測 定 値 から見 る放 射 線 測 定 器 の性 能 第 5 報 電 離 箱 サーベイメータ測 定 値 のバラツキと応 答 性 非破壊検査株式会社 藪下 延樹 1. は じ め に 自 動 車 の 運 転 免 許 取 得 の た め の 公 安 委 員 会 指 定 の 学 科 講 習 で 、昔 は「 自 動 車 の 構 造 」 があり、我々はエンジンの構造等を勉強したが、現在では「自動車の構造」はなくな り 、も っ と 実 用 性 を 重 視 し た 自 動 車 の 順 法 的 な「 使 用 方 法 」を 勉 強 す る よ う に な っ た 。 つまり、原理・構造から一歩進んで、ユーザー観点から、機械をどう使いこなすか、 その機械の性質を知り、分析して性能を最大限生かす時代となった。放射線測定器も 同様で、 「 敵 を 知 り 己 を 知 ら ば 百 戦 危 う か ら ず 」を 念 頭 に 敵・放 射 線 測 定 器 の 性 質・性 能 を 分 析 す る 。こ の 第 5 報 で は 、電 離 箱 サ ー ベ イ メ ー タ( 以 下 、測 定 器 )の バ ラ ツ キ ・ 再現性と応答性について実測データを基に分析する。 2.使 用 装 置 実験で使用する装置の主な仕様と写真を表1に示す。 表1使用装置の主な仕様と写真 アナログ メーカ名/型番 表示電離 測 定 範 囲 ( 1cm Aloka/ ICS-311 1∼ 10,000μSv/h( 手 動 レ ン ジ ) 箱( 以 下 、 線 量 当 量 率 ) アナ電 時定数・応答時 時 定 数 300μSv/h レ ン ジ 以 下 : 離)測定 間 10 秒 以 下 器 1,000μSv/h レ ン ジ 以 上 : 1 秒 以 下 測定値のアナロ 直 流 0∼ 100mV/ レ ン ジ グ監視出力 ディジタ メーカ名/型番 Aloka/ ICS-321 ル表示電 測 定 範 囲 ( 1cm 1μSv/h∼ 10,000μSv/h 離箱(以 線量当量率) (レンジ切換えなし) 下、デジ 時定数・応答時 応 答 時 間 5 秒 以 下( 固 定 値 、時 電離)測 間 定数の記載なし) 定器 測定値のアナロ 直 流 0∼ 100mV/ 10,000μSv/h グ監視出力 (対 数 4 デ カ ー ド ) シンチレ メーカ名/型番 Aloka/ TCS-171B ーション 測 定 範 囲 ( 1cm 1μSv/h∼ 10,000μSv/h( 手 動 レ (以下、 線量当量率) ンジ) シンチ) エネルギー補償 エネルギー補償形 時定数・応答時 時 定 数 切 換 え : 3 / 10 / 30 秒 測定器 間) 測定値のアナロ 直 流 0∼ 10mV/ レ ン ジ 1 グ監視出力 ガンマ 線源の種類/線 ( 以 下 、) 源量 60 C o / 5MBq γ )線 源 エックス メーカ名/型番 非 破 壊 検 査 ㈱ / NDIC− X75 < 3 > < 4 > < 5 > (以下、 X)線発 焦点寸法/本体 生器 重量 (コック 運転率/暖気運 クロフト 転 式) k V、 m A、 油 温 個別にリアルタイムにアナロ 度の監視出力 グ電圧出力 データロ メーカ名/型番 キ ー エ ン ス / NR-2000 ガー サンプリング密 Max400kHz/ 14bit 0.7m m / 3.7k g 100% / 不 要 度/分解能 3.実 験 条 件 実 験 配 置 は 図 1 に 示 し た 遮 へ い 箱 内 の X 線 発 生 器 NDIC− X75 からの直斜線を鉛 板 で 遮 へ い し て 約 400m m 以 上 離 し た 電 離 箱 ( ① デ ジ 電 離 及 び ② ア ナ 電 離 ) な ら び に ③ シ ン チ 測 定 器 プ ロ ー ブ か ら の 出 力 を 遮 へ い 箱 外 の シ ン チ 測 定 器 本 体 で 測 定 し た 。測 定 条 件 は 管 電 圧 (以 下 、k V)、管 電 流 (以 下 、m A) を 39k V、1.16m A で 固 定 し て 、測 定 値 の 1cm 線 量 当 量 率( 以 下 、線 量 )の 変 化 を 測 定 し た 。サ ン プ リ ン グ デ ー タ は 表 1 の 「 測 定 値 の ア ナ ロ グ 監 視 出 力 」を デ ー タ ロ ガ ー で 読 み 取 っ た 。 測 定 項 目 別 サ ン プ リ ン グ 密 度 を 表 2 に 示 し た 。デ ー タ の 平 均 化 は 表 2 に 示 し た サ ン プ リ ン グ 時 だ け で 、積 極 的な平均化は実施しない。 測定器プローブ 鉛板 X線発生器焦点 センサー中心 400mm 図 1 遮へい箱とX線発生器・測定器プローブの配置図 表 2 測定項目 バラツキ測定 測定項目別サンプリング密度 サンプリング密度 200Hz 平均化 128 デ ー タ 平 均 値 を サ ン プ リ ン グ 2 128 デ ー タ 平 均 値 を サ ン プ リ ン グ 500Hz 応答性測定 4.測 定 値 のバラツキ 4.1 γ線 量 時 と X 線 量 時 のバラツキ ア ナ 電 離 ICS-311 で 6 0 C o γ 基 準( 一 定 値 )線 量 を 段 階 的 に 増 加 さ せ て 基 準 線 量 の 測 定 結 果( 縦 軸 対 数 表 示 )と 測 定 値 の バ ラ ツ キ を 標 準 偏 差 値 で 図 2 に 示 し た 。図 2 に は 更 に 、応 答 性 の 測 定( X 線 使 用 )デ ー タ を γ 線 量 時 と X 線 量 時 の バ ラ ツ キ 結 果 を 比 較 の た め に 重 ね た 。図 3 は 図 2 の γ 線 と X 線 の 基 準 線 量 時 を 縦 軸 ア ナ ロ グ 表 示 で 拡 大 表示した。 電離箱 ICS-311 γ線 scinti TCS-171 γ線 100 電離箱ICS-311 X線 scinti TCS-171 x線 図3に部分拡大図 線量率(μSv/h) 10 1 0.1 0.1μSv/h 1μSv/h 2μSv/h 10μSv/h 20μSv/h 100μSv/h 0.01 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 測定時間(sec) 100 110 120 130 140 150 標準偏差 図2a 線量率レベル毎の測定値の変動 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0.1μsV/h 1μsV/h 2μsV/h 10μsV/h 20μsV/h 100μsV/ h 電離箱 ICS-311 γ線 0.003677 0.11865 0.074739 0.193346 0.264817 1.462569 0.185667 電離箱ICS-311 X線 scinti TCS-171 γ線 0.001813 0.015891 0.019138 0.127272 0.147954 0.177695 scinti TCS-171 X線 図2b 線量率レベルと測定値の変動(標準偏差) 3 線量率(μSv/h) 電離箱 ICS-311 γ線 scinti TCS-171 γ線 30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 電離箱ICS-311 X線 scinti TCS-171 x線 シンチ γ シンチ X 電離箱 γ 電離箱 X シンチ γ 70 80 90 電離箱 γ 100 測定時間(sec) 110 120 130 図3 線量率レベル毎の測定値の変動(10∼20μSv/h部拡大) 4.2 測 定 器 固 有 のバラツキ レンジ切換のある測定器を最適な 4 定 格 値 )に 設 定 し な い と 、S/N 比( 測 3 定値/定格値)が低下してバラツキ が大きくなる。この関係を図 4 に初 期不平衡のある例で示した。予想さ れる最大測定値を定格値に近くする と 飽 和 の 危 険 性 を 生 じ る が 、S/N 比 は 大きい。一方、飽和の危険性を避け て 測 定 レ ン ジ を 小 さ く す る と S/N 比 測定値 い ( 本 質 的 に 矛 盾 )) レ ン ジ ( 以 下 、 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 測定値 S/N比(測定/定格値) 5 (大きな感度で、測定値が飽和しな 2 1 0 0 1 2 3 測定レンジ 図4 レンジによるS/N比の変化 S/N比(測定/定格値) ( 1 ) 感 度 (レンジ)切 換 による バラツキ 4 は小さくなりバラツキが大きくなる。 ( 2 ) 測 定 値 大 小 によるバラツキ (1)の感度設定を最適に行っても、なお、測定値の大きさによるバラツキが原理 的 に 生 じ る 。ま た 、デ ィ ジ タ ル 表 示 の 場 合 に は 、単 一 レ ン ジ し か 存 在 し な い 場 合 が あ る 。 基準線量に同一割合(%)の変動を与えると、測定するレンジによりバラツキが異な る。このバラツキをシュミレーションにより定量評価する。 表 3 の a. は シ ュ ミ レ ー シ ョ ン 条 件 、 b.は そ の 結 果 を 示 し た 。 表 3 の 基 準 線 量 に + 10% の 線 量 を 強 制 的 に 加 算 ( 強 制 加 算 ) し た 時 の 表 示 変 動 率 を b.に 示 し た 。 表 3 の 基 準 線 量 を 測 定 す る た め に は 表 3 の a に 示 し た よ う に 、測 定 値 の 飽 和 を 避 け 、1 段 大 き な レ ン ジ で 測 定 す る 必 要 が あ る 。そ の 場 合 、例 え ば 、 表 3 の b デ ジ 電 離 4 ICS-321 で は 実 変 動 10% に 対 し て 、表 示 変 動 率 は 1.0% と 小 さ な 値 を 取 る 。し た が って、この表 3 のbの表示変動率が小さな値を取るほどバラツキが大きいと考え られる。表 3 の関係を図 5 に図示した。また、図 5 では基準線量に対する測定レン ジ の 割 合 も 示 し た 。図 5 か ら 測 定 範 囲 の 非 常 に 大 き い デ ジ 電 離 ICS-321 は 基 準 線 量 に 対 す る 測 定 レ ン ジ の 割 合 が 1μSv/h で 0.01% と 非 常 に 小 さ い 、つ ま り 、高 倍 率 の 増 幅 を 要 することが分かった。 表 3 + 10% の 線 量 率 を 強 制 加 算 し た 時 の 表 示 変 動 率 (シュミレーション結果) a. シ ュ ミ レ ー シ ョ ン 条 件 : b. シ ュ ミ レ ー シ ョ ン 結 果 : 測定値と基準線量を測定するレンジ 基準線 強 制 加 算 10% に 対 し て の 表 示 変 動 率 (測 定 値 μSv/h/ 使 用 レ ン ジ μSv/h) 量 μSv/h (強 制 加 算 10% / 使 用 レ ン ジ ) アナ電離 デジ電離 シンチ アナ電離 デジ電離 シンチ ICS-311 ICS-321 TCS-171 ICS-311 ICS-321 TCS-171 1 1/10 1/10000 1/3 1.0% 1.0% 3.3% 10 10/30 10/10000 10/30 3.3% 1.0% 3.3% 100 100/300 100/10000 3.3% 1.0% a.基準線量/測定レンジ 40% 35% 強制加算値10% 30% 25% 20% 15% 10% a.基準線量/測定レンジ b.加算10%に対する表示% b.加算10%に対しての表示% 11% 10% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% 0% 5% 1μSv/h10μSv/100μSv1μSv/h10μSv/100μSv 1μSv/h10μSv/100μSv アナ電離ICS-311 デジ電離ICS-321 0% シンチTCS-171 b.加算10%に対しての表 1.0% 3.3% 3.3% 1.0% 1.0% 1.0% 3.3% 3.3% 示% a.基準線量/測定レンジ 10.00% 33.33% 33.33% 0.01% 0.10% 1.00% 33.33% 33.33% 図5 強制加算に対する表示値の反映度 5.応 答 性 の測 定 応 答 性 の 測 定 で は サ ン プ リ ン グ 速 度 が 非 常 に 速 い た め に 、 1/ 1000 秒 レ ベ ル で 操 作 す る シ ー ケ ン サ ー を 用 い て 、 X 線 発 生 器 NDIC − X75 の X 線 発 生 を ON(UP) 、 OFF(DOWN)し 、運 転 状 態 を 管 電 圧( kV)、 管 電 流( mA)で モ ニ タ ー し た 。使 用 し た 全 測 定 器 の X 線 発 生 UP、DOWN 時 の 線 量 変 化 及 び kV と mA 変 化 の 全 体 図( 1 回 目 ) を 図 6a に 示 し た 。 ま た 、 全 測 定 器 の 線 量 及 び kV と mA 変 化 の 再 現 性 全 体 図 ( 1∼ 5 回 ) を 図 7∼ 図 11、 再 現 性 結 果 を 表 4 に 示 し た 。 X 線 運 転 の 平 衡 状 態 に な る 時 間 は 図 6b か ら kV は UP 時 約 0.08 秒 、 m A は 約 1.93 秒 間 掛 か る 。一 方 、DOWN 時 の 平 衡 状 態 に な る 時 間 は 図 6c か ら kV、m A 共 に 約 0.08 秒であった。線量変化は当然、このX線運転の影響を受けるので、応答性の測定結果 5 は X 線 発 生 DOWN 時 の 信 頼 性 が 高 い 。 表 4 の 再 現 性 結 果 か ら 、 UP、 DOWN 時 の 線 量変化を含めた電離箱の再現性は悪い。 次 に 、測 定 器 の 応 答 性( 時 定 数 )を 図 7∼ 9 か ら 第 1 < 1 > 、2 報 < 2 > と 同 様 に 測 定 し た 結 果 を 図 12 に 示 し た 。 表 4 種類 全 測 定 器 及 び kV と mA の 測 定 ・ 再 現 性 結 果 型番号 図番 アナ電離 ICS-311 図 7 デジ電離 ICS-321 図 8 シンチ TCS-171 管電圧 管電流 25ICS-311 再現性結果の概要 測定 X 線 UP 及 び DOWN 時 X 線照射時 UP 及 び DOWN 時 は 非 常 に 比較的良好 悪い UP 時 は 非 常 に 悪 い 。 X 線照射時の変動は大きく DOWN 時 は 良 好 悪い。再現性もない。 図 9 良好 良好 kV 図 10 良好 良好 mA 図 11 ICS-321(×0.1) TCS-171(×10) 良 好 な る も 、 5 回 目 の UP 良好 時 約 0.25 秒 の 遅 れ あ り kV(×0.1) ICS-311 kV(×0.1) mA(×10) ICS-321(×0.1) mA(×10) TCS-171(×10) 14 20 12 線量率μSv/h 10 線量率μSv/h 15 10 8 TCS-171 6 kV 4 5 mA 2 ICS-321 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 経過時間sec 図6a 電離とシンチの応答性(1回目) ICS-311 kV(×0.1) 25 ICS-321(×0.1) mA(×10) 40 45 1 50 1.5 -2 2 経過時間sec 2.5 ICS-311 3 図6a 電離とシンチの応答性(1回目) TCS-171(×10) 16 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 14 20 12 線量率μSv/h TCS-171 線量率μSv/h 15 ICS-311 10 10 8 6 ICS-321 4 5 mA 2 kV 0 0 30.9 31 31.1 31.2 31.3 31.4 31.5 31.6 31.7 31.8 31.9 経過時間sec 図6a 電離とシンチの応答性(1回目) 0 32 6 5 10 15 20 25 30 35 40 経過時間sec 図7 ICS-311アナ電離の応答・再現性 45 50 14 1回目 2回目 3回目 4回目 28 5回目 12 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 23 線量率μSv/h 線量率μSv/h 10 8 6 4 2 18 13 8 3 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 -2 0 50 5 10 15 経過時間sec 図8 デジ電離ICS-321応答性・再現性(1-5回目) 4.5 1回目 2回目 3回目 4回目 20 25 30 経過時間sec 35 40 45 50 図9 シンチTCS-171応答性・再現性(1-5回目) 14 5回目 4 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 12 線量率μSv/h 3 2.5 2 1.5 1 10 8 6 4 2 0.5 0 0 0 5 15 20 25 30 経過時間sec 図10 NDIC-X75 kV再現性(11移動平均) 時定数sec 線量率μSv/h 3.5 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 平均値 10 ICS-311 電離箱 4.0 2.3 2.1 1.8 2.2 2.5 ICS-321 電離箱 UP時 2.5 2.6 3.3 3.0 3.6 3.0 35 0 TCS-171 シンチ 3.0 2.9 3.0 3.1 3.3 3.0 5 15 20 25 30 経過時間sec 図11 NDIC-X75 mA再現性(11移動平均) ICS-311 電離箱 11.0 7.0 13.5 17.3 5.3 10.8 図12 時定数測定結果 7 10 ICS-321 TCS-171 電離箱 シンチ DOWN時 0.3 0.4 0.4 0.5 0.4 0.4 2.6 2.7 2.7 2.5 2.6 2.6 35 6. まとめ (1)電 離 箱 測 定 器 の バ ラ ツ キ は シ ン チ 測 定 器 よ り 相 当 大 き い( 図 2b)。こ の 理 由 は 電 離 箱 測 定 値 の 出 力( 極 微 量 の 電 流 値 )が 原 理 的 に 小 さ い た め 元 々 の S/N 比 が 小 さ い た め と考えられる。 (2) デ ジ 電 離 ICS-321( レ ン ジ 切 換 え な し 、 対 数 回 路 ) は 測 定 範 囲 が 広 く 、 バ カ チ ョ ンタイプの全自動で、非常に使いやすい。ところが、図 8 の経時測定値は与えた線量 値 が 一 定( 同 一 条 件 の 他 の 測 定 値 図 7 及 び 図 9 参 照 )に も 拘 ら ず 大 幅 な 変 動 や 低 下 を 示している。この理由はレンジ切換えをしないため測定範囲が広く、高増幅を行って い る た め 増 幅 回 路 の 温 度 依 存 性 等 の 影 響 が 出 た も の と 考 え ら れ る 。 こ の こ と は 表 3b の ICS-321 表 示 変 動 率 が 最 小 値 を 取 っ て い る こ と 及 び 図 5 の a.基 準 線 量 / 測 定 レ ン ジ が 極 小 値 を 取 っ て い る こ と か ら も 明 ら か で あ る 。 (4.2.(2) 項 )。 (3)図 12 の 時 定 数 測 定 結 果 か ら ア ナ 電 離 ICS-311 で は 線 量 DOWN 時 に 再 現 性 が な く 大 き な バ ラ ツ キ を 示 し た 。ま た 、第 1 報 < 1 > で 示 し た G M 測 定 器 の 時 定 数 測 定 結 果 と 同 様 に 線 量 DOWN 時 が UP 時 と 比 較 し て 約 5 倍 の 大 き な 値 を 示 し て い る 。 メ ー カ の 仕 様 で は UP、 DOWN の 区 別 な く 「300µSv/h レ ン ジ 以 下 : 10 秒 以 下 」と な っ て い る 。 (4) 図 12 の 時 定 数 測 定 結 果 か ら デ ジ 電 離 ICS-321 で は 線 量 UP、 DOWN 時 に 逆 の 傾 向 を 示 し た 。 デ ジ 電 離 ICS-321 で は 線 量 UP 時 が DOWN 時 と 比 較 し て 約 7 倍 の 大 き な値を示している。この時の再現性は比較的良い。 参考文献 <1>藪 下 延 樹 、 辻 本 忠 : 測 定 値 か ら 見 る 放 射 線 測 定 器 の 性 能 第 1 報 ディジタル 測 定 値 の バ ラ ツ キ と 応 答 性 、 JSNDI 放 射 線 分 科 会 資 料 10428、( 2009) <2>藪 下 延 樹 、 辻 本 忠 : 測 定 値 か ら 見 る 放 射 線 測 定 器 の 性 能 第 2報 測定値のバ ラ ツ キ と 応 答 性 、JSNDI 第 7 回 放 射 線 に よ る 非 破 壊 検 査 評 価 シ ン ポ ジ ュ ー ム 講 演 概 要 集 pp.87∼ 92、( 2010) <3>藪 下 延 樹:” 手 の ひ ら サ イ ズ ” X 線 装 置 の 開 発 、JSNDI 平 成 13 年 度 秋 季 大 会 講 演 概 要 集 、( 2001) <4>藪 下 延 樹 、 大 岡 紀 一 : 強 力 低 エ ネ ル ギ ー X 線 源 に よ る 像 質 の 改 善 、 JSNDI 資 料 10344、( 2002) <5> JSNDI: 放 射 線 の 安 全 取 扱 い 2009、 pp.31∼ 34、 (2009) 8
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