Mass, Energy and the Speed of Light

通信英和コース
技術分野
初級 1課
第1課
テキスト
Mass, Energy and the Speed of Light
Mass Grows as Speed Increases
You have probably felt the excitement of riding a sports car faster and faster on a
smooth, level road. Imagine your car strength is unlimited, your car has hundreds of
higher gears, and you can keep increasing your speed. Suppose a friend measures your
speed and mass as you pass different spots along a path. Your mass would become
greater, the closer you came to reaching the speed of light. At nine-tenths the speed of
light, your mass would be about twice as large as it was at the start. The extra mass had
to come from somewhere.
Einstein was the first person to state that mass grows as speed increases. He also
stated that the new mass is created from the energy used to make the original mass go
faster. As you neared the speed of light, much of fuel gas energy would change into
mass. The speed of this larger mass would increase slowly.
Einstein's theory predicts that no object that has mass when it is still can go fast as
the speed of light. You can never produce enough energy to make an object go this fast.
Instead, the object's mass will keep increasing.
Mass and Energy are the Same
Einstein realized that matter is more than something that has mass and takes up
space. He recognized that matter and energy are simply different forms of each other.
He pointed out that a small amount of matter can change into a large amount of energy,
following the formula E = mc 2 .
Einstein also realized that the total amount of energy and matter never changes.
Energy and matter can change into each other, but nothing is ever lost in the change.
This idea is called the law of conservation of mass-energy.
1
通信英和コース
技術分野
初級 1課
第1課
大
技術解説
意
高速で動く自動車が通過する道沿いの地点で、2 点間の速度と質量(人と自動車の)の差を測
れるものとすると、速度が増加するにつれそれらの質量も増加するはずだとアインシュタインは
考え、これを発表しました。この考え方によると、質量が 2 倍になるときには、速度は光の速度
(30 万 km/sec)の約 90%に達するのです。また、質量とエネルギは同等なもので、物質とエネ
ルギを相互に変換することが可能です。
翻訳キーワード
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
mass
質量
the speed of light
光の速度
level road
水平な道
hundreds of higher gear
何百ものギヤ段数
the extra mass had to...
質量が、どこからか追加されたにちがいない。
near... (vt.)
…に近づく
fuel gas
燃料ガス(ガソリン)
as you pass ..
…を通り過ぎる時、
as you neared the speed...
の as も…する時として訳します。
when it is still...
静止している時
following the formula...
式で表されるように
the total amount of energy and matter
エネルギ量と物質の量(質量)を足した総計
☆ matter は、「物質」のみでなく、「質量」も意味します。
2
通信英和コース
技術分野
初級 1課
技術解説
まず理解しておくことは、「質量」と「重量」が似ているようで違うということです。一般に
我々が「重さ」といっているのは、「重量」のことで、これは「質量に地球重力の加速度を掛け
た値」です。地球重力の大きさは、地球上の場所によってわずかですが異なっています。つまり
同一の物体でも、地球上の異なる場所に持っていけば重量は変化します。
それならばある物体の「質量」は一定なのかというと、これもまたその物体がスピードをもっ
て移動すると変化するのです。さらには「時間」も、どこでも同じであると言えるような絶対の
値をもつものではないのです。高速で移動する物体での時間の刻みは、地球上とは異なってしま
います。この世の中で唯一、不変であるものは、光のスピード(真空中では約 30 万 km/sec)だ
けである、とアインシュタインは考え、現在もこの説が受け入れられています。
〈質量〉(mass)
止まっている物体は止まり続けようとし、運動している物体はそのままの速さ、そのままの方
向に動き続けようとします。これが物体の慣性(inertia)です。慣性の大小は物体1つ1つで決
まった値を持っています。この値を質量(mass)といい、単位はグラム(g)やキログラム(kg)
です。別な言い方をすれば、慣性とは「力に対する動かされにくさの度合い」と言うことができ
ます。
質量 10gの物体は質量1gの物体より、慣性が 10 倍大きいことを意味します。静止している
物体の質量は、どこにあっても一定です。
〈重量〉(weight)
重量は前述のように、「質量に重力の加速度(acceleration)を掛けた値」です。地球での重力
の加速度はg(gravity)で表され、その値は平均 9.8 meters/second2です。
重量の単位は「g 重」あるいは「kg 重」です。
月での重力の加速度はほぼ地球の 1/6 ですから、地球上で 60kg 重の物体の重量は、月ではおよ
そ 10kg 重ということになります。
物理学では、単位の「kg 重」は重量を表し、「kg」は質量を意味するので要注意。
注:単位と変数の区別
科学では、単位と変数を字体の違いで区別しています。
正体は単位を、斜体(イタリック)は変数を表します。たとえば、
g は、質量の単位「グラム」を、
g は、重力加速度「ジー」を表す、
という約束になっています。間違えないように注意しましょう。
3
通信英和コース
技術分野
初級 1課
1. 質量と重量の測り方
(1) 質量を測る
天秤(てんびん)は、既知の分銅の質量と比較して物体の質量を測る計器です。下図のよ
うに、左右の腕の長さ l の等しい天秤の左右の皿に質量m1 の分銅、質量m2の物体を載せて
つりあった時、モーメントのつりあいにより、次の式が成り立ちます。
分銅
質量を測りたい物体
m1
m2
g1
g2
支点
l
*モーメントとは、物体の
重量×支点からの距離のこ
とです。
l
m1 g1l = m2 g 2l
同一場所では、 g1 = g 2 なので、 m1 = m 2 となり、分銅と物体のつりあいは、重力加速度
g には関係なく得られることが解ります。したがって、物体の質量は分銅の質量に等しいこ
とがわかります。
この原理で、重量も mg として測れることになります。
(2) 重量を測る
バネの伸びは、物体の重量に比例します。ゆえに、バネ秤で物体の重量を測ることができ
ます。
① 重力単位
バネ秤で測って、1g の重さの物体を持ち上げる力を1g重と表します。しかし、1g
の物体の重さは場所によって変わるので、1g 重という大きさの力は厳密なものではあり
ません。
② 絶対単位
質量 1kgの物体に働いて 1m/sec2の加速度を与えるような力を 1 ニュートンと定め、
1Nと書きます。
2. ニュートンの法則
(1) 第1法則(慣性の法則)
物体に外からの力が加わっていないとき、あるいは、二つ以上の外力が加わっていても、
それらの力がつりあっているときは、物体は静止しているか、または、等速度運動をつづ
けます。静止している物体はいつまでも静止しつづけようとし、動いている物体はいつま
でも動き続けようとします。この性質を慣性といいます。
(2) 第2法則
質量 m の物体に外力 F を加えると、物体に力の働いている間だけ、外力に比例し質量に
反比例する加速度 a がその力の方向に生じます。これが第2法則です。
これを式で表すと、
a=
F
m
または
F = ma
となります。これを運動方程式といいます。
4
通信英和コース
技術分野
初級 1課
(3) 第3法則(作用・反作用の法則)
物体 A が物体 B に力(作用)を及ぼすと、B は A に大きさ
が等しく反対方向の力(反作用)を及ぼします。下の図では、
リンゴが机に作用を及ぼし、机はリンゴに反作用を及ぼしてい
ます。
作用と反作用は、一直線上にあって互いに逆向きです。「2
力のつりあい」と「作用・反作用」は次の点で根本的に異なり
ます。
反作用
作用
2力のつりあい: 同一の物体に働く大きさが等しく向きが反対の2力。
作用・反作用: 別々の 2 物体に働く 2 つの力。
3. アインシュタインの特殊相対論
(1) エネルギ保存の法則と E = mc の意味
「すべてのエネルギは保存される」、つまり運動エネルギ、熱エネルギ、電気エネルギな
ど相互の変換はあっても、無からエネルギが生じたり既存のエネルギが消滅したりするこ
とはありえない、というのが物理学全体を貫く大前提です。
2
アインシュタインは、エネルギ相互の変換だけでなく、質量⇔エネルギの変換も可能であ
ることを明らかにしました。 質量とエネルギの等価性を意味する式が
E = mc 2
です。この意味は、質量 m の物質は、その質量に光速度 c の 2 乗をかけた値のエネル
ギに変換しうるということです。
(2) 運動に伴う質量の増加
いまロケットに点火して、宇宙船を加速していくとします。宇宙船のスピードは上がって
いきますが、光速度には到底達しません。それは宇宙船を加速するはずのエネルギが宇宙
船の質量を増加するために使われてしまい、光速に達するずっと以前に宇宙船の質量が莫
大なものとなるからです。
静止時の質量(静止質量)が m0 である物体が、速度 v で運動する時の質量 m は次の式
で表されます。
m=
m0
⎛v⎞
1− ⎜ ⎟
⎝c⎠
2
5
通信英和コース
技術分野
初級 1課
第1課
添削課題
次の英文(下線部のみ)を訳して下さい。
Which scientist formulated the famous equation E=mc2 ?
The formula was the work of the great scientist Albert Einstein. This is what it
means.
When a neutron splits an atom, the mass of all the pieces is actually less than the
mass of the original atom plus the neutron.
How can this be? Because energy is released. Einstein's formula can be explained
as follows: E = energy released; m = mass lost; c2 = the speed of light squared. So the
energy released in an nuclear reaction is equal to the mass lost multiplied by "c2". And
"c2" is huge, for light travels at 186,000 miles a second. You can see, therefore, that
even if the mass "m" is tiny, the energy E will be very great. The value of "c2" is
186,000 multiplied by 186,000.
Einstein's formula explains why such huge amounts of energy are released when
the atom is split.
Is there such a thing as antimatter?
No one has yet proved that antimatter exists anywhere in the Universe. But
scientists think logically it should exist. Just as matter is made up of particles (that form
atoms), antimatter would be matter made up of antiparticles. An antiparticle would have
the same mass as a known particle, but an opposite value. So the electron in an atom
(which is negatively charged) would have as its antiparticle an equal but positively
charged positron.
専門用語
∗
∗
∗
∗
∗
∗
∗
neutron
atom
mass
squared
antimatter
antiparticle
positron
中性子
原子
質量
2乗された
反物質
反粒子
陽電子、ポジトロン
6