ゲーム理論入門

授業スケジュール
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本日:ナッシュ均衡点
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4章と5章を併せて理解する必要
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ゲ
ゲーム理論入門
論入門
水曜 3・4 2010.06.02
テキスト第4章 1~4(p.74まで)
最適応答
ナッシュ均衡点
中間試験前はナッシュ均衡点の最初の理解までを問う
`
次回(6/9):中間試験
`
6/16:第4章残り部分
` クールノー寡占市場、公共財への適用
ク
ノ 寡占市場 公共財 の適用
6/23:第5章
` ジレンマゲーム
` パレート最適性
`
高木英至
1
中間試験について
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`
`
`
6/9:中間試験
持ち込みは不可
出題範囲:授業で扱った範囲
出題
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2
最適応答とナッシュ均衡点
例3.1 ピザ店の顧客獲得競争
ゲーム
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`
用語解説問題
テキストの練習問題に類似した問題
その他、授業内容の理解度を示す記述式問題
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`
B店 値下げ
価格維持
価格維持
5
5
A
店 値下げ 7 3
3
5
7
5
ナッシュ均衡点
`
`
`
3
B店の「価格維持」に対する最適
応答:A店の「値下げ」
B店の「値下げ」に対する最適応
答:A店の「値下げ」
A店の「価格維持」に対する最適
応答:B店の「値下げ」
A店の「値下げ」に対する最適応
答:B店の「値下げ」
(値下げ、値下げ)、他になし
各プレイヤーは他プレイヤーの選
択に対して最適応答をとっている
4
1
協調ゲーム
協調ゲーム:混合戦略を考えたとき
最適応答:矢印
ナッシュ均衡点
`
`
`
(左側 左側)と(右側 右側)
(左側、左側)と(右側、右側)
どの均衡点が実現するか?
`
`
`
`
相手
左側
均衡選択の問題
評判:多数の人と同じ側に立つ
フォーカル・ポイント
`
左側
自
分
右側
2
2
0
混合戦略
`
右側
0
0
2
0
2
例3.2の利得表
利得以外の要素で均衡選択のヒント
になるもの
自分 x:左を選ぶ確率
`
1-x:右を選ぶ確率
1
x:右を選ぶ確率
` 相手 y:左を選ぶ確率
ナッシュ
均衡
`
1-y:右を選ぶ確率
自分の期待利得 = 2 xy + 2(1 − x )(1 − y )
y > 1 / 2 → x = 1が最適応答
y = 1 / 2 → xは何でもよい
(双方の期待利得 = 1)
6
男性と女性の争い
`
野球
ナッシュ均衡点、2つ
`
均衡選択の問題
2
2
右側
0
0
2
2
例3.2の利得表
右側
0
0
1.0
自分の
最適応
答
y
最適応
答
0
1.0
x
タカ-ハト・ゲーム(チキン・ゲーム)
女性
(野球、野球)
(バレエ、バレエ)
自
分
y < 1 / 2 → x = 0が最適応答
自分と相手が右と左を1 / 2の確率で 相手の
5
`
左側
= 2[ x (2 y − 1) + (1 − y )].
選ぶことも、ナッシュ 均衡点
`
相手
左側
`
野球
2
1
男
性 バレエ 0 0
`
バレエ
0
ナッシュ均衡点
`
0
`
`
2
(タカ、ハト)
(ハト、タカ)
ハトになった方が「弱虫」
相手
ハト
ハト
2
2
自
分 タカ 3 1
タカ
1
3
0
0
例3.4の利得表
1
例3.3の利得表
チキン ゲ ム
チキン・ゲーム
と同じ
7
8
2
ナッシュ均衡点の定義
戦略形n人ゲーム
S:プレイヤー
iの戦略集合
i
(純戦略の集合でも混 合戦略の集合でもよい )
)
戦略の組
s = ( s1 , L , sn :n人のプレイヤーの
) sに対するプレイヤー iの利得
f i ( s:
ナッシュ均衡点の性質
`
`
`
他のプレイヤーが均衡戦略をとる限り、すべてのプレイ
ヤーにとって均衡戦略をとることが最適である。
どのプレーヤーも自分だけで均衡戦略を変えようとはし
ない。
ナッシュの定理
`
純戦略の数が有限な戦略形n人ゲームは、混合戦略を含めて考え
ると、少なくとも1つのナッシュ均衡点を持つ
定義4.1
相手
ハト
ト
s * = ( s *1 , L , s *n )がナッシュ均衡点であ るとは、
すべてのプレイヤー iのすべての戦略 si ∈ S iに対して、
ハト
*
s * / s:
i siでプレイヤー iの戦略だけを siに取り換えたもの
9
合理的均衡
`
`
`
2
3
1
0
0
10
均衡点の2つの考え方
`
2
自
分 タカ 3 1
f i ( s ) ≥ f i ( s / si ) であるときである 。
*
タカ
ナッシュ均衡点はプレイヤーの合理的な行動を示すゲー
ムの解である
プレイヤーは他のプレイヤーの戦略を予想し、ゲームの
均衡点を計算できると仮定する
集団均衡
`
`
母集団から抽出されたプレイヤーがゲームを繰り返しプ
レイするときの、集団の均衡状態
進化ゲ ム理論 考えに ながる
進化ゲーム理論の考えにつながる
混合戦略のナッシュ均衡点の求め方:
男性と女性の争い
女性の混合戦略 ( y,1 − y )
女性
野球
y:野球を選択する確率
男性の期待利得は
男性の期待利得は:
(1)野球を選択 2 × y + 0 × (1 − y ) = 2 y
(2)バレエを選択 0 × y + 1× (1 − y ) = 1 − y
男性が野球を選択するのが最適であるのは
野球
x * = 1 if 1/ 3 < y ≤ 1
1
男
性 バレエ 0 0
0
0
2
1
例3.2の利得表
2 y > 1 − y y > 1 / 3
つまり、男性の最適応答x*は、
2
バレエ
1.0
y
0 ≤ x* ≤ 1 if y = 1 / 3
x * = 0 if 0 ≤ y < 1 / 3.
11
12
0
x
1.0
3
混合戦略のナッシュ均衡点の求め方:
男性と女性の争い
男性の混合戦略 ( x,1 − x)
女性
野球
x:野球を選択する確率
女性の期待利得は
女性の期待利得は:
(1)野球を選択 1× x + 0 × (1 − x) = x
(2)バレエを選択 0 × x + 2 × (1 − x) = 2 − 2 x
女性が野球を選択する のが最適であるのは
野球
男
性 バレエ 0 0
y = 1 if 2/3 < x ≤1
*
0
3つのナッシュ均衡点
`
0
`
`
2
1
例3.2の利得表
x > 2 − 2 x x > 2 / 3
つまり、女性の最適応答y *は、
2
1
`
バレエ
1.0
`
`
`
`
y
`
y * = 0 if 0 ≤ x < 2 / 3.
0
…
x
このとき、
男性の期待利得=2/3
女性の期待利得=2/3
1.0
y
定理4.1
0 ≤ y * ≤ 1 if x = 2 / 3
13
(x*=0,y*=0)
(x* 1 y* 1)
(x*=1,y*=1)
(x*=2/3,y*=1/3)
混合戦略のナッシュ均衡点
では、プレイヤーが正の確
率で選択する純戦略は同じ
期待利得をもたらす
0
x
1.0
1.0
14
今日はおしまい
次回(6/9)は中間試験です
… 次々回、再びテキスト第4章からはじめます(残
りの箇所)
… テキスト第5章を読んでおいてください
…
15
4