診療報酬改定における消費税への対応 ○平成元年4月診療報酬改定(消費税導入時) 診療報酬改定 医療費ベース +0.11% 薬価改定 医療費ベース +0.65% 合 医療費ベース +0.76% 計 ○平成9年4月診療報酬改定(消費税引上げ時) 診療報酬改定 医療費ベース +0.32% 薬価改定 +0.45% 医療費ベース (特定保険医療材料分0.05%を含む) 合 計 医療費ベース +0.77% ※ただし、同年度消費税引き上げ分とは別で以下の改定を実施 診療報酬改定 医療費ベース +0.93% ・・・診療報酬の合理化を図るための改定 薬価改定 医療費ベース -1.32% よって消費税引上げ分とそれ以外の改定分の合計で、平成9年は+0.38% の改定となっている。 消費税の課税制度の比較-非課税(現行制度)- 製造業者A → 製造業者B → 医療機関C → (単位:万円) 患者一部負担 部分 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (300) 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (200) 価 格 (100) 仕入原価 (100) 消費税(5) 仕入に伴う消費税 仕入税額控除 消費税(5) 仕入原価 (200) 仕入に伴う 消費税 消費者 保険給付部分 本人負担及び 保険給付併せ て (310) 診療報酬で 対応 ○消費税の計算 ・製造業者Aの消費税納税額:100万円×5%=5万円 ・製造業者Bの消費税納税額:200万円×5%-(仕入税額控除=100万円×5%)=5万円 ・医療機関Cの消費税納税額:非課税。仕入に伴う消費税は診療報酬で対応。 ※ 社会保険診療報酬等については、消費税非課税のため確定申告を行わず、したがって 仕入に伴う消費税について、課税業者のような仕入税額控除はできない。 ※ 医療機関等からは、「診療報酬の手当てが不十分なため、医療機関が仕入に伴う消費税 を負担するいわゆる『損税』が発生している」との主張がある。 消費税の課税制度の比較-ゼロ税率- 製造業者A → 製造業者B → 医療機関C → (単位:万円) 患者一部負担 部分 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (300) 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (200) 価 格 (100) 仕入原価 (100) 消費税(5) 仕入に伴う消費税 仕入税額控除 消費税(5) 仕入原価 (200) 仕入に伴う 消費税 消費者 保険給付部分 本人負担及び 保険給付併せ て (300) 税額還付 (10) ○消費税の計算 ・製造業者Aの消費税納税額:100万円×5%=5万円 ・製造業者Bの消費税納税額:200万円×5%-(仕入税額控除=100万円×5%)=5万円 ・医療機関Cの消費税納税額:300万円×0%=0 ※ 医療機関が負担した仕入に伴う消費税額は、医療機関からの申請により税務署から還付 を受ける。 消費税の課税制度の比較-軽減税率 ex.消費税率3%- 製造業者A → 製造業者B → (単位:万円) 医療機関C → 患者一部負担 部分 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (300) 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (200) 価 格 (100) 仕入原価 (100) 消費税(5) 仕入に伴う消費税 仕入税額控除 消費税(5) 仕入原価 (200) 仕入に伴う 消費税 消費者 消費税 税額還付(1) 保険給付部分 本人負担及び 保険給付併せ て (310) ※新たな負担 (9) ※負担の仕方については様々な方法がある ○消費税の計算 ・製造業者Aの消費税納税額:100万円×5%=5万円 ・製造業者Bの消費税納税額:200万円×5%-(仕入税額控除=100万円×5%)=5万円 ・医療機関Cの消費税納税額:300万円×3%-(仕入税額控除=200万円×5%)=-1万円 この場合医療機関からの申請により1万円の還付を受けることになる ※ 仕入時に支払った消費税額のうち控除しきれなかった部分は、医療機関からの申請により 税務署から還付を受ける。 消費税の課税制度の比較-通常税率- 製造業者A → 製造業者B → (単位:万円) 医療機関C → 消費者 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (300) 人件費等の 経費・利潤等 価 格 (200) 価 格 (100) 仕入原価 (100) 消費税(5) 仕入に伴う消費税 仕入税額控除 消費税(5) 小売価格 (300) 仕入原価 (200) 仕入に伴う 消費税 診療報酬で 対応 消費税(5) 消費者の負担 する消費税相 当額(15) ○消費税の計算 ・製造業者Aの消費税納税額:100万円×5%=5万円 ・製造業者Bの消費税納税額:200万円×5%-(仕入税額控除=100万円×5%)=5万円 ・医療機関Cの消費税納税額:300万円×5%-(仕入税額控除=200万円×5%)=5万円
© Copyright 2024 Paperzz