やまがた でんとう こうげい みこし

(やまがた でんとう こうげい みこし)
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伝統技術の粋を尽くして製作されたお御輿です
山形仏壇は、江戸時代・享保年間(1724~1777)に、江
戸浅草で技術を学んだ“星野 吉兵衛”が、山形に戻って製作
技術を伝えたのが始まりといわれています。もともと山形は、
良質な漆や木材が豊富に採れたこと、職人町の整備により職
人が保護されたこと、そして最上川舟運の発達で関西方面か
ら優れた技術や文化が伝わったことなどが重なり、仏壇製作
はその後、急速に発達しました。
山形仏壇は、①木地、②宮殿(くうでん)、③彫刻、④金具、
⑤塗、⑥蒔絵(まきえ)、⑦箔押し・仕組 の7工程に分かれて
製作されます。300年の歴史の中で育まれた山形仏壇ならでは
の特徴は、欅(けやき)を使った「ほぞ組」による頑丈な造
りや、奥行きのある精密な宮殿と彫刻、黒金具の落ち着いた
輝き、温かな木目調の漆塗りなどです。こうした特徴を受け
継ぐ金仏壇は、昭和55年3月3日に「伝統的工芸産業の振興に
関する法律」に基づく伝統的工芸品として通商産業大臣(当
時)より指定を受け、全国的にも高く評価されています。
これまでに全国16の仏壇・仏具が伝統的工芸品の指定を受
けておりますが、関東・新潟以北では山形が唯一の指定に
なっております。
仕
様
台輪寸法:75㎝
最大幅:140㎝
最大高:210㎝
総重量:約300kg
材 質:欅、栓、桧
朴、松材
形
状
台輪三味胴
屋根四方唐破風型
正面唐戸
総桝組造り
同じ技術を活かした「山形神輿」も江戸時代からの伝統を
持ち、城下町時代以来の伝統工芸として全国的にも注目され
ています。欅(けやき)、栓(せん)を主に用い、四方唐破
風造りの屋根に本漆梨地塗を施し、金具や彫刻にも山形仏壇
独特の特徴が活かされた荘厳な御輿です。
山形市では山形県仏壇商工業協同組合の高度な伝承技術の
粋を尽くして製作された「山形伝統工芸御輿」を、伝統工芸
産業の振興および地域活性化のために活用することを目的と
して平成26年5月に購入いたしました。
製作者:山形県仏壇商工業協同組合
明治44年11月15日にその前身である仏像・神輿・仏壇組合として組織され、昭和25年2月25日に現在の名称である
「山形県仏壇商工業協同組合」で発足しました。
組合員の製作する山形仏壇は、第19回全国伝統的工芸品仏壇仏具展において経済産業省製造産業局長賞を受賞する
など、その技術・技法は全国的にも一目置かれております。
名称: 山形県仏壇商工業協同組合(理事長
小出 光勇)
住所: 〒990 - 2431 山形県山形市松見町8 - 11
組合員数
42人
伝統工芸士
11人