木を使った新しい小屋の提案 - 佐賀大学理工学部都市工学科

01
02
スモールユニット
箱
03
箱
箱
木を使った新しい小屋の提案
Team JIN SUKE
後藤隆太郎
佐藤
友亮
= 近藤
雅也(佐賀大学理工学部都市工学科後藤研究室)
+ 田中
文美
原口
達也
関光信也
多目的小屋
2009年9月
■使用例
■柱の取り方や部材の接続
1.庭先部屋
01 スモールユニット
間伐材等の丸太
(径250 400mm)
1本の丸太を4分割し、
ユニットの4本の柱が確保できる。
■基本の理念とシステム
2.本読み小屋
① 丸太の利用
間伐材等の丸太を出来るだけそのまま使う。
そのために、丸太を4分割した材を柱として使用
する。
ユニットの柱が4つ接続すると
1本の丸太のようになる。
② 木造のスモールユニット
4本の柱、床および天板により
1200 1200mmのユニットを基本とする。
床および天板はそれぞれ高さを変えることがで
き、間仕切り壁も必要に応じて取り付けることが
できるため、木造のスモールユニットのバリエー
ションが担保される。
③ ユニットの連結や配置
複数のスモールユニットの連結や配置により、
様々な場所や用途に対応する自由で楽しい空間デ
ザインが可能となる。
180
180
180
天板の接続
Diagram
3.井戸端会議
1200
ユニットとユニットの
接続部
1200
1500
4.パーゴラ(藤棚)
柱と壁・床の接続
木造のスモール
ユニット
床の接続
180
180
180
柱に接続する床や天板の
高さ
自由な組み合わせが可能
木を使った新しい小屋の提案
床や天板の高さを変えてユニットを
連結できる
etc
Team JIN SUKE = 後藤研究室(後藤隆太郎、佐藤友亮、近藤雅也、田中文美、原口達也) + 関光信也
■小箱と中箱と大箱
■箱の組み合わせ方いろいろ
それぞれの箱のサイズは350mmの倍数であり、形状は立方体である。
02
箱 箱
小箱
1050 1050 1050(mm)
箱
人は立てないが、座ったり、丸まったりできる。
2つを繋げると、人が寝ることができる。
また、自転車程度以下を収納できる。
■基本の理念とシステム
(1) 3つの箱のサイズ
3つの箱のサイズが用意される。小箱の一辺は
1,050mm、中箱の一辺は2,450mm、大箱の一辺は3,
500mmの立方体であり、それぞれ350mmを基本単位
として3倍、7倍、10倍の長さとなっている。
この3つのサイズの箱は、様々な人々の行為や
生活のスケールに対応するために必要であり、ぞ
れぞれがシンプルかつ合理的な空間を提供する。
小箱
2の2段ベッドの例
■箱の使い方もいろいろ
中箱
2450 2450 2450
一般の4畳半に満たない面積、人が立ち手を伸ばし
て天井に届かない高さ。
ラジオ体操がかろうじてできる。
大型バイクが2台並ぶ。
(2) 2つの構造材(線材/面材)
箱のつくりは、線材と面材の組み合わせによる
構造体となる。木質の構造体でありながら、軸組
構造と壁式構造が適宜選択できるような柔軟な構
造体である。
(mm)
+
+
母屋の付属屋や庭付きの宿泊施
設など
(3) 組み合わせ
3つの箱のサイズは、幾つかの組み合わせ方が
あり、複数の箱を用いることで多様な空間基盤の
提供が可能となる。さらには、2つの構造材が空
間デザインの可能性を大きく広げてくれる。
2450
1050
2450
1050
3500
大箱
3500
3500
3500
(mm)
八畳に満たない面積、一部に2層として寝台や収
納にできる高さがあり、居室や複数の人が同時使
用できる大きさ。
なわとびがかろうじてできる。
コンパクトカーが1台は入る。
大箱+小箱 2の居室の例
屋外のカフェスペース
3500
+
川辺の小屋
木を使った新しい小屋の提案
Team JIN SUKE = 後藤研究室(後藤隆太郎、佐藤友亮、近藤雅也、田中文美、原口達也) + 関光信也
■工法
■基本フレームの寸法
壁は汎用性と仮設性を高めるために柱に溝をつけ、落と
し込む。用途に応じて取り替えを可能にし、組み立てや解
体が行いやすいものとする。
開口部である、ドア、窓、突出し戸も壁と同様に落とし
込みにより設置可能なものとし、規格化により部材供給の
合理化を図る。
A
4200
1050
3150
一部を突き
上げ戸にする
3
■基本の理念とシステム
A'
(1) 基本フレームの設定
この小屋は、小規模かつ恒常的利用に耐えうる
構造や仕様が特徴であり、その工業的な生産のた
めに、汎用されうる基本フレームを設定する。
4,200mm 3,150mmの平面に、軒高2,100mm、切り
妻屋根を想定した、基本となる軸組のフレームで
ある。
2100
1050
03 多目的小屋
3150
2100
2
平面図 1/100
A-A'断面図 1/100
■使用例
・露店:突き上げ戸の活用
(2) 開口と壁の規格化
入口
大きく突き上げ戸を開放しそ
こに露台やカウンター等を設け
る事で露店として使用できる。
また解体や再利用なども容易
である。
部材等の規格化のため、開口部は開き扉と引き
上げ戸を数種を用意する。
また、壁は柱と柱の間に落とし込む壁用の板部
材を用意し、徹底した規格化に務める。
ミセ
突出し戸
(3) 多目的に使える小規模空間
1,050mmを単位として、柱を配すことにより、間
仕切り壁等を用いて、原理的には1:2:3:6
の空間に分割が可能であり、仕切り方などは様々
であり、入り内位置や開口位置との兼ね合いによ
り、多種多様な小屋空間を提供できる。
また、小規模であることから一体的な移動も可
能であり、また規格化された部材等を変更するこ
とで、用途やプランの変更等が対応する。
・離れ:半戸外空間の活用
母屋の離れや別棟としての使用する場合、
縁側などの半戸外の空間を有効に利用するこ
・山小屋:気密性の活用
とができる。
使用者が自ら作る事もでき、部分的な変化
一時的な居住スペースとしての利用も も許容できる。
可能。ベッドは最大6台(2段)収容可能。
板壁の落とし込みにより気密性の高い空
間を提供する。
入口
ベッド
縁側
入口
木を使った新しい小屋の提案
Team JIN SUKE = 後藤研究室(後藤隆太郎、佐藤友亮、近藤雅也、田中文美、原口達也) + 関光信也