自動認識の世界をより身近に vol.95 2013-04 『医療用医薬品への可変情報表示検討セミナー』講演内容のご紹介（前編）昨年 6 月に厚生労働省より新バーコード表示の改正通知の発表を受け、 PTP 等の内用薬や外用薬の調剤包装単位への新バーコードの表示が必須となり、販売包装／元梱単位に可変情報表示を進めることになりました。また、世界的にも医薬品へのバーコード表示の管理要項が進んでおります。先月弊社主催のＭＴＳセミナーではこれらの最新情報と GS1 の基本技術情報に加え医療機関で新バーコード表示がどの様に活用されているのか、特別講師をお招きして医療現場の生の声をお届けいたしましたので、講演内容をご紹介させて頂きます。 AI（＝Application Identifier）とは、アプリケーション識別子と言わ第 1 部 GS1 システムの基礎知識れ、1 次元、2 次元のバーコードシンボルや、電子タグ等の自動認識技術 GS1 とは、1977 年欧州 12 ヵ国を介して様々な情報を、企業間での流通業界とコード機関によって創データ交換するための国際標準規格設された国際 EAN 協会がその前身で、情報項目ごとにデータ長や使うこであり、日本の流通システム開発センとができる文字種などの表現方法がターはその翌年既に加盟していまルール化されており、誰でも標準的す。2002 年に米国とカナダの流通に使えるようにするデータ表現方法コード機関が加盟したことにより、です。今回の新バーコード表示ガ 2005 年には GS1（グローバルスタイドラインでは、表１の AI を使用すンダード１の略）" に組織名が変更さることが決められています。れ、名実ともにグローバルな流通標準化機関になりました。現在では第 2 部中国・韓国のバーコード表示の解説 100 以上の国・地域の流通コード機関が加盟しています。【中国で進むシリアライゼーション GS1 データバー（RSS コード）やの対応】 GS1-128 の GS1 は、この組織名（本部：ベルギー）が名づけられてい中国では、2011 ∼ 2015 年医薬ます。品電子監督管理業務計画により『医 GTIN( ジーティン )（Global Trade Item Number の略）とは、国際的流通標準化機関の GS1 により標準化された国際標準の商品識別コードの総称のことで、JAN 商品コードの先頭一桁に梱包形態区分を追加した 14 桁で揃えた商品コードを使用することになっています。 GS1-128 や GS1-DataMatrix などのバーコードにおいては、アプリケーション識別子として AI（ 01）に続いて 14 桁の GTIN を表示します。 INTEGRA 9510 GS1認定バーコード検証機 INTEGRA 9510 は、カメラタイプの高性能検証機で、二次元コードの検証も可能です。検証結果を単に表示するだけでなく、当検証機ならではの低グレード結果へのアシスト機能、履歴データの保存、ログイン管理が搭載されており、コンピュータ化システムバリデーションにもいち早く対応しております。完全日本語化対応で、ワンクリックで誰でも簡単に検証操作が可能です。薬品電子監督管理コード』が制定され、該当する医薬品を中国へ輸出する際には、医薬品電子監督管理コードに準拠したバーコードを表示する必要が出てきます。医薬品電子監督管理コードの規定には、エンコード ( 情報を一定の規則に従ってデータに置き換えて記録すること )、貼付け方法、印刷品質、データ収集に対して規定されています。中国では、医薬品電子監督管理コードを規定することにより、医薬品の身分証明番号の制定（偽造薬防止）、データの保存と収集（トレーサビリティ）、物流フロー等情報サービスの確立を目的としています。＜表1：アプリケーション識別子の解説＞多くの施設では医療安全対策で悩んでおり、バーコード利用は「薬品管韓国では『医薬品バーコードと電子理」と「医療安全」に大きな期待ができタグの使用及び管理要綱』が制定されます。バーコード読み取りによって得られる情報は、バーコード自体の情ています。管理要項では、医薬品の情報表示に報の他に、決められた物や種類だけにバーコード又は RFID が選択で付与された付加情報や、読取回数／読きるようになっており、指定医薬品及取時間などの行為情報も得ることが『薬品管理』ではデータのび専門医薬品のバーコード表示には、可能です。使用期限・ロット番・シリアル番号正確な入力と省力化を目的としの表示が必要となっています。バーて、薬品の在庫管理や救急カートの管コード表示には GS1-DataMatrix が指理、特定生物由来製品の管理でバー『医療安全』では主定されており、日本の厚労省が規定すコードが活用でき、る GS1- データバー（コンポジットにヒューマンエラー防止を目的コード）とは使用するシンボルの指定として処方薬、注射薬の監査や抗がん剤混注監査で活用しています。が異なっています。韓国へ指定医薬品を輸出する場合には韓国の管理要項に準拠した《現場の声：実際の医療現場における GS1-DataMatrix を印字して出荷する安全対策でのバーコード利用のポイントとしては、スキップを招きにく必要があります。い！仕組みを考える事が重要であ第 3 部新バーコードの注射薬での運用とり、効率を優先する現場では、「手間」 PTP におけるバーコード表示の活用（前編）をかけてチェックする対策は、人間の【韓国で採用された GS1-DataMatrix】特性から対策の省略を招きやすいそうです。》注射セット監査での活用例では、注射せんの指示に従い患者ごとに注射剤をセットします。一つ一つ薬品のバーコードを読み取り、処方データと出された薬品の種類と数量を監査する。セットミスがあった場合には警告音とエラー画面を表示して確実にヒューマンエラーを防止しています。監査での利用による安全性効果については、表 2 を参考にして下さい。効率性の効果としては、個人別取り揃えで実施しているダブルチェックの２次監査の廃止や、輸液等のピッキングや個人別取り揃え作業を補助者に業務シフトが可能となり、薬剤師が専門分野に集中できる効果が期待できます。次号では、中里先生による医療現場での活用事例（後編）と「第４部 CSV 対応システムのご紹介」の講演内容を紹介いたします。（特別講演：芳賀赤十字病院薬剤部中里先生）芳賀赤十字病院様では、早くからバーコードを活用してヒューマンエラーの撲滅や業務の効率化に取り組まれており、今回の医薬品へのバーコード表示実施に関する通知により医療機関における期待と効果、逆に問題点など現場の講話を頂きました。＜表 2：注射剤個人別取り揃え時に生じたインシデント件数の比較＞ダブルチェックの２次監査の廃止や、輸液等のピッキングや個人別取り揃え作業を補助者に業務シフトが可能補助者へ作業シフト１次監査２次監査 2013年5月号は・・・輸液等の集計だし『医療用医薬品への可変情報表示検討セミナー』講演内容のご紹介（後編）輸液等の個人別取り揃えし検査台へ薬剤師が処方チェックとバーコード監査をご紹介いたします。セットされた薬剤を別の薬剤師がダブルチェック第2回ワイヤレスM2M展 RFIDソリューションゾーン出展のお知らせ来る平成25年5月8日（水）∼10日（金）までの3日間東京ビックサイトで開催されます『第2回ワイヤレスM2M展 RFIDソリューションゾーン』に出展いたします。招待状ご希望の方は、弊社営業担当までお気軽にお声掛け下さい。無料招待状をお渡しします。期間：2013年5月8日（水）∼10日（金）10:00-18:00 場所：東京ビックサイト西棟１F 当社ブース番号：西1ホール3-30 5月号は　5月　10日発行です。都合により内容が変更になる場合がありますので、予めご了承下さい。バックナンバーは当社ホームページに掲載しております。　2013年4月号Vol.95 2013年4月8日発行営業三部名古屋営業所大阪営業所福岡営業所日立営業所株式会社マーストーケンソリューション編集事務局：03(3352)8545 東京都新宿区新宿1-8-5 Tel:03(3352)8522 Tel:052(565)9091 Tel:06(6353)5476 Tel:092(441)3638 Tel:029(276)9555 新宿御苑室町ビル Fax:03(3352)8579 Fax:052(565)9094 Fax:06(6353)6125 Fax:092(441)3639 Fax:029(276)9556 http://www.mars-tohken.co.jp