PRISMA BJB ニュースレター「プリズマ」 A Newsletter from BJB Japan von BJB FEATURE NECライティング株式会社 業界を沸かせた世界初の ワンタッチ脱着ソケット TRENDS 広州国際照明展覧会レポート August 2007 No.4 “光の質”にこだわった LED LED の光には暖かみがない ——。そんな声を聞き、スタンレー電気が一般 スタンレー 電気社製 Snap-in type LED 照明用 LED の開発において最もこだわったのは、色の再現性。対照物を LED ソケット 引き立たせる光の質にこだわり、高い演色性を持つ LED の開発に成功しま 47.314.1001 した。さらに、Snap-in type LED では 5 種類の色温度の違うランプと各々 に 2 種類のレンズ角度を用意。お店のディスプレイやショーウィンドウの ツイスト&ロック 固定方式 スポットライトなど、用途に応じて多彩な光のバリエーションが選べます。 ツイスト&ロック固定方式の BJB 専用ソケットにより、装脱着も簡単です。 ビージェービー株式会社 〒 224-0003 神奈川県横浜市都筑区中川中央 2-5-9 Tel: 045-595-1239 Fax: 045-591-1001 Email: [email protected] www.bjb.com CONTENTS 省エネに間接的に貢献 04 NEWS 国内/海外のニュース 05 FEATURE 業界を沸かせた世界初の ワンタッチ脱着ソケット 08 今 年も蒸し暑い夏となりました。電力の使用量が 急増するこの季節は、省エネルギーへの関心が 電力消費量のうち照明が占める割合は大変高くなって 広州国際照明展覧会レポート 12 FACTORY REPORT 14 INSIDE LOOK います。このような状況下で、BJBのお客さまやパート ナー企業の皆さまは、省エネルギーを主眼とした照明 ソリューションの開発に注力しています。このような開 500 年以上受け継がれて来た「狩猟祭り」 09 TRENDS 高まる季節でもあります。家庭におけるCO 2 の排出量 は、日本全体の1 割強を占めています。ご周知の通り、 OFF TIME BJB 中国工場レポート 発においても、当社に共同開発のご依頼をいただくこと BJB 日本担当営業マネージャー が多くなってきました。 デットレフ・ラーマン 今号の FEATURE(5 ~ 7ページ) で取り上げさせてい ただいているNECライティング様 のスリム管を採用した 環形蛍光灯、このページの対向に広告でご紹介させて 15 HISTORY ソケットの生産を開始、 「電化の時代」へ いただいているスタンレー電気様のSnap-in type LED、 いずれも省エネルギーを実現する製品です。BJBはこの ような省エネ・ソリューションに、ソケットの共同開発と いう形で協力させていただいています。このような形で、 日本の省エネルギー政策に間接的に貢献していきたい と考えております。 前号で詳しくお伝えした BJB日本法人の自社ビル兼 倉庫は、稼動開始から半年以上が経過しました。倉庫 は現在、能力の 8 割で 稼動しており、納期のリードタイ ムが大幅に短縮されました。また、これまで日本で取り 表紙の写真: 扱っていなかった製品も幅広く在庫を持つことが可能 エッフェル塔の照明プロジェクト になり、以前のようにドイツからの製品取り寄せにより、 は、フィリップスのフランス支社が お客さまを待たせることもなくなりました。さらに、事務 手 掛けました。同 社は塔自体 の 照明の一部と外側から塔をライト 所と倉庫を1カ所に集めたことで 物流に関する効率も アップするスポットライトを提供し、 上がり、あらゆる面において順調な滑り出しとなりまし BJB のソケット(E 40)を採用して た。この成果は、日々の取引の中でお客さまにも感じ います。 ていただいていることと思います。 このように大口の案件にも対応できる準備が整いま した。お客さまからのさらなるご注文をお待ちしており ます。何卒、よろしくお 願い申し上げます。 PRISMA: PRISMA はドイツ語で PRISM(プリズム)を意味し、ギリシャ語に 由来します。BJB が携わる「光」の世界をイメージする言葉であると 同時に、お客さまの声を反映(反射)できる存在でありたいとの願い から、このニュースレターを「PRISMA von BJB」 (BJB がお届けする ビージェービー株式会社 代表取締役社長 坂本治久 プリズマ)と名付けました。 NEWS 国内/海外のニュース BJB、中南米に営業所を設立 BJB は 7 月1日、中南米の拠点としてブラジルのクリ 北米最大の 照明展示会に出展 ティパ市に直営の営業所を開設しました。人口 170 万 人の同市は、BJB の顧客の実に 8 割をカバーする地域 の中心に当たります。 「中南米市場には大きな可能性がある」と、BJB 営業・ 中南米営業所担当 ミヒャエル・ウムラウフ マーケティング担当副社長のヨアヒム・ゲーケは語り ます。これまでは、BJB 営業部のミヒャエル・ウムラウフがドイツから間接的に中南米を担当し、 アルゼンチンの首都ブエノス・アイレスにある代理店の支援を受けていました。自身もアルゼン チンで暮らしたことのあるウムラウフは、新営業所の成功を確信しています。その理由は第一 に、中南米は電力価格が高いため、エネルギー効率が重要な課題となっていること、第二に 蛍光灯に対する需要が高まっていることです。これらはいずれも BJB が卓越している分野です。 BJB 製ソケット採用の HIDランプ、 イギリスの照明デザイン賞にノミネート 先ごろ、BJB 製 GU6.5 ソケットを採用した GE 社製 HID ランプ「CMH スーパーミニ」が イギリスの照明デザイン賞にノミネートされました。同賞はイギリスの照明関連の業界団体、 連盟、雑誌社により、15 の製品カテゴリについて与えられます。CMH スーパーミニは「照明 本体と安定器」部門で他の 2 社の製品とともにノミネートされました。 BJB は 5月 8 〜10日までニューヨーク で開催された「Lightfair International」 CMH スーパーミニは、世界的なトレンドであるミニチュア化と高いエネルギー効率を実現し において、BJB 製品のさまざまな使用 た製品です。HID ランプはハロゲンランプに比べ、1 ワットにつき 4.5 倍のルーメン(光束)を 例を示す新コンセプトを披露しました。 供給し、寿命は約 9000 時間。ツイスト&ロック固定方式を採用した GU 6.5 ソケットにより BJB 製品における用途の可能 性をア ランプを簡単に取り付けることができます。 ピールすることが 狙いです。 結局、3 月 15 日に開催された受賞式において受賞の栄誉を勝ち取ったのは、ハーバード・ 新技術では、BJBがGE、フィリップス、 エンジニアリング社の安定器でした。GE、BJB チームは惜しくも受賞を逃しましたがマーケ オスラムといった世界の大手照明メー ティング部長のユルゲン・バーグマンは「最も先進的な 3 件の技術のうちのひとつに選ばれ カーと共同開発した HID ランプを中心 ただけでも名誉なこと」と受け止めています。 に紹介しました。また、同じくBJB 製ソ ケットを採用したフィリップスの蛍光灯 「VHP T5」も展示しました。 新製品のご紹介(仕様等詳細はお問い合わせください) 北 米 の 照明 器 具メーカーの 間でも 口金規格 新品番 特徴 BJB の研究開発力に対する注目度は高 PGJ5 (HID) 25.704.3001 フィリップス社製 ミニマスターカラー 欧州市場用標準製品 まっており、多くのメーカーが BJBとの共 PGJ5 (HID) 25.704.2001 フィリップス社製 ミニマスターカラー 日本市場用ソケット底部に マイカの裏蓋を設置 同開発に関心を寄せています。マーケ PGZ12 (HID) 25.703.2003 フィリップス社製 コスモポリス ランプ中心保持精度が、 上下・左右とも± 0.3mm GX10 (HID) GE 社製 CMH20W MR16 反射板付 20W HID 用ソケット GU6.5 (HID) 25.705.1001 GE 社製 CMH スーパーミニ オスラム社製パワーボール HCI TF 20W HID 用堅牢・確実システム E26 (HID) 29.311.27001 E26 口金 HID ランプ ランプ緩み防止機構付 E39 (HID) 29.409.8601 E39 口金 HID ランプ パルス電圧 5KV、定格 16A750V E26 22.347.4001 E26 口金電球・電球型蛍光灯 G13 26.422.3010 26.422.3110 G13 口金 FHF・FL 他 PBT 樹脂ソケット新登場 (10.5mm エンドフィクシング型) ラウンは「北米 企業はここ数年、より G13 26.290.3212 26.290.3211 G13 口金 FHF・FL 他 PBT 樹脂ソケット新登場 (H23mm プッシュスルー型) 海外へと目を向けています。BJB が北 LED 47.314.1001 スタンレー電気社製 Snap-in type LED 25.835.1000 適合ランプ T210℃の軽量・耐熱ソケット 白色ソケットもラインナップ 交換可能な LED システム ティング部長のユルゲン・バーグマンは これを「BJB が北米の照明産業の一部 として受け入れられた証」とみています。 北米市場はリトニア、ジェンライト、クー パー、ハッベルの4大メーカーが独占し ており、そのすべてが BJBの顧客です。 BJB の北米拠点である BJBエレクトリッ クのプロダクトマネージャー、 トビー・ブ 米でシェアを伸ばすチャンスです」と今 後の展開に期待を寄せています。 FEATURE NEC ライティング株式会社 業界を沸かせた世界初の ワンタッチ脱着ソケット NEC ライティングでは、スリム管の環形蛍光灯を採用した照明器具に対するエンドユーザーからの 「ランプの交換を容易にして欲しい」 「ランプが細いので不安」という声を聞き、ランプ交換が簡単にできる ソケットの 開発を思い立ちました。同社がこの新たな課題に挑むに当たり、開発パートナーとして 選んだのが BJB です。 業界にセンセーションを巻き起こした「かんたっちソケット(G10q )」誕生の背景をご紹介します。 N ECライティングは、ランプから器具の インバータと組み合わせると、明るさは コンセプトの追求から生まれたソリューショ 製造までをトータルに手がける照明 従来比 3 7 %アップ。定格製品寿命は同 ンです。 器具の総合メーカーです。おなじみの「ホ 2 倍の 1 万 2000 時 間を達成しています。 タルック」を中心に家庭用照明に強みを さらにスリムになったことで 原材料や梱 持ち、同分野では高いシェアを誇ります。 包材、輸送時のエネルギーなども節減可 NEC ライティングがスリム管を採用し 「NEC では、新商品の開発コンセプト 能となり、環境に優しい製品となってい た照明器具「スリムメイト」シリーズを初め ます。 て発売したのは 1997 年のこと。その後、 として『省エネ&省資源』 『簡単&便利』 顧客の要望に応じた製品開発 『安心&安全』の 3 つを掲げています」と 安心&安 全 の 代 表 的な製 品が、消し 普及した製品の蛍光灯が交換時期を迎え 語るのは、器具事業部技術マネージャー た後でもほんのりと明るいホタルック搭 る 2004 年ごろから「取り外しの際に割っ の杉田充孝氏。1番目の省エネ&省資源 載の照明器具。防犯の意味から夜になる てしまいそう」というお客さまの声を聞くよ に関しては、従 来の直径 29 mm の 太管 と自動的に点灯させることができるタイ うになりました。天井に取り付ける照明器 からエネルギー効率の高い直径 16 mm マー付き照明器具も開発しました。 具の場合、脚立などに登って交換作業を のスリム管へのシフトを推進しています。 そして 今回の 主役である「かんたっち スリム管の「ホタルックスリム」は 専用 ソケット(G10q) 」は、簡単&便利という することから通常よりも手元が 不安にな りがちなのです。 FEATURE かんたっちソケット使用器具「12LFZ632-XSG-1」 杉田充孝氏 小倉智雄氏 センサー器具「XWE-61008」 外山昌義氏 さらに同社では、開発にかかわってい している“ユニバーサルデザイン”という 持力の規格を満たすことができずに苦し ない女性社員に取り扱い説明書だけを 言葉がようやく使われ始めたころで、まさ んだ時期もあります。極めつけは、試作品 渡して器具の設置やランプの 交換をし に時代の先端をいくプロジェクトでした。 をお客さまに初めて見せたときのことで てもらうという実験を行いました。そこで BJB では日本法人社長の坂本治久が す。レバーを引っ張って“さあご覧くださ もやはり、ランプ交換がしにくいという 間 に立って NECライティングからの要望 い”と言った 瞬間、レバーがパリンとふた 結果に。そして、この問題を解決するた をドイツに伝える役目を担い、 ドイツ本 社 つに割れてしまいました。あの時は一同、 めに新型ソケット開発の企画がスタート ではR&D のトップであるカール-ヴィルヘ シーンとなりましたね(笑)」 しました。 ルム・フォークトを中心に開発チームが編 パートナーに選ばれたのが、当時すで に NEC 製の業務用照明器具に標準品 として採用されていた BJB です。 成されました。 このような試 行 錯 誤を繰り返すうち に、レバーについては材質、形状ともに 2 ランプをしっかり保持し、取り外し時は 回ほど変更され、より強く、使いやすく、 簡単に、しかもコストがかからないシンプ しかも低コストという理想の形に近づい て いきました。逆に NECライティングの この 画 期 的なプロジェクトのパート ルな構造で ―― という難しい 課 題に取 ナーとして BJBを選んだ理由を、器具事 り組んだドイツでは、梃 子の原理を利用 要求の高さに鍛えられ、G10q のランプ保 業部エキスパートの小倉智雄氏は、次の した機 構を提 案。ヒントとなったのは、 持力の強度は BJB の製品ラインナップの ように語ります。 補助レバーの操作で簡単に抜き差しがで 中でも最高レベルとなっています。 「通常、部品メーカーは自ら金型を作 て こ きるという既存の電源プラグです。 り、ラインナップをある程度そろえておい 双方共にこの方式でいくことで合意し て、その 中から用途に合うものを選んで ましたが、日本の規格各種を満たした製 くださいというスタンスですが、BJB は 品として完成させるまでにはもう少し時間 違います。もちろんすべてがオーダーメイ が必要でした。 業界に一大センセーションを 巻き起こす こうして 2005 年 3 月、日本で 開催され た「ライティング・フェア 2005(第 7 回国 ドというわけにはいきませんが、BJB は NEC ライティング マーケティング本部 際照明総合展) 」において、NECライティ 顧客の要望に応じて 製品開発ができる 主任の外山昌義氏は、今となっては 笑い ングは「かんたっちソケット」の試作モデル メーカーなのです」 話となる試行錯誤の苦労を聞かせてくれ を初めて公開しました。業界初の画期的 ました。 なソリューションに、競合メーカーも部品 時代の先端をいくプロジェクト ホタルック採用器具「15LKZ782LSG」 「開発初期ではレバーの強度が足りず、 こうして両社が共同開発をスタートさ 押すとレバー自体がぐにゃっと曲がって外 せたのは 2004 年の 10 月。今でこそ普及 れないということがありました。ランプ保 メーカーも騒然となり、 一大センセーショ ンを巻き起こしました。 そして同年 9 月に正式に商品化。その かんたっちソケットの仕組み 引く 相反する 2 つの機能を同時に充足 R&D 担当副社長 カール - ヴィルヘルム・フォークト G10q は環形蛍光 灯用としては BJB 初の、エンドユーザー に優しいソケットです。「ス 取れる リム環 形蛍 光 灯(FHC)が ソケットから外れにくく、ラン プ交換の際に消費者に危険 が及びかねない」という声を 聞いたとき、BJB がソケット かんたっちソケット(G10q)は、樹脂のレバーを のスペシャリストとしてこれ 引くだけで 簡 単にランプの取り外しが できます。 まで蓄積してきた経験とノ スリム管 の 蛍 光 灯 でも 安心です。 ウハウを駆使すれば、この 問題は解決可能と思いました。そして、開発エンジニアのフレッディ・プリ クンと共に、早速 G10q の開発に着手しました。この問題の難しさは、ラン プを外れやすくしつつ、しっかり保持する、この相反する 2 つの機能を同時 に充足しなければいけないということにありました。 初期の商品企画とサンプル製作の段階で、私たちはソケットの形状が 後も改良を続け「現在は 160%の完成度 突破口になると確信しました。ソケットにボタンをつける選択肢もありまし になっている」と小倉氏は言います。現在 たが、複数のパーツで構成されるためにコスト高になり、良い解決法とは では、同社のハイエンド品に標準採用さ 言えません。そこで採用したのが、梃子の原理でランプを押し出す現在の れ、製品の差別化にも一役買っています。 形状です。 今後も BJB との共同開発を続けていき さらに、リード 線 の被 覆をしっかりと保持するため、ボス内に三角形の たいという NEC ライティング。「すぐにで 突起を設置し、リード線がソケットから決して抜けることのない構造を設 もご相談したい案件がいくつかあるんで 計しました。こうして、BJB は最も高度な安全要求基準の達成にも成功し すよ」と、杉田氏は意欲的です。「時差の たのです。G10q は梃子の原理とリード線をしっかり保持する機構、これら 関 係で夕方 1 時 間くらいしか 電 話で話 2 点において特許を取得しています。 せないといった問題はありますが、BJB は 2005 年のライティング・フェアでの発 表以降も、G10q は持続的に改 日本の会社より開発プロセスのサイクル 良されています。例えば、電線の引き抜き時にかかる力を適用規格よりは やレスポンスが早いため、そこで時間は相 るかに高く引き上げるため、接触部の材質を変更しました。また、現在は 殺できてしまいます」 材質に紫外線および化学物質に対する耐性に優れたプラスチックを採用 さらに 杉田氏は、BJB ジャパンの存在 も大きいと言います。 「日本法人があって、日本の市場を理解 しています。全自動生産に至るまでには 10 段階ものステップが必要でし たが、この苦労はもうすぐ報われそうです。G10q は 2008 年の春から大 量生産を開始する予定です。 している人が間に立ってくれるということ は、海外メーカーとの共同開発では絶対 に必要なことです。もし BJB に日本法人 がなかったら、この共同開発は実現しな かったかもしれません」 今後も BJB では、ドイツ本社の技術力 と日本法人の万全のサポート体制という 絶妙のチームワークで、NEC ライティング との共同開発プロジェクトを推進していき たいと考えています。 G10q/GZ10q 環形蛍光灯ソケット 定格:1A 300V 材質:PBT 許容温度:T120 、 適合電線:単線(φ0.8-1.0mm) より線(0.5-0.75mm2) 半田揚げの外径は 1.45mm 以下 26.737.2100.50(上) 26.737.1100.50(下) OFF TIME 王様に選ばれた BJB のデットレフ・ラーマン 狩猟祭りのハイライト、射手のパレード 500 年以上受け継がれて来た「狩猟祭り」 BJB が本社を置くザウアーランド地方は、いにしえから絶えることのない伝統行事がいまも息づくところ。 中には 500 年以上も昔から伝わるフェスト(祭り)もあり、歴史と文化の宝庫ともいわれています。 北西ドイツの短い夏、この季節になるとそれぞれの町や村では 伝統の民俗行事が盛大に催されます。その代表が「狩 猟祭り」 古き良き伝統として今も受け継がれているのです。 です。祝祭のハイライトは、いくつもの音楽隊が参加して繰り広 現在では、射手たちに限らず、町や村の人々の多くが 祭りに げられる壮麗なパレード。おそろいの 衣装を身につけた「射手」 参加します。精巧に作られた木彫りの鳥を止まり木の上に置き、 の面々が、大勢の 観衆に王様とお妃様をお披露目するのがメイ 男たちが 順番にこの鳥を撃っていきます。木彫りの鳥の最後の ンイベントです。王様は勲章で飾られた長いネックレスを付け、 ひとつを 撃ち落した 者が 王様になれるため、競 技は 何時間も お妃様はロングドレスをまとい、かわいい銀の冠をつけて登場。 続いて白熱することもめずらしくありません。町中の人たちの喝 地域によっては家臣たちを従えて姿をみせることもあります。 采の中、王様となった者はネックレスを受け取り、お妃様を指名。 パレードに先立って必ず行なわれるのが、14 世紀までさかのぼ それぞれの 町の 習慣に従って、勝者の妻や娘、あるいはガールフ る伝統の「鳥撃ち」。中世ドイツの町はそれぞれ自治都市でした。 レンドなどが 選ばれます。なお、アルンスベルク地方の「鳥撃ち」 男たちはみな私財を投じて武器を調達し、敵の襲来を知らせる には特別な習わしがあります。お 妃 候 補は会 場に姿を見せず、 鐘が 鳴れば 町門へ駆けつけ、自らの力で町を守らなければなり 妃に選ばれた女性のところまで、王様からのメッセージを持った ませんでした。そうした男の中で、より優れた武器を備え、日ごろ 騎士が知らせに行くのです。 から射撃の腕を磨いていた者が「射手」と呼ばれていました。14 催するようになったのです。こうした故事が、ザウアーランドでは 王様と王妃は自らの町や村のパレードに参加するだけでなく、 世紀にはすでに、射手による狩りの競技会が年に一度開かれて 近隣の 狩猟祭りにも訪れるのがしきたりです。老人や子どもたち いたそうです。17 世紀になると、傭兵を雇うことが増え、町の守 のためのさまざまな行事に出席するのも、2 人の大切な役目。年 り手としての 射手組合の 存在価値は薄れてきました。それでも、 に一度、選ばれた王様とお妃様は市長に招待され、 「ゴールデン・ 彼らは組合を解散せず、古くからの自分たちの役目を守りぬこう ブック」に 署名します。これが、功 成り名を遂げた人だけに与え と試み、そのシンボルとして狩猟 祭りと共に「鳥撃ち大会」を開 られる名誉となるのです。 TRENDS 常に多くの人で賑わっていた BJB ブース 広州国際照明展覧会レポート 6 月 8 ~ 11日、中国の広州国際展示場において広州国際照明展覧会(Guangzhou International Lighting Exhibition)が 開催されました。アジア最大の照明業界の展示会です。総敷地面積は併催の建築技術展覧会を合わせて8 万 6000㎡。中国をは じめ香港、北米、欧州などから1300 以上の出展者が集結し、来場者数は 4 万5000人を超え、過去最大規模となりました。 Guangzhou Lighting Fair 広 州国 際 照 明 展 覧会は、2004年よ を防ぐため」と説明しています。 特に安定器とルーバーの生 産量は国内 り照明業 界の世界最大の展示 会 BJBブースで特 徴的だったのは、製品 トップを誇ります。2000 年には ISO9001 「Frankfurt Light + Building」を運営してい 棚の下に突き出た「ワークステーション」と も取得。品質管理において常に高い評価 るイベントオーガナイザー Messe Frankfurt 呼ばれる何も置かれていない作業台。展 を受けています。 の支援を受け、急速にその規模を拡大して 示製品に興味を持った来場者にのみ、実 輸出は全生産量の3割。元国有企業と います。 際の照明器具を持ってきてここでソケット いう信頼性の高さから、中国企業が製品 の装着の仕方などをデモします。 を輸出する際に通常義務づけられている 広州は中国照明業界の中心地である南 中国にあります。照明器具の部品や設備 BJB 以外のブースも、先端技術よりも 検 査を、同社は免除されています。中国 の製造において、世界をリードする地域の 普及品の展示をシンプルなディスプレイで 照明学会のバイス・プレジデントも務める ひとつである東莞(Dongguan)から車で 2 見せるといったものがすう勢でした。 社長の Zhong Xue Zhou 氏は、自社製品 時間ほどの距離です。アジア照明産業の 現状を伝える展示会を開催する場所とし 勢いを増す中国企業 の品質に絶対の自信を持っています。 「当社は数多くの大手海外メーカーと取 て、広州は理想的な場所と言えるでしょう。 今回のフェアでは、急成長する中国照 引があります。ほとんどの中国メーカーは 東莞に工場を有する BJBも、もちろん展 明市場の勢いを映すように、小規模な部 日本メーカーの高い品質要求を満足させ 示会に出展しました。しかし、フランクフル 品メーカーから大規模な総合メーカーまで、 ることができませんが、当社は日本の大手 トや日本の展示会のように最先端の製品 地元中国企業の展示が活況でした。 照明器具メーカーにも相当数のルーバーを を紹介することはなく、スタンダード品を中 1980年設立のGuangzhou Jiufo Electronic 心に展示しました。その理由を、BJB のマー Appliance(広州市九佛電器有限公司) は、 ケティング・マネージャー、トーマス・ フレイリッ 90 年以前は国有企業でした。照明器具か チは「中国市場では価格が最も重要な要 らランプや安定器、ルーバー、ケーブルなど 素であることと、先端技術が模倣されるの の部品にいたるまで幅広く生産しており、 提供していますよ」 これら日本への輸出品の多くに BJB 製 ソケットが採用されています。 Jiufoと並び、中国最大の照明器具メー カーの 1 社である PAK Electrical Appliance TRENDS AD Lighting Ken Tam 氏(右) BJB トーマス・フレイリッチ Jiufo Zhong Xue Zhou 氏 (広東東松三雄電器有限公司)は、1991年 は1987年に創業した照明器具メーカー。 州では標準品です。必ずBJB製品を使う の設立。広州に本社を、中国全土に55 の 本社と工場を置く広州の他に北京と上海 ようにと指定されるお客さまもあります」 支社を置き、2800名の従業員を擁してい に支店を有し、現在約120名の従業員を ALLEY BRIGHT(鶴山雅輝照明電器 ます。同社もまた、ISO9001の認証を受け 有しています。特に屋外照明に強みを持 有限公司)は、7年前に小さな工場から始 ています。製品ラインは大きく分けて屋内 ち、照明器具本体から安定器、変圧器な まった企業です。東莞に拠点を置き、従業 照明、屋外照明、商業施設用照明の 3 分 ども自社で製造しています。国家レベルの 員は約180名。照明器具のダイカストおよ 野。省エネルギーなコンパクト蛍光灯やデ 大規模なプロジェクトにも数多く照明を び金属加工に特化しており、全世界の顧 ザイン製を追求した照明器具など、高付加 提 供しており、代 表 的 なものに 2008 年 客と取引しています。ランプやソケットなど 価値製品を中心に2000 種類以上を製造 北京オリンピックの会場となる北京ナショ のコンポーネントを外部から調達し、自社 しています。商業施設用照明では、2008年 ナルスタジアム、深圳空港、広州空港など 製の鋳造品と組み合わせて照明器 具を の北京オリンピックで使用されるスタジア があります。広州空港のプロジェクトでは 製造。ダイカスト製品は日本メーカーにも ムの照明も手掛けます。 BJB 製のソケットを採用しました。 OEM 供給しています。 輸 出マネージャーの Joe Wang 氏 は 今回、広州国際照明展覧会が開催され 「PAK 社は国内市場に注力しており、輸出 た広州国際展示場の照明もAD Lighting は全 体の 5 〜10%に留まります。国内市 によるものです。欧州を中心に輸出に力 イタリアに本社を置くBeghelliは、非常 場は価格が 非常に厳しく、当社では品質 を入れており、比率は全体の7 割にも上り 用およびセキュリティ用照明器具業界の と価格の折り合いを付けることが最大の ます。輸出には大手照明器具メーカー向 リーディングメーカー。LEDなどの最先端 焦点となっています」と語ります。 けのOEMも含まれています。 光源や、省エネルギー、デザイン製に優れ 欧州向け製品ではBJBソケットの指定も AD Lighting(奥迪通用照明有限公司) 10 PAK Joe Wang 氏 輸出マネージャーの Ken Tam 氏は、輸 出製品の 5〜6 割にBJBソケットを採用し ていると言います。 「BJB のソケットは欧 海外メーカーは生産量の多くを輸出 た製品など、付加価値の高い照明器具の 開発にも注力しています。 同社は現在、中国の深 圳に中国法人の Zumtobel Francis Cheng 氏 ALLEY BRIGHT Andy Ho 氏 Beghelli の「LOGICA」 Beghelli Spes Stanley Ku 氏 Guangzhou Lighting Fair 日本メーカーからの関心も高い 本社を、揚 州に工 場を置き、約750名の Zumtobel(オーストリア)が中国に現地法 従業員を擁しています。 人を設立したのは1997年。広州にある工 中国や香港、欧米メーカーの出展が活 中国法人では全生 産品の約 6 割を、イ 場では約 300人が 2 交代制で勤務。その 況だった一方で、日本メーカーの出展は タリアをメインにドイツ、チェコなどに輸出。 3分の1がエンジニアで、すべて現地採用 香港に拠点を設立して 15 年になる岩崎 ブースでは非常用照明システム「LOGICA」 です。 電気(EYE Lighting)1 社のみでした。同 を紹 介。さまざまな 機 能をモジュールで 同社は立ち上げ当初よりBJBのソケット 組み合わせることにより、フレキシブルな を採用しています。中国法人のジェネラル・マ システム構成を可能にしました。すべての ネージャー、Francis Cheng 氏は「Zumtobel 機能がひとつのボックスに詰め込まれてい ブランドの製品に関しては100%BJB 製品 ランプメーカーはコピーメーカーの動向を る従来製品よりも低コスト。インターネット です」と述べています。 リサーチすると同時に、中国市場に進出 を介して制御することもできます。 社はハイエンド 市場 向けにHIDランプを 展開しています。 しかし、日本からの来場者は非常に多く、 ブースではプログラミングで RGB に色 するために必要な部品を供給できる、技 が 変化する LED の 装 飾パネルを展示 。 術的にしっかりとしたサプライヤーを探し ネージャー、Spes Stanley Ku氏は「中国 北京にあるアウディのショールームに初め ていました。器具メーカーは提携先として、 の照明市場は急速に成長しており、将来 て採用されました。今後はショッピングモー 品質の高い組み立てメーカーを探すこと は非常に明るい。2005年には1億8000万 ルや美容院など、価格よりも高級感を重 に専念していました。このことからも、日 RMBだった当社の売り上げは、来年には 視する分野への採 用を狙っていきます。 本メーカーも決して 関心がないわけでは 3 億5000万RMBと、約 2 倍に成長する見 ZumtobelグループのThornは隣合わせに なく、中国市場への進出のため、着々と準 込み」と、強気です。これに合わせ、同社の ブースを構え、屋外用照明を中心に展示 備を進めている様子がうかがえます。 国内向けの出荷比率も上昇するとKu 氏は していました。今後は Zumtobel が屋内用 みています。 照明に注力し、すみ分けを図っていく方向 Beghelli Asia Pacificのジェネラル・マ 欧州最大手の照明器具メーカーである 急激に成長していく中国市場に今、世 界の照明業界が注目しています。 です。 11 Factory Report BJB 中国工場レポート 革新性と確実な納期、 BJBの強みを生かしたビジネス展開 大手照明器具メーカーが拠点を置き、 中国照明業界の中心地となっている広東省東莞(Dongguan)市。 BJB は 2005 年 5 月、この地にソケットの組み立て拠点を設立しました。 3 階建てビルの 3 階に 1フロアを持ち、敷地面積は 3800 m2。 生産品目はセラミック製品を中心に 15 種類。 BJB 中国で生産されるソケットは、 ドイツの厳しい品質基準をクリアしています。 BJB China Factory 中 国工場の操業開始は 2005 年の 9 立てが不可欠なセラミック製品は中国へと 間後には 1日 2000 個のソケットを組み立て 月。立ち上げ 当初は 10 名だった 製造拠点のすみ分けを図っていく方針です。 られるようになります。 従業員も、2 年の間に 10 名のアドミニス トレーションスタッフと 30 名の作業員、計 BJB 中国の労働条件の良さは現地でも 評判になっており、募集をかけると大量に 40 名を擁する規模まで 成長しました。ス 現在、BJB 中国の生産能力は 1日約 6 万 就職希望者が押し寄せます。しかし毎回 タッフは全員が現地採用で、年内に 50 名 個。月単位では約 180 万個です。ケーブル、 採用されるのはわずか、3、4 人の狭き門で まで増員する計画です。 コンタクト、ねじなど、部品の 9 割をドイツ本 す。管理部門を統括するコントローラーの ジェネラル・マネージャー( 社長)のト 社から輸入、セラミック部材のみを現地調 コン・ウォーラブ(Cong Wohlrab)は、従業 ミー・リオン(Tommy Leung:梁国蔚)は、 達し、最終製品に組み上げています。BJB 員の定着率の高さを誇らしげに語ります。 1990 年より中国において BJB 製品の 代 中国では 現 地調達による部品の品質を 「工員の離職率は年間 5 % 程度です。そ 理店を務めており、2004 年に現職の申し 維持するために、2 名の品質管理担当のう れも全員が女性のため、出産などやむを得 入れを受け、BJB 中国の立ち上げに参画 ち 1 名をサプライヤーに常駐させています。 ない事情によるものがほとんどです。皆、 しました。リオンは BJB 中国が生産する製 30 名の工員の中には 4 名の品質検査専 品の品質に絶対の自信を持っています。 12 人の基盤も着々と ここでの仕事に満足していますよ」 任も含まれており、全製品に対して正しく ウォーラブ自身はドイツ本社の BJBで働 「立ち上げ当初は品質に関するトラブル 組み立てられているかを詳細にチェックして いていた経験があり、夫の転勤に伴って中 もありましたが、現在はドイツ本社の品質 います。工員は 1日 10 時間労働で、お昼に 国に戻ってきました。BJB 中国には立ち上 要求を 100% 満たしています。ドイツ経由 45 分、午前と午後にそれぞれ 15 分ずつ休 げ当初より参加しています。また、工場長 で日本のお客さまに届いている製品もある 憩をとります。土曜日は 8 時間労働となり、 のジャック・ソウ(Jack So: でしょう。将来的には日本や台湾にも直接 出勤は任意。しかし給料が 2 倍になるため、 管 理 担 当のチャールズ・ディン(Charles 製品を輸出していきたいと考えています」 ほとんどの工員が土曜日も出勤しています。 Ding:丁海 ) 、品質 )も創業からのメンバーです。 BJBでは生産の自動化が進んでいる樹 工員は入社するとまず、トレーニングで組 上記のスタッフはすべて、英語でのコミュニ 脂製品はドイツ本国で、手作業による組み 立技術を学びます。ほとんどの工員が 1 週 ケーションに支障がありません。ヘッドハン トミー・リオン ジャック・ソウ コン・ウォーラブ チャールズ・ディン Tommy Leung Jack So Cong Wohlrab Charles Ding BJB 中国工場の外観 ティングが盛んなため、優秀な人材の離職 とっていくのでしょうか。 ネルギーへの関心が高まってきたときが BJB 率が高い中国において、これだけの人材が 「BJBドイツ本社のヘンリッチ社長も言っ 職場を離れずにいるということはめずらしい ていますが、BJB の強みは革新性と確実 「中国は巨大な市場です。省エネルギー と言えるでしょう。BJB の哲学である「長 な納期を含めたサービスです。これは地元 のプロジェクトが動き出したら、コンパクト 期にわたるパートナーシップ」のために最も の競合他社には真似できません。価格の 蛍光灯や HID 用ソケットへの 需要が生ま 重要な“人”の基盤が、中国でも着々と築 安さでは地元企業に敵いませんが、中国に れてくるでしょう。さらに、冷蔵庫やオーブ かれつつあります。 も高品質な製品への要求はあります。そこ ンなど、家電業界にも入っていきたいと考 を確実につかんでいきたいと思います」 えています」 高品質への需要を確実につかむ 中国には BJB のコピー製 品が多く出 のビジネスチャンスと、 リオンは言います。 また、今後は日本でも実績があるように、 社長のリオンは、中国の照明業界は急 回っていますが、外見は同じでも 3〜4カ月 将来的には中国市場向けのソケットもドイ 激に伸びていますが、皆問題を抱えている 使い続けると違いが分かるそうです。ランプ ツ本社で 開発してもらいたいという希望 と言います。エンドユーザーからのコスト削 が 熱を持ち始め、すぐに取り替えなければ を、リオンは持っています。 減への要求が 非常に厳しいため、BJB 中 ならなくなるといったことが 頻繁に起きて 国の顧客も苦労しています。 いるのです。実はランプとソケットのコンタ そして、日本の照明器具メーカーとのビ ジネスにも大きな期待を寄せています。 「原材料の高騰が続いているのに、あと クト部に問題があるのですが、これを説明 「現在、中国にある日本メーカーの工場 5%、10%とコストダウンを求めてきます。 して BJB 製品を薦めることもあると言い は 10 に満ちません。これには、日本の非常 個人的な意見としては、中国の価格レベル ます。こうして少しずつ、品質の重要さを に厳しい品質要求に地元のサプライヤー は低すぎると思います。これでは利益も出 顧客に理解してもらう努力を続けています。 が応えられないことも影響しているのでしょ ず、従って投資もできません。小さい工場は 生き残っていけないでしょう」 日本メーカーとのビジネスにも期待 このような厳しい状況にある中国市場 現在、 BJB 中国の国内シェアは1% にも達 において、BJB 中国はどのような戦略を していません。近い将来、中国において省エ う。しかし、BJB の品質管理システムは地 元メーカーのそれとはまったく違います。日 本メーカーの厳しい品質要求にも十分応 えられる自信がありますよ」 13 INSIDE LOOK ドイツと日本をつなぐ インターフェイスとして 何度も来日し、日本のお客さまにもおなじみの BJB 日本担当営業マネージャー、デットレフ・ラーマン。 ラーマンは自らの役割を 「ドイツ本社との架け橋として、 BJB 日本法人をサポートすること」と語ります。 ラーマンは BJB に入社して 19 年にな ビージェービー(株)取締役、営業マネージャー(ドイツ、オーストリア、スイ ス担当)デットレフ・ラーマン。情 報電 子工 学および 工 業経営学を専攻し、 ります。30年以上勤める人が少なくない ただ、日本のお客さま BJB では、やっと中 堅といったところで が品質管理として考 しょうか。ラーマンの仕事はドイツおよび える範 囲がとても広 日本 の 販 売 統 括で、BJB日本法人の取 いところに難しさがあると言います。 締役も務めています。 BJBに勤続19 年。妻と 3 人の子 供(ヤン11 歳、ニルス 8 歳、カイ 6 歳)の 4人家族で、趣味は乗馬、ツーリング、旅行、そして家族と過ごすこと。 この目標を達成するために重要な役割 「日本のお客さまにとっての品質管理と を果たすのが、日本のお客さまの近くで働 ドイツの販売業務では、エレクトロラッ は、納期、価格、製品の納品状態といっ いている、社長の坂本をはじめとする BJB クス、トリルックスといったキーアカウント た詳細な対応の部分まで含みます。BJB 日本法人のスタッフです。 (大口の顧客)を担当し、これら大手企業 は安定したサービスを供給し、日本のお客 「 私はドイツ本 社と日本をつなぐイン のBJB における窓口となっています。この さまとの持続的な関係の構築を目指して ターフェイスとなって、BJB 日本法人をサ ような大手企業から毎日のように新しい います。このために、容量の大きな倉庫と ポートしていきたいと考えています」 製品はないか、こんなソリューションはな 品質検査機能を完備した自社ビルを横浜 日本担当営業という立場から頻繁に来 いかなど、さまざまな照会がラーマンのも に建設し、短納期の要求に十分応えられ 日するラーマンですが、訪れるたびに日本 とに来ます。 る体制を整えました」 の“完璧さ”に驚かされると言います。 「私の仕事は、窓口としてお客さまのご しかし、今回の自社ビル建設は日本で 「日本のお客さまにアポイントを取ると、 要望を開発部門に伝え、共にそれに応え 仕事をするうえでのベースを築いただけ、 数分と違わず約束した時間に現れます。 ていくことです。日本でも同じですね」 とラーマンは言います。本格的にビジネス また、最初に決めたスケジュール通りにき ラーマンはグローバルでビジネスを展開 を展開していくためにはまず、日本のお客 ちんとプロジェクトを進めていきます。この していくなら、それぞれの国の文化を理解 さまの信頼を獲得しなければならないと ような気質にはいつも感銘を受けます」 しなければならないと言います。 考えているからです。これは、BJB 全体の 「文化がまったく異なる日本でのビジネ 14 マンは考えています。 哲学でもあります。 最後に、日本のお客さまに会うのをい つも楽しみにしている、というラーマンから スは、私たちにとっては大きなチャレンジ 「BJB本社では、何世代にもわたって取 のメッセージです。 です。しかし、日本市場は非常に重要です 引をさせていただいているお客さまが数 「今後、日本のお客さまと数多くのパー ので、当社の日本チームをしっかりサポー 多くあり、このことが私たちの誇りでもあ トナーシップを築き、共に仕事をしていけ トしていかなくてはなりません。それが日 ります。日本のお客さまとも、このように ることを楽しみにしています。BJBチーム 本法人を設立した理由のひとつです」 長期的な視野に立ってパートナーシップを はいつでも皆さまのおそばにいます。何な 日本のお客さまの品質に対する要求は 築いていけたらと思います。実際のビジネ りとお申し付けください。私たちが共に成 非常にハイレベルですが、厳格な国際基 ス提携に進む前に、まずBJBという会社 功を収めるために、日本のお客さまはかけ 準に則って製造されている BJBソケット自 をよく知っていただき、信頼していただく。 がえのない存在なのです」 体の品質は、十分それに応えられるとラー これが私たちの当面の目標です」 HISTORY 20 世 紀 初 頭 の 発 電 所で 使われていた配電盤 ソケットの生産を開始、 「電化の時代」へ 19 世紀末、発明家エジソンとスワンが白熱電球を改良して以来、それまでの石油ランプに代わり、電気の快進撃が始まりました。 BJB の創業者フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ブロッケルマンは再び先見の明を発揮し、ソケットの生産を決断。 電気技術を駆使した製品づくりへの第一歩を踏み出しました。 当時、ヨーロッパでは石油ランプが使わ 短期間のうちに多様なソケットに対応す 純労働者へと委ねられ、女性に採用の門 れていましたが、アメリカ発の白熱電球が る専門企業へと成長した BJB は、20 世紀 戸が開かれたのです。当時のドイツでは女 19 世紀末から勢いを増すと、工場は次々 初頭には、エジソンソケット、スワンソケッ 性が 職業教育を受けることは不可能で、 と電気照明を導入。裕福な家庭において ト、ゴリアテソケット(大型エジソンランプ 熟 練技 術を必 要としない業 種への就労 もエジソンランプが 灯るようになります。 E40 用ソケット)などのラインナップを揃え がほとんどでした。こうして、1894 年には BJB 創業者のひとりフリードリッヒ・ヴィ ていました。中でも、大型のゴリアテソケッ 54 名だった BJB の女性従業員数は、1913 ルヘルム・ブロッケルマンは、はるかに輝き トが電気的・機械的にもエジソンソケット 年には 123 名に達しました。 のある白熱灯の登場により、BJB のヒッ ただし、ソケット生産の全工程を単純労 ト商品である石油ランプの市場が消滅す 働者に任せることはできませんでした。所定 ることを危惧しました。 の職業教育を修了した金属工の数は 1894 先を読む眼力に優れた彼は「高品質の 〜 1913 年にかけて、ほぼ倍増。多くの製 真鍮プレート製ソケット」の生産を行う方 造工程で作業が簡便化し、専門知識がそ 針を固めました。こうして、電気技術を駆 れほど求められなくなる一方で、金属工に 使した製品に特化していき、専門化への 道が拓かれたのです。 は相変わらず高い職能が要求されました。 電灯がともり始めたネーハイムの街 専門企業への再編によって転換期を迎 ガスバーナーの製造を行っていた BJB より安全性が高いと主張。 「ゴリアテソ えた BJBでは、経営陣にも新たな能力が は、ソケット製造に必要なノウハウをすで ケットは、寸法が大きくワット数の高いす 求められました。実践的な経験に加え、科 に有していました。実際、ソケット製造のた べてのランプへの使用が推奨されます。 学技術に関する専門知識も必要となった めに補充されたのは、ガラス部品をソケッ その寸法は、ドイツ電気技術者連盟の規 のです。第1次世界大戦直前、第 2 世代と トに挿入する職人、2 名のみです。1913 〜 定で定められています」と記しています。 して経営を引き継いだ 3人が、この流れを 1914 年には、すでに相当数の白熱電球用 電気ソケットへの特化とともに、社内に 体現しています。アドルフ・ブロッケルマンと ソケットを販売し、 「ソケット工場」の異名 も変化が訪れました。生産の機械化が急 ヴァルター・ブッセは工学、フランツ・イェー を取るようになりました。 速に進んだことにより、一部の作業が単 ガーは国内外で商学課程を修めています。 15 ランプ中心を正確に保持 ランプの差し込みを 容易にする ガイド機構 ブラケット型 板バネがランプを 正しい位置に 保持し、落下を防ぐ G8.5 HID ランプ用ソケット 25.822.3001.00 店舗照明にこれからの選択肢 省エネルギー性や色再現性が向上し、店舗照明におけるダウ ンライトやスポットライトへの採用が進んでいる HIDランプ。BJB では、HID ランプをさらに環境にやさしいものにするソケット、新型 「 G 8 . 5」を開発しました。左図の通りさまざまな新機構を備え、 ラ ンプ中心を確実に保持。設計通りの配光が得られるため、反射 円錐型の ピン差し込み口 板の効率を最大限に生かすことができます。これにより、反射板 の小型化を実現。省資源化に貢献します。 ビージェービー株式会社 〒 224-0003 神奈川県横浜市都筑区中川中央 2-5-9 Tel: 045-595-1239 Fax: 045-591-1001 Email: [email protected] www.bjb.com
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