Ensemble Poulhaud 2nd Live

2nd Live
2010.11.27 (Sat)
17:30 Open
18:00 Start
Ookayama Lutheran Church
Greeting
本日はアンサンブルプヨー第 2 回演奏会にお越しいただきありがとうございます。
第1回は 1 年前の春に開かれ、我々がこれだけ揃って演奏できるのも久しぶりの
ことですが、今回もおしゃれで曲も編成もバラエティーに富んだプログラムになって
おりますので、最後までお楽しみいただければと思います。
さてこのアンサンブルプヨーは元々4年ほど前に結成(名付け?)され、木管
五 重 奏 曲 を 中心 に こ れ まで 1 0 曲以 上 も の 曲に チ ャ レ ン ジ し て き ま し た 。ち な み に
名前の由来は結成した当時に練習していた曲が Poulenc と Milhaud の曲だったた
め、その名前を組み合わせてフランス語読みの" Poulhaud " にしたというものです。
木管五重奏はご存知のとおりすべて楽器が異なり、しかもリード楽器、ダブルリ
ード、金 管まで もが 入 るゆ えに 音色豊 かで 自由度 がものすご く高い 、し かし 同時
に 合 わ せ る こと が 大 変 難 し く 個 人 の 力 量 で 出 来 が 大 き く 左 右 さ れ る 編 成 で も あ り
ます 。ア ンサ ンブ ルコ ンテ スト な ど で は 木 管 五重奏 が上 位に 入る のは 至 難 の業
で あ り 、旋律 楽器 の 卓 越 し た 技巧 は 当 然 の 様に 要 求さ れる 上に 低 音楽 器と の
ブレンドが求められます。そのためかアマチュアの団体で金管バンドはいくつもあり
ますが、木管バンドは非常に数尐ないものとなっています。また曲の年代としては
比較的新しいものが多く、20世紀以降に作られた曲がほとんどです。
そんなマニアックな業界の中で、これだけのいろいろ普段できないような曲を演
奏 す る こと が で き たの は 非 常 に 貴 重 で 大 き な 経 験 であ っ た、と 個 人 的 に は 思 っ て
います。
来 年 は メ ン バ ー も 卒 業な ど で 節 目 の年で もあ り ます が 、 果 た し て 第3 回 演奏 会
も開催されるのか、メンバー一同今日という日を楽しみながらも、大変気がかりな
ところです。
アンサンブルプヨー代表
Cl.森 宏之
Program
アゲイ / 5つのやさしいダンス
Denes Agay / five easy dances
オーリック / 木管三重奏のためのトリオ 第三楽章
Georges Auric / Trio pour hautbois, clarinette, et basson
チェレプニン / 6 つの四重奏曲
N.Tscherepnine / Six quartets
エワルド / 金管五重奏曲 第一番 作品5
Victor Ewald / Brass quintet No.1, Op.5
ラヴェル / ソナチネ
Joseph-Maurice Ravel / Sonatine (Transcripted by Wayne Peterson)
(休憩)
ブラームス / クラリネット五重奏曲 ロ短調
Johaness Brahms / Clarinet quintet in b minor
ラヴェル / マ・メール・ロワ
Joseph-Maurice Ravel / Ma Mère l'Oye (Transcripted by Joachim Linckelmann)
Program Note
 D.アゲイ / 5つのやさしいダンス
1.ポルカ 2.タンゴ 3.ボレロ 4.ワルツ
5.ルンバ (Fl.青木/Ob.生野/Cl.森/Fg.塚本/Hr.兼先) 演奏時間:10分
5種類の短い小品からなるこの曲は、ある時は軽快に、ある時はこぶしを利かせ
独特の雰囲気を醸し出します。木管五重奏ならではの響きを十分にお聞きいた
だけるかと思います。(森)
 G.オーリック / 木管三重奏のためのトリオ 第三楽章
(Ob.生野/Cl.森/Fg.塚本) 演奏時間:5分
オーリックは「フランス六人組」の一人であり、「ローマの休日」、「美女と野獣」な
ど数々の映画音楽の作曲家として知られています。今回演奏しますこのリード楽
器のためのトリオもまるでシャンゼリゼ通りのカフェから聞こえてきそうな、エスプリの
きいた陽気な曲となっています。(森)
 N.チェレプニン / 6つの四重奏曲 I 夜 II 古いドイツ歌曲 III 狩 IV 踊り
子 V ポピュラーソング VI コラール
(Hr1.小林/Hr2.兼先/Hr3.篠原/Hr4.伊藤) 演奏時間:10分
チェレプニンは 20 世紀前半にロシアやパリで指揮者、作曲家として活躍した人
物で、バレエ音楽を多く残しています。この曲は今からちょうど 100 年前に作られた
曲で、美しい和音と素朴なメロディーが特徴的です。木管アンサンブルとは一味
違ったホルンだけのハーモニーを楽しんでいただければと思います。(兼先)
 V.エワルド / 金管五重奏曲 第一番 作品5
(Tp1.清水/Tp2.兒玉/Hr 伊藤/Tb 若松/Tub 野澤) 演奏時間:15分
Victor Ewald は 150 年の今日、11 月 27 日にロシアのサンクトペテルブルクで生ま
れました。本業は土木技師でありながら、作曲だけでなく演奏家としても一通りの
金管楽器やチェロを手がけました。今回演奏します金管五重奏曲第一番は彼
の、そして金管アンサンブルの代表的な名作であり、現在でも頻繁に演奏されて
います。耳になじみやすい、民謡風のメロディに彩られた 3 楽章です。(清水)
 M.ラヴェル / ソナチネ (編曲:ウェイン・ピーターソン)
(Fl.青木/Ob.生野/Cl.森/Fg.塚本/Hr.兼先) 演奏時間:15分
雑誌主催のコンクールを契機として,1903 年から 1905 年にかけてラヴェルは《ピ
アノのためのソナチネ》を作曲した.演奏家からも聴衆からも好評で,ただちにデ
ュラン社から出版されることになった.この曲は彼の親しい友人であったゴデブス
キ夫妻に献呈されている.なお,後に作曲されたマ・メール・ロワはこの 2 人の子,
ジャンとマリーに捧げられている.今回演奏するのは,ウェイン・ピーターソンによっ
て木管五重奏に編曲されたものである。
第 1 楽章 中庸に
F♯ minor.第一主題は F♯→C♯の 4 度の下降から始まる短調のメロディ,クラ
リネットとフルートの細かい 16 分音符が躍動感を盛り立てる.第二主題はオーボ
エから始まる.冒頭の F♯→C♯の動機を反復する間にフルートが鳴らす E の持
続音から第一主題を再び導く.第二主題の後 f となって盛り上がった後,第一
主題が mf で再現される.再び現れる第二主題は転調しており,最後は F♯
major になって落ち着く.
第 2 楽章 メヌエットの動きで
D♭ major の朗らかなメロディがクラリネットから始まるが,丌規則な楽節構造を
持ち,調性感が無い.ファゴットの湧き上がるようなメロディが徍々に力を増してい
き,ff と頂点を迎えた後に転調する.続くフルートのメロディは第 1 楽章の第一主
題を思い起こさせる.再びクラリネットのメロディに戻る.三たび転調して静かになっ
た後,コーダがつくられて終わる.
第 3 楽章 活き活きと
F♯ minor.フルートとクラリネットが交互に 16 分音符の伴奏を奏で,その上にオ
ーボエの鋭い音型の第一主題が現れる.続いて 3 連符の上でズリ動くようなメロ
ディとなる.これを繰り返すと,フルートとオーボエが E の音を連打する.拍子が 4
分の 5 に変化すると,第 1 楽章での第一主題が短縮されて現れる.C♯→G♯
の 4 度の下降音型が続くと頂点を迎える.フルートとクラリネットの伴奏が続く中で,
第 一 主 題 が オ ー ボエ に , 続 い て ホ ル ン に 現 れ る . こ れを 繰 り 返 さ れ た後 に 転 調 し ,
最後は F♯→C♯の 4 度の下降音型を響かせてフィナーレとなる.(塚本)
 J.ブラームス / クラリネット五重奏曲 ロ短調
第1楽章 Allegro 第3楽章 Andantino - Presto non assai 第4楽章 Con moto
(Cl.朝倉/Vn1.松本/Vn2.福田/Va.和田/Vc.稲垣) 演奏時間:25分
晩年のブラームスは創作意欲を失い、小品の整理や遺言集の準備に取り組ん
でいました。しかしその頃、マイニンゲンのオケのクラリネット奏者、リヒャルト・ミュー
ルフェルトに出会います。ブラームスは彼のクラリネットに出会い、完全に虜にな
ってしまいます。1年以上も作曲の筆をおいている状態でしたが、この時彼は生
涯に感じたことのないほどの魅力をクラリネットに感じ、たちまち創作力を回復した
と伝えられます。その素晴らしい成果が、クラリネット三重奏曲、2つのクラリネッ
ト・ソナタ、そして本日演奏する、クラリネット五重奏曲です。
クラリネット五重奏曲をひとことで言い表すならば、「枯淡」であると思います。その
当時の彼の心境を反映するかのように深い諦念とほの暗い情熱があふれていま
す。この深い憂愁の味が多くの人に愛好されてきました。
本日は、全4楽章から1,3,4楽章を抜粋して演奏致します。(朝倉)
 M.ラヴェル / マ・メール・ロワ (編曲:Joachim Linckelmann)
(Fl.青木/Ob.生野/Cl.森/Fg.塚本/Hr.兼先) 演奏時間:20分
この曲はもともとピアノ連弾のために作られましたが、管弦楽組曲、バレエ組曲に
編曲されています。「マ・メール・ロワ」は英語では「マザーグース」のことで、各曲
の題材はフランスの童話集の中からとられています。
第1曲:「眠りの森の美女のパヴァーヌ」
第2曲:「おやゆび小僧」
(曲の冒頭の引用文)「彼は通り道のいたるところにパンをまいてきたので、その
道が簡単にわかると思っていた。ところが、パンのひとかけらも見つけることが出
来なかったので、とてもびっくりした。鳥たちがやってきて、みんな食べてしまったの
だ。/シャルル・ペロー」
第3曲:「パゴダの女王レドロネット」
(曲の冒頭の引用文)「彼女は服を脱ぎ、お風呂へ入った。すると男女の首振り
人 形 たち が 歌 い 、楽 器 を 演 奏 し 始 め た 。あ る 者 は ク ル ミ の 殻 で で き た竪 琴 を 持 ち 、
ある者はアーモンドの殻でできたヴィオールを持っている。楽器を彼らの大きさにあ
わせなければならなかったのだ。/ドーノワ夫人:『緑のヘビ』より」
第4曲:「美女と野獣の対話」
(曲の冒頭の引用文)
~「あなたの素直な心を思うと、それほど醜くはみえないわよ」
~「はい、そうですとも。私は素直な心を持ってはいます。けれども私は化け物で
すから」
~「あなたよりもっと化け物じみた人間はたくさんいるわ」
~「もし私に智恵がありましたら、あなたに感謝しておおいにごあいさつを申し上げ
るところですが、なにしろ私は一介の野獣にすぎません。」
~「美女さん、私と結婚してくださいませんか?」
~「だめよ、野獣さん!、、、、」
~「私は満足して死ねます。あなたに再びお会いできたのですから。」
~「だめよ、いとしい野獣さん。死なないで。あなたは生きて私の夫になるのよ!」
野獣の姿はかき消え、彼女が足元に見たものは、愛の神よりもずっと美しい王子
の姿だけだった。王子は魔法を解いてくれたことを感謝した。/ルプランス・ ド・ボ
ーモン夫人
第5曲:「妖精の園」
眠りについた王女が王子の口づけで目を覚ますシーン。
(森)
Members
 Ensemble Poulhaud
Flute
Oboe
Clarinet
Fagott
Horn
青木雅英
生野秀明
森宏之
塚本隆史
兼先宏典
 Extras (Special Thanks!!)
Clarinet
Trumpet
Horn
朝倉祐介
清水麻衣 兒玉恵里佳
伊藤誠 小林義和 篠原百合
Trombone
Tuba
Violin
Viola
Violoncello
若松大輔
野澤功一
松本大介 福田浩平
和田拓
稲垣佑典
ご来場 まことにありがとうございました♪
次回、第 3 回演奏会は20XX年に開催予定(!?)です。
今後とも Ensemble Poulhaud をよろしくお願い致します。