NTTソフトウェア(株)における EPMの適用について 2007.7.9 NTTソフトウェア(株) 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 ツールというよりは環境に近い • Linux、Apache等、アプリケーションとの違い – エンドユーザが直接利用するものではない。 – エンドユーザにとってメリットが見えない。 • gnu, eclipse, cvs, xUit, Log4x等、開発ツールとの違い – 開発者からもメリットも見えない。 • マネージャ、リーダのツール – マネージャやリーダから見て、魅力的なメリットはあるか? – 直接的な稼動削減効果はあるか? – 成功事例はあるか? ★他のツールと比較して、 導入、展開のハードルが高い 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 パイロットではなく全社適用を検討 • パイロット – よい点 • 軽い気持ちで行える。 • 失敗してもダメージ小、プロジェクト側も精神的なダメージ小 – 悪い点 • 準備が不十分、目的、導入効果があいまい • 全社導入という観点での検討が置き去り • パイロットの評価はインフレ気味、パイロットで終わる可能性大 • 全社適用 – よい点 • 具体的な効果、目的、効果を明確になる • しっかりとした体制を組める • 足りない機能については、投資して、補うことができる – 悪い点 • 失敗すると影響大 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 試行導入は、可能だが、 その後の、全社展開は難しい。 →全社適用まで考慮した、 ストーリーが必要! 現場とPMOの双方のメリットを明確にする • 導入にあたっての考慮点 – トップのコミットメントも大事だが、現場の理解も必要。やらされ感が出て きて、長続きしない。 – EPMツール導入自体を目的としない • ツール利用によるマナーの統一、規律の統一という効果は確かにあるが、 ツールに振り回され、使わせられ、使えない、という結果に。 – 現場から見てのメリット、楽になる部分を、明確にする。 – PMOとして、何を期待するのか、明確にする。 プロセス改善の道具として 位置づけ利用する 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 プロセスの改善の道具として活用 • 基本動作 – 品質管理単位に、バグ密度、試験密度、バグ成長(死滅)曲線などのメトリックス で管理。メトリックスは、出荷判定等で、利用し、プロジェクト完了時に、メトリック スDBへ登録。 • 課題 – 品質管理単位に、プログラム規模、バグ数を手動で計測する必要があり、非常に 面倒。プロジェクトが忙しくなると、なおざりになる傾向。 • 対策 – EPMの収集機能を使って、既存の、面倒な作業を、簡単に、自動化できるところ は自動化する。 • 期待される効果 – – – – – メトリックス計測の稼動削減効果(現場) タイムリーな品質管理(現場) 基本動作の徹底(PMO) 品質管理の底上げ、経験の浅いPLのサポート(PMO) メトリックスデータの正確な収集(PMO) 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-1 NCLOC • 課題 – プログラム規模が計測できないため、バグ密 度、試験密度が計測できない。 • 対策 – NCLOCを計測する機能を追加する。 – 物理SLOCと論理SLOC両方計測 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-2 改造規模 • 課題 – 機能追加・改造の場合、改造量が計れない。 機能追加・改造の開発が多いため、必須であ る。 • 対策 – 改造量を測る機能を追加。さらに、試験密度も、 改造部分と母体部分を分けて、それぞれ密度 で管理できるようにする。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-3 品質管理、進捗管理単位 • 課題 – 品質管理単位、進捗管理単位で、データが収 集できない。全体では粗すぎる。 • 対策 – 適当な粒度に分割して管理単位を設定し、そ の単位でのデータを収集するように機能追加 した。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-4 インストール・設定の負担 • 課題 – インストール及びその後の設定のハードルが高く、プ ロジェクトにとっては負担。 • 対策 – プロジェクトでインストールしなくても、使えるような サーバ環境を提供。また、プロジェクト固有の設定は、 直感的に分かり易い、Windows GUIインタフェースを 提供。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-5 複数プロジェクトでの共有/アクセス制限 • 課題 – 1つのEPMで複数のプロジェクトが共有する場合、プ ロジェクト間アクセス制御が出来ない。プロジェクト毎 にインストールし、設定するのはそれなりの稼動がか かり、プロジェクトにとっては負担。 • 対策 – アクセス制御を行っている既存の構成管理・バグ管理 のサーバを流用し、そのサーバからデータ収集を行う。 またデータ収集はEPMで行うが、EPMのGUI部分は 使わず、アクセスするインターフェースを作成して対応 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-6 バグ票の項目の統一 • 課題 – バグ票の管理項目については、EPMとして標準項目 が決められているが、会社に既にあるバグ票項目と のすり合わせが必要。 • 対策 – バグ票の標準項目を再整理。全体で58項目。必須項 目(12項目)、オプション項目(46項目)、に分類し、小規 模PJも適用できるように配慮。さらに、それぞれの項 目について、ウォッチの観点、問題の傾向、と対処方 法等を整理。また、バグ票の項目の設定、バグのカウ ントの基準を、Winクライアントで設定可能とした。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-7 他システムとの連携 • 課題 – 他ツール、他システムとデータ連携するインタ フェースがない。このため、既存の品質分析 ツールと連携することができない。 • 対策 – 既存の品質管理ツールと連携するため、CSV ファイルへエクスポートする機能を追加。また、 メトリックス票への転記もサポート。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPM導入にあったての課題と対策-8 影舞、Subversionの対応 • 課題 – 影舞(BTS)はサポートされていない。NTTソフトウェア では、標準BTSとして影舞を推奨している。 – Subversionが対応していない。Subversionの利用が多 いので、対応は必須。 • 対策 – 機能追加を実施。 – ※IPA版EPMでは、サポートされているが、時期が間 に合わなかったため、独自追加。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 EPMを組み込んだシステムイメージ Server #1 BTS EPMの 機能追加版 VCS メトリックスDB 集計 収集 Server #2 BTS 設定 VCS エンピリカル データベース Server #3 BTS ポータル Server EPM++ VCS 設定 PJ管理情報 品質の監視、 分析に集中できる 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 ポータル Client 品質管理単位での バグ密度、 試験密度の管理 分析ツール QA PM、PL 開発者 品質分析 開発~導入スケジュール 年度 H.15 H.16 H.17 H.18 H.19 EASE版EPM (IPA版EPM) EPM++企画・設計・製造 V1 データ評価は 年度後半予定 試行サービス 本格サービス開始 約20項目 改善要求あり V1.1 運用してみないと わからない事も多くある。 まずは、使ってみることが重要! 現在、運用中 約 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 50以上のPJで利用 IPA版EPMとの関係 • EPM0.94β版(EASE版)を母体に開発。 • 社内への適用スケジュール上、IPA版のリ リースを待つことが出来なかった。 • IPA版との統合については、現在未定。有 益な機能があれば統合予定。 本文書の無断での引用・転載を禁じます。 まとめ • 適用のポイント – – – – EPMを使うことを目標にしない プロセス改善のツールとする 具体的な効果、メリットを明確にする 必要に応じて、カスタマイズが必要 • 普及に向けて – 使わないとわからないことが多くある – 多くの会社で適用し、改善していくことが重要 • 特に、EPMに関係する企業は、積極的に自社で適用すること が必要 本文書の無断での引用・転載を禁じます。
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