活動 2. システムズエンジニアリング管理 • QCDを満たすために、各種活動の計画・実施・評価を 行う活動 3. 評価・解析 • エンジニアリング活動における解析および検証 (verification)・妥当性確認(validation)等の活動 4. インテグレーション • 検証の終わったサブシステムを統合する活動 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 2 本日の演習のスコープ • システム設計の活動のうち、「要求分析」 「アーキテクチャ設計」の一部を演習。 IEEE1220 (p12) Figure 4 Systems engineering process (SEP) 午前講義p17 引用:IEEE1220 Systems engineering – © 2014 Keio All Rights Reserved. Application andSDM, management of the 【二次利用の際はご一報下さい】 systems engineering process Keio SDM MBSE Workishop 3 Model Based Systems Engineering演習 のステップ 1. 2. 3. 4. システムをコンテクストレベルで分析 システムの持つ機能の抽出 システムの物理要素を検討する モデルでシステムをコミュニケーションする © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 4 アイスブレイク • 自己紹介をして、ユニークなチーム名を決め る。 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 5 Model Based Systems Engineering演習 • 2023年に2,023mのSDM Dubai Towerが完成 予定。最上階には7つ星ホテルのスイート ルームが開業予定。 • 既存の概念に囚われない「自動昇降システ ム」をモデルを使ったシステムズエンジニアリ ングアプローチで設計する。 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 6 自動昇降システムの要求 Req 0: 7つ星ホテルスイートの 宿泊客が快適に昇降する。 OMG SysML v1.3 Spec. p142 Req 2: 一度に複数 名が昇降する。 Req 1: 7つ星ホテルにふ さわしい忘れられない体 験を提供する。 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Req 4: 国籍、年齢、ハン ディキャップ有無、などを問 わず操作出来る。 Req 3: 国籍、年齢、ハン ディキャップ有無、などを問 わず昇降が快適である。 Keio SDM MBSE Workishop 7 自動昇降システムのライフサイクル定義 今日はココに注目! © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 8 1. システムをコンテクストレベルで分析 • シーケンス図の作成による、システムのユー スケースの定義 – ユーザーと自動昇降システム(ユーザーインタ フェース、運搬部などを含む)の相互作用を明確 化(設計)する。 – 自己作用も明確化する。 ユーザー システム 相互作用 自己作用 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 9 1. システムをコンテクストレベルで分析 OMG SysML v1.3 Spec. p117 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 NoMagic社 MagicDrawを使ったSysML記述 Keio SDM MBSE Workishop 10 演習1 システムをコンテクストレベルで分析 • シーケンス図の作成による、システムのユー スケースの定義 – ユーザーと自動昇降システム(ユーザーインタ フェース、運搬部などを含む)の相互作用を明確 化(設計)する。 – 自己作用も明確化する。 ユーザー システム x階から上または下に行きたい 相互作用 x階に向かっている © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop x階に向かえ 自己作用 11 2. システムの持つ機能の抽出 • シーケンス図からシステムが持つ機能を抽出する • 抽出した機能をアクティビティ図として記述する – 抽出した機能に、必要な機能を追加しながらアクティビ ティ図を記述する – 機能を追加する事でシーケンス図に変化が起きるので あれば修正・追記する 機能を抽出 アクティビティ図 機能1 ユーザー システム 機能2 機能1 機能3 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 機能2 機能A 機能3 12 2. システムの持つ機能の抽出 • シーケンス図からシステムが持つ機能を抽出 する −メッセージ(矢印)の始点 終点から機能を抽出。 ユーザーに呼び 出される機能 ユーザーに呼び 出し中である事 を伝える機能 目的階に移動 する機能 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 ユーザーに移 動中である事を 伝える機能 Keio SDM MBSE Workishop 13 演習2-1 システムの持つ機能の抽出 • シーケンス図からシステムが持つ機能を抽出 する −メッセージ(矢印)の始点終点から機能を抽出。 【例】 ↓シーケンス図 ユーザーに呼び 出される機能 ←ポストイット ユーザーに呼び 出し中である事 を伝える機能 目的階に移動 する機能 ユーザーに移 動中である事を 伝える機能 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 14 2. システムの持つ機能の抽出 • 抽出した機能をアクティビティ図として記述す る OMG SysML v1.3 Spec. p97,p98 オブジェクトノード オブジェク トノード 機能1 機能2 オブジェクトフロー コントロールフロー © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 機能A Keio SDM MBSE Workishop 機能3 15 演習2-2 システムの持つ機能の抽出 • 抽出した機能をアクティビティ図として記述する。 【例】 OMG SysML v1.3 Spec. p97,p98 ユーザー ユーザー の移動目 の状態の 的の情報 情報 ユーザーに呼び 出される機能 ユーザー の状態の 情報 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 ユーザーに呼び 出し中である事 を伝える機能 システムの 状態情報 目的階に移動 する機能 Keio SDM MBSE Workishop ユーザーに移動 中である事を伝 える機能 16 3. システムの物理要素を検討する • アクティビティ図として表されたシステムの機 能を議論しながら、物理要素を検討する – スイムレーンの形で物理要素に機能を割り当て る – 物理要素は抽象度高め※ 【注意】物理要素の抽象度レベルのばらつき 【注意】1つの機能が複数の物理要素に割り当てられてはならな い 物理1 機能1 物理2 機能2 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 物理3 機能A 機能3 Keio SDM MBSE Workishop OMG SysML v1.3 Spec. p207 17 3. システムの物理要素を検討する • アクティビティ図として表されたシステムの機能を 議論しながら、物理要素を検討する – スイムレーンの形で物理要素に機能を割り当てる – 物理要素は抽象度高め※ スイムレーン 物理1 物理2 物理3 オブジェク トノード イニシャル・ ノード 機能1 機能2 オブジェクトフロー アクティビティ・ ファイナル 機能A © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 機能3 Keio SDM MBSE Workishop 18 注意点:物理要素の抽象度 高 【例】 心地よく自重を支える手段 心地よく自重を支えるモノ 心地よく自重をお尻で支えるモノ 座り心地の良い椅子 木製の椅子 北欧デザインの木製の椅子 低 IKEAのKAUSTBYアンティークステイン © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 19 演習3 システムの物理要素を検討する • アクティビティ図として表されたシステムの機能を 議論しながら、物理要素を検討する – スイムレーンの形で物理要素に機能を割り当てる – 物理要素は抽象度高め※ ユーザー・インプット サブシステム ユーザーの 移動目的の 情報 ユーザー・アウトプット サブシステム ビークル サブシステム ユーザーの 状態の情報 ユーザーに呼び 出される機能 ユーザーに呼び 出し中である事 を伝える機能 ユーザーの 状態の情報 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 ユーザーに移動 中である事を伝 Keio SDM MBSE Workishop える機能 目的階に移動 する機能 システムの 状態情報 20 3. システムの物理要素を検討する • 物理要素を構造ダイアグラムとして表す。 自動昇降システム OMG SysML v1.3 Spec. p32 ユーザー・インプッ トサブシステム © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 ユーザー・アウトプット サブシステム Keio SDM MBSE Workishop ビークル サブシステム 21 モデルでシステムをコミュニケーションする • 2チーム間でシーケンス図、アクティビティ図 (スイムレーン付き)を交換する。 • 口頭での説明は一切なし。 • 他方のチームの設計から完成システムの運 用ステージ4コマ漫画を描く。 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 22 演習4 モデルでシステムを コミュニケーションする • 4コマ漫画を使って設計したチームに運用 ステージを解説する。 • 設計したチームは設計時のイメージと合致 または相違点についてフィードバックする。 何が伝わったか? 何が伝わらなかったか? モデルの有無の差はどうか? © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 23 SysMLの4つの柱 構造 要求 ibd req © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 act par 振る舞い パラメトリック ・数式表現 ・運動方程式 などの制約 Keio SDM MBSE Workishop 24 演習のまとめ なぜModel Based Systems Engineeringか? • 思考の可視化 – 「考える」を見える化して周囲を巻き込む – 議論を【人→←人】から、【人→モデル←人】へ • 思考の保存・再利用 – 先人、過去の自分、他人への/からの情報伝達を 効果的に • 設計の“何故”を見える化(トレーサビリティ) © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 25 引用文献 • NoMagic社Magic Draw http://www.nomagic.com/products/magicdraw.html • INCOSE Model Based Systems Engineering (MBSE) http://www.omgwiki.org/MBSE/doku.php • OMG SysML Specificaiton http://www.omgsysml.org/#Specification • Haskins,Cecilia and International Council on Systems Engineering. Systems Engineering Handbook : A Guide for Sytem Life Cycle Processes and Activities . Ver. 3.2, January 2010. ed.[Seattle, WA]: INCOSE, c2010., c2010.374 p. • Friedenthal,Sanford, Moore,Alan, and Steiner,Rick. A Practical Guide to SysML : The Systems Modeling Language Amsterdam ; Boston: Morgan Kaufmann Object Management Group/Elsevier, c2009.1 © 2014 Keio SDM, All Rights Reserved. 【二次利用の際はご一報下さい】 Keio SDM MBSE Workishop 26
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