解 説 「 生 分解性潤滑油 Version 2 」 商 品認定基 準 2004 年 1 月 10 日制定 1. 環境的背 景の補足 潤 滑油な どの 石油類 は、液 体であ るため 環境に 漏出し た場 合回収 が困難 であり、環境 を 汚染 することは よく知られて いる。(社 )潤滑油 協会の調査 では、 2001 年の潤滑油 販売量 209 万キロリッ トル(グリ ースを除く )のうち、廃油発生量は 120 万キロリットルと推計 され ている。こ の調査では、 環境中に漏 出した潤 滑油の量は 把握されてい ないが、開放系 での 使用や事故 などで環境中 に漏出した ものはか なりの量と なると推察 される。 開 放系の中 で代表 的なも のに「 2 サ イクルエン ジン油」 と「グ リース」がある が、前者 の 2 サイク ルエンジン油を使用する 2 サ イクルエ ンジンは、 4 サイクルエンジンに比べ軽 量で あり、保守 ・管理も優れ ているとい う特徴が ある。従っ て、陸用では モータバイク、 芝刈 り機、刈 り払い機な どに、ま た水上では 船外機などに使用 されている。しかしながら、 2 サ イクルエン ジン油はガソ リン燃料と 混合し、 一部未燃焼 オイルとして 大気や水中へ排 出さ れるため、 特に閉鎖水域 において環 境負荷が 大きいこと が問題となっ ている。 2003 年 4 月 より施行され た「滋賀県 琵琶湖のレジ ャー利用の 適正化に関す る条例」で は、 2 サイクル エンジンを 推進機関と して備えるプレ ジャーボー ト(規則で定 める方式の 2 サ イク ルの原動機 を除く)の航 行禁止が定 められて いる。ただ し、琵琶湖で も、経過措置な どに より最長 2008 年 3 月末まで は 2 サ イクルエ ンジンの使 用が認められ ているのに 加え、 この ような条例 が制定されて いない水域 では、 2 サイクルエ ンジンの使用が継続すると考 えら れる。その ため、生 分解性が高 く、環境への 負荷が少ない 2 サ イクルエンジン油への 転換 を図ること は、環境への影響を低減 する上で 、意義 があ るといえる。 また 、後者の「 グリース」 は主に屋外 で使用され 、常温では 半固体状を しており、環境 中に 漏洩するこ とは少ないが 、長期間の 暴露によ る品質(粘 性)劣化によ り、水、土壌な どに 混入し自然 環境に及ぼす 影響が大き い。 2. 対象につ いて 潤 滑油全体を 区分している ものに「石 油製品に 関する石油 製品需給動態 統計調査(指定 統計 第 51 号 2002 年 1 月 版)」があり 、この調 査品目は石 油業界で一般的なもので あり 採用 した。しか し詳細の「品 目(油種)」について は各社まち まちのところ もあるため 、上 記「 指定統計第 51 号」と合わ せて総務 省が 1990 年 6 月に発行した「 日本標準商 品分類」 で定 義している「油圧油」、「 2 サイクル エンジン 油」、「グリ ース」を対象 とした。また、 これ ら以外の潤 滑油について も「その他 潤滑油」 として対象 とした。 スプ レータイプ の潤滑油につ いては、あ えてガス を使用して 塗布する必要 性が薄く、対象 外と した。 3. 用語の定 義につい て 基 油 、 添 加剤 の 定 義に つ い ては 、 (社 )潤 滑 油協 会 の 資 料を 参 考 とし た 。 生分 解 性につ い ては その分解の 進行状況によ り大きく 2 種類に分けられる。 一 つは一次生 分解性であり 、物質の持 っている 性質を失 う ことである。他方は最終生分 解性 であり、有 機物が微生物 により分解 され無機 化されるこ とをさす。つ まり有機物の構 成 元素で ある 炭素、 水素が それ ぞれ二酸化炭素 、水ま で分 解する ことで ある ( C→CO 2 、 H→H2 O)。本基準 では、「潤滑 油自体」が環境中 に漏洩し生 態系に影響が ないことを重点 課題 としたため 、後者の最終 生分解性ま でを考慮 することに した。 LC 50 値 (50 %致死濃 度 )は LD 50 値 ( 50 %致死 量)と同じ 概念で用いら れる。 LC50 値 は その 数値が小さ いほど毒性が 強いことを 示す。 EC 50 値 (50%影 響濃度 )も LC 50 値と同 様、 1 その 数値が小さ いほど毒性が 強いことを 示す。WAF(水適応性画 分 )や WSF(水溶解性画分 ) によって 、魚 類急性毒性試 験を 実施した場合は、 LC 50 値 のかわりに LL 50 値 を 、ミジンコ類急 性遊泳阻 害試 験を実施した場合 は 、EC 50 値の かわりに EL 50 値 を用いる 。用語の定義は ASTM D6081 を 参 考にした。 なお 、本商品類 型の認定基 準策定にあ たっては、 認定基準を 満足できる 商品のマーケッ トシ ェアが潤滑 油製品全体の 中で約 20%と なるこ とを目標と しており、商品類型名 として 「潤 滑油」が適 当であるとい う意見もあ った。 し かし、消費 者への分かり 易さという観点 から Version 1.0 同様、「生 分解性潤滑 油」を商品 類型名とし た。 4. 認定の基 準につい て 4−1 環境 に関する 基準の策 定の経緯 基準の設定 にあたっては 、「商品ラ イフステ ージ環境負 荷項目選定表 」を用 い、環境の 観点 から商品の ライフサイ クル全体に わたる環境 負荷を考慮 した上で、 認定基準を設定 する に際し重要 と考えられ る負荷項目 が選定され 、それらの 項目につい て定性的または 定量 的な基準が策定される。 商品類型「 生分解性潤滑 油」におい て考慮さ れた環境負 荷項目は「商 品ライフス テー ジ環 境負荷項目 選定表」に 示したとお り(表中 ○ 印および◎ 印)である。このうち最終 的に 環境に関す る基準として選定された 項目は B-5、 B-6、 B-7、 B-8 、 C-8、 D-4、 およ び D-8(表中◎ 印)である。 な お、表中 印の欄は 検討対象に ならなか った項目ま たは他の項目 に合わせて検討 され た項目を示 す。以下に環 境に関する 基準の策 定の経緯を 示す。 表 「商品ラ イフステージ 環境負荷項 目選定表」 商品 のライフステージ 環境 負荷項目 1. 資源の消費 2. 地球温暖化影響物質の排出 3. オゾン層破壊物質の排出 4. 生態系への 影響 5. 大気汚染物質の排出 6. 水質汚濁物質の排出 7. 廃棄物の発生・処理処分 8. 有害物質などの使用・排出 9. その他の環 境負荷 A A. 資源 採取 ○ B. 製造 C. 流通 ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ D. 使用 消費 ○ E. 廃棄 ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ F. リサイクル ○ ○ 資源採 取段階 ◇A -1 (資 源の消費) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)原 料に動植 物油や動植 物由来の合 成エステルな ど、持続的 に生産が可 能な資源を 一 定の 割合以上使 用しているこ と (2)リ サイクル した原料を使用してい ること (1)につ い ては 、生 分解 性潤 滑油 では 、 植物 油あ る いは 動植 物由 来の 合成 エステル を基 油として使 用した製品が あることか ら、検討 がなされた。しかしなが ら、そのよ うな 持続的に生 産が可能な資 源について 、生分解 性を確保する上で必要な 割合に関す る知 見がないた め、基準化は 困難である とされた 。また、現状 では、石油 化学製品由 2 来 の 合成 エス テル や PAG( ポ リア ルキ レング リ コー ル) など を基 油と する生分 解性 潤滑 油も広く存 在しているこ とから、本 項目は基 準を策定する項目として 選定されな かっ た。 (2)につ い ては、 潤 滑油 のマ テリ アル リ サイ クル が ほと んど 行わ れて いないと いう 現 状 があ るこ とか ら、 その 促 進の ための戦 略と し て取 り入 れる とい う意 見 があ った。 しか し、生分解性 潤滑油にリ サイクルの 鉱物油を 混合すると 品質上問題が生じること 、 添加 剤分離に膨 大なコストが かかること から、本項 目は基準を策定する項 目として選 定さ れなかった。 ◇ A -4 (生 態系への影 響) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)外 来種にあ たる動植物 を原料とし て使用してい ないこと (2)遺 伝子組み 換え作物を 原料として 使用していな いこと (1)については 、現状で は植物油原料 はほとんど海 外から輸入 調達されてい るため、 外来 種の使用を 規定すること は現実的で はない。従って、本項目は基準を 策定する項 目と して選定さ れなかった。 (2)につ い ては 、輸 入調 達さ れる 植物 油 原料が遺 伝 子組 み替 え作 物で ある か否かを 調査 することは 実質的に困難 である。ま た、遺伝 子組み換え作物が生態系 に与える影 響の評価 につい て十分な知見 がない。従 って、本 項目は基準を策定する項 目として選 定さ れなかった。 B 製造段 階 ◇ B -1 (資 源の消費) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)製 造時に副 原料や水資 源などの資 源やエネルギ をなるべく消費しないこ と (1)につ い ては 、石 油化 学製 品由 来の 潤 滑油の基 油 の原 料は 、製 造工 場に おいて他 の石 油製品と共 に連産品の一 つとして製 造されて いる。そのた め、製造段 階での資源 やエ ネルギの消 費について評 価すること は難しく、本項目は基準を策定す る項目とし て選 定されなか った。 ◇ B -5 (大 気汚染物質の排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)製 造時に大 気汚染物質の排出がな いこと 製 造 時 に お い て 大 気 汚染 防 止 法な ど を 遵守 する 必 要 性 が あ る こ と から 、 本 項目 は 基準 を策定する 項目として選 定された。 ◇ B -6 (水 質汚濁物質の排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)製 造時に水 質汚濁物質の排出がな いこと 製 造 時 に お い て 水 質 汚濁 防 止 法な ど を 遵守 する 必 要 性 が あ る こ と から 、 本 項目 は 基準 を策定する 項目として選 定された。 ◇ B -7 (廃 棄物の発生・処理処 分) 本項目 では以下の点が検討され た。 3 (1)製 造時に廃 棄物の排出が少ないこ と 製 造 時 に お い て 廃 棄 物の 処 理 及び 清 掃 に関 する 法 律 な ど を 遵 守 す る必 要 性 があ る こと から、本項 目は基準を策 定する項目 として選 定された。 ◇ B -8 (有 害物質など の使用・ 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)MSDSの 提供など、 PRTR法を 遵守しているこ と (2)関 連する環 境法規や公 害防止協定を遵守してい ること (3)製 造時に有 害物質の使 用がないこ と (1)、 (2)に つ いて は 、 一 般 的 に は 上 記 法律を遵 守 す る こ とは 当 然 の こと で あ る が 、 エコ マーク認定・使用申込に あたって確 認するべ きことから、本項目は基 準を策定す る項 目として選 定された。 PRTR 法 に基づく MSDS の 提供につい ては、 D-8 におい て検 討された。 (3) に ついては、Version1.0 か ら引き続き 、EDTA お よび ノニルフェノール系の界 面 活性 剤につ いて検討さ れた 。 EDTA は そ の誘 導体 が酸化 防止 剤とし て、 ポリ (オキ シ エ チ レ ン )=ノ ニ ル フ ェ ニ ル エ ー テ ル な ど の ア ル キ ル フ ェ ノ ー ル エ ト キ シ レ ー ト は 抗乳 化剤の非イ オン系界面活 性剤などと して潤滑 油に添加さ れることがあ る。 EDTA は 呼 吸 阻 害な ど、 人の 健康 に影 響が あり、 また 難分 解性 で環 境中 に蓄積す るこ とから、ドイ ツのブルー エンジェル など、海 外エコラベルでは用紙や 洗剤などの 基準 において使 用を禁止して いる。従っ て、Version1.0 から引き 続き、使用 の禁止と する こととした。 一 方 、 ア ル キ ル フ ェ ノー ル エ トキ シ レ ート は、 環 境 中 で 分 解 し ア ルキ ル フェ ノ ー ルを 生成するこ とが知られて いる。ノニ ルフェノ ールを含む アルキル基の 炭素数が 5 ∼ 9 のア ルキルフェ ノールは、環 境省の 「環境ホル モン戦略計画 SPEED'98」におい て、 内分 泌撹乱作用が疑われる物 質 のリスト にあげら れている。ア ルキル基の 炭素数 が 5 ∼9 のアルキル フェノールエ トキシレートについ ては、環境中で、このリストに掲載 さ れ て い るア ル キ ルフ ェ ノール に分 解す る こと が 考 え られ る 。 特に 、 ポ リ (オキ シ エ チレ ン )=ノニ ルフェニルエ ーテルにつ いては、アルキ ルフェノールエトキシ レートの 中で 最も多く使 用されてきた 界面活性剤 であり、水域に排出さ れた後、分 解されノニ ル フ ェ ノ ー ル を 生 成 す る 。 こ の ノ ニ ル フ ェ ノ ー ル は 、 「環 境 ホ ル モ ン 戦 略 計 画 SPEED'98」の中 でも優先的 にリスク評 価を進める べき物質の 一つとし て 2000 年度か ら 調 査が 進め られ てい る。 ま た、 ノルディ ック ス ワン では 潤滑 油類 の基 準 にお いて、 アル キルフェノ ールエトキシ レートの使 用が禁止 されている。これらのこ とから、ノ ニル フェノール 系界面活性剤 に加え、よ り包括的 にアルキル 基の 炭素 数 5∼ 9 のアル キ ル フェ ノー ルエ トキ シレ ー トに ついて、 使用 を 禁止 する こと とし た。 た だし 、 「環 境ホ ルモン戦略 計画 SPEED’98」につい ては、 2003 年 10 月より、環境省において 改 訂が 検討されて いる。今後新 たな知見が 得られれ ば、この基準項目につい ては見直し てい くこととす る。 ま た 、 そ の 他 の 有 害 物質 に つ いて は 、 潤滑 油に は 、 特 に 添 加 剤の 処方 構 成 成 分と して 、PRTR 法第 一種指定化 学物質に指 定される物質が使用 されることが ある。現状 では 、それら全て を使用禁止 とすること は技術的 に困難であ ると考えられ るが、今後 は、より環境負荷 が低く同等 の機能を発 揮する物 質に転換を 促すことが望 ましい。そ こで、PRTR 法第 一種指定化 学物質に指 定されて いる物質を 処方構成成分として使用 の場 合は、報告するこ ととした 。PRTR 法では 、製品に おいて 、対象化学 物質の含有 量 が 1%未満の場 合 (特定 第一種指定化 学物質の場 合は 0.1%未満 )には、MSDS 提 供 の対 象外である が、製品にお ける含有率 に関わら ず、基油・ 添加剤におい て 1%以上 含 有 され てい る物 質に つい て は報 告対象と する こ とと した 。加 えて 、製 品 にお いて、 4 D-4 に て毒性試 験の実施が 検討された 。 C 流通段階 ◇ C -1 (資 源の消費) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)容 器・包装 は資源の消 費に配慮し ていること (2)繰 り返し使 用できるも のであるこ と (3)外 箱は再生 材料を使用しているこ と (1),(2)に つ いて、我が国 では潤滑油 容器の多くは スチール製 でありリサイ クルされ てい る。一方、グ リース用の ジャバラ容 器や輸入 品などにお いてプラスチック製容器 も広 く使用され ていることか らこれも認 めること としたが、プラスチック 製容器は油 の付 着などの問 題からリサイ クルが難し く、ワン ウェイの使用となること がほとんど であ ると考えら れる。そのた め、資源消 費への配 慮から、これらの容器に は再生材料 の利 用を推進す ることが望ま しい。しか しながら 、耐久性など の品質的な 要求や、市 場で 入手可能な 再生材料を使 用したプラ スチック 容器の現状 などから、基 準化は困難 であ ると考えら れた。また、大型容器か ら詰め替 えて繰り返し使用してい るケースも ある ことなどか ら、この項目 は基準を策 定する項 目として選 定しないこと とした。 (3)につ い ては 、外 箱自 体使 用さ れる ケ ース が少 な く、 また 使用 され る場 合も再生 材料 が使用され ているため、 基準として は策定さ れなかった 。 ◇ C -2 (地 球温暖化影 響物質の 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)共 同配送や モーダルシ フトに取り 組んでいるこ と (1)につ い ては 、潤 滑油 製造 事業 者が 各 社、当然 の こと とし て実 施し てお り、特段 の基 準を策定す る必要はない ものと判断 された。 ◇ C -8 (有 害物質など の使 用・ 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)容 器・包装 に有害物質 の使用を抑 制し、排出が 少ないこと (1)につ い ては 、プ ラス チッ ク容 器は エ ネル ギ回 収 か焼 却処 分さ れる こと が多いと 考え られること から、焼却時 の有害物質 排出に配 慮する必要 がある。焼却 時にダイオ キ シ ン 発 生 の 恐 れが あ る ハ ロ ゲ ン 系 元 素 で 構 成 さ れ る 樹 脂 お よ び 有 機 ハ ロ ゲ ン化 合 物を 処方構成成 分として添加 していない こととし、本項目は基準を策定す る項目とし 選定 された。 D 使用消 費段階 ◇D -1 (資 源の消費 ) 本項目 では以下の点 が 検討され た。 (1)長 期間使用 できること(長寿命で あること) (1)につ い ては 、長 寿命 であ るこ とを 定 義す るの が難し いこ と、 現状 では 標準化さ れた 客観的試験 方法が無いこ とから 基準 化は難し いとして、本項目は基準を策定する 項目 として選定されなかった 。 ◇ D -2 (地 球温暖化影 響物質の 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 5 (1)使 用 段 階 で エネ ル ギ消 費 を節減で き るもの で あ り、 同一 の 機能 を 有す る製 品 に比 較し て化石燃料 消費量が少な いこと (2)燃 焼使用さ れる場合の 地球温暖化 影響物質の排 出に関する 基準があ るこ と (3)フ ロン化合 物の排出が 無いこと (4)長 寿命であ ること (1)および (2)について は、燃焼使用さ れる場合、エネ ルギや化石燃 料の消費、地球 温暖 化影響物質 の排出に関し て基準を設 け、それ をメーカ側に担保させる ことは困難 であ ることから 、基準を策定 する項目と して選定 されなかっ た。 (3)については、 D-3 で 考慮した。 (4)については、 D-1 で 考慮した。 ◇ D -3 (オ ゾン層破壊 物質の排 出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)フ ロン化合 物の排出が 無いこと (1)につ い ては、フ ッ素 系 添 加剤 の使 用 につ いて 検 討さ れた が、 使用 によって 生分 解性 が低下する こと、高機能 を要求され る特殊な 用途の潤滑油にしか通常 使用されな いこ とから、生分 解性潤滑油 に添加され ることは 無いと考え られ、特段の 基準を策定 する 必要は無い と判断された 。 ◇ D -4 (生 態系への影 響) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)生 態系への毒性が 低く 、生分解性を 有すること により、使用 時、あるいは 漏出時 に生 態系に影響を与えないこ と (1)に ついて は、生態系 への影響を 評価する指標 として、生 分解性試験および毒性 試験 を採用する ことにした。 Version 1.0 において 生分解性試 験として採用さ れている OECD301B、301C など は試 験条件の厳 しい易生分解 性試験であ る。OECD の 定義 によれば、これらの試験を パス するものは 易生分解性と され、実際 の好気的 な水環境では速やかに分 解されると 考え られる。 水 中 で の 分 散 性 が 悪 い潤 滑 油 に対 し て 易生 分解 性 試 験 を 実 施 す る と再 現 性 が低 い とい う問題が指 摘され、より 試験条件の 緩い OECD302B、 C などの本 質的生分解 性 試験 への変更や 試験期間の延 長について 検討され た。しかし、水生生物へ の影響を考 慮すると水中への分散や生分解の速度についても考慮する必要があることから、 Version2.0 でも引 き続き OECD301C などの易生 分解性試験 を採用した。また、原理 的に OECD301C と同等 であること から OECD301F、 ASTM D6731 につ いても採用 する こととした。 パス レベルにつ いては、エコ作動 油の規格である ISO15380(潤滑油、工業用潤滑 油( 産業油)及 び関連製品(クラス L)-H 族(油 圧作動シス テム)-カテゴリ HETG, HEPG, HEES お よび HEPR)および OECD の基 準に従い 、60%と した。OECD301B は 10-d window の測定があ るが、ここでは最終的( 28 日 以内)に生分解すれば良く、 Version2.0 におい ても Version1.0 と同 様、 適用 しないこと とした。 毒性 については、 Version 1.0 に準じ 、JIS K0102、JIS K 0420-71 シリーズま た は OECD203 に従い、魚 類急性毒性 試験を採用し た。 なお、 2005 年 9 月 8 日の 軽微な改定を 持って、 WAF(水適応 性画分 )や WSF(水溶 解性 画分 )にて試験 を実施し 、 LL 50 値に よる試験 結果を提 出するこ とも認めることと した 。潤滑油やグ リースは複 数の成分の 混合物で あり、かつ難水溶性の物 質に該当す 6 る。このような物 質を試験す る方法とし て、国内 では乳化分散剤を用いて 水中へ分散 させ て試験を行 う手法が従来 から用いら れてきた が、近年は、諸外国の例 に倣い、環 境中 に乳化分散 剤と共に排出 されるよう な農薬な どの物質を 除き、乳化分 散剤は使用 せず 、水溶解度以 下で試験を 行う方法が 一般化さ れつつある。特にアメリ カ合衆国で は、 潤滑油など の難水溶性の 化学物質に ついては 、 ASTM D6081 に定め られている WAF(水 適 応 性 画 分 )や WSF(水 溶 解性 画 分 )を 調 製 し て 試 験 を 行 う方 法 が 一 般的で あ り、 この概念 が OECD な ど にも取り入 れられつ つある。こ の試験方法は、多成分で 構成 される難水 溶性物質から 、水に分散 または溶 解する画分を取り出して 暴露を行う もの であるが、画 分に含まれ る成分は単 一のもの ではなく、更 に微量しか 分散・溶解 しな いためにそ の物質を特定 し濃度を測 定するこ とは困難で ある。そのた め、濃度で はな く試験物質の負荷率 (Loading rate)か ら結果 を表すという手法が用い られており 、 この 負荷率か ら LL 50 値が求 められる。 分散剤を 用いて試験 物質を水中へ分散させ試 験を 行う方法と 、 WAF(水適応 性画分 )や WSF(水 溶解性画分 )にて試 験を行う方法 と、 ど ち ら が 潤 滑 油 の試 験 と し て よ り 適 し て い る か は 比 較 が 困 難 で あ り 判 断 が で きな い が、 いずれも妥 当な評価方法 と考えられ るため併 用すること とした。 さ ら に 、 生 態 系 に お ける よ り 低次 の 生 物へ の影 響 を 見 る 必 要 性 が 指摘 さ れ 、エ コ 作 動 油規 格 ISO15380 にお いて ミジ ンコ 類急 性 遊泳 阻害 試験 も規 定さ れている こと から 、その採用 が検討された。国の政策 として も 2000 年 12 月に策定さ れた環 境基 本計 画には、水環 境の保全、化学物質へ の対策な どにおける生態系への配 慮の重要性 が謳 われ、基礎デ ータとして 既存化学物 質の藻類 、ミジンコ類 、魚類への 毒性評価試 験を 推進すると しており、ま た、 2003 年 5 月に 公布された「化学物質の審査及び製 造 等の規制 に関する 法律 (化審法 )」の 一部を改 正する法 律におい て化学 物質の動植物 への 影響の観点 が導入された などの動向 がある。 以上 のことから、 Version 2.0 では 魚類急性毒性 試験に加え 、ミジンコ類 急性遊泳 阻害 試験も採用 する方針とな った。しか しながら 、現時点では油類に対し てミジンコ への 毒性試験を 実施した例は 国内にはほ とんど無 いこと、改正化審法にお いて試験方 法な どは検討中 であり、その 動向を見極 める必要 があること、代替品開発 に要する期 間の 目処が立た ないことなど から、現時 点では適 用を免除す ることとした 。適用開始 時期 については、改正化審法 などの動向 を見なが ら、引き続き検討してい くこととし た。 こ の 試 験 実 施 に あ た って 、 潤 滑油 は ミ ジン コ類 に 対 し て は 物 理 的 阻害 の 影 響が 大 きい ため、毒性が正し く評価でき ない可能性があ る。そのため、WAF(水適応性画分 ) や WSF(水溶 解性画分 )を調製し て試験を行 う 方法 も認めるこ ととした。なお、試験 時 間に ついては、 ISO15380 の基準 に従い、 48 時間 とした。 ◇ D -6 (水 質汚濁物質の排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)水 質汚濁 物質の排出 がないこと (2)使 用時に 環境水中に 放出された場合、水質に大きな影響 を与えないこ と (1)、(2)に ついては、 D-4 で考慮した 。 ◇ D -8 (有 害物質など の使用・ 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 7 (1)使 用 中 の 燃焼 に よ る ダ イ オ キ シ ン の排 出 が 少 な い こ と (塩 素 系 の 添 加 剤 を 含 ま な いこ と ) (2)PAH( 多環芳香 族炭化水素)の発生が 少ないこ と (3)MSDS の 提供 (4)使 用者に対 する注意喚 起を表示す ること (1)につ い ては 、使 用後 の焼 却時 も含 め 、塩 素系 潤 滑油はダ イオ キシ ン排 出の原因 とな る恐れがあ ることから業 界でも非塩 素化に向 けた取組が 進められてい る。切削油 の規 格である JIS K2241 では 2000 年 12 月の改 正で塩素系添加剤使用の製品は除外 され た。しかし、市場におい ては塩素系 添加剤を 使用した製 品も販売され ており、非 塩素 化の動きを 推進する意味 からも、塩 素系添加 剤を認めないことは基準 を策定する 項目 として選定された。 (2) に ついては 、発ガン性 の観点から 検討された 。生分解 性潤滑油の基油として主 とし て使用され ている植物油 や合成エス テル、PAG では PAH が含まれる ことはほと んど ないと考え られる。しか し、将来的 に基油に 鉱油を使用した生分解性 潤滑油製品 が製 造される可 能性もあるこ とから、基 準を策定 する項目と して選定され た。 EU 指 令 94/69/EC(危険 な物質の 分類、包 装、表示 に関する 法律、規 制、行 政規定に関す る指 令 67/548/EEC の第 21 次技術進歩 への適応 指令)では、芳香族炭化水素および その硫 黄、窒 素化合物で 、3 つあ るいはそれ以上の縮合芳香 族環を有する ものを PCA (多 環芳香族) と定義し、そ れらを測定 する試験 方法である IP346 法による DMSO 抽 出 物量 によ って 石油 製品 の 発ガ ン性を決 定す る 内容 を含 む法 制化 を要 求 して おり、 DMSO 抽 出物の含 有量が 3%未満であれ ば当該石 油製品は発 ガン性物質としての分類 は適 用されない こととしてい る。また、 さらには 、 OSHA HCS では、石 油精製のシ ビヤ ー度を基準 として有害警 告基準を定 めており 、これに該当 しなければ 、当該石油 製品 は発ガン性 があると判断されないと している。日本 では発ガン性に関する法規制 は特 に無いが、 石油業界では、石油連盟 を中心と して、 OSHA HCS によ る有害警告 基準 および EU 指令に 準拠するよ う自主的に取り 組んでいる ことから 、これを採 用し た。 (3) に ついては、業務用潤滑油 の譲渡・販 売などに あたっては PRTR 法などに基づ き MSDS の提供が 義務づけら れるが、一般消費者 への販売には MSDS 提供 の義務は ない 。しかし消費 者からの要 求があった 場合には 提供する こ と が望ましく 、本項目は 基準 を策定する 項目として選 定された。 (4) に ついて は、石油製 品では、すで に多くの製 品が PL 法 (製 造物責任法)への対 応と して、容器あ るいは製品 ラベルに警 告表示を 行っている。これは製造・販売事業 者が 各自の責任 において表示 しているも のである が、使用や廃棄にあたっ ての注意を 使用 者に喚起す る手段として 広く利用さ れている ものである。ただし、生 分解性潤滑 油で あっても 、使用され る状況によ っては 、環境に 影響が全く 無いわけでは ないこと、 廃棄 にあたって は適正処理が 必要である ことを、使用者に対し て、さらな る注意喚起 をす ることが必 要であると議 論された。そこで、全油種につい て、生分解 性潤滑油の 取 り 扱 い お よ び 廃棄 に 関 す る 注 意 を 警 告 表 示 に 追 加 す る こ と を 基 準 項 目 と し て選 定 する こととした。 ジ ャ バ ラ 容 器 入 り の グリ ー ス につ い て は、 個々 の 容 器 へ の 表 示 は 難し く 、 メー カ など、外箱に入れ た状態で出 荷する事業 者に対し ては外箱への表示で対応 することと した。 ◇ D -9 (そ の他の環境 負荷) 本項 目では以下 の点が検討さ れた。 8 (1)2 サイク ルエンジン用の製品でな いこと (2)レ ジャー用 品でないこ と (1)、(2)に ついては、 2 サイクルエ ンジンは構造 上、排気ガ スと共に未燃 焼の燃料 やオ イルが排出 されることか ら検討され た。水質 保全に向けて 2003 年 4 月 施行の「滋 賀県 琵琶湖のレ ジャー利用の適正化に関 する条例 」では、2 サイクルエン ジン搭載の プレ ジャーボー ト(規則で定め る方式の 2 サイク ルの原動機 を除く)の航行 規制水域 航行 を一定の猶 予期間を設け た上で禁止 している。米国ではレジャー用も 含め船舶エ ンジ ンに対する 排ガス規制を 国レベルで 実施して いる他、カリフォルニア 州の排ガス 規制 、タホ湖に おける 2 サイクルエン ジン (低排 出型エンジ ンは除く )使用禁止など、 よ り 厳 し い 規 制 を 実 施し て い る 地 域 も あ る 。 EU で も レ ジ ャ ー 用 船 舶 に 関 す る 指 令 (94/25/EC) に排 ガス規制を 導 入するため 、改正 案の検討が 進められてい る。 一 方 、 日 本 で は 船 舶 の排 ガ ス に対 し て 国レ ベル で の 規 制 が な く 、 エコ マ ー クと し ては 揮発性有機 化合物 (VOC)な ど の排出などの観 点から、環境への負 荷がより低いと 考え られる 4 サイクル エンジンへ の移行を促すべ きであって 、2 サイクルエンジ ン用 の 製品 にエ コマ ーク を付 ける のは 不適 当ではないか とい う意 見が あっ た。 しか し、 2 サ イク ルエ ンジ ン油 をエ コマ ーク の対 象外 として も 2 サ イクル エン ジンが使用さ れ なく なるとは考 えにくく、か えって指針 がなくな ることで、環境負荷の増 加に繋がる 恐れ がある。また、排出 時の負荷が 低減された環 境対応型の 2 サイクルエンジ ンも開 発さ れているこ とや、使用さ れる用途や 地域によ って基準を設けることは 困難である こと も考慮され た。さらに EU のレジャー 用船舶 に関する指 令改正にあた っては、水 質 汚 濁 低 減 の た め加 盟 各 国 が 生 分 解 性 オ イ ル の 使 用 促 進 対 策 の 導 入 を 検 討 す るよ う 言及 されている。 これ らのことか ら、 Version2.0 でも引き続き 2 サイ クルエンジ ン油を対象 とする こと とした。 な お、 2 サイク ルエンジン 油にエコ マークを付 ける上で、 2 サイクルエ ンジ ンによる環 境への影響に ついて、使 用者に明 示す るべきであるという意見も出さ れた 。2 サイクル エンジン使 用による環 境への影 響について、使用者にさらなる周知 を図 る上で、 D-8 で選 定された注 意喚起の表示に 加え、 2 サイクルエンジンの特性に 関す る情報を 2 サイク ルエンジン 油に表示するこ とが望まし い。しかしなが ら、全商 品に エンジン特 性についての 表示を義務 づけるこ とは難しい ことから、こ の表示につ いて は、メーカ の任意による事項とする こととな った。 E 廃棄段階 ◇ E -1 (資 源の消費) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)廃 油の回 収、処理シ ステムが整備 されている こと 廃 油 の回 収、 処理 、 リサ イク ルに つ いて は、 (社 )全 国 オ イル リ サイ クル協同 組合 加盟 業者への委 託による適正 処理、塩素 系潤滑油 、非塩素系潤 滑油の分別 など、業界 全体 として取組 を進めており 、パンフレ ットなど を通して使用者への啓発 も行ってい るこ とから、特 段の基準を策 定する必要 は無いと 判断された 。 ◇ E -2 (地 球温暖化影 響物質の 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)燃 焼廃棄処 理される場 合の地球温 暖化影響物質の排出に関 する基準があ ること (1)につ い ては 、適 正事 業者への 委託 を 推進 して い るこ と、 焼却 処理 場な どでの処 9 理が 大気汚染防 止法などによ って厳しく 法規制さ れているこ とから、特段 の基準を策 定す る必要は無 いと判断され た。 ◇E -4 (生 態系への影響) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)土 壌、水圏 への漏洩の 可能性が低 い形で処分さ れているこ と (2)不 法投棄さ れた場合の影響が少な いこと (1)については、 E-1、 E-2 で 考慮した。 (2)については、 D-4 で 考慮した。 ◇ E -5 (大 気汚染物質の排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)焼 却廃棄処 理される場 合の大気汚 染物質の排出 がないこと (1)については、 E-1、 E-2 で 考慮した。 ◇ E -6 (水 質汚濁物質の排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)不 法投棄さ れた場合の影響が少な いこと (1)については、 D-4 で 考慮した。 ◇ E -7 (廃 棄物の発生・処理処 分) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)回 収システ ムが整備さ れているこ と (2)環 境負荷の 少ない処理が可能なこ と (1)、(2)に ついては、 E-1、 E-2 で考慮した。 ◇ E -8 (有 害物質など の使用・ 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)有 害物質の 排出のない こと (2)環 境関連法 規、公害防 止協定を遵 守しているこ と (1)につ い ては 、焼 却処 分に 伴う ダイ オ キシ ン発 生 が考 えら れる が、 これ に関して は D-8 で 塩素系添加剤の禁止を基 準として盛り込 むこととな った。また 、既に販売さ れて いる製品に ついては E-1、 E-2 で検 討した通 り、塩素系潤滑油と非塩素系潤滑油 の分 別を業界と して進めてい る。 (2)については、 B-8 で考慮し た。 F リサイク ル段階 ◇ F -1 (資 源の消費) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)廃 油の回収 、リサイク ルシステム が整備されて いること (2)効 率的リサ イクル手法が開発され ていること (1)、(2)に ついては、 E-1 で考慮した。 10 ◇ F -8 (有 害物質など の使用・ 排出) 本項目 では以下の点が検討され た。 (1)ダ イオキシ ンの発生が 無いこと (1)につ い ては 、潤 滑油 のリ サイ クル は エネ ルギ回 収が 主で ある こと から 、リサイ クル 時のダイオ キシン発生が 考えられる が、これ に関しては D-8 で塩素系添加 剤の禁 止 を 基 準 と し て 盛り 込 む こ と と な っ た。 ま た 、 既 に 販 売 さ れ て い る製 品 に つ い ては E-1、 E-2 で 検討し た通り、 塩素系 潤滑油と非 塩素系潤 滑油の分 別を業 界として進め てい る。 4 -2 品 質に関す る基準に ついて (1)ISO14024 に従い最低 水準の品質 を確保するために、国内標準が あるものについて はそ の規格(例 えば JIS 規格) に従うことにし た。また一 部規格がない ものにつ いて もエコマー ク商品の普及 を促進する ために、類似 の規格と同等の品質を有 する こと とした。 (2)2 サ イクルエンジ ン油におけ る自動車規格「 JASO M345-93(2 サイクルガソリン機 関潤 滑油 )」 は 2003 年 3 月に改 正され、「 JASO M345:2002」と なり、 旧来 の FA がな くなり、 FB、 FC、FD の 3 グレードとなっ た。改正さ れた規格の FC グ レー ド は旧 来と 同等の 品質 規格であり 、 Version1.0 と 同様 、排 気煙性 能に よる 環境負 荷低 減の観点か ら FC 以上に 限定した。 Version1.0 では NMMA TC-W、 TC-WII, TC-W3 をあ げていたが、 Version2.0 では最新の 規格である TC-W3 に限定するこ とと した。 5. その他 (1)マーク 下段の表示について Version1.0 では 「 生分 解性 オ イル 」、「 生 分解性 グリ ー ス」 とし た が、 Version2.0 では、使用者に、よ り正確で定 量的情報を 提供す る意義から、試験方法お よびその 試験 から導かれ た結果を示す こととした 。 OECD の 定義 によると 、本基準に て採用の試験方 法において 、28 日間で 60% 以上 の生 分解度を示 せば、「易生分解性 」として認めら れる。こ のことから 、2 段 目の表 示に ついては、「生分解度 28 日で 60%以 上 」とし 、試験による個別の数値は掲載し ない こととした 。また試験方 法やその結 果につき 、一般の使用者に普及し ていると はい えない状 況 のため、一段 目に 「環境 中で分解し やすいオイ ル」と記すことにした。 11
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