全 体 - 北海道立衛生研究所

平成 26 年度
北海道立衛生研究所事業年報
Annual Report of Hokkaido Institute of Public Health
(Our Activities in Fiscal 2014)
北海道立衛生研究所
Hokkaido Institute of Public Health
目
第1章
総
次
務
1.沿
革
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2.組
織
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
3.分
掌
事
務
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
4.職
員
配
置
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
5.施 設 及 び 主 要 備 品
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
6.決
算
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
7.所 内 各 種 委 員 会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
Ⅰ-2企 画 情 報 グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
Ⅱ-1生 活 保 健 グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
Ⅱ-2薬 品 保 健 グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
Ⅲ-1食 品 安 全 グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
Ⅲ-2食 品 保 健 グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
37
プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
Ⅳ-2ウ イ ル ス グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
51
Ⅳ-3医 動 物 グ ル ー プ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
65
第2章
業
Ⅰ
企
務
画
総
Ⅰ-1総
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
理
食
務
務
グ
化
科
部
学
染
Ⅳ-1細
ル ー
学
品
感
部
部
症
菌
部
グ
ル ー
(以上、グループごとに、1.試験検査、2調査研究、3その他
第3章
試
第4章
研
験
修
1.職
2.研
3.視
4.広
修
察
一
及
受
び
活
究
見
動
成
発
表
7.受
付
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
76
修
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
82
入
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
84
学
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
84
等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
85
果
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
85
会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
86
賞
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
89
報
研
生
報
内
査
広
員
5.研
6.所
検
覧
順に掲載)
等
録
・北海道立衛生研究所条例
・北海道立衛生研究所条例施行規制
・厚生事務次官通知「地方衛生研究所の機能強化について」
・北海道立衛生研究所諸規程一覧
・北海道立衛生研究所職員名簿
(平成 27 年 12 月1日現在)
第1章
総
務
1. 沿
革
昭和 23 年厚生省3局長通達(衛生機関の統合に関する地方衛生研究所設置要綱)に基づき、従来の衛生試験所
を改組して、昭和 24 年9月3日付北海道条例第 56 号により北海道立衛生研究所を設置
昭和 24 年9月
設立当初の組織は、
庶務課(庶務係・経理係・統計係)
疫学科(細菌係・血清係・ワクチン係・病理係)
食品化学科(第1係・第2係)
薬学科(第1係・第2係)
環境衛生学科(第1係・第2係)
の5課(科)13 係で、職員定数 51 名をもって発足
昭和 26 年 12 月 疫学科に凍結乾燥係を新設
組織機構は、5課(科)14 係となる
昭和 29 年9月
庶務課の統計係を廃止
疫学科のワクチン係、凍結乾燥係を廃止、ウイルス・リケッチア係、生産係、菌株保存係を新設
食品化学科の第1係、第2係を食品化学係、食品細菌係に改称
薬学科の第1係、第2係を薬品化学係、生物化学係に改称し、鉱泉係を新設
環境衛生学科の第1係、第2係を環境衛生係、衛生動物係に改称
組織機構は5課(科)15 係となる
昭和 30 年9月
道立食糧栄養研究所を併合して、食糧栄養学科(栄養化学係・食糧加工係・食生活係)を新設
食品化学科に乳肉係を新設
組織機構は6課(科)19 係となる
昭和 32 年8月
環境衛生学科に放射能係を新設
組織機構は6課(科)20 係となる
昭和 37 年5月
札幌市南2条西 15 丁目に庁舎を新築移転
昭和 37 年7月
庶務規定の改正により課(科)を部に昇格、部には課(科)係を設置
食糧栄養学科を廃止し、食品科学部に統合(栄養化学科、食生活科学科を新設)
生産係、菌株保存係を統合し、細菌調剤科を新設
食品細菌係を食品微生物科に、鉱泉係を鉱泉化学科に改称
組織機構は5部 18 課(科)2係となる
昭和 40 年7月
一部機構改正により総務部に図書資料室を新設し、庶務課に管理係、経理課に物品係を新設
環境衛生学部の衛生動物科を疫学部に移設
環境衛生学部を生活科学部に改称し、生活科学部に公害科を新設
食品科学部の栄養化学科、食生活科学科を生活科学部に移設
組織機構は5部 19 課(科)1室4係となる
昭和 42 年5月
一部機構改正により公害部(水質科、大気科)を新設
生活科学部の公害科を廃止し、放射能科を公害部に移設
組織機構は6部 20 課(科)1室4係となる
昭和 44 年4月
生活科学部の環境衛生科を公害部に移設
昭和 45 年4月
北海道公害防止研究所の新設に伴い、公害部を廃止
生活科学部に公害部の放射能科、生活環境科を移設
薬学部に水質衛生科を新設
組織機構は5部 19 課(科)1室4係となる
昭和 46 年8月
一部機構を改正し、総務部に実験動物室を新設
疫学部の病理科を臨床病理科に改称
- 2 -
薬学部の生物化学科を毒劇物科に改称し、生薬製薬科を新設
薬学部の鉱泉化学科、水質衛生科を生活科学部に移設
生活科学部の食生活科学科を廃止し、栄養化学科を食品科学部に移設
組織機構は5部 19 課(科)2室4係となる
昭和 46 年 12 月 札幌市北区北 19 条西 12 丁目に庁舎を新設移転
昭和 49 年 5月 疫学部の細菌製剤科を廃止し、毒性病理科を新設
昭和 55 年 12 月
放射性同位元素(RI)試験研究棟を新築
昭和 57 年 5月
一部機構を改正し、ラジオアイソトープ管理室を新設
組織機構は5部 19 課(科)3室4係となる
昭和 61 年 9月
実験動物舎の改修工事
昭和 61 年 12 月
動物実験研究棟の増築
昭和 63 年 3月
放射性同位元素(RI)試験研究棟の増築
平成 6年 4月
一部機構を改正し、総務部の経理課(経理係、物品係)及び図書資料室を廃止し、
企画情報課(企画調整係及び主査(情報管理))を新設
庶務課を総務課に、庶務係を総務係に、管理係を施設管理係に改称し、会計係を新設
疫学部のウイルス・リケッチア科をウイルス科に、衛生動物科を医動物科に改称
食品科学部の乳肉科を乳肉衛生科に、栄養化学科を健康栄養科に改称
薬学部を薬理毒性部に改称し、毒劇物科を薬物農薬科に、生薬製薬科を薬用資源科に改称
毒性病理科を毒性科学科に改称し、薬理毒性部に移設
生活科学部の水質衛生科を飲料水衛生科に、鉱泉化学科を温泉保健科に、放射能科を放射線科
学科に改称
生物工学室を新設し、遺伝子工学科を新設
総務部の実験動物室を実験動物科に、ラジオアイソトープ管理室をラジオアイソトープ科に
改称し、生物工学室に移設
組織機構は5部1室 22 課(科)4係1主査となる
平成 14 年4月
全面的に機構を改正し、企画総務部、健康科学部、食品薬品部、感染症センター(微生物部、
生物科学部)を設置
企画総務部に総務課、企画情報室を置き、総務課に総務係、会計係、施設管理係、企画情報室
に企画調整係、研究情報科を置く
健康科学部に健康増進科、生活保健科、温泉保健科、飲料水衛生科、放射線科学科を置く
食品薬品部に食品科学科、食品保健科、薬品保健科、薬用資源科を置く
微生物部に細菌科、食品微生物科、ウイルス科、腸管系ウイルス科を置く
生物科学部に感染病理科、衛生動物科、遺伝子工学科、生物資源管理科を置く
組織機構は5部 19 課(科)1室4係となる
平成 16 年4月
機構を一部改正し、企画総務部総務課会計係を廃止し、総務課に会計担当の主査を配置する
組織機構は5部 19 課(科)3係1主査となる
平成 18 年4月
北海道行政組織規則の一部改正により、 組織機構は5部1課1室 18 科3係1主査となる
平成 23 年6月
全面的に機構を改正し、企画総務部、理化学部、食品科学部、感染症センター感染症部を設置
グループ制を導入
企画総務部に総務グループ、企画情報グループを置く
理化学部に生活保健グループ、薬品保健グループを置く
食品科学部に食品安全グループ、食品保健グループを置く
感染症部に細菌グループ、ウイルスグループ、医動物グループを置く
組織機構は4部9グループ 23 主査となる
平成 23 年8月
放射性同位元素(RI)試験研究棟を廃止し、第2実験研究棟に改称
- 3 -
2.組 織 (平成27年3月31日現在)
総 務 グ ル ー プ
General Affairs Group
企 画 総 務 部
Department of General
Affairs and Planning
企画情報グループ
Planning and
Informaition Group
副
所
長
Deputy Director
General
生活保健グループ
Environmental
Health Group
理 化 学 部
Department of
Environmental and
Drug Chemistry
所
薬品保健グループ
Drugs and
Chemicals Group
長
Director General
食品安全グループ
Agricultural Food
Hygiene Group
食 品 科 学 部
Department of
Food Hygiene
食品保健グループ
Livestock and Marine
Products Hygiene
Group
感染症センター長
Director of Center
for Infectious
Disease Prevention
感 染 症 部
Department of
Infectious Diseases
主査(総 務)
General Affairs
主査(会 計)
Accounting
主査(施 設 管 理)
Facility Management
主査(企 画 調 整)
Planning and Coordinaition
主査(情 報 管 理)
Surveillance and Informaition
主査(飲 料 水)
Drinking Water
主査(温 泉)
Mineral Spring
主査(放 射 線)
Radiology
主査(医 薬 品)
Pharmaceuticals
主査(有害化学物質)
Environmental Chemicals
主査(家 庭 用 品)
Household Products
主査(残 留 農 薬)
Pesticide Residue
主査(遺伝子・アレルギー)
Gene Technology and Food Allergy
主査(動物用医薬品)
Animal Drug
主査(貝 毒)
Shellfish Toxin
主査(水 産 食 品)
Fish and Fishery Product
細 菌 グ ル ー プ
Bacteriology Group
主査(細 菌 感 染 症)
Bacterial Diseases
主査(食 品 細 菌)
Food Microbiology
ウイルスグループ
Virology Group
主査(ウイルス感染症)
Viral Diseases
主査(腸管系ウイルス)
Gastroenteritis Viruses
医動物グループ
Medical Zoology Group
- 4 -
主査(感 染 病 理)
Infection and Pathology
主査(媒 介 動 物)
Mammalian Vectors
主査(衛 生 昆 虫)
Medical Entomology
3. 分掌事務
【企画総務部】
総務グループ
1 庶務、財務、財産に関すること。
2 庁舎及び構内の保守管理に関すること。
3 その他他グループの主管に属しないこと。
企画情報グループ
1 試験、研究、研修等の企画及び総合調整に関すること。
2 公衆衛生情報の収集及び提供等を行うこと。
3 図書、文献その他研究資料の整備及び研究実績の公表に関すること。
【理 化 学 部】
生活保健グループ
1 上水道その他の飲料水に関する試験検査、調査研究を行うこと。
2 鉱泉に関する試験検査、調査研究を行うこと。
3 電離放射線に関する試験検査、調査研究を行うこと。
4 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
5 ラジオアイソト-プの管理に関すること。
薬品保健グループ
1 医薬品、医療機器及び家庭用品等に関する試験検査、調査研究を行うこと。
2 麻薬、向精神薬、大麻及び覚せい剤に関する試験検査、調査研究を行うこと。
3 生薬、薬用資源、植物毒に関する試験検査、調査研究を行うこと。
4 環境保健に関する試験検査、調査研究を行うこと。
5 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
6 薬草園及び温室の管理に関すること。
【食品科学部】
食品安全グループ
1 農産食品に関する食品衛生学的試験検査、調査研究を行うこと。
2 容器、包装等に関する理化学的試験検査、調査研究を行うこと。
3 食品に関する遺伝子工学的試験検査、調査研究を行うこと。
4 アレルギー食品に関する試験検査、調査研究を行うこと。
5 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
食品保健グループ
1 畜産水産食品に関する理化学的試験検査、調査研究を行うこと。
2 畜産水産食品による食中毒に関する理化学的試験検査、調査研究を行うこと。
3 貝毒等に関する試験検査、調査研究を行うこと。
4 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
【感 染 症 部】
細菌グループ
1 細菌性感染症に関する試験検査、調査研究を行うこと。
2 食中毒に関する細菌学的試験検査、調査研究を行うこと。
3 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
ウイルスグループ
1 ウイルス感染症に関する試験検査、調査研究を行うこと。
2 食中毒に関するウイルス試験検査、調査研究を行うこと。
3 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
医動物グループ
1 寄生虫、原虫、リケッチア等の感染症に関する試験検査、調査研究を行うこと。
2 感染症媒介動物、衛生昆虫に関する試験検査、調査研究を行うこと。
3 実験動物に関する飼育管理及び試験検査、調査研究を行うこと。
4 前各号に係る衛生検査技術の指導を行うこと。
- 5 -
4. 職 員 配 置 (平成27年3月31日現在)
研 究 職 員
職 種
医
師
部 名
所
副
長
所
薬
剤
師
獣
医
師
化
学
系
生
物
系
臨
床
検
査
技
師
そ
の
計
他
1
1
1
長
1
感染症センター長
1
1
企画総務部
1
( 1 )
理 化 学 部
4
( 1 )
7
( 3 )
1
食品科学部
6
( 2 )
6
1
1
14
( 2 )
18
感 染 症 部
計
1
1
1
11
( 2 )
12
( 4 )
2
9
1
4
2
13
( 4 )
11
15
( 3 )
6
3
注:①職種等は、厚生労働省「衛生行政報告(地方衛生研究所における
職種別設置状況)」及び総務省「科学技術研究調査」による。
② ( )は、再任用短時間勤務職員数(内数)
- 6 -
14
( 3 )
12
( 2 )
61
( 9 )
5. 施設及び主要備品
(1) 施 設
敷 地 面 積
建 物 面 積
管 理 棟 コンクリートブロック造2階建
ボ イ ラ ー 棟 鉄筋コンクリート造
コンクリートブロック造3階建
実 験 研 究 棟 第2実験研究棟 コンクリートブロック造2階建
実験動物飼育棟 コンクリートブロック造
動物実験研究棟 鉄筋コンクリート造
車 庫・その他 28,929.54
8,470.75
1,792.02
515.05
3,482.72
540.91
467.66
926.80
745.59
㎡
㎡
㎡
㎡
㎡
㎡
㎡
㎡
㎡
(2) 主要備品
品
名
数量
1
1
1
1
1
1
透過電子顕微鏡(一式)
*
走査電子顕微鏡(一式) 走査型レーザー生物顕微鏡(一式)
*
水質検査用機器(一式) 低バックグラウンド放射能自動測定装置
モニタリングポストシステム
ゲルマニウム半導体検出器
* リース物品
管理部
感染症部
〃
〃
理化学部
〃
〃
4
〃
1
1
〃
1
〃
ガスクロマトグラフ質量分析計(一式) *
6
理化学部(4)
食品科学部(2)
高速液体クロマトグラフ質量分析計(一式) *
3
理化学部(1)
食品科学部(2)
カルバメート分析システム(一式) *
超遠心機
安全キャビネット
自動細胞解析装置(フローサイトメーター)(一式)
定量PCR装置
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
(高性能ガンマ線スペクトロメータシステムを含む。)
液体シンチレーションシステム
*
室内空気汚染分析装置(一式)
誘導結合プラズマ質量分析装置(一式)
*
電気泳動装置(一式)
モノクローナル抗体精製システム
タンパク質精製システム
リアルタイムPCRシステム(一式)
DNA自動分離装置
*
*
DNAシーケンサ(一式)
キャピラリー型遺伝子解析装置(一式)
*
※取得価格等(付属機器を含む)が500万円以上の理化学機器を記載
- 7 -
〃
食品科学部
感染症部
〃
〃
〃
〃
〃
食品科学部
〃
〃
〃
〃
6. 決
算
(1)歳入決算額(試験研究費関係)
区
(千円)
分
収入見込額(H27.5.31 現在)
依頼試験検査手数料
5,399
(2)歳出決算額(衛生研究所費)
区
(千円)
分
支出見込額(H27.5.31 現在)
維持運営費
262,844
施設等維持運営費
232,002
機器等管理費(リース料)
30,842
試験研究費
25,800
試験研究費
23,657
備品整備費
1,506
機能強化費(研修派遣等)
総
637
額
288,644
注:施設等維持運営費は、構内に設置されている3研究機関分を含んだ額。
7. 所内各種委員会
平成 27 年 3 月 31 日現在
委員会の名称
設置年月日
委員長
委員数
事務局
開催回数
安全衛生委員会
S48. 5. 1
所
16
総務グループ
1
自衛消防警備本部会議
S60. 6. 1
〃
9
〃
必要の都度開催
病原体等取扱安全管理委員会
S62. 8. 1
〃
7
〃
必要の都度開催
所内感染予防対策委員会
H 3. 5. 1
〃
15
〃
1
入札参加者指名選考委員会
S63. 3. 1
〃
6
〃
2
実験廃液等処理委員会
S55. 8. 1
〃
15
〃
必要の都度開催
調査研究調整会議
H 6.10. 1
〃
7
企画情報グループ
6
利益相反管理委員会
H23. 3. 1
〃
6
〃
必要の都度開催
研修委員会
H10. 6. 8
〃
7
〃
1
LAN運用委員会
H 9.11.25
〃
16
〃
必要の都度開催
GLP推進会議
H 9. 6.24
副所長
14
〃
必要の都度開催
広報・啓発実行委員会
H 6. 4. 1
〃
10
〃
6
所報編集委員会
S51. 4. 1
感染症センター長
8
〃
3
遺伝子組換え実験安全委員会
S62. 9.16
〃
7
〃
1
倫理審査委員会
H14. 4. 1
〃
5
〃
1
動物実験委員会
H15. 6. 1
〃
7
〃
2
図書委員会
S49. 4. 1
企画情報 G 主幹
4
〃
必要の都度開催
長
- 8 -
第2章
業
務
本章では、
①各(総合)振興局保健環境部保健行政室・保健環境部○○地域保健室名を「○○保健所」と
通称名で表記し、北海道○○部○○局(室)○○課の場合は、局(室)名を省略した。
②部課名等は、平成 26 年度時点の名称で表記した。
参考:保健福祉部機構改正(当所関係分)
平成 24 年4月:健康安全局
→
同局「地域保健課」・「食品衛生課」
平成 22 年4月:保健医療局「健康安全室」
→ 「健康安全局」
保健医療局「医療政策薬務課」→ 医療政策局「医療薬務課」
平成 21 年4月:保健医療局「健康推進室」「食品衛生課」→保健医療局「健康安全室」
③行政試験等で、試験内容欄の番号は、「第3章試験検査一覧」の区分番号に対応している。
また、「第3章試験検査一覧」に件数計上しているものには、試験検査名の後に「*」を付
した。
④「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」を「感染症法」と表示した。
Ⅰ 企画総務部
企画総務部は、総務グループと企画情報グループの2グループで構成されている。
主な業務は、「庶務・財務・財産、庁舎・構内の保守管理に関する所全般の管理業務」及び「試験・研究・研
修等の企画及び総合調整、公衆衛生情報の収集及び提供等、図書・文献その他研究資料の整備及び研究実績の公
表」である。
平成 26 年度に実施した調査研究は、応募研究1課題である。
Ⅰ-1 企画総務部 総務グループ
主査(総務)、主査(会計)、主査(施設管理)の3主査を配置し、所全般の内部管理業務を行っている。
また、当所及び構内に設置されている地方独立行政法人北海道立総合研究機構(本部、環境科学研究センター、
地質研究所、工業試験場)の電気、冷暖房等に係る共用施設及び設備の保守維持管理を行っている。
(1)内部管理業務
職員の服務、給与及び福利厚生などの庶務関係事務、維持運営に係る予算経理及び物品購入などの財務関係
事務、庁舎、構内の電気、ボイラー、電話などの施設や設備の維持管理業務を行った。
(2)講師派遣及び技術指導
保健衛生の知識や技術の普及を図ることを目的として、当所の調査研究の成果を基本に、講演・技術指導を
行うため、保健所、大学や保健衛生関係団体の要請等に積極的に応じ、研究職員を派遣した(詳細は、各研究
部「3.その他の「講演、講義、技術指導等」」参照)。
(3)職場研修
職員個人及び職場全体の能力開発を図るため、外部講師等により職場研修会を実施した(2回、詳細は、
「職員研修」参照)。
Ⅰ-2 企画総務部 企画情報グループ
事務職である主査(企画調整)と研究職である主査(情報管理)の2主査を配置し、試験・研究・研修等の企
画及び総合調整、研究課題評価、公衆衛生情報の収集及び提供、公衆衛生情報に関する調査及び研究(応募研究
1題)、図書・文献等の管理等を行っている。
また、感染症発生動向調査事業による北海道の基幹「地方感染症情報センター」として、厚生労働省・国立感
染症研究所、保健福祉部健康安全局・保健所との連携のもと、データの収集・確認及び解析・発信を行った。厚
生労働省のデータベース(NESID システム)から得た患者情報の集計・解析を行い、「北海道感染症発生動向調
査情報」を作成して毎週ホームページに掲載し、関係医療機関や道民に情報を還元した。
なお、平成 26 年度は、福島原発事故に係る環境放射能測定について、前年度に引き続き、関係機関と調整の
上、測定結果等をホームページで公表した。
1.試験検査
(1)行政試験等
企画S1(企画情報S1) 感染症発生動向調査業務
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】企画総務部企画情報G(情報管理) 中野道晴、市橋大山
- 11 -
【法令根拠】感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の施行に伴う感染症発生動向
調査事業の実施について)、北海道感染症予防計画
【目
的】感染症法に係る医療機関から保健所と当所を通じて厚生労働省の NESID システムへ報告された患者
情報の結果から発生動向を調査する。
【方
法】NESID システムから、全国と北海道内の疾病ごとにまとめられているデータをダウンロードして、
全国及び道内保健所管内ごとの動向を図式化、CSV 形式で帳票化したウェブページを作成し、一般公開する。
【試験品目及び試料数】(更新した題名及びページ数)
題名
項目数
小見出し
ファイル数
備考
ホームページ
4
総評
お知らせ
病原体情報
学校保健情報
感染症別情報
3
全数把握感染症
定点把握感染症(週単位報告)
定点把握感染症(月単位報告)
合
計
7
52
2
16
1,190
8,902
9,360
1,272
HTML ファイルの他に CSV ファ
イル、画像ファイルを含む。
HTMLファイルの他にCSVファイ
ル、画像ファイルを含む。
20,794
【結
果】 当所ホームページ( http://www.iph.pref.hokkaido.jp/kansen/index.html )にて、毎週金曜
日に情報を公開した。
企画S2(企画情報S2) エキノコックス症患者情報データベース化業務
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】企画総務部企画情報G(情報管理) 中野道晴、市橋大山
【法令根拠】感染症法、北海道エキノコックス症対策実施要領第2の5、エキノコックス症患者調査実施要領
【目
的】エキノコックス症患者の詳細データをデータベース化し永年保存する。
【方
法】健康安全局から送付された「エキノコックス患者票(写)」をもとに、患者データを当所が管理す
るデータベースに保存する。
【試験品目及び試料数】平成 26 年分患者数 17 名、入力項目 11、合計 187 件のデータを入力し、データベースの
更新を行った。
【結
果】北海道エキノコックス症対策協議会「エキノコックス症患者調査専門委員会」に情報提供を行った。
2.調査研究
企画K1(企画情報K1) 応募研究(厚生労働科学研究費(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)協力)
(平成24~26 年度)
自然災害時を含めた感染症サーベイランスシステムの強化・向上に関する研究
- 地方感染症情報センターの視点からのサーベイランス戦略 -
中野道晴、市橋大山(企画情報G)、松井珠緒(国立感染症研究所)
【目的】保健所、地方感染症情報センター(以下、地方センター)、中央感染症情報センターを結ぶネットワー
クシステム(NESID)により、患者発生状況、病原体検出情報の情報共有が図られ、地方センターの情報解析・
提供機能が充実してきた。しかし職員定数や専任職員配置等の問題を抱え、十分にその機能を発揮できていない
機関もある。本研究では地方センターの機能強化、サーベイランス戦略の新たな取組について検討した。
【方法】1(1)インフルエンザ首都圏患者報告ホームページ;隣接地域のインフルエンザ情報を一覧するホーム
ページから、データを独自加工するために csv 形式のダウンロード機能を検討した。(2)地方センターにおけ
る患者情報集計、解析業務を支援する情報ツール;患者情報の確認、集計、分析を効率よく行う情報ツールを開
発した。2(1)地方センターにおける発生動向調査の実態調査;地方センターを対象に設置、情報処理・還元
状況を調査した。(2)地方センターが発信する Web コンテンツ;2013 年 6、10 月に地方センターの Web 発信状
況を調査した。(3)地方衛生研究所サーベイランス業務従事者研修の評価;業務内容、研修参加の有無、知識
- 12 -
保有状況、業務実績を調査した。3(1)地方感染症情報センター担当者会議、(2)公衆衛生学会自由集会「感
染症情報の現状と展望を考える会」の関連会議を後援した。
【結果】1(1)首都圏のインフルエンザ患者報告数を Web 発信し、地域間比較を容易にした。csv データのダウ
ンロード機能を用意した。(2)情報ツールを地方センターに提供した。届出基準変更等により集計方法の変更
が必要な際には一括更新し、地方センターの運用負担を軽減した。2(1)地方センターの職員配置数は 3 人以
下が 54%、一人配置が 10%であった。60%の機関では専任配置がなかった。(2)各発信状況は全数集計表(県
91%、市 75%)、定点週報集計表、経時変化グラフ(98%、75%)と多かった。定点週報集計の年齢階級別(66
%、40%)、月報の男女別(55%、30%)では不十分な機関があった。病原体検出情報はウイルスが(83%、55
%)、細菌(60%、30%)が発信していた。(3)サーベイランス基礎、アウトブレイク探知、調査概要の項目
は既に活用していたが、「イベントベースサーベイランス」、「リスクアセスメント」の目的と方法、「症例対
象研究とコホート研究」、「記述疫学」の方法項目では研修参加者と不参加者間で差があった。3(1)2013 年
1 月 24 日、2013 年 1 月 23 日、2014 年 1 月 29 日(2)2012 年 10 月 25 日、2013 年 10 月 23 日、2014 年 11 月 5
日に開催し、担当者間の情報共有に資した。
3.その他
(1)研究課題の企画・調整
所独自または他機関との共同により行う調査研究課題の企画及び調整を行った。
・ 一般試験研究(保健医療及び環境施策の推進)
12 課題
・ 受託試験研究(国からの要請)
2課題
・ 民間等共同研究(民間企業等との連携)
1課題
・ 外部資金活用研究
2課題
・ 応募研究(国・団体及び民間等助成研究費への応募)
19 課題
(保健福祉部事業 1課題を除く。)
計 36 課題
(2)研究課題評価
当所が取り組む研究課題について、その内容や必要性、有益性などに関する評価を行うことを通じて、より
一層効果的で効率的な研究開発を推進するため、研究課題評価を実施した。(事前評価4課題、事後評価6課
題、中間評価1題 計 11 課題)
(3)研究職員の派遣研修等
研究職員の資質の向上を図るため、先進機関へ派遣し、試験研究における専門的な知識や技術の習得を行っ
た(2件2人)。 (詳細は、第4章「職員研修」参照)
(4)ホームページの管理業務
ア.感染症発生動向調査のウェブページ化(「1.試験検査」参照)
イ.「北海道における放射能濃度の測定結果(環境放射線モニタリング測定結果)」のウェブページ化
①空間放射線量率及び環境試料中の放射能濃度の測定結果の更新を行った。
・道内 10 カ所に設置したモニタリングポストによる空間放射線量率の測定結果(1時間値)
・サーベイメータによる当所敷地内(地上1m)の空間放射線量率の測定結果(月1回)
・月間降下物(札幌市)の放射能濃度の測定結果(月1回)
・水道水(札幌市)の放射能濃度の測定結果(3カ月1回)
・その他の環境試料の放射能濃度の測定結果(環境放射能水準調査)
②「北海道放射線モニタリング総合サイト」(北海道経済部)に対して、当所のウェブサーバを通じて、
毎日、モニタリングポストによる空間放射線率の9時のデータ(8時 50 分~9時の 10 分値データ)を
提供した。
- 13 -
ウ.「花粉飛散状況調査」をはじめとする各研究部関係情報ホームページ発信の支援
エ.当所で実施した一般競争入札の告示と結果(各 14 件)、行事などの「お知らせ」の掲載
オ.アクセス数管理
アクセス数は 201 万件(日平均 5.5 千件)であった。
そのうち、感染症に関するディレクトリが 64 万件(最多アクセスページは 10 万件)、花粉に関するデ
ィレクトリが 38 万件(最多アクセスページは 11 万件)、市販月刊誌「しゃりばり」に関するディレク
トリが 31 万件(最多アクセスページは3万件)、放射能に関するディレクトリが3万件(最多アクセス
ページは7千件)であった。(ウェブサーバで作成されるログから解析)
(5)各種委員会等の開催
ア.主査(情報管理):広報・啓発実行委員会、図書委員会、遺伝子組換え実験安全委員会、倫理審査委員
会、動物実験委員会等の事務局を担当した。
審査課題数:①遺伝子組換え実験安全委員会
新規2題、経過報告3題、終了2題
②動物実験委員会
新規3題、経過報告3題、終了2題
③倫理審査委員会
新規2題
イ.主査(企画調整):調査研究調整会議、研修委員会等の事務局を担当した。
(6)LAN の運用業務
情報の一元化、データ収集の迅速化を目的に設置されている所内 LAN の運用・管理を行った。
ドメインサーバの Active Directory ユーザ、コンピュータの設定及び DHCP 予約の機能により、各部から申
請があったユーザと PC に対して所内 LAN への登録、廃止を行った。(平成 26 年度実績 ①ユーザ登録 2件、
②PC 登録 9件、③登録 PC 廃止 22 件)
(7)図書の登録、管理等業務
図書の登録及び管理を行った(所有蔵書約 18,000 冊)。所有蔵書内訳は、単行本:4,300 冊、和雑誌:約 7,300
冊(タイトル数 199、現在購読数 20)、洋雑誌:約 5,200 冊(タイトル数 185、現在購読数2)、その他(報告
書、年報、要覧など):約 1,000 冊である。本年度は、単行本 51 冊、雑誌 237 冊等の登録を行った。他に関係
機関から約 500 冊の資料提供があり、所内回覧に供した。
(8)感染症対策地域支援ネットワーク
北海道における院内感染を含む感染症対策を目的に、道内4社の登録衛生検査所の協力により、68 菌種、8
分離材料別の毎月の細菌検査情報の提供を受け、集計した。
(9)研究成果等の公開及び発表
ア.「北海道立衛生研究所報第 64 集」(19 報)及び「平成 25 年度北海道立衛生研究所事業年報」の編集・
発行、ホームページ公開を行った。
イ.「平成 26 年度北海道立衛生研究所調査研究発表会」(平成 27 年3月 12 日、13 日)を開催し、調査研
究内容(29 演題)を発表した。
(10)啓発事業の実施
ア.「2014 サイエンス・パーク」に参加した。
(平成 26 年8月6日、北海道及び道総研主催、参加機関 51 機関、市民参加者 2,600 名)
イ.北海道庁道政公報コーナー(交流広場等)において北海道立衛生研究所市民講座・パネル展」を開催し
た。(平成 26 年9月 18 日~19 日、参加者:パネル展 433 名、講演会 35 名)。
(詳細は、「啓発事業」参照)
- 14 -
(11)研修生、視察・見学者の受入れ
ア.大学や企業等の研究機関の技術者を対象にした検査技術研修(3件 11 人)及び保健所等職員を対象にし
た検査技術研修(4件 27 人)を実施した。
イ.各種団体、大学等からの視察・見学を受入れ、所の業務、試験検査・調査研究等の実施状況を紹介した
(7件 165 人)。(詳細は、「施設見学及び視察」、「研修受入」参照))
(12)依頼検査の受付等
民間企業等からの依頼に基づく試験検査のための受付、試験成績書の交付業務を統括した(535件)。
(13)報道機関等電話照会等
感染症情報、環境放射能、花粉等に係るホームページについて、報道機関や一般市民等から 167 件の照会に
対応した。
(14)講演、講義、技術指導等
派遣日
研修・講演名
第 72 回日本公衆衛生学総会自由集
会「感染症情報の現状と展望を考
26.10.23 える会」
依 頼 元
講
師
名
日本公衆衛生学会
研究職員
中野 道晴
大正富山医薬品株式会社
研究職員
中野 道晴
「地方感染症情報センターWeb 発信の現状
と課題」
第 12 回北海道感染症対策セミナー
26.11. 9
「北海道立衛生研究所・北海道感染症情
報センターが発信する感染症情報」
- 15 -
Ⅱ 理化学部
理化学部は、生活保健グループと薬品保健グループの2グループで構成されている。
生活保健グループは、主査(飲料水)、主査(温泉)、主査(放射線)が配置され、薬品保健グループは、主
査(医薬品・欠)、主査(有害化学物質)、主査(家庭用品)が配置されている。
主たる業務として、水道その他の飲料水、鉱泉、電離放射線、医薬品・医療機器、無承認無許可医薬品・危険
ドラッグ、家庭用品、植物毒、シックハウス対策、空中花粉飛散状況調査、有害化学物質の生体影響に関する試
験検査、調査研究及び技術指導を行っている。
平成 26 年度に実施した調査研究は、一般試験研究4課題、受託試験研究1課題、民間等共同研究1課題、応
募研究3課題、計9課題である。また、行政試験 1,881 件、依頼試験 384 件、計 2,265 件を実施した。
Ⅱ-1 理化学部 生活保健グループ
生活保健グループは、主査(飲料水)、主査(温泉)及び主査(放射線)の3主査を配置し、道民の健康で快
適な生活と生活環境の維持・改善のために、生活保健に係る様々なニーズに応えながら、飲料水における有害化
学物質(揮発性有機化合物、重金属、農薬、放射能等)による汚染及び生活環境における放射能汚染とそれらに
関する生体影響の評価、温泉水の成分分析と療養利用などに関する各種の試験検査、調査研究(一般試験研究2
課題、受託試験研究1課題、応募研究1課題、計4課題)を行った。
また、検査精度の向上と信頼性の確保を目的として、道内の(民間の登録検査機関を含めた)水質検査機関(26
機関)の外部精度管理を実施した。
なお、平成 23 年3月に発生した東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染の影響調査のための行政試験
を行い、道民への放射能情報提供(ホームページ発信等)を引き続き企画情報グループとともに行った。
1.試験検査
(1)行政試験等
理化S1(生活保健S1) 平成 26 年度水道水質外部精度管理
【依 頼 者】北海道水道水質管理協議会(事務局:北海道環境生活部環境推進課)
【担当部等】理化学部生活保健グループ(飲料水) 泉 敏彦、伊藤八十男
【法令根拠】水道法第 20 条、平成4年 12 月 21 日付厚生省生活衛生局水道環境部長通知衛水第 265 号、北海道
水道水質管理計画(平成6年9月(平成 17 年3月改訂))・平成 26 年度水道水質外部精度管理実施要領(環
境生活部)
【目
的】北海道水道水質管理協議会に所属する水道事業者及び登録検査機関を対象として、外部精度管理を
行うことにより、水質検査機関の分析技術の向上を図るとともに、水道水に係る水質試験検査結果の信頼性を
確保する。
【方
法】各水質検査機関に外部精度管理実施要領及び精度管理用統一試料を送付した。各機関は、平成 15
年厚生労働省告示第 261 号「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」(検査方法告
示)別表第 13 に示された方法に従って統一試料の分析を行い、その結果及び分析方法等を当所に報告した。当
所は 各機関からの報告内容の取りまとめと解析の他、必要に応じて各検査機関への助言・指導を行った。
【試験品目及び試料数】参加検査機関数は、26 機関であった。測定対象項目は亜硝酸態窒素(設定亜硝酸態窒
素濃度:0.01 mg/L、統一試料をそのまま分析試料とすることとした。
【結
果】分析試料について、平均回収率は 101.3%であり、検査機関間変動係数は、5.69%であった。26 機
関の測定値のうち、平均値から離れた幾つかの測定値について Grubbs の検定により異常値の有無の検定を行
った(有意水準5%)結果、異常値と判断された検査機関はなく、26 機関中、22 機関においてZスコアの絶対
値は2以内で「満足」と評価され、1機関が2超3未満(質疑あり)であり、3機関が3以上(不満足)であっ
た。これらの結果について、報告書を依頼者宛提出した。結果は事務局を通じて各検査機関に通知された。
- 16 -
理化S2(生活保健S2) 平成 26 年度水道水質検査精度管理のための統一試料調査
*
【依 頼 者】厚生労働省健康局水道課水道水質管理室
【担当部等】理化学部生活保健グループ(飲料水) 泉 敏彦、伊藤八十男
【法令根拠】水道法第 20 条、厚生省生活衛生局水道環境部長通知衛水第 265 号、北海道水道水質管理計画(平成
6年9月策定、平成 17 年3月改正)
【目
的】水道法第 20 条第3項に基づく厚生労働大臣の登録検査機関、水道事業者及び水道用水供給事業者が
自己または共同で設置した水質検査機関、地方衛生研究所及び保健所等における水道水質検査の技術水準の把
握とその向上を図る。
【方
法】厚生労働省から送付された精度管理用試料を、平成 15 年厚生労働省告示第 261 号「水質基準に関す
る省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」(検査方法告示)別表第4及び第 16 に示された方法に従っ
て分析した。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
無機物分析用試料
有機物分析用試料
1
1
1
1
2
2
合
計
試験内容
マンガン
1,4-ジオキサン
Ⅰ-4(4) 特殊機器による定量試験 質量分析計による微量物質試験
2
件
【結
果】当所の分析結果を、参加検査機関全体の結果と比較したところ、検査精度はおおむね良好に維持さ
れていることがわかった。(結果を国立医薬品食品衛生研究所宛送付した。)
理化S3(生活保健S3) 浜頓別町が実施するエゾシカの一括埋設による河川水への影響評価 *
【依 頼 者】北海道環境生活部エゾシカ対策課
【担当部等】理化学部生活保健グループ(飲料水) 泉 敏彦、伊藤八十男
【法令根拠】環境基本法、平成26 年11 月17 日付エゾシカ第159 号
【目
的】浜頓別町が実施するエゾシカの一括埋設による河川水への影響を評価する。
【方
法】 平成 26 年 11 月、エゾシカ埋設地近傍の河川水を月1回の頻度で計4回(埋設前1回、埋設後3
回)、1回につき2検体ずつ採取し、生活環境項目等について水質試験を行う。試験方法は、昭和 46 年環境庁
告示第 59 号に準じた。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
河川水
2
10
2
2
合 計
2
14
試験内容
pH、BOD、COD、DO、SSの定量
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の定量
大腸菌群数の定量
Ⅰ-2(1)
Ⅰ-2(1) 理化学的試験 簡易なもの
10 成分
Ⅰ-4(3)
Ⅰ-5(2)
Ⅰ-4(3) 特殊機器による定量試験 高速液体クロマトグラフィーによる微量物質試
験
2 成分
Ⅰ-5(2) 微生物試験 やや簡易なもの
2件
【結
果】すべての試料において、いずれの試験項目についても異常値は検出されず、埋設による河川水への
影響は認められなかった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S4(生活保健S4) 有限会社厚田環境センター最終処分場(石狩市内、平成 18 年許可取消)による周辺
影響調査 *
【依 頼 者】北海道環境生活部循環型社会推進課
【担当部等】理化学部生活保健グループ(飲料水) 泉 敏彦、伊藤八十男
【法令根拠】水質汚濁防止法第 14 条の2
- 17 -
【目
的】有限会社厚田環境センター最終処分場による河川水の影響を評価する。
【方
法】平成 26 年9月、有限会社厚田環境センター最終処分場近傍の河川水を3検体採取し、金属類等につ
いて水質試験を行う。試験方法は、平成 15 年7月 22 日厚生労働省告示第 261 号に準じた。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
試験内容
河川水
3
9
カドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物、1,4-ジオキサンの定量 Ⅰ-4(4)
Ⅰ-4(4) 特殊機器による定量試験 質量分析計よる微量物質試験
3件
【結
果】すべての試料において、いずれの試験項目についても異常値は検出されず、施設による河川水への
影響は認められなかった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S5(生活保健S5) 有珠山火山活動災害復興支援土地条件等調査
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
*
【担当部等】理化学部生活保健グループ(温泉) 髙野敬志、内野栄治
【法令根拠】温泉法(温泉資源変動調査)、有珠噴火に係る温泉資源等調査チーム設置要綱(平成12 年5月9日施
行)
【目
的】2000 年有珠山噴火による壮瞥温泉と洞爺湖温泉の泉質への影響を明らかにするため、各種成分の含
有量等を年2回採水し測定する。
【方
法】鉱泉分析法指針に準じた。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
温泉水
30
360
90
60
合 計
30
510
試験内容
pH、カリウム、カルシウム、マグネシウム等12項目の定量
硫酸、メタホウ酸、チオ硫酸の定量
Ⅰ-2(1)
ヒ素、水銀の定量
Ⅰ-2(3)
Ⅰ-2(1) 理化学的試験 簡易なもの
360 成分
Ⅰ-2(2)
Ⅰ-2(2) 理化学的試験 やや簡易なもの
90 成分
Ⅰ-2(3) 理化学的試験 複雑なもの
60 成分
【結
果】前年度と比較し、泉温は調査した 15 源泉中、11 源泉で変化がないか僅かに低下し、4源泉では上
昇した。主要化学成分の総濃度は、大きな変化がないか、減少した源泉が多かった。(結果を依頼者(保健福
祉部食品衛生課長)及び胆振総合振興局宛報告した。)
理化S6(生活保健S6) 温泉水の分析及び判定試験(報告)
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】理化学部生活保健グループ(温泉) 髙野敬志、内野栄治
【法令根拠】温泉法、「温泉法第 13 条の運用について」(昭和 57 年5月 25 日付環境庁自然保護局長通知)、
「温泉法の一部を改正する法律等の施行について」(平成 14 年3月 29 日付環境省自然環境局長通知)
【目
的】温泉の保護、適正利用を図る。
【方
法】鉱泉分析法指針及び「温泉法第 13 条の運用について」(昭和 57 年5月 25 日付環境庁自然保護局長
通知)に従った。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
試験内容
温泉水
10
360
9
鉱泉試験 中分析
Ⅰ-7(2)
〃
医治効能判定試験(飲用または浴用の禁忌症及び適応症の判定) Ⅰ-7(3)
合 計
10
369
(試料:依頼試験の申請があった温泉水)
【結
果】依頼検査分析試験成績書(写)(温泉分析表及び別表)を依頼者宛報告した(7件)。
- 18 -
理化S7(生活保健S7) 水道水の放射性物質モニタリング調査(行政試験)
【依 頼 者】北海道環境生活部環境推進課
【担当部等】理化学部生活保健グループ(放射線) 青柳直樹、横山裕之
*
【法令根拠】水道法、「福島第一・第二原子力発電所の事故に伴う水道の対応について」(平成23年3月19日付
健水発0319第1号・第2号厚生労働省健康局水道課長通知)、「乳児による水道水の摂取に係る対応につい
て」(平成23年3月21日付健水発0321第1号・第2号厚生労働省健康局水道課長通知)、平成26年4月14日付
け環境第128号他
【目
的】東京電力福島第一原子力発電所事故による水道水への放射性物質の影響を調査するため、道内4地
点(函館市、稚内市、帯広市、根室市)において、毎月1回採取された水道水(蛇口水)の測定を実施する。
【方
法】放射能測定法シリーズ 29「緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法」(平成 16 年文部科学省)、
水道水等の放射能測定マニュアル(平成 23 年 10 月、厚生労働省健康局水道課)に準拠した。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
水道水
16
48
(蛇口水)
試験内容
ヨウ素131、セシウム134、セシウム137の定量
Ⅱ-1(2) ア 放射能測定検査 核種分析 簡易なもの
16件
【結
果】対象としたすべての試料において、ヨウ素 131、セシウム 134 及びセシウム 137 は検出されなかっ
た。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S8(生活保健S8) 福島第一原発事故に伴う本道海域及び魚介類への影響調査(行政試験) *
【依 頼 者】北海道水産林務部水産経営課
【担当部等】理化学部生活保健グループ(放射線) 青柳直樹、横山裕之
【法令根拠】食品衛生法、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令、乳及び乳製品の成
分規格等に関する省令別表の二の(一)の(1)の規定に基づき厚生労働大臣が定める放射性物質を定める件及
び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について」(平成24年3月15日食安発0315第1号厚生労働省
医薬食品局食品安全部長通知)、平成26年3月4日付水経第1061号
【目
的】東京電力福島第一原子力発電所事故により、放射線による海域汚染が懸念されていることから、本
道海域(釧路沖、えりも沖及び室蘭沖)における海水及び本道沿岸域における魚介類等の放射能調査を行い、
安全性を確認する。
【方
法】放射能測定法シリーズ 29「緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法」(平成 16 年文部科学省)
に準拠した。
【試験品目及び試料数】
【結
試験品目
試料数
項目数
海
水
魚介類等
36
100
108
300
合 計
136
408
試験内容
ヨウ素131、セシウム134、セシウム137の定量
〃
(要予備処理)
Ⅱ-1(2)ア
Ⅱ-1(2)イ
Ⅱ-1(2) ア 放射能測定検査 核種分析 簡易なもの
36 件
Ⅱ-1(2) イ 放射能測定検査 核種分析 複雑なもの
100 件
果】海水:すべての試料において、ヨウ素 131、セシウム 134 及びセシウム 137 は検出されなかった。
魚介類等:すべての試料において、ヨウ素 131、セシウム 134 及びセシウム 137 は、不検出(ND)または基準値
未満であった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S9(生活保健S9) 道内での農地における放射性物質モニタリング調査(行政試験) *
【依 頼 者】北海道農政部技術普及課
【担当部等】理化学部生活保健グループ(放射線) 青柳直樹、伊藤八十男、内野栄治、横山裕之
【法令根拠】平成26年4月18日付技普第100号
【目
的】東京電力福島第一原子力発電所事故による道内農用地土壌への放射性物質の影響を確認するため、
- 19 -
モニタリング調査を実施する。
【方
法】放射能測定法シリーズ 29「緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法」(平成 16 年文部科学省)
に準拠した。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
農用地土壌
42
126
試験内容
ヨウ素131、セシウム134、セシウム137の定量 (要予備処理)
Ⅱ-1(2) イ 放射能測定検査 核種分析 複雑なもの
Ⅱ-1(2)イ
42 件
試料:北海道総合研究機構農業研究本部7農業試験場(道南、中央、上川、上川天北、北見、十勝、根釧)で採
取
【結
果】すべての試料において、ヨウ素 131 及びセシウム 134 は検出されず(ND)、セシウム 137 は ND~18
Bq/kg 乾土であった。対象とした地域すべての試料について、北海道の土壌における環境放射能水準調査(文
部科学省)の東京電力福島第一原子力発電所事故以前(平成 20~22 年)の結果(ヨウ素 131 及びセシウム
134:ND、セシウム 137:14~19Bq/kg 乾土)と比較すると、同水準で異常はなかった。(試験成績書を依頼者
宛送付した。)
理化S10(生活保健S10) 環境放射能水準調査
*
【依 頼 者】原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部監視情報課放射線環境対策室
【担当部等】理化学部生活保健グループ(放射線) 青柳直樹、髙野敬志、伊藤八十男、内野栄治、横山裕之
企画総務部企画情報グループ(情報管理) 市橋大山
【法令根拠】原子力施設等防災対策等委託費「環境放射能水準調査」事業(原子力規制委員会原子力規制庁放射
線防護対策部監視情報課放射線環境対策室)
【目
的】自然及び人工放射能の分布状況を把握するために放射性降下物の動向を調査する。また、放射線被
ばくや環境への放射能汚染の事象が発生した場合、モニタリング強化が指示される。放射能分析結果の信頼性
を確認し、技術の維持・向上に資するため、標準試料法による相互比較分析を実施する。
【方
法】委託実施計画書の調査実施要領に従った。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
空間放射線量率
365
12
365
12
99
精米、牛乳、
海水、海底土
試験内容
モニタリングポストによる測定
サーベイメータによる測定(※1)
Ⅱ-1(1)
99
全ベータ放射能の測定(要予備処理)
Ⅱ-1(2)イ
6
18
Ge 半導体検出器によるガンマ線放出核種の分析
Ⅱ-1(2)ア
降下物、陸水、
土壌、農畜水産物
大気浮遊じん
31
93
〃
蛇口水
4
12
〃
寒天線源
模擬土壌
模擬牛乳
5
1
1
45
7
3
降
合
水
計
524
654
Ⅱ-1(1)
(要予備処理) Ⅱ-1(2)イ
(要予備処理)
標準試料法による分析(9項目) (相互比較)
〃
(7項目) (相互比較)
〃
(3 項目) (相互比較)
(※1)
Ⅱ-1(2)イ
Ⅱ-1(2)イ
〃
〃
Ⅱ-1(1)
放射能測定検査 放射線量率
377 件
Ⅱ-1(2)ア
放射能測定検査 核種分析 簡易なもの
6件
Ⅱ-1(2)イ
放射能測定検査 核種分析 複雑なもの
141 件
※1: 東京電力福島第一原子力発電所事故に対応したモニタリング強化
【結
果】委託実施計画書に基づく報告書を原子力規制委員会原子力規制庁に提出した(詳細については放射
能調査年報 58(平成 26 年4月~平成 27 年3月)を参照)。なお、標準試料法による相互比較分析におい
て、当所の測定結果の信頼性が確認された。
- 20 -
(2)依頼試験
試験品目
温泉水等
試料数
項目数
10
360
試験内容
鉱泉試験
中分析
Ⅰ-7(2)
①ナトリウム、カリウム等 18 項目の定量
計 180 項目
②アルミニウム、マンガン等 11 項目の定量 計 110 項目
③フッ素、ヒ素の定量 20 項目
④銅、鉛、水銀、カドミウム、亜鉛の定量 計 50 項目
原水等
地下水等
海水浴場
87
87
鉱泉試験
医治効能判定試験
Ⅰ-7(3)
1
1
鉱泉試験
可燃性天然ガス濃度測定(簡易法)
Ⅰ-7(4)
15
129
理化学的試験(簡易なもの) 水の pH、色度、温度等測定
Ⅰ-2(1)
35
15
35
15
理化学的試験(特殊なもの) ジアルジア試験
微生物試験(やや簡易なもの)大腸菌群数(MPN)試験
Ⅰ-2(4)
35
35
8
5
56
15
1
3
〃
(複雑なもの)
クリプトスポリジウム試験
Ⅰ-5(2)
Ⅰ-5(3)
理化学的試験(簡易なもの) 水の pH、色度、温度等測定
理化学的試験(やや簡易なもの) 鉄、硫酸イオン等測定
Ⅰ-2(1)
放射能測定検査 核種分析(簡易なもの)
Ⅱ-1(2)ア
Ⅰ-2(4)
2.調査研究
理化K1(生活保健K1) 一般試験研究 (平成 26~27 年度、㉖予算額 300 千円)
北海道における腐植質に富む温泉の腐植質構成有機物に関する研究
髙野敬志、内野栄治(生活保健G)
北海道内に湧出するモール系温泉水に含まれる腐植物質のフミン酸及びフルボ酸を分離し、構成元素である炭素、
窒素及びリン濃度を定量した。更に、限外ろ過法により、フミン酸の分子量分布を調べた。更に、温泉分析法指針の腐
植質の分析法についてフミン酸の含有が認められながら、検出できない事例をあげ、分析法の修正点を提言した。な
お、平成 26 年度は道東、道央に湧出するモール系温泉3検体について調査した。
理化K2(生活保健K2) 一般試験研究 (平成 18~29 年度、㉖予算額 181 千円)
北海道における放射線量率の分布及び人工放射性核種の動態について
青柳直樹、横山裕之(生活保健G)、市橋大山(企画情報G)
北海道における東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を評価するため、1 日に摂取している全飲食物(日
常食)に含まれる放射性核種の種類や量、それらから受ける放射線量について、平成 25 年度に引き続き 26 年8
月、及び 27 年2月に調査を行った。26 年度の結果を 25 年度の結果と比較すると、放射性セシウムの検出頻度,
濃度ともに増加傾向がみられた.セシウム 137 と共にセシウム 134 が検出される例がいくつか見られた.
理化K3(生活保健K3) 受託試験研究 (昭和 32~平成 26 年度、㉖予算額 17,641 千円(本庁分含))
環境放射能水準調査[原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部監視情報課放射線環境対策室]
青柳直樹、横山裕之(生活保健G)、市橋大山(企画情報G)
平成 26 年度には、降下物、陸・海水、土壌、農畜水産物など通常のモニタリング 508 試料に加え、平成 23 年
3月 11 日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故に対応したモニタリング強化として、空間放射線量率
及び蛇口水 16 試料について放射能分析を行った。
その結果、セシウム 137 の他に濃度は減少傾向にあるが通常では検出されないセシウム 134 が検出され、当該
事故の影響の継続が示唆されたが、人体への影響については問題となる濃度ではなかった。また、モニタリング
強化では、当該原子力発電所事故及び核実験による影響は見られなかった。
採取試料名、採取時期、測定項目、測定機器及び測定結果の詳細については、放射能調査年報 58(平成 26 年
- 21 -
4月~平成 27 年3月)にとりまとめた。
理化K4(生活保健K4) 応募研究(大同生命厚生事業団地域保健福祉研究助成)
(平成 25~26 年度、㉖予算額 505 千円)
安全な飲料水確保のためのステロール代謝物による糞便汚染スクリーニング法の開発
泉 敏彦、伊藤八十男(生活保健 G)、泉山信司、八木田健司(国立感染症研究所寄生動物部原生動物室)
【目的】現在、水中の糞便由来の原虫類(クリプトスポリジウム等)による汚染の推定は、糞便汚染指標菌(大
腸菌、嫌気性芽胞菌)の検査により行われている。本研究では、環境水の原虫類汚染に対する新たな化学的指標
を検索する目的で、環境水中のステロール類の測定を行い、原虫類の存在との相関性について検討を行った。
【実験方法】1.試料の採取 1)河川水:H26 年 6~10 月に、道内 24 ヶ所の河川より採水した。2)糞便試料
:円山動物園より入手した他、エゾシカ及び魚類の糞便は、野外で採取した。2.ステロール類の測定 1)河
川水中のステロール類:河川水をジクロロメタンで抽出後、BSTFA 誘導体化し、内部標準物質を含むアセトンに
溶解後、9種のステロール類を GC/MS で測定した。2)糞便中のステロール類:糞便を脱イオン水に懸濁、撹拌
後、上記2-1)と同様の方法により測定した。3.原虫類検査 1)顕微鏡による同定:河川水を陰圧ろ過後
に免疫磁気ビーズ法で処理し、蛍光色素で染色後、蛍光顕微鏡で観察した。糞便試料は、MGL 法で処理後、同様
に染色して観察した。2)遺伝子検査:河川水の原虫類については、TAKARA CycleaveⓇRT-PCR Cryptosporidium
(18S-rRNA) Detection Kit 及び、同 Giardia Kit を使用して得た DNA をリアルタイム PCR に掛けた。一方、エ
ゾシカの糞便の原虫については、Quiagen Stool DNA mini kit により抽出した DNA を基に、リアルタイム PCR
を行った。増幅した DNA の塩基配列については外注し、 MEGA5 解析システムにより系統樹解析を試みた。4.
糞便汚染指標菌 河川水より、定法に従い測定した。大腸菌については、Colilert MPN (IDEXX)キットを使用し
た。
【結果及び考察】今回、8河川においてクリプトスポリジウムを7回(6か所:C. parvum、1ヶ所:C. hominis)、
ジアルジアを1回(Assemblage B)検出した。また、エゾシカの糞便の内、2ヶ所の糞便よりクリプトスポリジ
ウム(C. parvum)を検出した。この8河川については、指標菌が検出されたのは4河川(検出率は 50%)であ
った。また、原虫類が検出されなかった 16 河川の内、4河川では指標菌は全て検出され、6河川では大腸菌が、
また 3 河川では嫌気性芽胞菌のみが検出されたが、残りの3河川では指指標菌は検出されなかった。ステロール
類については、調査した全ての河川で、3~9種類が検出された。また、3種の魚類の糞便からは、いずれもコ
レステロールが相対的に最も強く検出された。ステロール類は、原虫類が検出された全ての河川で検出された
(検出率:100%)が、動物性ステロールは魚類の糞便にも検出されることから、糞便指標としては、現状では
植物性ステロール類が望ましいと考えられた。今回、約8割の原虫類がヒトの活動圏外(上流域)で検出された
こと、エゾシカの糞便からも C. parvum が検出されたこと、更に、検出された原虫類の約9割が人畜共通感染種
であったことから、河川水への原虫類混入には、野生動物の関与が強く示唆された。今後より一層安全な水環境
の保全を目指すためには、従来の指標菌検査に加え、ステロール類の測定も併用して原虫類の検査に臨むことが
有用であると考えられた。
3.その他
(1)北海道(札幌市)における放射能濃度の測定結果のホームページ発信
(リクエスト数 : 3万件 )
・平成 23 年3月 11 日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、北海道内の、①空間放射線量率、
②降下物(月間)、③水道水、④大気浮遊じん、⑤その他の環境試料(土壌、農産物、海産物など)の測定
結果を発信した。
・原子力規制委員会原子力規制庁、北海道放射線モニタリング総合サイト(北海道経済部)へデータ提供を行
った。
- 22 -
(2)放射線施設の管理
・RI 装備機器の管理及びその利用者に対する安全教育を実施した。
・法令に基づき国際規制物資(核燃料物質:酢酸ウラン、硝酸トリウム)の管理を行った。
(3)放射能調査年報の発行
北海道における環境放射能水準に関する平成 25 年度の調査結果をとりまとめ、放射能調査年報第 57 号を発
行した。
(4)講演、講義、技術指導等
派遣日
研修・講演名
依 頼 元
講
師
名
26. 6. 5
水環境(水道水、湧水等を含む。)
帯広畜産大学
主査(温泉)
高野 敬志
26. 6.12
放射線(環境放射能を含む。)
帯広畜産大学
主査(放射線)
青柳 直樹
Ⅱ-2 理化学部 薬品保健グループ
薬品保健グループは、主査(有害化学物質)及び主査(家庭用品)の2主査により、次の業務を行った。調査
研究:一般試験研究2課題、民間等共同研究1課題、応募研究2課題、計5課題。
医薬品関連業務としては、医薬品などの監視指導・品質管理のための検査業務、無承認無許可医薬品試買検査
をはじめ、危険ドラッグの分析に関する調査研究にも取り組んだ。
有害化学物質関連業務としては、室内空気・生活環境における有害化学物質(揮発性有機化合物、農薬等)に
よる汚染と生体影響の評価に関する各種の試験検査、調査研究を行った。さらに、検査精度の向上と信頼性の確
保を目的として衛生検査所の外部精度管理を実施したほか、シラカバ花粉症等の予防を目的として花粉飛散状況
の調査を実施し、花粉情報をインターネットなどで発信した。
家庭用品関連業務としては、家庭用品の安全性を把握するための試買検査を行った。
薬用植物園において「一般公開」及び毒草による食中毒を防止する啓発活動として「春の山菜展」を実施した
ほか、道産有毒植物の化学的鑑定等の調査研究を行った。10 月には毒キノコの誤食による食中毒が発生し、種を
同定するため毒成分の分析を実施した。また、12 月にはジャガイモ摂食による食中毒が発生し、毒成分の分析を
行った。
1.試験検査
(1)行政試験等
理化S11(薬品保健S1) 北海道衛生検査所外部精度管理調査(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部医務薬務課(「感染S5(細菌S5)」に同じ)
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(有害化学物質) 武内伸治、佐藤正幸
【法令根拠】臨床検査技師法
【目
的】各衛生検査所の検査技術の向上を図り、適正な医療を確保する。
【方
法】北海道衛生検査所精度管理専門委員会による決定に従い、ブラインド方式調査を行った。
【試験品目及び試料数】ボランティアより採取した新鮮血を5施設に配付し、15 項目(生化学・血清学的検査)
を検査した。
【結
果】微生物学的調査結果とあわせて「平成 26 年度北海道衛生検査所外部精度管理調査結果報告書(保健
福祉部)」としてまとめて、依頼者を通して参加各施設及び関係諸機関に配付された。
- 23 -
*
理化S12(薬品保健S2) 室内空気質試験(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(有害化学物質) 武内伸治、神 和夫
【法令根拠】平成 12 年6月 30 日付厚生省生活衛生局長通知(生衛発第 1093 号)、平成 12 年 12 月 22 日付厚生
省生活衛生局長通知(生衛発第 1852 号)、平成 13 年7月 25 日付厚生労働省医薬局長通知(医薬発第 823 号)、
「室内空気中化学物質測定実施要領(平成 16 年4月1日改正)」
【目
的】シックハウス症候群等の健康被害の予防対策に資するために、一般住民及び住宅施工業者等からの
依頼に基づき、室内空気中化学物質の測定を実施する。
【方
法】「室内空気中化学物質測定実施要領」に基づき、試料の採取・分析を行った。
【試験品目及び試料数】(道内1保健所が採取した室内空気3試料(1建築物3室))
試験品目
試料数
項目数
室内空気
3
6
室内空気
3
15
合
計
6
21
試験内容
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの定量
Ⅰ-10
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベ
ンゼンの定量
Ⅰ-11
Ⅰ-10 ホルムアルデヒド定量試験
3 測定地 (6 項目)
Ⅰ-11 揮発性有機化合物定量試験
3 測定地 (9 項目)
〃
加算
6 項目
【結
果】①室内空気中化学物質測定実施要領6に基づき、測定値を試験成績書として担当保健所長宛送付し
た。(担当保健所が申請者に測定結果を通知した。) ②測定結果の集計・分析を四半期ごとに行い、依頼者
に報告した。
理化S13(薬品保健S3) 職場環境測定(報告) *
【依 頼 者】北海道石狩振興局
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(有害化学物質) 武内伸治、神 和夫
【法令根拠】建築物における衛生的環境の確保に関する法律
【目
的】職場の健康管理の基本となる快適な職場環境の形成のため、職場環境の測定を実施し、その実態を
把握し、職員の健康の保持増進を図る。
【方
法】「職場環境測定実施要領(石狩振興局)」に基づき、試料の測定を行った。
【試験品目及び試料数】 (所内2室(4カ所)で、年2回採取)
試験品目
試料数
項目数
室内空気
8
48
16
合
【結
計
8
64
試験内容
温度、湿度、気流、浮遊粉じん、照度、騒音
炭酸ガス、一酸化炭素濃度の測定
Ⅰ-2(1)
Ⅰ-2(1) 理化学的試験 簡易なもの
48 成分
Ⅰ-6(1) ガス成分試験 簡易なもの
16 成分
Ⅰ-6(1)
果】測定結果は、企画総務部総務グループを経由して依頼者に報告した。
理化S14(薬品保健S4) シラカバ花粉等飛散状況調査(行政試験) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(有害化学物質) 武内伸治
【法令根拠】平成 26 年2月 21 日付、地保第 3661 号
【目
的】花粉症による健康被害の予防対策に資するために、空気中に飛散しているシラカバ、イネ科、ヨモ
ギ等の花粉の測定を実施する。
【方
法】道衛研所報 63、9-13(2013)参照。
- 24 -
【試験品目及び試料数】 (当所の研究棟屋上で、3月1日~10 月 31 日に毎日試料を採取)
試験品目
試料数
項目数
空中花粉
245
245
試験内容
シラカバ花粉等の識別及び計数
I-3(1) 生物試験 簡易なもの
【結
245 件
果】測定結果は、測定結果の集計・分析を行い、ホームページで公開した。
理化S15(薬品保健S5) 平成 26 年度家庭用品試買検査(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部医務薬務課
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(家庭用品) 藤本 啓、兼俊明夫
【法令根拠】有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律、「家庭用品規制に係る監視指導について」(昭
和 56 年3月 10 日付厚生省環境衛生局長通知環企第 45 号)、平成 26 年 9 月 8 日付医薬第 1347 号
【目
的】家庭用品による健康被害を防止するために、繊維製品等の家庭用品について、法律で規制されてい
る有害物質の含有量を測定する。
【方
法】上記法律の施行規則に記載の試験法に従った。
【試験品目及び試料数】(道内4保健所で試買)
試験品目
試料数
項目数
61
61
ホルムアルデヒドの定量
Ⅵ-2(1)
54
ディルドリン、DTTB の定量
Ⅵ-2(2)
46
46
ホルムアルデヒドの定量
Ⅵ-2(1)
4
8
ディルドリン、DTTB の定量
Ⅵ-2(2)
8
8
メタノールの定量
Ⅵ-2(2)
16
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの定量
Ⅵ-2(3)
トリフェニル錫化合物、トリブチル錫化合物の定量
Ⅵ-2(3)
ベンゾアントラセン、ジベンゾアントラセン、ベンゾピレンの定量
Ⅵ-2(3)
Ⅵ-2(1) 定量試験 簡易なもの
107 成分
Ⅵ-2(2) 定量試験 複雑なもの
62 成分
Ⅵ-2(3) 定量試験 特殊なもの
38 成分
繊維製品
(乳幼児用)
繊維製品
試験内容
(上記以外のもの)
家庭用毛糸
家庭用エアゾル製品
くつ墨・くつクリーム
8
16
クレオソート油
2
6
合
【結
計
129
207
果】すべての試料は、基準に適合した。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S16(薬品保健S6) 平成 26 年度医薬品等一斉監視指導に係る試験検査(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部医務薬務課
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(家庭用品) 藤本 啓
【法令根拠】薬事法、平成 27 年2月 10 日付医薬第 2658 号
【目
的】医薬品等の製造工程が適正実施されているか確認する。
【方
法】第十六改正日本薬局方に記載の試験法に従った。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
医薬品
1
1
試験内容
定量試験
Ⅴ-1(4)イ 日本薬局方等収載試験 定量試験(複雑なもの)
【結
果】試料は試験の基準に適合した。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
- 25 -
1件
理化S17(薬品保健S7) 平成 26 年度無承認無許可医薬品試買検査(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部医務薬務課
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(有害化学物質) 武内伸治
【法令根拠】薬事法、「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」(平成 14 年 10 月4日付
厚生労働省医薬局長通知医薬発第 1004001 号)、平成 27 年3月6日付医薬第 2915 号
【目
的】強壮効果及び痩身効果を標ぼうする健康食品による健康被害を防止するために、医薬品成分等の含有
の有無を確認する。
【方
法】「シルデナフィル、バルデナフィル及びタダラフィルの迅速分析法について」(平成 17 年8月 25 日
付厚生労働省医薬食品局通知薬食監麻発第 0825002 号)を参考とし、HPLC/MS を用いて、シルデナフィル等 11 種
類の化合物の検出・定量を行った。
【試験品目及び試料数】(道内4保健所で試買)
試験品目
試料数
項目数
健康食品
8
88
試験内容
シルデナフィル他
11項目
Ⅴ-2(2)ウ 日本薬局方等収載以外試験 定量試験 特殊なもの
【結
88成分
果】全ての試料で試験した医薬品成分は検出されなかった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S18(薬品保健S8) 植物性自然毒による食中毒(疑)に係わる試験検査(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部長
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(家庭用品) 藤本 啓、佐藤正幸、食品科学部食品安全グループ(残留農
薬)青栁光敏
【法令根拠】平成 26 年9月 24 日食衛第 723 号
【目
的】道内で発生した食中毒の原因物を同定するために、有毒成分を確認する。
【方
法】LC/MS/MS を用いて検出試験を行った。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
胃洗浄液
1
1
試験内容
有毒成分の検出:イルジンS
Ⅴ-3(3) 生薬の鑑別試験 特殊なもの
【結
Ⅴ-3(3)
1 件 (1 項目)
果】試料より有毒成分イルジンSは検出されなかった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
理化S19(薬品保健S9) 植物性自然毒による食中毒(疑)に係わる試験検査(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部長
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(家庭用品) 藤本 啓、佐藤正幸
【法令根拠】平成 26 年 10 月 7 日食衛第 216-35 号
【目
的】道内で発生した食中毒の原因物を同定するために、有毒成分を確認する。
【方
法】道衛研所報 64,27(2014)参照。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
きのこ
3
6
試験内容
有毒成分の検出:イボテン酸、ムッシモール
Ⅴ-3(3) 生薬の鑑別試験 特殊なもの
Ⅴ-3(3)
3 件 (6 項目)
【結
果】すべての試料より有毒成分イボテン酸及びムッシモールを検出した。(試験成績書を依頼者宛送付
した。)
理化S20(薬品保健S10) 植物性自然毒による食中毒(疑)に係わる試験検査(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部長
【担当部等】理化学部薬品保健グループ(家庭用品) 藤本 啓、佐藤正幸
- 26 -
【法令根拠】平成 26 年 12 月 22 日食衛第 216-42 号
【目
的】道内で発生した食中毒の原因物を同定するため、有毒成分を確認する。
【方
法】衛生試験法・注解 2010 参照。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
食 品
(ジャガイモ)
3
6
【結
試験内容
有毒成分の検出:ソラニン
Ⅴ-3(3) 生薬の鑑別試験 特殊なもの
Ⅴ-3(3)
3 件 (6 項目)
果】すべての試料より有毒成分ソラニンを検出した。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
2.調査研究
理化K5(薬品保健K1) 一般試験研究 (平成 26~27 年度、㉖予算額 350 千円)
食中毒の原因となる有毒植物の化学的鑑定法について-有毒園芸植物を中心に-
藤本 啓、武内伸治、佐藤正幸(薬品保健G)、高野敬志(生活保健G)
近年、身近な有毒植物による食中毒事例が全国的に増加傾向にある。そこで、道外において地下茎をヤマノイ
モと誤認し2例の死亡事故がある園芸植物、グロリオサ(ユリ科)を取り上げ、その毒成分であるコルヒチンの
分析方法を検討した。また、誤食した際の食残品からの分析を想定し、グロリオサ各種調理品(油炒め、茹で、
蒸し)からの定量法を逆相系前処理カラム及び逆相系カラムによる HPLC 分析により検討した。
理化K6(薬品保健K2) 一般試験研究 (平成 25~26 年度、㉖予算額 600 千円)
室内空気中の芳香性化学物質の測定法開発とホルモン受容体活性に関する研究
武内伸治(薬品保健G)、小島弘幸(食品安全G)、神 和夫(薬品保健G)
【目的】室内では様々な芳香剤が使用されているのに加え、洗剤、柔軟剤、石けん、玩具、文房具など多種多様
な生活用品にも精油成分が添加されていることから、これらの化学物質による室内空気汚染が懸念されている。
これらの中には、アロマテラピーでホルモン作用が謳われている精油成分と同様の成分が含まれる場合もある
が、精油成分自体のホルモン受容体活性については明らかにされていない。本研究では、精油成分 62 物質につ
いて室内空気中濃度の測定法を確立し、住宅7軒の室内空気中濃度を測定した。さらに、これらの化学物質につ
いてエストロゲン受容体(ER)α、ERβ 及び、アンドロゲン受容体(AR)活性を明らかにした。
【方法】室内空気中化学物質の捕集は、逆相フィルター(ガス状物質捕捉用)を装着したカートリッジを用い、
それぞれの住宅の居間において 10 L/分の流速で 24 時間室内空気の採取を行った。化学物質を捕集したフィル
ターをアセトンで抽出し、精油成分 62 物質を質量分析装置付きガスクロマトグラフ(GC/MS)で分析した。受容
体活性の測定は、ERα、ERβ、AR の発現プラスミド及びそれらの応答配列を有するレポータープラスミドを一
過性に導入したチャイニーズハムスター卵巣由来(CHO-K1)細胞を用いた。試験物質を添加して培養した後、化
学物質が受容体に結合することによって産生されたルシフェラーゼの活性をルミノメーターで測定した。
【結果及び考察】住宅7軒の室内空気試料について GC/MS で分析したところ、精油成分 62 物質の中には逆相フ
ィルターで捕集困難な化合物も半数程度存在したものの、31 物質が検出された。そのうち最も高濃度で検出さ
れたのはメントール(16.6μg/m3)であり、リナロール、ベンジルアルコール、メントンがそれに次ぐ濃度で検
出された。ホルモン受容体活性については、62 物質のうち 24 物質に認められた。ERα アゴニスト活性が4物質
に、ERβ アゴニスト活性が 11 物質に認められ、ERβ を介した作用を示す化合物の方が多く認められた。また、
ERα アンタゴニスト活性が2物質に、ERβ アンタゴニスト活性が9物質に認められた。一方、精油成分の AR ア
ゴニスト活性は認められなかったが、10 物質に AR アンタゴニスト活性が認められた。本研究において、居住住
宅の室内空気中から多くの精油成分が検出され、いくつかの化合物にはホルモン受容体活性が認められたこと
から、今後は他の精油成分についても調査を行っていく必要があると考える。
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理化K7(薬品保健K3) 民間等共同研究 (平成 25~26 年度、㉖予算額 150 千円)
リアルタイム花粉モニターで計測したカバノキ属花粉飛散量のバーカード法による検証に関する研究
小林 智(理化学部)、武内伸治(薬品保健G)、藤田敏男(㈱大和製作所)
【目的】リアルタイム花粉モニター(以下花粉モニターと略)は、スギ花粉の自動計測を目的に(株)大和製作所
が開発した機器である。本機は我々の研究により、検出する散乱光の範囲をカバノキ属花粉用に調整することに
より、北海道におけるカバノキ属花粉等の計測にも適用可能であることを、ダーラム法による計測値と比較する
ことで明らかにすることができた。ダーラム法は日本における標準的な花粉捕集法であり、スライドグラス上に
落下する花粉を捕集する方法である。しかしながら、花粉モニターはポンプで花粉を吸引して捕集する体積法で
あり、機器の性能を評価するためには同じ原理のバーカード法による検証が望ましい。本研究では花粉モニター
とバーカード法のカバノキ属花粉計数値を比較することにより、花粉モニターの性能を検証することを目的と
する。
【方法】①当所に花粉モニターを設置し、カバノキ属花粉等をリアルタイムで計数し、時間毎と日毎の集計を行
う。②当所にバーカード型花粉捕集器を設置し、カバノキ属花粉が飛散する4月から6月末まで空中花粉を捕集
し、染色してプレパラートを作成する。③バーカード型花粉捕集器で捕集したカバノキ属花粉を計数する。④花
粉モニターによるカバノキ属花粉計数値とバーカード型花粉捕集器で捕集したカバノキ属花粉計数値を比較し、
花粉モニターの性能を検証する。また、従来から実施しているダーラム法と比較し考察する。
【結果及び考察】解析を行った期間は、平成 25 年は4月 20 日~6月2日までである。平成 26 年は花粉モニター
のデータが記録できず、「はなこさん」(花粉モニターをスギ・ヒノキ用に調整したもの。環境省が全国に設置
している)で得られた計数値と比較した。平成 25 年のカバノキ属花粉飛散期間について花粉モニターの計数値
とバーカード法で捕集した花粉の計数値を日単位で比較した結果、良好な相関が確認できた(R=0.7473)。飛散
量が多い(ダーラム法で 70 個/cm2 以上)日について、時間単位で花粉モニターとバーカードの比較での計数値
を比較したところ、良好な相関を示した。花粉モニターは簡単な原理の機器ではあるが、カバノキ属花粉が多く
飛散している時期にはリアルタイムで飛散情報を提供できることが確認できた。しかしながら、花粉モニターと
バーカード法の計数値が大きく異なっていることが判明した。花粉モニターではカバノキ属花粉を他の花粉と
弁別するために特定の範囲の散乱光を選択して計測している。そのため、花粉モニターの計数値を実際の大気中
での花粉飛散量に変換するファクターを求め、補正する必要がある。平成 26 年については「はなこさん」の計
測結果と比較し、散乱光の検出範囲がスギ・ヒノキ用であっても飛散量が多い日には正の相関が見られた。さら
に観測期間を延長して花粉モニターの性能評価をする必要がある。
理化K8(薬品保健K4) 応募研究(厚生労働省科学研究費(医薬品等規制調和・評価研究事業)分担)
(平成 26 年度、㉖予算額 4,000 千円)
危険ドラッグを中心とした中枢神経系に作用する物質の迅速検出方法の開発に関する研究
佐藤正幸、武内伸治(薬品保健G)、舩田正彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
【目的】麻薬や覚醒剤と類似の作用を有する危険ドラッグの乱用が大きな社会問題となっている。危険ドラッグ
急性中毒による救急搬送が多発していることから、医療現場においても危険ドラッグの検出が求められており、
迅速かつ簡便な検出手法の開発が急務である。本研究では、中枢神経系に作用する物質の迅速検出法開発の検証
用データとして用いるため、危険ドラッグ製品に配合されている指定薬物や指定薬物類似体をガスクロマトグ
ラフ-質量分析計(GC-MS)、フォトダイオードアレイ検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC-PDA)及び液体
クロマトグラフ-質量分析計(LC-MS)により分析した。
【方法】北海道及び東京都内で入手した危険ドラッグ製品各7検体及び 10 検体について、厚生労働省通知(指定
薬物の分析法について、薬食監麻発第 0521002 号、平成 19 年5月 21 日)に準じ試験溶液を調製した。各種機器
のスペクトルデータを標準品のスペクトルデータ、国立医薬品食品衛生研究所の「違法ドラッグデータ閲覧シス
テム」、Jhon Wiley の質量分析データベース(Mass Spectra of Designer Drugs 2014 )等と照合し、成分を
同定又は推定した。
【結果及び考察】HPLC-PDA 等の分析結果より、検出された化合物を合成カンナビノイド、カチノン系化合物、フ
ェネチルアミン系化合物、その他の化合物に分類した。北海道内で入手した検体については全てから合成カンナ
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ビノイド(指定薬物)、東京都内で入手した検体については、3検体から合成カンナビノイド(指定薬物)、別
の3検体からカチノン系化合物、1検体からフェネチルアミン系化合物、4検体からその他の化合物(2検体に
ついては指定薬物)が検出された。GC-MS による定量を行った結果、北海道内で入手した検体からは AM1220 が
0.05~100 mg/g、APINACA が 1.8 及び 60 mg/g、AM2233 が 98 mg/g、EAM2201 が 15 mg/g、東京都内で入手した検
体からは AB-CHMINACA が 2.8 及び 35 mg/g、5-Fluoro AMB が 93 mg/g、FDU-PB-22 が 30 mg/g、 Diphenidine が
26 及び 103 mg/g 検出された。複数の薬物が検出されたものは 17 検体中7検体あった。薬物の組み合わせを見
ると、2種類の合成カンナビノイドが5検体、合成カンナビノイド及びその他の化合物が1検体、2種類のその
他の化合物が1検体であった。近年、新規薬物の化学構造は複雑化しており、従来の手法では同定が困難なもの
も出現している。LC-QTOF/MS や NMR の測定、X 線結晶構造解析等が有用であるが、単一機関で全ての機器を整備
することは困難であるため、他機関との連携・協力体制構築が必要と思われた。
理化K9(薬品保健K5) 応募研究(厚生労働省科学研究費(化学物質リスク研究事業)分担)
(平成 24~26 年度、㉖予算額 1,460 千円)
室内環境における準揮発性有機化合物の多経路暴露評価に関する研究-室内空気中の可塑剤分析法の検討-
武内伸治(薬品保健G)、小島弘幸(食品安全G)、小林 智(理化学部)、
神野透人(国立医薬品食品衛生研究所)
【目的】準揮発性有機化合物は、難燃剤や可塑剤等の有効成分として、建材、家具、家電製品等に広く用いられ
ている。近年、これらの化学物質の中には、神経系への影響、発ガン性、内分泌かく乱作用が疑われているもの
も存在し、長期間曝露や、胎児期、乳幼児期等の高感受性時期の曝露による健康影響が懸念されている。一方、
揮発性の低い化合物は微粒子に付着して浮遊していることが考えられるが、これらの化学物質が、どのような存
在形態で室内空気中に存在するかについては不明な部分が多い。本研究では、平成 24 年度から3年間にわたり、
可塑剤と有機リン系難燃剤の室内空気中濃度測定法の開発及び実態調査を行った。
【方法】21 都道府県に跨る居住住宅 50 軒において、各衛生研究所の職員の協力を得、室内空気の採取を行った。
室内空気中の化学物質の捕集は、3段の石英フィルター(<2.5、2.5-10、>10μm の粒子捕捉用)及び逆相フィ
ルター(ガス状物質捕捉用)を装着したアンダーセンカートリッジを用い、それぞれの住宅の居間において 10
L/分の流速で 24 時間室内空気の採取を行った。化学物質を捕集した各フィルターは、アセトンを用いて超音波
抽出を行った。58 種類の測定対象化学物質の分析は、キャピラリーカラム DB-5MS(0.25mm x0.25μm x30m)を
装着した質量分析装置付きガスクロマトグラフ(GC/MS)を用いた。
【結果及び考察】本年度の測定では、58 物質のうち 36 物質が検出された。フタル酸系可塑剤 21 物質では9物質
が検出されたが、最も高濃度で検出されたのは、フタル酸ジブチル(3.6 μg/m3)であった。非フタル酸系可塑
剤 23 物質では、デカメチルシクロペンタシロキサンが最も高濃度(36.0 μg/m3)で検出され、50 軒全ての住宅
から検出された。さらに2-エチル-1-ヘキサノールとテキサノールがそれに続く高濃度かつ高頻度で検出され
た。有機リン系難燃剤 14 物質では、9物質が検出されたが、リン酸トリクロロメチルエチルが最も高濃度
(0.25μg/m3)で検出された。本研究で検出された化合物の多くは、粒径 2.5μm 以下の粒子を捕捉するフィル
ター若しくは、ガス状物質を捕捉する逆相フィルターに多く捕捉されていた。粒径 2.5 μm 以下の粒子は、
PM2.5 と呼ばれ、肺の奥深くまで到達することが知られている。本研究の結果、揮発性が比較的低く室内空気中
に粒子状で存在する傾向が強い化合物についても、それらの多くが PM2.5 に分類される小さい粒子として存在
していることが示唆された。
3.その他
(1)花粉飛散状況調査のホームページの発信(更新回数:49 回、リクエスト数:10.7 万件)
・シラカバなどの花粉症予防のために、保健福祉部地域保健課と連携して道内6都市(函館、札
幌、岩見沢、旭川、帯広、北見)で花粉飛散状況の調査を実施し、情報提供を行った。
・札幌以外の5都市は管轄保健所試験検査課が実施し、各保健所ホームページでも情報提供された。
・調査期間:函館3~9月、札幌3~10 月、岩見沢、旭川、帯広、北見4~9月
- 29 -
(2)薬用植物園の管理
北方系を中心とした薬用植物約 600 種を栽培維持管理した。また、山菜とそれに類する毒草の維持管理と圃
場整備も併せて行った。
(3)薬用植物園の一般公開等
5月~7月の計4回(13:30~15:30)に一般公開を行い見学者 37 名を受け入れた。
(4)春の山菜展の開催
一般市民及び衛生行政関係者を対象とした春の山菜展を、薬用植物園にて北海道保健福祉部食品衛生課、札
幌市保健所と共催した(来園者数:314 名)
。
(5)植物・生薬等に関する相談
民間等4件。
(6)取材対応(新聞社及びテレビ局)
山菜・毒草4件、花粉 24 件(その他花粉に関する電話による相談・問合せ:34 件)。
(7)講演、講義、技術指導等
派遣日
研修・講演名
26. 5.29
26. 6.13
大気環境(室内環境・シックハウス
症候群等を含む。)
木造建築環境
依 頼 元
講
師
名
帯広畜産大学
理化学部長
小林
智
岐阜県立
森林文化アカデミー
理化学部長
小林
智
日本花粉学会
理化学部長
小林
智
渡島総合振興局保健環境部
主査(有害化学物質) 武内 伸治
北海道大学薬学部
主査(有害化学物質) 武内 伸治
健康安全局食品衛生課
主査(有害化学物質) 武内 伸治
植物観察の会
理化学部長
健康安全局食品衛生課
主査(有害化学物質) 武内 伸治
日本花粉学会市民公開講演会
26. 9.14
「北海道の空中花粉と花粉症
-花粉症を防ぐには」
26.11. 6
~11. 7
平成 26 年度道央南ブロック保
健所試験検査担当者会議
「室内空気中化学物質と空中飛散花粉
について」
26.12.10
26.12.11
27. 2.14
27. 2.20
内分泌攪乱化学物資とシックハ
ウス症候群
平成 26 年度食品分析研修
「空中飛散花粉の測定法について」
北海道の空中花粉と花粉症
-花粉症を防ぐには
平成 26 年度微生物研修会
「空中飛散花粉の測定法について」
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小林
智
Ⅲ 食品科学部
食品科学部は、食品安全グループと食品保健グループの2グループで構成されている。
主たる業務として農産食品・畜水産食品・容器・包装等に関する食品衛生学的・理化学的試験検査、食品に関
する遺伝子工学的試験検査、アレルギー食品・貝毒等に関する試験検査、調査研究及び技術指導を行っている。
平成 26 年度に実施した調査研究は、一般試験研究3課題、受託試験研究2課題、外部資金活用研究1課題、
応募研究3課題、計9課題である。また、行政試験 6,413 件、依頼試験 29 件 計 6,442 件を実施した。
Ⅲ-1 食品科学部 食品安全グループ
食品安全グループは、主査(残留農薬)及び主査(遺伝子・アレルギー)の2主査を配置し、食品の安全性を
確保するための業務を遂行しており、食品中に残留する農薬、食品添加物やカビ毒、遺伝子組換え食品、アレル
ギー物質含有検査などに関する理化学的試験、調査研究(一般試験研究1課題、受託試験研究2課題、外部資金
活用研究1課題、応募研究2課題、計6課題)を行った。受託試験研究の成果は厚生労働省で集計され、全国の
結果が公表される予定である。
また、道立保健所試験検査課職員に対する食品中に残留する農薬等の分析に係る研修も担当している。
1.試験検査
(1)行政試験等
食品S1(食品安全S1) 平成 26 年度農産物等の残留農薬検査(加工食品) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品安全グループ(残留農薬) 青栁光敏、柿本洋一郎、千葉真弘
【法令根拠】食品衛生法、平成 26 年3月 28 日付食衛第 1315 号
【目
的】道内に流通する輸入食品の安全性評価の一環として実施した。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】道内4保健所が収去した試料について試験を行った。
試験品目
試料数
項目数
試験内容
小麦加工品
10
1,390
残留農薬
139 項目
Ⅲ-4(4)
野菜加工品
5
705
残留農薬
141 項目
〃
果実加工品
5
700
残留農薬
140 項目
〃
Ⅲ-4(4) 食品・添加物外含有成分試験(特殊なもの)
2,795 項目
合
計
20
2,795
【結
果】スパゲティ3試料からピリミホスメチル 0.01~0.03μg/g、マッシュルーム缶詰2試料からジエト
フェンカルブ 0.01 及び 0.02μg/g が検出された。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
食品S2(食品安全S2) 平成 26 年度食品衛生検査施設の外部精度管理調査(報告) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品安全グループ(残留農薬) 青栁光敏、柿本洋一郎、千葉真弘
【法令根拠】食品衛生法、
「食品衛生検査施設等における検査等の業務の管理の実施について」
(平成9年4月1
日付厚生省生活衛生局食品保健課衛食第 117 号)
【目
的】保健所及び衛生研究所の食品衛生検査業務における検査精度の維持、向上を図る。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
- 31 -
【試験品目及び試料数】(財)食品薬品安全センターから送付された試料について5回試行した。
試験品目
試料数
項目数
漬物
1
5
とうもろこしペー
スト
1
30
2
35
合
【結
計
試験内容
食品添加物(ソルビン酸)×5回
Ⅲ-3(2)
残留農薬(GC/MS 一斉法:6種農薬中3種農薬の定性と定量)×5回
Ⅲ-4(4)
Ⅲ-3(2) 食品・含有添加物試験(複雑なもの)
Ⅲ-4(4) 食品・添加物外含有成分試験(特殊なもの)
5 項目
30 項目
果】当所の分析結果を全国の参加施設全体の結果と比較し、統計学的な解析を行った結果、当所の検査
精度は良好に維持されていた。(結果を(財)食品薬品安全センターに送付した。)
食品S3(食品安全S3) 干し柿の異臭の原因調査
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品安全グループ(残留農薬) 青栁光敏、柿本洋一郎、千葉真弘
【法令根拠】食品衛生法、平成 26 年4月2日付食衛第 16 号
【目
【方
的】異臭食品の原因を究明する。
法】関連文献を参考に GC-MS を用いて異臭原因物質の検出及び同定を行った。
【試験品目及び試料数】道立保健所より送付された試料について試験を行った。
試験品目
試料数
項目数
干し柿
1
1
試験内容
石油(鉱物油)に含まれる物質(n-アルカン)の有無
Ⅲ-4(4) 食品・添加物外含有成分試験(特殊なもの)
【結
果】石油(鉱物油)に含まれる物質(n-アルカン)が検出された。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
食品S4(食品安全S4) 遺伝子組換え食品検査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品安全グループ(遺伝子・アレルギー) 鈴木智宏、青塚圭二、菅野陽平
【法令根拠】食品衛生法、「食品衛生法施行規則及び乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する
省令等の施行について」平成 13 年3月 15 日付厚生労働省医薬局食品保健部長通知食発第 79 号、「遺伝子組
換え食品に関する表示について」平成 13 年3月 21 日付厚生労働省食品保健部企画課長・監視安全課長通知食
企発第3号及び食監発第 47 号
【目
的】輸入ダイズ穀粒中の遺伝子組換えダイズ[品種名: Roundup Ready Soybean (RRS)、Liberty Link
Soybean (LLS)及び Roundup Ready 2 Yield (RRS2)]の混入率を調査すること及び、トウモロコシ加工品中の安
全性未審査遺伝子組換えトウモロコシ(品種名: CBH351)の有無を調査する。
【方
法】消費者庁「安全性審査済みの組換え DNA 技術応用食品の検査方法」、厚生労働省「(別添)安全性
未審査の組換え DNA 技術応用食品の検査方法」、独立行政法人農林水産消費技術センター「JAS 分析試験ハン
ドブック 遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル」に準拠した。
【試験品目及び試料数】 (道内保健所収去)
試験品目
試料数
項目数
輸入ダイズ穀粒
18
54
遺伝子組換えダイズ(RRS、LLS及びRRS2)の混入率の定量
トウモロコシ加工品
30
30
安全性未審査遺伝子組換えトウモロコシ(CBH351)の検出
48
84
Ⅲ-2(4) 食品・成分試験(特殊なもの)
合
計
試験内容
84 項目
【結
果】輸入ダイズ穀粒:遺伝子組換えダイズの混入率(RRS、LLS 及び RRS2 の各含有率を加えた値)が
5%を超えた場合、遺伝子組換えダイズ使用の表示をしなければならないが、すべての試料において混入率は
5%未満であった。
トウモロコシ加工品:すべての試料において CBH351 遺伝子は検出されなかった。(試験成績書を依頼者宛送
付した。)
- 32 -
食品S5(食品安全S5) 道内産加工食品アレルギー物質含有検査
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品安全グループ(遺伝子・アレルギー) 鈴木智宏、青塚圭二、菅野陽平
【法令根拠】食品衛生法、「食品衛生法施行規則及び乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する
省令等の施行について」平成13年3月15日付厚生労働省医薬局食品保健部長通知食発第79号、「アレルギー物
質を含む食品の検査方法について」平成14年11月6日付厚生労働省医薬局食品保健部長通知食発第1106001号、
「食品衛生法施行規則の一部を改正する省令の施行について」平成20年6月3日付厚生労働省医薬食品局食品
安全部長通知食安発第0603001号
【目
的】アレルギー物質(特定原材料)の含有が疑われる製品について、その含有の有無を調査する。
【方
法】消費者庁「アレルギー物質を含む食品の検査方法について」
(平成 22 年9月 10 日付消費者庁次長
通知消食表第 286 号)
、
「アレルギー物質を含む食品の検査方法について」の一部改正について(平成 26 年3月
26 日付消費者庁次長通知消食表第 36 号)に準拠した。
【試験品目及び試料数】
(道内保健所収去)
試験品目
食
合
品
計
試料数
項目数
試験内容
8
16
小麦のスクリーニング検査
3
6
そばのスクリーニング検査
5
8
10
16
3
落花生のスクリーニング検査
乳のスクリーニング検査
〃
確認検査(ウエスタンブロット法)
4
7
8
14
卵のスクリーニング検査
えび・かにのスクリーニング検査
35
73
Ⅲ-2(4)
食品・成分試験(特殊なもの)
73 項目
【結
果】3試料から乳の成分が検出された(確認検査結果)。その他の試料からは試験した成分は検出され
なかった(試験成績書を依頼者宛送付した)。
(2)依頼試験
試験品目
食品容器材料
晒し布
木製合板
合
計
試料数
項目数
1
1
6
3
2
9
試験内容
理化学的試験(簡易なもの、溶出試験)
Ⅳ-1(1)
2.調査研究
食品K1(食品安全K1) 一般試験研究 (平成 26~28 年度、㉖予算額 500 千円)
GC/MS/MS を用いた加工食品等の残留農薬分析法に関する調査研究
千葉真弘、柿本洋一郎、青栁光敏、小島弘幸(食品安全グループ)
GC/MS/MS で測定可能と考えられた 149 農薬について、最適な測定イオン、昇温条件等を設定した。また、厚労
省通知「GC/MS による農薬等の一斉試験法(農作物)」の塩析条件等を改良した試験法をデザインした。この試験
法を用いてパスタ、もも缶詰、みかん缶詰、アスパラガス缶詰及びマッシュルーム缶詰について妥当性評価試験
を行ったところ、パスタでは 143、もも缶詰では 146、その他については 145 種類の農薬について妥当性評価ガ
イドラインの目標値を満たした。
- 33 -
食品K2(食品安全K2) 受託試験研究 (平成 26 年度、予算額 2,200 千円)
平成 26 年度食品中に残留する農薬等の摂取量調査[厚生労働省医薬食品局食品安全部]
青栁光敏、柿本洋一郎、千葉真弘(食品安全グループ)
【目的】厚生労働省では、国民が日常の食事を介してどの程度の量の農薬等を摂取しているかを把握し、食品の
安全性を確認するため、毎年マーケットバスケット方式による調査事業を行っている。北海道における食の安
全性確保を目的として、平成 17 年度からこの事業に参加しているが、平成 26 年度は「自治体及び検疫所等に
おけるモニタリング検査において検出事例のある農薬のうち比較的検出頻度の高い農薬」20 農薬について北海
道における摂取量実態調査を行った。
【方法】「国民健康・栄養調査」を参考に分類した水道水を含めた1~14群の食品群から適宜食品を選び、平成
20~22 年の北海道ブロックの食品群別摂取量をもとに、各食品の必要量を市場から調達した。調理を要する食
品については通常行われている方法に準じて調理した後、食品群ごとに食品を均一に破砕混合し、各農薬の定
量分析を行った。
【結果及び考察】調査対象 20 農薬のなかに厚生労働省通知一斉試験法適用対象農薬でない農薬があったため、
これら 20 農薬全てが測定可能な分析法を検討した。その結果、アセトニトリルで抽出した抽出液を硫酸マグネ
シウム及び塩化ナトリウムを用いて塩析した後、C18 ミニカラム及びグラファイトカーボン/アミノプロピルミ
ニカラムで精製し、LC-MS/MS またはGC-MS/MSで測定する方法で全農薬が測定可能であった。各食品群に対し、
各農薬 0.01 mg/kg の濃度で添加回収試験を行ったところ、回収率は 70~120%の範囲であり、良好な結果が得
られた。この分析法を用いて残留農薬の定量分析を行ったところ、複数の農薬が検出されたが、いずれも一日
摂取許容量を十分下回っており、健康に影響を与える量ではないと考えられた。
食品K3(食品安全K3) 受託試験研究 (平成 26 年度、予算額 1,800 千円)
食品に残留する農薬等の成分である物質の試験法開発事業[厚生労働省医薬食品局食品安全部]
青栁光敏、柿本洋一郎、千葉真弘(食品安全グループ)
【目的】平成 18 年5月にポジティブリスト制度が施行されたことに伴い、厚生労働省は、残留農薬試験法の整
備を目的として残留農薬等分析法検討会を設置した。我々はこの検討会に参加し、平成 26 年度は畜産食品中の
エチプロールについて LC-MS または LC-MS/MS を使用する個別試験法(通知法案)を作成した。
【方法】エチプロールのLC-MS 及びLC-MS/MS における測定条件を検討した。通知エチプロール試験法(水産物)
の畜産物への適用を検討するため、抽出・精製の各操作における回収率等を確認した後、畜産物(牛の筋肉、
牛の脂肪、牛の肝臓、牛乳、鶏卵及びはちみつ)にエチプロールを添加し、回収試験を行うことで、その有用
性を評価した。
【結果及び考察】エチプロールのマススペクトル及びプロダクトイオンスペクトルを測定し、LC-MS 及び LCMS/MSにおける測定イオンを選択した。また、高速液体クロマトグラム(HPLC)の移動相条件を検討し、エチプ
ロール測定に最適な条件を設定した。通知エチプロール試験法(水産物)の抽出・精製各操作における回収率
は、いずれもほぼ 100%と良好であった。そこで各畜産物試料に対する添加回収試験を行ったところ、LC-MS 測
定では真度 87.9~96.9%、併行精度 1.3~6.5%、LC-MS/MS 測定では真度 80.0~104.4%、併行精度 1.8~8.2%
の良好な結果が得られた。また、検討したすべての試料において定量を妨害するピークは認められず、定量限
界として 0.01 ppm を設定することが可能であった。以上の結果より、畜産物を対象としたエチプロール試験法
として、通知エチプロール試験法(水産物)の畜産物への適用拡大を提案することとした。
食品K4(食品安全K4) 外部資金活用研究(内閣府食品安全委員会(食品健康影響評価研究)分担)
(平成 25~26 年度、㉖予算額 2,600 千円)
核内受容体作用と酵素誘導解析を基盤とした化学物質による肝肥大の毒性学的評価に関する研究
小島弘幸(食品安全グループ)、北村繁幸、浦丸直人(日本薬科大学)、
吉成浩一(静岡県立大学薬学部)
【目的】肝肥大および肝細胞肥大は、化学物質のばく露によりしばしば認められるが、その発現機序や毒性学的
意義は明確ではなく、それらを毒性影響とすべきか否かは議論の余地がある。本研究の目的は、毒性試験情報
を用いたデータ解析と、酵素誘導に関連する核内受容体活性化作用を評価する in vitro 試験を行なうことで、
- 34 -
肝肥大および肝細胞肥大の毒性学的特徴を明らかにすることである。
【方法】食品安全委員会で公開されている農薬評価書を利用して構築したラット毒性試験データベースを用い、
肝細胞肥大および肝肥大の毒性学的特徴の抽出を行った。次に、小葉中心性肝細胞肥大を起こす化学物質を農
薬データベースから選出し、酵素誘導と関連するラット核内受容体(AhR、PXR、CAR、PPARα)に対する作用を
in vitro 試験で評価した。
【結果及び考察】農薬評価書において中心性肝細胞肥大と甲状腺関連所見の関連性が認められた。関連が認めら
れた甲状腺所見は、薬物代謝酵素誘導と強く関連するものであることから、中心性肝細胞肥大と薬物代謝酵素
誘導との関連性が強く示唆された。一方、中心性肝細胞肥大とびまん性肝細胞肥大との間で関連する毒性所見
に違いが認められ、両者の発現機序や毒性学的意義に違いがある可能性が示唆された。さらに、肝肥大や肝細
胞肥大は必ずしも肝がんの初期病変ではないことが示された。上記核内受容体活性化作用と小葉中心性肝細胞
肥大の間に強い関連性が認められた。また、中心性肝細胞肥大とびまん性肝細胞肥大を起こす農薬の間で上記
核内受容体活性化作用に差が認められた。以上の結果から、上述のデータ解析で得られた結果と一致し、中心
性肝細胞肥大は薬物代謝酵素誘導と関連していること、また中心性肝細胞肥大とびまん性肝細胞肥大では毒性
学的特徴が異なることが示唆された。酵素誘導を伴う肝細胞肥大は、肝臓の適応反応であり、可逆性の反応で
あるとされていることから、酵素誘導試験や核内受容体活性化作用評価の実施は、肝細胞肥大の発現機序や毒
性学的影響を推定する上で有用と考えられた。
食品K5 (食品安全K5) 応募研究(科学研究費(基盤研究C)代表)
(平成 24~26 年度、㉖予算額 800 千円)
環境化学物質によるダイオキシン受容体を介した Th17 細胞分化に及ぼす影響
小島弘幸(食品安全グループ)、武内伸治(薬品保健グループ)、
室本竜太(北海道大学大学院薬学研究院)
【目的】近年、IL-17 を特異的に産生するヘルパーT細胞群(Th17)の様々な免疫疾患への関与が報告されてい
る。この細胞分化を制御する因子として、レチノイド関連オーファン受容体(ROR)やダイオキシン受容体が報
告されている。本研究では、植物由来化学物質イソフラボン類による IL-17A 産生に及ぼす影響を検討した。
【方法】試験物質:イソフラボン類(バイオカニン A [BA]、ゲニステイン [GE]、ホルモノネチン [FN]、ダイゼ
イン [DZ])を試験した。ROR レポーターアッセイ:ROR 遺伝子及びレポーター遺伝子を導入した CHO 細胞に化
学物質を添加し、24 時間培養後に産生されたルシフェラーゼの酵素活性を測定した。IL-17A 遺伝子発現の解
析:マウスリンパ腫 EL4 細胞に化学物質を添加培養し、刺激剤(PMA/ionomycin)処理による IL-17A 遺伝子発
現を RT-PCR 法にて測定した。また、ROR-targeting shRNA 発現ベクターを導入した ROR-knockdown EL4 細胞を
用いた解析も行った。コアクチベーターNCoA-1 結合アッセイ:ROR と NCoA-1 複合体形成に及ぼす影響を免疫沈
降法と Western blot 法を用いて解析した。
【結果及び考察】レポーターアッセイにおいて、イソフラボン類の ROR アゴニスト活性を認めた。その強さは BA
=FN>GS>DZ であった。これら化合物の ROR-LBD に対する結合活性は認められなかったが、転写活性化に必須
である ROR と NCoA-1 との相互作用を増強した。さらに、イソフラボン類は EL4 細胞における IL-17A 遺伝子発
現を亢進した。これらの作用は、ROR-knockdown細胞では認められなかった。以上の結果から、イソフラボン類
は ROR/NCoA-1 形成を安定化することで IL-17A 遺伝子発現を増強し Th17 細胞分化の機能に影響を与えることが
示唆された。
食品K6 (食品安全K6) 応募研究(科学研究費(基盤研究B)分担)
(平成 24~26 年度、㉖予算額 240 千円)
胎児期の環境・ゲノム・エピゲノム交互作用と出生後の成長軌跡:DOHaD 学説の検証
小島弘幸(食品安全G)、佐田文宏(国立保健医療科学院)
【目的】難分解性有機フッ素化合物 perfluorooctanoic acid (PFOA) は、世界的な環境汚染物質でありヒトへの
曝露影響、特に胎児期への影響が懸念されている。齧歯類においては長期間曝露により肝癌を誘導することが
報告されているが、ヒト肝臓への影響は不明である。本研究では、PFOA を含む炭素鎖の長さが異なる
- 35 -
perfluoroalkylcarboxylic acids (PFCAs) に対するヒトとマウス核内受容体活性を比較することで、これら
PFCAs のヒト肝臓への影響を予測した。
【方法】PFCAs (炭素数4~14 個)のヒト及びマウス由来 peroxisome proliferators-activated receptor
(PPAR)、pregnane X receptor (PXR)、constitutive androstane receptor (CAR)、aryl hydrocarbon receptor
(AhR) に対するアゴニスト活性について、COS 細胞を用いたレポーター遺伝子アッセイにより測定した。
【結果及び考察】ヒト受容体アッセイにおいて、PFOA は 10~100μM で PPARアゴニスト活性を示したが、PXR、
CAR 及び AhR の各受容体に対して活性を認めなかった。他の PFCAs についても PPARのみに活性が認められた
が、PFOA に比べ弱かった。興味深いことに、炭素数8個を頂点に炭素数が短くあるいは長くなることによって
PPARアゴニスト活性は低下し、炭素鎖の長さに依存した活性を示した。マウス受容体アッセイにおいても、ヒ
ト受容体の場合と同様に、PFCAs は PXR、CAR 及び AhR に対して活性を認めず、炭素鎖の長さに依存した PPAR
アゴニスト活性を示した。しかしながら、マウス PPARはヒト PPARに比べ、低用量の PFCAs で活性化された。
以上の結果より、PFOA は各種核内受容体の中でも PPAR活性化が重要であり、ヒト肝臓においても活性化能を
有することが示された。今後は、PPAR活性化以降の種差を明らかにする必要がある。
3.その他
(1)講演、講義、講師派遣
派遣日
26. 7. 4
研修・講演名
第 41 回日本毒性学会学術年会シン
ポジウム
依 頼 元
講
師
名
日本毒性学会学術年会
主幹
小島 弘幸
公衆衛生学(非常勤講師)
北海道大学薬学部
主幹
小島 弘幸
残留農薬試験法に関する研修
ホクレン農業総合研究所
主査(残留農薬) 青栁 光敏
「食品中の化学物質による肝肥大の発現機
序と毒性学的意義:現状・課題・展望」
26. 4. 1
~ 9.30
26. 5.21
~ 5.23
26.11.28
17th Joint Symposium of Hokkaido
University and Seoul National
University
北海道大学環境健康科
「 In
vitro
endocrine-disrupting
学研究教育センター
主幹
小島 弘幸
effects of pesticides via nuclear
receptors」
26.12.11
~12.12
道立保健所等理化学検査担当者研修
保健福祉部食品衛生課
-GC-MS/MS を用いた調理冷凍食品中
【北海道立衛生研究所で実施】
の残留農薬試験法-
北海道大学 CEHS 公開セミナー
27. 1.15
「化学物質と核内受容体:毒性評価・環境
測定・創薬への展開」
主査(残留農薬) 青栁 光敏
北海道大学環境健康科
学研究教育センター
主幹
小島 弘幸
北海道大学薬学部
主幹
小島 弘幸
衛生化学特別講義
27. 1.28
「薬物乱用における違法ドラッグの現状と
課題」
- 36 -
Ⅲ-2 食品科学部 食品保健グループ
食品保健グループは、主査(動物用医薬品)
、主査(水産食品)及び主査(貝毒)の3主査を配置し(主査
(動物用医薬品)欠)
、主として畜水産食品の安全性を確保するための業務を遂行している。これらの食品に残
留する有害化学物質として有機塩素系農薬、PCB、有機スズ化合物、水銀、合成抗菌剤や抗生物質などの動物
用医薬品などについて理化学的試験、調査研究(一般試験研究2題、応募研究1題、計3題)を行っている。ま
た、道産及び道内流通二枚貝の麻痺性貝毒及び下痢性貝毒に関する試験検査を行っている。
また、全道5ヵ所に設置されている食肉衛生検査所の動物用医薬品検査における確認試験を実施するとともに、
食肉衛生検査所の検査体制を強化するために理化学研修も担当している。
1.試験検査
(1)行政試験等
食品S6(食品保健S1) 平成 26 年度道内産畜水産食品の環境汚染物質検査(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(動物用医薬品) 橋本 諭、藤井良昭、西村一彦
【法令根拠】食品衛生法、平成 26 年3月 28 日付食衛第 1315 号
【目
的】畜水産食品の安全性評価の一環として実施した。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】(道内 19 保健所で試買)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
魚介類
食 肉
合
計
12
8
20
*
180
12
36
12
有機塩素系農薬 12 項目、クロルデン3項目
PCB
有機スズ化合物3項目
総水銀
Ⅲ-4(4)
120
8
有機塩素系農薬 12 項目、クロルデン3項目
PCB
Ⅲ-4(4)
368
Ⅲ-4(4) 添加物外含有成分試験(特殊)
Ⅲ-2(3) 成分試験(複雑)
356 項目
12 項目
〃
〃
Ⅲ-2(3)
〃
【結
果】有機塩素系農薬及びクロルデン試験ではホッケ1試料から p, p'-DDT、p, p'-DDE 及び p, p'-DDD
が、カレイ1試料から p, p'-DDE が検出されたが、食品衛生上問題となる数値ではなかった。PCB はすべての
試料で規制値未満または検出限界未満であった。魚介類の有機スズ化合物ではマツブ1試料からトリブチルス
ズが検出されたが、食品衛生上問題となる数値ではなかった。総水銀濃度はすべての魚介類試料で暫定的規制
値未満であった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
食品S7(食品保健S2) 平成 26 年度輸入畜水産食品中の残留抗菌性物質検査(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(動物用医薬品) 橋本 諭、藤井良昭、西村一彦
【法令根拠】食品衛生法、平成 26 年3月 28 日付食衛第 1315 号
【目
的】道内で流通する輸入畜水産食品の安全性評価の一環として実施した。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】(道内 13 保健所にて収去)
*
試験品目
試料数
項目数
試験内容
食 肉
13
130
サルファ剤9項目、オキソリニック酸
Ⅲ-4(4)
エ ビ
5
50
15
サルファ剤9項目、オキソリニック酸
テトラサイクリン類3項目
Ⅲ-4(4)
〃
Ⅲ-4(4) 添加物外含有成分試験(特殊)
195 項目
合
計
18
195
【結
果】サルファ剤、オキソリニック酸はすべての試料で規制値未満または検出限界未満であった。エビの
テトラサイクリン試験ではオキシテトラサイクリンが1試料から検出されたが、食品衛生上問題となる数値で
- 37 -
はなかった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
食品S8(食品保健S3) 平成 26 年度畜水産食品中の残留動物用医薬品モニタリング検査(行政試験) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課(「感染S8(細菌S8)」に同じ)
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(動物用医薬品) 橋本 諭、藤井良昭、西村一彦
【法令根拠】食品衛生法、平成 26 年9月 25 日付食衛第 664 号
【目
的】道内で生産される畜水産食品の安全確保を図る。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】道内5食肉衛生検査所及び道内 20 保健所が収去した試料について理化学的試験を実
施。(微生物学的試験は、感染症部細菌グループにて実施)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
食
肉
121
7
合成抗菌剤等 38 項目のうち指定項目
Ⅲ-4(3)
Ⅲ-4(4)
1,828
鶏
卵
14
308
合成抗菌剤等 22 項目
Ⅲ-4(4)
養殖魚
8
184
合成抗菌剤等 23 項目
Ⅲ-4(4)
乳
17
510
合成抗菌剤等 30 項目
Ⅲ-4(4)
はちみつ
5
20
テトラサイクリン系抗生物質3項目、ミロサマイシン
Ⅲ-4(4)
合
【結
計
165
2,857
Ⅲ-4(3) 添加物外含有成分試験(複雑)
Ⅲ-4(4) 添加物外含有成分試験(特殊)
7 項目
2,850 項目
果】すべての試料で試験項目は不検出であった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
食品S9(食品保健S4) 平成 26 年度食品衛生検査施設の外部精度管理調査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(動物用医薬品) 橋本 諭、藤井良昭、西村一彦
【法令根拠】食品衛生法、「食品衛生検査施設等における検査等の業務の管理の実施について」(平成9年4月
1日付厚生省生活衛生局食品保健課衛食第 117 号)
【目
的】保健所及び衛生研究所の食品衛生検査業務における検査精度の維持、向上を図る。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】((財)食品薬品安全センターから送付)
試験品目
試料数
項目数
鶏肉ペースト
1
5
試験内容
動物用医薬品(スルファジミジン)×5回
Ⅲ-4(3) 添加物外含有成分試験(複雑)
5 項目
【結
果】当所の分析結果を全国の参加施設全体の結果と比較し、統計学的な解析を行った結果、当所の検査
精度は良好に維持されていた。(結果を(財)食品薬品安全センターに送付した。)
食品S10(食品保健S5) 貝毒検査-1(行政試験) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(貝毒) 上野健一、高橋哲夫、田沢悌二郎、林 玲子
【法令根拠】食品衛生法、「麻痺性貝毒等により毒化した貝類の取扱について」(昭和 55 年7月1日付厚生省
環乳第 29 号)
【目
的】麻痺性貝毒及び下痢性貝毒による食中毒を防止するために、貝類についてこれらの貝毒検査を行う。
【方
法】昭和 55 年7月1日付厚生省環乳第 30 号別添「麻痺性貝毒検査法」及び昭和 56 年5月 19 日付厚生
省環乳第 37 号別添「下痢性貝毒検査法」に従った。
- 38 -
【試験品目及び試料数】(道内 15 保健所が収去)
試験品目
試料数
項目数
ホタテガイ
8
16
8
9
9
20
20
麻痺性貝毒検査(むき身、中腸腺)
下痢性貝毒検査
麻痺性貝毒検査(可食部)
下痢性貝毒検査
麻痺性貝毒検査(むき身)
下痢性貝毒検査
82
Ⅶ-6(1) 毒性病理学的試験(麻痺性)
Ⅶ-6(2) 毒性病理学的試験(下痢性)
ホタテガイ製品
ホタテガイ以外
の二枚貝
合
計
9
20
37
試験内容
Ⅶ-6(1)
Ⅶ-6(2)
Ⅶ-6(1)
Ⅶ-6(2)
Ⅶ-6(1)
Ⅶ-6(2)
37 件(45 項目)
37 件(37 項目)
【結
果】麻痺性貝毒は7月、10 月及び2月のホタテガイ検体から中腸腺試料で 2.2、4.5 及び 1.9、4.2 MU/g
の毒力が検出されたが、規制基準値未満であった。下痢性貝毒は1年を通して検出されなかった。(試験成績書
を依頼者宛送付した。)
食品S11(食品保健S6) 貝毒検査-2(行政試験) *
【依 頼 者】北海道水産林務部水産経営課
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(貝毒) 上野健一、高橋哲夫、田沢悌二郎、林 玲子
【法令根拠】「ホタテガイ等の貝毒について」(昭和 54 年5月 12 日付水産庁 54 水研第 519 号)、「麻痺性貝
毒等により毒化した貝類の取扱について」(昭和 55 年7月1日付厚生省環乳第 29 号)
【目
的】生産海域のホタテガイ等における貝毒の蓄積に関する監視を行うために、貝毒検査を行う。
【方
法】昭和 55 年7月1日付厚生省環乳第 30 号別添「麻痺性貝毒検査法」及び昭和 56 年5月 19 日付厚生
省環乳第 37 号別添「下痢性貝毒検査法」に従った。
【試験品目及び試料数】道内2水産技術普及指導所から送付された試料について試験した。
試験品目
試料数
項目数
ホタテガイ
24
48
24
麻痺性貝毒検査(むき身、中腸腺)
下痢性貝毒検査
72
Ⅶ-6(1) 毒性病理学的試験(麻痺性)
Ⅶ-6(2) 毒性病理学的試験(下痢性)
合
計
24
試験内容
Ⅶ-6(1)
Ⅶ-6(2)
24 件(48 項目)
24 件(24 項目)
【結
果】噴火湾東部海域の虻田定点と日本海南部海域の瀬棚定点で4月から3月にかけて月1回採取したホ
タテガイについて貝毒検査を行い、以下の結果を得た。噴火湾東部海域:麻痺性貝毒は中腸腺試料で4月から
11 月にかけて 1.9~6.1 MU/g の毒力及びむき身試料で7月に 1.9 MU/g の毒力が検出されたが、いずれも規
制基準値未満であった。下痢性貝毒は1年を通して検出されなかった。日本海南部海域:麻痺性貝毒は中腸腺
試料で5月から9月、及び 11 月に 1.9~2.0 MU/g の毒力が検出されたが、規制基準値未満であった。下痢性
貝毒は1年を通して検出されなかった。(試験成績書を依頼者宛送付した。)
食品S12(食品保健S7) 平成 26 年度食品衛生検査施設の外部精度管理調査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】食品科学部食品保健グループ(貝毒) 上野健一、高橋哲夫、田沢悌二郎、林 玲子
【法令根拠】食品衛生法、「食品衛生検査施設等における検査等の業務の管理の実施について」(平成9年4月
1日付厚生省生活衛生局食品保健課衛食第 117 号)
【目
的】保健所及び衛生研究所の食品衛生検査業務における検査精度の維持、向上を図る。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】(財)食品薬品安全センターから送付)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
ホタテガイペースト
1
1
麻痺性貝毒×1回(デカルバモイルサキシトキシンによる標準化試験を含む)
Ⅶ-6(1) 毒性病理学的試験(麻痺性)
1件(1 項目)
【結
果】当所の分析結果を全国の参加施設全体の結果と比較し、統計学的な解析を行った結果、当所の検査
精度は良好に維持されていた。(結果を(財)食品薬品安全センターに送付した。)
- 39 -
(2)依頼試験
試験品目
試料数
項目数
畜産食品
1
3
添加物外含有成分試験(残留動物用医薬品)
Ⅲ-4(2)
肉骨粉
17
17
成分試験(簡易なもの)
Ⅲ-2(1)
合
18
20
計
試験内容
2.調査研究
食品K6(食品保健K1) 一般試験研究 (平成 26~27 年度、㉖予算額 300 千円)
水産加工食品中の有機スズ化合物の実態調査
西村一彦、橋本 諭、藤井良昭(食品保健G)
北海道内で流通している水産加工食品中の有機スズ化合物(トリブチルスズ(TBT)、トリフェニルスズ
(TPT)、ジブチルスズ(DBT))濃度を把握するため、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)による分析
法を検討し、試験溶液の調製方法及び GC/MS 条件を確立した。その分析法を用いて水産加工食品 54 検体の TBT、
TPT、DBT を分析した結果、TBT は ND~0.048 mg/kg(平均 0.004 mg/kg)、TPT は ND~0.081 mg/kg(平均 0.003
mg/kg)、DBT は ND~0.025 mg/kg(平均 0.003 mg/kg)であった。
食品K7(食品保健K2) 一般試験研究 (平成 25~27 年度、㉖予算額 500 千円)
LC/MS/MS を用いた食品中の残留農薬分析法の検討と実態調査
橋本 諭、藤井良昭、西村一彦(食品保健G)、青栁光敏、柿本洋一郎、千葉真弘、小島弘幸(食品安全
G)
昨年度測定条件を検討した、液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC/MS/MS)による残留農薬分析法に
ついて、妥当性評価試験を行った。その結果、厚生労働省の検査法妥当性評価ガイドラインに適合した測定がで
きることが確認できた。評価した方法を用い、北海道内で販売されている幾つかの加工食品について実際に残留
農薬分析を試みたところ、良好な測定が可能であった。なお、用いた試料から対象とした農薬は検出されなかっ
た。
食品K8(食品保健K3) 応募研究(厚生労働科学研究費(食品の安心・安全確保推進研究事業)協力)
(平成 25~27 年度)
食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究
平間祐志、高橋哲夫、林玲子(食品保健G)、渡邉敬浩(国立医薬品食品衛生研究所)
ダイオキシン類等有害物質の食品経由による摂取量を把握するために、マーケットバスケット方式による全国
調査を継続的に実施している。当所では北海道地区の調査試料の調製を担当した。調査結果は、厚生労働省のホ
ームページを通して公表される予定である。
- 40 -
3.その他
(1)講演、講義、講師派遣
派遣日
研修・講演名
依 頼 元
JICA 個別研修(キルギス) 独立行政法人国際協力機構
26. 9. 8 「食品安全にかかる制作立案
北海道国際センター(帯広)
およびマネージメント」
26.10.30
(一社)水産土木建設技術セ
ンター主催
「化学物質の水産生物への影響
講
師
名
主査
橋本 諭
(一社)水産土木建設技術センター
研究職員
藤井 良昭
日本分析化学会北海道支部
主幹
西村 一彦
【北海道立衛生研究所で実施】
について」
27. 1.28 北海道分析化学賞受賞講演
- 41 -
Ⅳ 感染症部
感染症部は、細菌グループ、ウイルスグループ及び医動物グループの3グループで構成されている。
主たる業務として、細菌感染症、ウイルス感染症、寄生虫・原虫・リケッチア等の感染症、感染症媒介動物・
衛生昆虫に関する試験検査、調査研究及び技術指導を行っている。また実験動物に関する飼育管理を行っている。
平成 26 年度に実施した調査研究は、一般試験研究4課題、民間等共同研究1課題、応募研究 14 課題、その他
(保健福祉部事業)1課題 計 20 課題である。
また、行政試験 4,713 件、依頼試験 122 件 計 4,835 件を実施した。
Ⅳ-1 感染症部 細菌グループ
細菌グループは、道民の健康で快適な生活の維持・向上のために、細菌が原因で引き起こされる感染症や食中
毒の原因調査とその対策のための調査研究(一般試験研究1題、応募研究3題、計4題)を行い、また保健所職
員等を対象とした技術指導等の研修を行っている。また、感染症発生動向情報の発信、検査精度の向上を目的に、
道内臨床検査センター(衛生検査所)を対象とした外部精度管理調査等を実施している。
なお、腸管出血性大腸菌、劇症型溶血性レンサ球菌の発生動向調査、結核菌の VNTR 試験及びレジオネラ属菌検
査法の開発研究について主査(細菌感染症)を中心に取り組み、食中毒事例の原因究明調査及びカンピロバクタ
ー属菌等の食中毒原因菌検査方法の研究について主査(食品細菌)を中心に取り組んでいる。
1.試験検査
(1)行政試験等
感染S1(細菌S1) 道内で発生する感染症の発生動向調査-腸管出血性大腸菌試験(行政試験) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部細菌G(細菌感染症)
森本 洋、小川恵子、久保田晶子
【法令根拠】感染症法・感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】道内で発生した腸管出血性大腸菌感染症の病原体情報の正確な把握と分析。
【方
法】感染症法に基づき届出がなされ、感染症発生動向調査として依頼のあった菌株について、血清型、
病原遺伝子の保有、志賀毒素産生性、生化学的性状及び薬剤感受性試験を実施した。
【試験品目及び試料数】 (道内7保健所から送付)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
大腸菌
32
64
血清学的型別検査
( 2 項目)
Ⅶ-1(3)イ
96
病原遺伝子保有検査
( 3 項目)
〃
64
志賀毒素産生性検査
( 2 項目)
〃
640
生化学的性状検査
(20 項目)
〃
64
菌株長期冷凍保存
( 2 項目)
〃
(14)
462
生化学的性状検査(追加詳細) (33 項目)
Ⅶ-1(7)
(14)
336
薬剤感受性検査
(24 項目)
Ⅶ-1(4)イ
合
計
32
1,726
Ⅶ-1(3)イ 細菌学的試験 菌株同定試験 特殊なもの
32 件(928 項目)
Ⅶ-1(4)イ 細菌学的試験 薬剤感受性試験 特殊なもの
14 件(462 項目)
Ⅶ-1(7)
14 件(336 項目)
細菌学的試験 特殊細菌検査
- 42 -
【結
果】
菌株数(計 32 株)
血清型
保有病原遺伝子
志賀毒素産生性
2
O145:NM
STX 1,STX 2
8
O157:H7
1
O157:H7
16
O157:H7
5
O157:NM
stx 1,stx 2,eae
stx 1,stx 2,eae
stx 1,eae
stx 2,eae
stx 1,stx 2,eae
STX 1,STX 2
STX 1
STX 2
STX 1,STX 2
これらについて、生化学的性状、薬剤感受性検査等の結果を併せ、試験成績書を依頼者宛送付した。
感染S2(細菌S2) 道内で発生する感染症の発生動向調査-劇症型溶血性レンサ球菌試験(行政試験)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部細菌G(細菌感染症)
森本 洋、小川恵子、久保田晶子
【法令根拠】感染症法・感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】道内で発生した劇症型溶血性レンサ球菌感染症の病原体情報の正確な把握と分析。
【方
法】菌株の溶血性、群別、血清学的型別及び薬剤感受性試験を実施した。
【試験品目及び試料数】 (道内3保健所から送付:内 札幌市1、旭川市1)
試験品目
試料数
項目数
溶血性レンサ球菌
3
3
(3)
6
2
45
3
56
合
計
試験内容
溶血性確認検査
( 1 項目)
Ⅶ-1(3)イ
群別検査
( 2 項目)
血清学的型別検査 ( 1 項目)
薬剤感受性検査
(15 項目)
〃
〃
Ⅶ-1(4)イ
Ⅶ-1(3)イ 細菌学的試験 菌株同定試験 特殊なもの
3 件(11 項目)
Ⅶ-1(4)イ 細菌学的試験 薬剤感受性試験 特殊なもの
3 件(45 項目)
【結
果】A群溶血性レンサ球菌2株( T1、T28)
、G群溶血性レンサ球菌1株が確認された。これらについ
て、薬剤感受性検査等の結果を併せ、試験成績書を依頼者宛送付した。また、溶血性レンサ球菌レファレンス
センター(福島県衛生研究所)に菌株を送付し詳細検査を行い、解析結果を依頼者宛送付した。
感染S3(細菌S3) 道内で発生する感染症の発生動向調査-A群溶血性レンサ球菌試験(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部細菌G(細菌感染症)
森本 洋、小川恵子、久保田晶子
【法令根拠】感染症法・感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】道内で発生したA群溶血性レンサ球菌感染症の病原体情報の正確な把握と分析。
【方
法】菌株の溶血性、群別、血清学的型別及び薬剤感受性試験を実施した。
【試験品目及び試料数】 (道内1保健所から送付)
試験品目
試料数
項目数
A群溶血性レンサ
球菌
6
6
6
12
増菌培養検査
溶血性確認検査
群別検査
(6)
6
90
血清学的型別検査 ( 1 項目)
薬剤感受性検査 (15 項目)
6
120
合
計
*
試験内容
( 1 項目)
( 1 項目)
( 2 項目)
Ⅶ-1(3)イ
〃
〃
〃
Ⅶ-1(4)イ
Ⅶ-1(3)イ 細菌学的試験 菌株同定試験 特殊なもの
6 件( 30 項目)
Ⅶ-1(4)イ 細菌学的試験 薬剤感受性試験 特殊なもの
6 件( 90 項目)
【結
果】次の T 型別タイプが確認された。T4 1 株、T28 4 株、TB3264 1 株。これらについて、薬剤感受性検
査等の結果を併せ、試験成績書を依頼者宛送付した。また、溶血性レンサ球菌レファレンスセンター(福島県
衛生研究所)にもこれら検査情報を提供した。
- 43 -
感染S4(細菌S4) 道内で発生する感染症の原因菌調査-結核菌のVNTR 試験(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部細菌G(細菌感染症)
【法令根拠】感染症法第 53 条の 13
【目
*
森本 洋、小川恵子、久保田晶子
的】結核予防対策
【方
法】結核菌 VNTR ハンドブック(地研協議会保健情報疫学部会マニュアル作成ワーキンググループ編)追
補版(2014 年3月編)に従った。
【試験品目及び試料数】 (道内 18 保健所から送付)
試験品目
試料数
項目数
結核菌
60
60
720
DNA 抽出(P3 対応)
( 1 項目)
JATA(12)-VNTR 型別検査 (12 項目)
780
Ⅶ-1(7) 細菌学的試験 特殊細菌検査
合
【結
計
60
試験内容
Ⅶ-1(7)
〃
60 件(780 項目)
果】60 試料の JATA(12)-VNTR による検査結果について、試験成績書を依頼者宛送付した。また、これら
60 試料の結果を比較し、報告書を依頼者宛送付した。
感染S5(細菌S5) 北海道衛生検査所外部精度管理調査1(微生物学的検査)
(行政試験)
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部医務薬務課(
「理化S11(薬品保健S1)
」に同じ)
【担当部等】感染症部細菌G(細菌感染症)
森本 洋、小川恵子、久保田晶子
【法令根拠】 臨床検査技師法、
「衛生検査精度管理指導対策事業について」
(平成 11 年3月 16 日付厚生省健康政
策局長健政第 273 号)
【目
的】登録衛生検査所における検査技術と精度管理の質的向上を図る。
【方
法】ブラインド調査の1方式で実施した。微生物試料を作製し、協力医療機関を通し各衛生検査所に配
付し、検査結果を回収、解析した。
【試験品目及び試料数】(ブラインド調査対象:5施設、モニター:3施設)
試験品目
試料数
項目数
微生物試料
16
40
(模擬水様便
及び模擬尿)
(2)
合
計
16
40
24
8
118
72
16
1
319
試験内容
予備実験
Ⅶ-1(7)
確認実験
試料作製
試料配付
細菌同定
薬剤感受性
結果評価
報告書作成
〃
〃
〃
Ⅶ-1(4)イ
Ⅶ-1(7)
〃
Ⅶ-1(4)イ 細菌学的試験 薬剤感受性試験 特殊なもの
Ⅶ-1(7)
〃
細菌学的試験 特殊細菌検査
2 件( 72 項目)
16 件(247 項目)
【結
果】生化学・血清学的検査結果とあわせて「平成 26 年度北海道衛生検査所外部精度管理調査結果報告書
(保健福祉部)
」としてまとめて依頼者宛送付し、依頼者を通して参加各施設及び関係諸機関に配付された。
感染S6(細菌S6) 道内で発生する感染症の発生動向調査-腸管出血性大腸菌試験(報告) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部細菌G(細菌感染症)
森本 洋、小川恵子、久保田晶子
【法令根拠】感染症法・感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】道内で発生した腸管出血性大腸菌感染症の病原体情報の正確な把握と分析。
【方
法】感染症法に基づき届出がなされ、道立保健所で分離し当所に譲渡された菌株及び民間検査センター
で分離し当所に譲渡された菌株(道管轄分)に対し、血清型、病原遺伝子の保有、志賀毒素産生性、生化学的
- 44 -
性状及び薬剤感受性試験を実施した。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
大腸菌
144
( 73)
217
219
血清学的型別検査
病原遺伝子保有検査
( 1 項目または 2 項目)
( 3 項目)
( 73)
( 73)
146
1,460
288
志賀毒素産生性検査
生化学的性状検査
菌株長期冷凍保存
( 2 項目)
(20 項目)
( 2 項目)
( 38)
(132)
1,254
3,168
生化学的性状検査(追加詳細) (33 項目)
薬剤感受性検査
(24 項目)
合
計
144
6,752
試験内容
〃
〃
〃
〃
Ⅶ-1(7)
Ⅶ-1(4)イ
Ⅶ-1(3)イ 細菌学的試験 菌株同定試験 特殊なもの
144 件(2330 項目)
Ⅶ-1(4)イ 細菌学的試験 薬剤感受性試験 特殊なもの
132 件(3168 項目)
Ⅶ-1(7)
【結
Ⅶ-1(3)イ
細菌学的試験 特殊細菌検査
38 件(1254 項目)
果】
菌株数(計 144 株)
血清型
保有病原遺伝子
志賀毒素産生性
128
O26:H11
STX 1
1
O111:NM
1
O121:H19
1
O121:NM
1
O128:H45
1
O146:H21
9
O157:H7
2
O157:H7
stx 1,eae
stx 1,eae
stx 2,eae
stx 2,eae
stx 2,eae
stx 1
stx 1,stx 2,eae
stx 1,eae
STX 1
STX 2
STX 2
STX 2
STX 1
STX 1,STX 2
STX 1
これらについて、生化学的性状、薬剤感受性検査等の結果を併せ、菌株譲渡機関に報告した。
感染S7(細菌S7) 食品衛生検査施設における共通内部精度管理調査(微生物学的検査)
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】感染症部細菌G 清水俊一、内山康裕(保健福祉部食品衛生課)
【法令根拠】食品衛生法
【目
的】食品衛生検査施設における検査等の業務管理要綱により検査等の業務の管理を定めた施設のうち、食
品等の検査を実施している施設における検査精度の維持、向上を図る。
【方
法】検査対象細菌1種類を保健所試験検査課用としては滅菌した疑似食材(寒天)に、食肉衛生検査所
用としては疑似拭き取り検体に添加し試料を作成しそれぞれの検査機関に送付した。保健所には加熱後包装食
肉製品の規格基準検査を、食肉衛生検査所には枝肉拭き取り検査検体からの菌分離を求めた。
【試験品目及び試料数】食品等の検査を実施している衛生研究所担当グループ、保健所(12 施設、政令市の施設
を含む)及び食肉衛生検査所(5施設、政令市の施設を含む)の 17 施設を対象とし、衛生研究所担当グループ、
保健所には模擬食材、食肉衛生検査所には拭取り検体にサルモネラ属菌を添加し送付した。
【結
果】すべての施設で良好であった。評価結果については食品衛生課から各検査施設に通知された。
感染S8(細菌S8) 平成 26 年度畜水産食品中の残留動物用医薬品モニタリング検査(行政試験)
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課(
「食品S8(食品保健S3)
」に同じ)
【担当部等】感染症部細菌G(食品細菌) 池田徹也、久保亜希子、清水俊一
【法令根拠】食品衛生法、平成 26 年3月 28 日付食衛第 1315 号
【目
的】道内で生産される畜水産食品の安全確保を図る。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
- 45 -
*
【試験品目及び試料数】
(道内5食肉衛生検査所及び道内 23 保健所で収去)
試験品目
試料数
項目数
食 肉
鶏 卵
養殖魚
92
14
8
92
14
8
乳
はちみつ
17
5
17
5
136
136
合
【結
計
試験内容
抗生物質の検出
〃
〃
〃
〃
Ⅲ-1(2)イ 微生物培養試験 (複雑なもの)
136 項目
果】食肉、鶏卵、養殖魚、乳、はちみつのすべての試料から抗生物質は検出されなかった。
(試験成績書
を依頼者宛送付した。
)
感染S9(細菌S9) ナチュラルチーズのリステリアモニタリング調査(行政試験)
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】感染症部細菌G(食品細菌) 池田徹也、久保亜希子、清水俊一
【法令根拠】平成 26 年3月 28 日付食衛第 1315 号
【目
的】北海道産乳・乳製品のリステリア汚染防止を図り、衛生向上に資する。
【方
法】 平成5年8月2日付厚生省生活衛生局通知衛乳第 169 号「乳及び乳製品のリステリアの汚染防止
等について」及び平成 26 年 11 月 28 日付厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知食安発 1182 第2号「リステ
リア・モノサイトゲネスの検査について」に従った。
【試験品目及び試料数】
(道内 22 保健所管内の事業場から収去)
試験品目
道内産
ナチュラルチーズ
【結
試料数
項目数
130
130
試験内容
リステリアの検出
Ⅲ-1(2)イ 微生物培養試験(複雑なもの)
130 項目
果】すべての試料からリステリアは検出されなかった。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S10(細菌S10) 食中毒事例等に係る原因究明調査(行政試験)
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】感染症部細菌G(食品細菌) 池田徹也、久保亜希子、清水俊一
【法令根拠】食品衛生法第 58 条第2項
【目
的】食中毒事例の原因を究明するとともに、被害の拡大防止及び再発防止を図る。また、食品衛生法に
違反する食品等について、違反事実を確認し健康被害の防止を図る。
【方
法】食品衛生検査指針及び関係文献
【試験品目及び試料数】
(道内で発生した食中毒事例等)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
食品(カビ)
5
5
カビの同定
Ⅲ-1(2)イ
菌株(サルモネラ)
1
1
血清型
Ⅲ-1(2)イ
便 (サルモネラ)
1
1
培養試験
Ⅲ-1(2)イ
菌株(サルモネラ)
1
1
血清型
Ⅲ-1(2)イ
便 (食中毒細菌)
6
144
遺伝子検査
Ⅲ-1(2)ウ
便 (食中毒細菌)
18
432
27
遺伝子検査
培養試験
Ⅲ-1(2)ウ
合
計
32
611
Ⅲ-1(2)イ
Ⅲ-1(2)イ 微生物培養試験(複雑なもの)
35 項目
微生物培養試験(特殊なもの)
576 項目
Ⅲ-1(2)ウ
【結
果】サルモネラ食中毒2事例については、保健所等から搬入された分離株に対し、血清型別等を行った。
その他の食中毒2事例については、遺伝子検査法を行い、一部培養試験を併用し、分離株に対する各種生化学
- 46 -
性状試験、遺伝子検査、血清型別等を実施した。また、5品目についてカビの同定試験を行った。結果が判明
し次第関係保健所、健康安全局食品衛生課と随時連絡をとりながら原因究明を行った。
(試験成績書を依頼者宛
送付した。
)
感染S11(細菌S11) 食品衛生検査施設における業務管理に伴う精度管理調査
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】感染症部細菌G(食品細菌) 池田徹也、久保亜希子、清水俊一
【法令根拠】食品衛生法第 29 条、食品衛生法施行規則第 37 条
【目
【方
的】食品検査における検査精度の信頼性確保のため、検査精度の評価を受ける。
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】
(食品衛生外部精度管理業務調査機関から送付及び内部精度管理試料)
試験品目
試料数
項目数
外部精度管理
3
2
一般生菌数
サルモネラ
Ⅲ-1(2)ア
(模擬食材)
1
2
内部精度管理
1
2
E. coli、黄色ブドウ球菌
Ⅲ-1(2)ア
1
サルモネラ
Ⅲ-1(2)イ
(模擬食材)
合
計
4
8
試験内容
Ⅲ-1(2)イ
Ⅲ-1(2)ア 微生物培養試験(簡易なもの)
5 項目
Ⅲ-1(2)イ 微生物培養試験(複雑なもの)
3 項目
【結
果】各項目とも、適正に検査されている旨の報告を得た。なお、調査結果については各調査機関から依
頼者、GLP 信頼性確保部門責任者及び当所 GLP 検査部門責任者宛に報告書として提出されている。
(2)依頼試験
試験品目
浴 槽 水
鼻腔拭い液
菌
株
食 品 等
試料数
項目数
2
1
1
54
2
24
10
1
11
1
(ビート糖、布など)
1
合
計
14
試験内容
細菌学的試験 特殊細菌検査 (*1)
細菌学的試験 特殊細菌検査 (*2)
細菌学的試験 菌株同定試験 特殊なもの (*3)
Ⅶ-1(3)イ
顕微鏡試験
Ⅲ-1(1)
微生物培養試験(簡易なもの)
〃
(複雑なもの)
Ⅲ-1(2)ア
〃
(特殊なもの)
Ⅶ-1(7)
Ⅶ-1(7)
Ⅲ-1(2)イ
Ⅲ-1(2)ウ
94
(*1) : レジオネラ属菌、自由生活性アメーバなどについての詳細検査
(*2) : 百日咳菌検査
(*3) : サルモネラ属菌検査
2.調査研究
感染K1(細菌K1) 一般試験研究
(平成 24~26 年度、㉖予算額 500 千円)
細菌感染症検査技術向上に関する研究 -ウェルシュ菌、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター検査における効
率的検査法の構築-
池田徹也、久保亜希子、長瀬敏之、久保田晶子、小川恵子、森本 洋、清水俊一(細菌G)
【目的】食品の流通の多様化や食習慣の変化に伴い、細菌性食中毒発生の複雑化、多様化が認められる。また、
感染症においても、人の交流の広がりによる広域化が認められる。このような中で、原因菌の分離同定は、感
染症・食中毒の拡大防止の上で重要である。しかし、食中毒・感染症の複雑化・多様化・広域化に反し、原因
菌の追求には従来通りの古典的な検査法が用いられることが多く、新たな知見に基づく迅速・効率的な検査法
- 47 -
の検討がなされていないのが現状である。そこで本研究では、迅速・効率的かつ道内保健所・食肉衛生検査所
に導入可能で、細菌性食中毒・感染症発生時の原因菌特定や食品衛生管理にも利用可能な検査法の構築を目的
とする。主として、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、ウェルシュ菌の迅速・効率的な検査方法について
検討するが、研究期間中にニーズが高まった病原菌についても同様に検討する。
【方法】大腸菌等(赤痢菌、Escherichia albertii を含む) 100 株を用いて、各種論文で示されている下痢原性
大腸菌病原遺伝子検査用の PCR と、今回構築した下痢原性大腸菌用 multiplex qPCR の比較検討を行った。また、
感染症発生動向調査や調査研究対象として入手した、腸管出血性大腸菌、サルモネラ、ウェルシュ菌の諸性状
を確認し、医療関係諸機関に役立つ病原体情報の集積を行った。
【結果及び考察】下痢原性大腸菌用 multiplex qPCR は調べたすべての菌株で病原遺伝子の有無を正しく判定する
ことができた。この方法は、8種類の病原遺伝子を2組の qPCR で調べることができるため、食中毒発生時の下
痢原性大腸菌検査に役立つと考えられる。また、入手した腸管出血性大腸菌に係る詳細な血清型、毒素型、生
化学的性状をまとめ提示した。薬剤感受性試験結果から、耐性化に対する注意喚起を行った。主要血清型に対
する分離培養に有用な検査法の提示を行った。道内で確認されたヒト由来サルモネラ属菌の血清型詳細を調べ、
過去の発生状況との違いを明らかにし、生化学性状における検査上の注意点を提示した。ウェルシュ菌の毒素産
生状況を確認し、患者への関与を明確にした。これらの情報・技術は平成 26 年度保健所微生物等担当者研修会
および平成 26 年度北海道立衛生研究所調査研究発表会にて、関係者に伝達した。なお、下痢原性大腸菌用
multiplex qPCR の関連試薬をセットにし、各保健所に配布し、すぐに活用できるようにした。
感染K2(細菌K2) 応募研究(厚生労働科学研究費(健康安全・危機管理対策総合研究事業)分担)
(平成 25~27 年度、㉖予算額 2,600 千円)
レジオネラ検査の標準化及び消毒等に係る公衆浴場等における衛生管理手法に関する研究
森本 洋、小川恵子、久保田晶子(細菌G)
、倉 文明(国立感染症研究所)
昨年度に続き、シスメックス・ビオメリュー社の BioBall を利用した外部精度管理を試みた。ワーキンググル
ープ推奨法を検査法として指定した結果、昨年度に比べ結果のバラツキが解消された。一方で、内部精度管理と
研修会の重要性も記載した。また平成 25、26 年度の研究成果の中から、現時点においてレジオネラ対策に関する
行政対応等として、直ちに活用することが適切と思われる項目の検討を行った。
感染K3(細菌K3) 応募研究(厚生労働科学研究費(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)協力)
(平成 24~26 年度)
病原体解析手法の高度化による効率的な食品由来感染症探知システムの構築に関する研究
池田徹也(細菌G)
、泉谷秀昌(国立感染症研究所)
【目的】食中毒・感染症原因細菌の分子疫学解析は、感染経路や感染源の特定に有用である。現在、分子疫学と
して PFGE が用いられることが多いが、PFGE には結果が得られるまでの時間が長い、得られる結果がアナログデ
ータの泳動像でデータベース化が難しいという問題が存在する。近年開発された IS-printing system は、得ら
れる結果がデジタル的なデータであるためにデータベース化が容易である。また、PFGE と比較して解析結果が
得られるまでの時間が大幅に短縮されることから、
多くの地方衛生研究所において腸管出血性大腸菌O157 の分
子疫学解析に応用されている。本研究は、平成 24 年度から 26 年度に全国地方衛生研究所技術協議会、北海道
・東北・新潟ブロックの地方衛生研究所における IS-printing system の基礎的な精度管理に関する共同研究と
して実施された。
【方法】当ブロックの研究分担者(秋田県健康環境センター)から送付された腸管出血性大腸菌O157 計 13 株の
DNA に対し、腸管出血性大腸菌O157H7 用分子疫学解析キット IS-printing system の精度管理を行った。
【結果及び考察】平成 24 年度の検討において、1 機関で 2-02 と 2-03 の結果が他 9 機関の結果と異なった。平成
25 年度と平成 26 年度の検討においては、供試株の結果が全参加機関で一致した。また、平成 24 年度の検討に
おいて、1 機関が供試株全ての hly を陰性と判定した。IS-printing system はキット化されている市販品であ
り、再現性なども十分検討されていると思われるが、今回の検討では使用菌株の特徴や実験条件の違いなどに
より、参加機関の結果が必ずしも全て一致するとは限らないことが経験された。さらに、平成 26 年度に使用さ
- 48 -
れた株の中に、エキストラバンドを生じる株が含まれており、参加機関によって判定が異なった。食中毒や
Diffuse outbreak の際に、エキストラバンドの判定に起因する施設間の結果の不一致を防ぐためにも、この点
について今後特に留意する必要がある。
感染K4(細菌K4) 応募研究(厚生労働科学研究費(健康安全・危機管理対策総合研究事業)分担)
(平成26~28 年度)
地方衛生研究所における病原微生物検査の外部精度管理の導入と継続的実施のための事業体制の構築に関する
研究
岡野素彦、清水俊一、森本 洋(細菌G)
、佐多徹太郎(富山県衛生研究所)
地方衛生研究所の微生物検査の技術水準を維持するために、外部精度管理の手法を導入し、地方衛生研究所全
国協議会として継続的に実施することの妥当性評価を目的として研究を行った。本年度は 1)感染症検査の精度
管理に関する地衛研の実態についてのアンケート調査、2)ウイルスおよび細菌の外部精度管理モデル調査、3)
外部精度管理実施要綱案の作成、そして 4)病原体検査の施設指針案について検討した。
3.その他
(1)講演、講義、技術指導等
派遣日
26. 7.14
研修・講演名
地方衛生研究所における病原微生
物検査の精度管理の導入と継続的
実施のための全国的制度の構築に
関する研究班会議
依 頼 元
講
師
名
富山県衛生研究所
主査(細菌感染症)
森本 洋
滝川国際交流協会
主幹
清水 俊一
(社)北海道消費者協会
主幹
清水 俊一
主査(食品細菌)
池田 徹也
主幹
清水 俊一
主幹
清水 俊一
主査(細菌感染症)
森本
「レジオネラ属菌検査法の安定化に向
けた取り組み」
JICA 課題別研修「アフリカ地域ア
26. 8. 8
グリビジネスの振興と農村開発」
講習会
「食品衛生と食品微生物」
26. 9. 3
消費生活リーダー養成講座
「食品衛生と食品微生物」
平成 26 年度食品・環境衛生監視員
26.10.17 研修会
胆振総合振興局保健環境部
「食中毒発生と衛生研究所」
平成 26 年度道東・道北ブロック食
26.10.23 鳥肉検査業務打ち合わせ会議
東藻琴食肉衛生検査所
「バイオセーフティと病原体輸送」
平成 26 年度道央ブロック保健所
26.11. 7 食品衛生監視員研修会
深川地域保健室
「食品衛生と微生物」
平成 26 年度短期研修 新興再興感
染症技術研修
26.11. 9
レジオネラ実技研修会
国立保健医療科学院
~11.14
「レジオネラ属菌検査法の指導(実技、
講義)」
- 49 -
洋
派遣日
研修・講演名
平成 26 年度道北ブロック保健所
26.11.19 食品衛生監視員研修会
依 頼 元
講
師
名
富良野地域保健室
主幹
清水 俊一
道南獣医師会
主査(細菌感染症)
森本
宗谷総合振興局保健環境部
主幹
清水 俊一
厚生労働省健康局
主査(細菌感染症)
森本
主幹
清水 俊一
「食品衛生と微生物」
道南獣医師会公衆衛生講習会
26.11.26 「レジオネラ感染症とその衛生対策に
洋
ついて」
平成 26 年度食品・環境衛生監視員
研修会
27. 2. 5
「食品衛生と食品微生物」
「感染性物質
~ 2. 6
の安全な取り扱い」
「正しい病原体運搬
のための梱包について」
平成 26 年度生活衛生関係技術担
27. 2. 6
当者研修会
「レジオネラ属菌の標準的検査法(培養
洋
法)と外部精度管理に向けた検討」
平成 26 年度保健所微生物等担当
者研修会
保健福祉部健康安全局食品
27. 2.18 (1) 腸管出血性大腸菌検査法について
衛生課
~ 2.20 (2) リステリア・モノサイトゲネス検査
法について
(3) 食中毒関連検体の搬送に係る講義
主査(細菌感染症) 森本
洋
主査(食品細菌) 池田 徹也
【北海道立衛生研究所で実施】
及び実習
コープさっぽろ品質管理研修会
27. 2.20 「食品衛生管理のグローバル監査の課
題」
生活協同組合コープさっぽ
ろ
主幹
清水 俊一
平成 26 年度食肉・食鳥微生物研修
保健福祉部健康安全局食品
27. 2.24 会
衛生課
~ 2.26 (1) 敗血症・豚丹毒疑い検体からの起因
菌分離および同定
(2) 菌株の搬送に係る講義及び実習
平成 26 年度後志ブロック保健所
27. 3. 5 生活衛生監視指導班研修会
【北海道立衛生研究所で実施】
後志総合振興局保健環境部
「レジオネラ感染症について」
- 50 -
主幹
清水 俊一
主査(細菌感染症) 森本
洋
主査(食品細菌) 池田 徹也
主査(細菌感染症)
森本
洋
Ⅳ-2 感染症部 ウイルスグループ
ウイルスグループは、ウイルスが原因で引き起こされる感染症や食中毒の原因調査とその対策のための調査研
究(応募研究7題)
、保健所職員等を対象とした技術指導等の研修、感染症発生動向情報(病原体検出情報)の発
信を行っている。
インフルエンザや麻疹の原因ウイルス検査及び流行予測調査を主査(ウイルス感染症)で実施し、感染症や食
中毒の原因となる胃腸炎ウイルス検査を主査(腸管系ウイルス)で実施した。
1.試験検査
(1)行政試験等
感染S12(ウイルスS1) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-インフルエンザウイルス分離・同定試験 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ヒトからのウイルス分離及び同定試験の結果から発生動向を調査する。
【方
法】分離同定試験については道衛研所報、42、37(1992)記載の方法に、遺伝子検査については国立感
染症研究所より提示された方法に従った。
【試験品目及び試料数】
(道内3保健所管内の病院から送付)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
鼻ぬぐい液
6
6
インフルエンザウイルス遺伝子のリアルタイムRT-PCR法による検出
6
インフルエンザウイルスの分離
1
インフルエンザウイルスの同定
咽頭ぬぐい液
20
20
インフルエンザウイルス遺伝子のリアルタイムRT-PCR法による検出
20
インフルエンザウイルスの分離
14
インフルエンザウイルスの同定
髄
液
1
1
インフルエンザウイルス遺伝子のリアルタイムRT-PCR法による検出
1
インフルエンザウイルスの分離
血
清
1
1
インフルエンザウイルス遺伝子のリアルタイムRT-PCR法による検出
1
インフルエンザウイルスの分離
簡易キット残液
1
1
インフルエンザウイルス遺伝子のリアルタイムRT-PCR法による検出
1
インフルエンザウイルスの分離
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの) 29 件(73 項目)
合
計
29
73
【結
果】AH3 亜型ウイルス遺伝子が 19 件、AH1 亜型ウイルス遺伝子が4件、B型ウイルス遺伝子が2件から
検出された。AH3 亜型ウイルスが 13 株、B型ウイルス(山形系統)が2株分離された。
(試験成績書を依頼者
宛送付するとともに、陽性例については国立感染症研究所に報告した。
)
感染S13(ウイルスS2) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-麻疹、風疹ウイルス同定試験
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ヒトからのウイルス同定試験の結果から発生動向を調査する。
【方
法】遺伝子検出には RT-PCR 法を用いた。麻疹 IgM の測定はデンカ生研(株)社製の測定キットを用いた。
また、培養細胞を用いたウイルス分離を行い、ウイルスが分離された場合、遺伝子検査等で同定することとし
た。
- 51 -
【試験品目及び試料数】
(道内 11 保健所管内の病院から送付)
試験品目
試料数
項目数
咽頭ぬぐい液
24
24
24
2
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
麻疹ウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
2
24
風疹ウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
原因ウイルスの分離
末梢血単核球
(PBMC)
9
試験内容
9
9
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
9
原因ウイルスの分離
麻疹IgMの測定
血
漿
9
9
血
清
11
11
11
麻疹IgMの測定
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
11
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
11
原因ウイルスの分離
16
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
16
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
尿
16
4
1
16
麻疹ウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
風疹ウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
原因ウイルスの分離
便
1
1
1
1
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
臍帯血
1
1
1
1
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
胎
1
1
麻疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
1
1
風疹ウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
合
盤
計
72
218
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの) 72 件(218 項目)
【結
果】麻疹ウイルス遺伝子が 13 件、風疹ウイルス遺伝子が3件から検出され、麻疹ウイルスが3件、風疹
ウイルスが1件から分離された。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S14(ウイルスS3) ヒト後天性免疫不全症候群ウイルス(HIV)抗体検査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 三好正浩、駒込理佳
【法令根拠】感染症法、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律、
「後天性免疫不全症候群の発生動向の把握の
ための診断基準について」
(平成 11 年3月3日付厚生省保健医療局エイズ健康推進課長通知健医疾発第 17 号)
、
「保健所における HIV 抗体迅速検査法の導入について」
(平成 16 年3月 10 日付疾病第 11059 号)
【目
的】HIV 感染の血清学的診断を行う。
【方
法】抗原抗体同時検出法、ウエスタンブロッティング法を用いて確認試験を行った。
【試験品目及び試料数】
(道内4保健所から送付)
試験品目
血
清
試料数
項目数
4
4
試験内容
抗原抗体同時検出法
Ⅶ-4(3)イ ウイルス学的試験ヒト免疫不全ウイルス試験(複雑なもの) 4 件(4 項目)
- 52 -
【結
果】検査件数及び陽性件数について、月ごとに「HIV 検査実施状況報告書」を保健福祉部長宛送付した。
(試験成績書を保健所長宛送付した。
)
*
感染S15(ウイルスS4) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-チクングニヤウイルス同定試験
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ヒトからのウイルス同定試験の結果から発生動向を調査する。
【方
法】チクングニヤウイルス検査マニュアル Ver1.1(国立感染症研究所監修)に従い、RT-PCR 法にて遺伝
子検出を行った。
【試験品目及び試料数】
(道内1保健所管内の病院から送付)
試験品目
血
清
試料数
項目数
1
1
試験内容
チクングニヤウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
【結
1件(1項目)
果】チクングニヤウイルス遺伝子は検出されなかった。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S16(ウイルスS5) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-デングウイルス同定試験 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ヒトからのウイルス同定試験の結果から発生動向を調査する。
【方
法】デングウイルス感染症診断マニュアル(国立感染症研究所監修)に従い、RT-PCR 法にて遺伝子検出
を行った。
【試験品目及び試料数】
(道内7保健所管内の病院から送付)
試験品目
血
漿
血
清
尿
合
計
試料数
項目数
試験内容
6
6
デングウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
3
6
デングウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
原因ウイルスの分離
6
6
6
デングウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
3
3
3
デングウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
15
33
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
15件(33項目)
【結
果】デングウイルス遺伝子が3件から検出され、デングウイルスが1件から分離された。
(試験成績書を
依頼者宛送付した。
)
感染S17(ウイルスS6)北海道における感染症の原因ウイルス検査
-重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス同定試験 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ヒトからのウイルス同定試験の結果から発生動向を調査する。
【方
法】重症熱性血小板減少症候群ウイルス検査マニュアル(国立感染症研究所監修)に従い、RT-PCR 法に
て遺伝子検出を行った。
- 53 -
【試験品目及び試料数】
(道内4保健所管内の病院から送付)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
咽頭ぬぐい液
1
1
1
SFTSウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
血
漿
1
1
1
SFTSウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
血
清
4
4
SFTSウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
4
原因ウイルスの分離
1
1
1
SFTSウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
7
14
尿
合
【結
計
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
7 件(14 項目)
果】SFTS ウイルス遺伝子は検出されなかった。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S18(ウイルスS7) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-その他のウイルス同定試験
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ヒトからのウイルス同定試験の結果から発生動向を調査する。
【方
法】遺伝子検出に RT-PCR 法を用い、検出されたウイルス遺伝子の塩基配列を解読した。また、培養細胞
を用いたウイルス分離を行い、ウイルスが分離された場合、中和試験等で同定することとした。
【試験品目及び試料数】
(道内 3保健所管内の病院から送付)
試験品目
試料数
項目数
咽頭ぬぐい液
3
2
1
エンテロウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
エンテロウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
3
3
パレコウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
2
エンテロウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
3
パレコウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
1
1
1
1
3
パレコウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
メタニューモウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
RSウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
パラインフルエンザウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
原因ウイルスの分離
2
2
1
1
1
エンテロウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
パレコウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
メタニューモウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
RSウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
パラインフルエンザウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
2
原因ウイルスの分離
パレコウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
パレコウイルス遺伝子のシークエンスによる確認
原因ウイルスの分離
髄
血
液
清
3
2
糞
便
1
1
1
1
合
計
9
33
試験内容
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
9件(33項目)
【結
果】パレコウイルス遺伝子(3型)が2件、エンテロウイルス遺伝子(コクサッキーウイルス A2 型)が
1件から検出された。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
- 54 -
*
感染S19(ウイルスS8)感染症流行予測調査-インフルエンザ感受性試験
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩、石田勢津子
【法令根拠】感染症法、
「平成 26 年度感染症流行予測調査の実施について」
(平成 26 年6月 24 日付厚生労働省健
康局長通知健発 0624 第3号)
、平成 27 年2月 23 日付地保第 3794 号
【目
【方
的】ヒト血清中のインフルエンザウイルス抗体価を測定し、流行予測を行う。
法】0.5%ニワトリ赤血球を用いたマイクロタイター法により、
A/カリフォルニア/07/2009(H1N1)pdm09、
A/ニューヨーク/12/2012(H3N2)、B/ブリスベン/60/2008(ビクトリア系統株)、B/マサチューセッツ/2/2012(山
形系統株)に対する HI 抗体価を測定し、40 倍以上の抗体保有率で表した。
【試験品目及び試料数】
(天使病院、北海道ブロック血液センターから分与)
試験品目
血
清
試料数
項目数
225
900
試験内容
インフルエンザウイルス抗体価の測定(4抗体)
Ⅶ-4(2) ウイルス学的試験ウイルス血清学試験
900 項目
【結
果】
年齢区分別 40 倍以上の HI 抗体保有率(%)
年齢区分(歳)
A/カリフォルニア/07/2009
(H1N1)pdm09
A/ニューヨーク/12/2012
(H3N2)
B/ブリスベン/60/2008
(ビクトリア系統)
B/マサチューセッツ/2/2012
(山形系統)
0~ 4
5~ 9
27
70
30
85
3
10
5
25
10~14
15~19
20~29
78
73
86
83
77
48
11
9
7
22
59
81
30~39
50
50
18
50
40~49
50~59
27
43
45
38
14
10
18
29
60~
19
43
0
5
(試験成績書を依頼者宛送付するとともに、国立感染症研究所にオンラインで報告した。
)
感染S20(ウイルスS9) 感染症流行予測調査―麻疹感受性試験 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 駒込理佳、三好正浩、石田勢津子
【法令根拠】感染症法、
「平成 26 年度感染症流行予測調査の実施について」
(平成 26 年6月 24 日付厚生労働省健
康局長通知健発 0624 第3号)
、平成 27 年2月 23 日付地保第 3794 号
【目
的】麻疹の PA 抗体価測定及びワクチン接種歴調査から、麻疹の流行予測を行う。
【方
法】被検血清中の麻疹ゼラチン粒子凝集抗体価(PA 抗体価)は麻疹ウイルス抗体価測定キットを用いて
測定した。
【試験品目及び試料数】
(天使病院、北海道ブロック血液センターから分与)
試験品目
血
清
試料数
項目数
225
225
試験内容
麻疹ウイルス抗体価の測定
Ⅶ-4(2) ウイルス学的試験ウイルス血清学試験
- 55 -
225 項目
【結
果】
○年齢別 PA 抗体保有状況
PA 抗体
~1
2~3
4~9
10~14
15~19
20~24
25~29
30~39
40~
<16
16
7
0
0
0
0
1
0
1
1
0
0
0
2
0
0
0
0
2
32
64
128
0
1
0
0
2
1
0
1
2
1
2
1
1
0
4
0
2
3
0
0
4
1
0
1
1
5
8
256
512
1024
4
1
3
1
3
2
3
7
7
2
7
2
5
7
2
5
5
3
5
3
1
4
9
5
5
14
9
2048
0
5
3
2
0
4
2
2
9
4096
≧8192
0
1
1
0
1
0
0
0
2
0
1
0
1
1
0
0
5
6
歳
○年齢別予防接種歴
年齢区分(歳)
合計
(①+②+③)
①非接種者
②接種者
③不 明
罹患歴あり
0~ 1
2~ 3
17
15
7
1
9
14
1
0
0
0
4~ 9
10~14
15~19
25
18
22
0
0
3
24
18
12
1
0
7
0
0
2
20~24
23
1
14
8
1
25~29
30~39
19
22
2
5
6
10
11
7
3
7
40~
64
9
20
35
28
(試験成績書を依頼者宛送付するとともに、国立感染症研究所にオンラインで報告した。
)
感染S21(ウイルスS10) 感染症流行予測調査-日本脳炎感染源調査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(ウイルス感染症) 三好正浩、長瀬敏之、石田勢津子
【法令根拠】感染症法、
「平成 26 年度感染症流行予測調査の実施について」
(平成 26 年6月 24 日付厚生労働省健
康局長通知健発 0624 第3号)
、平成 27 年2月 23 日付地保第 3794 号
【目
的】ブタ血清中の日本脳炎ウイルスに対する抗体を測定することにより、本ウイルスの浸淫状況を把握
し、流行を推定する。
【方
法】HI 抗体試験、2-ME 感受性抗体保有率の測定。感染症流行予測調査検査術式(平成 14 年6月)に記
載の方法に従った。
【試験品目及び試料数】 (道内4と畜場において採取、6カ月齢ブタ血清)
試験品目
血
清
試料数
項目数
140
140
試験内容
日本脳炎ウイルス抗体価の測定
Ⅶ-4(2) ウイルス学的試験ウイルス血清学試験
- 56 -
140 項目
【結
果】道内のブタにおける日本脳炎ウイルス HI 抗体陽性率は次のとおりである。
と畜場
採血月日
HI 抗体
2-ME 感受性抗体
20
(八雲保健所)
道央
9月 5日
9月29日
7月30日
<10
20
20
10
20
10
0
0
0%
0%
0
0
-
-
(苫小牧保健所)
8月 4日
10
10
0
0%
0
-
-
8月28日
9月16日
10
10
10
10
0
0
0%
0%
0
0
-
-
北見
8月13日
10
10
0
0%
0
-
-
(網走保健所)
9月17日
7月28日
8月11日
10
20
20
10
20
20
0
0
0
0%
0%
0%
0
0
0
-
-
道南
空知
(富良野保健所)
検査数
≧10
陽性率
検査数
感受性
陽性率
0
0%
0
-
-
(試験成績書を依頼者宛送付するとともに、国立感染症研究所にオンラインで報告した。
)
感染S22(ウイルスS11) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-胃腸炎ウイルス検査
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 吉澄志磨、後藤明子、石田勢津子
【法令根拠】感染症法
【目
的】ウイルスを原因とする感染症を疑う急性胃腸炎患者の集団発生事例について、原因を究明するとと
もに、被害拡大防止及び再発防止を図るために実施する。
【方
法】
「ウイルス性下痢症診断マニュアル」
(平成 15 年7月国立感染症研究所・衛生微生物技術協議会レフ
ァレンス委員会発行)に記載の方法に従った。
【試験品目及び試料数】
(道内で発生した感染症(疑)胃腸炎集団発生5事例)
試験品目
糞
合
便
計
試料数
項目数
33
33
A群ロタウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
33
33
28
33
C群ロタウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
サポウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
サポウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
アストロウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
33
2
アデノウイルス遺伝子のPCR法による検出
アデノウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
33
195
試験内容
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの) 33 件(195 項目)
【結
果】 RT-PCR 法により糞便 18 試料からサポウイルス、2試料からアデノウイルスを検出した。また、
RT-PCR 法により陽性になった試料についてはすべてシークエンスを行い、ウイルスの確認と遺伝子型の同定を
行った。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S23(ウイルスS12) 食中毒原因ウイルス調査-胃腸炎ウイルス検査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 吉澄志磨、後藤明子、石田勢津子
【法令根拠】食品衛生法、
「ノロウイルスの検出法について」
(平成 15 年 11 月5日付厚生労働省医薬食品局食品
安全部監視安全課長通知食安監発第 1105001 号)
【目
的】ウイルスを原因とする食中毒を疑う急性胃腸炎患者の集団発生事例について、原因を究明するとと
もに、被害拡大防止及び再発防止を図る。
- 57 -
【方
法】
「ノロウイルスの検出法について」
(平成 15 年 11 月5日付厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安
全課長通知食安監発第 1105001 号)
、
「ウイルス性下痢症診断マニュアル」
(平成 15 年7月国立感染症研究所・
衛生微生物技術協議会レファレンス委員会発行)に記載の方法に従った。
【試験品目及び試料数】
(道内で発生した食中毒(疑)胃腸炎集団発生 37 事例)
試験品目
糞
試料数
項目数
566
566
436
9
便
7
5
11
合
【結
計
566
1034
試験内容
ノロウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
ノロウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
A群ロタウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
A群ロタウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
C群ロタウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
サポウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)566 件(1034 項目)
果】 RT-PCR 法により糞便 238 試料からノロウイルス、糞便7試料からA群ロタウイルスを検出した。
RT-PCR 法により陽性になった試料についてはすべてシークエンスを行い、ウイルスの確認と遺伝子型の同定を
行った。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S24(ウイルスS13) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-感染性胃腸炎ウイルス検査 (報告)*
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 長瀬敏之、吉澄志磨、後藤明子、石田勢津子
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
【目
的】ウイルスを原因とする感染症を疑う急性胃腸炎患者について原因ウイルスの検出を行い、感染性胃
腸炎の発生動向を調査する。
【方
法】
「ノロウイルスの検出法について」
(平成 15 年 11 月5日付厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安
全課長通知食安監発第 1105001 号)
、
「ウイルス性下痢症診断マニュアル」
(平成 15 年7月国立感染症研究所・
衛生微生物技術協議会レファレンス委員会発行)に記載の方法に従った。
【試験品目及び試料数】
(道内で発生した感染症(疑)胃腸炎集団発生 43 事例)
試験品目
糞
便
試料数
項目数
154
154
199
13
9
4
4
4
4
合
【結
計
154
391
試験内容
ノロウイルス遺伝子のRT-PCR 法による検出
ノロウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
A群ロタウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
A群ロタウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
C群ロタウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
サポウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
アストロウイルス遺伝子のRT-PCR法による検出
アデノウイルス遺伝子の PCR 法による検出
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
154 件(391 項目)
果】 RT-PCR 法により糞便 130 試料からノロウイルス、9試料からA群ロタウイルスを検出した。RT-PCR
法により陽性になった試料についてはすべてシークエンスを行い、
ウイルスの確認と遺伝子型の同定を行った。
(結果を依頼者宛報告した。
)
感染S25(ウイルスS14) 北海道における感染症の原因ウイルス検査-E型肝炎ウイルス検査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 石田勢津子、吉澄志磨、後藤明子
【法令根拠】感染症法、感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省、平成 11 年4月1日施行)
- 58 -
【目
的】北海道内で発生したE型肝炎届出事例について原因ウイルスの検出を行う。
【方
法】RT-PCR 法を用いた。
【試験品目及び試料数】
(道内 13 保健所管内で発生したE型肝炎届出事例)
試験品目
血
合
清
計
試料数
項目数
14
14
14
試験内容
E型肝炎ウイルス遺伝子の RT-PCR 法による検出
6
E型肝炎ウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
20
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
14 件(20 項目)
【結
果】RT-PCR 法により血清8試料からE型肝炎ウイルスを検出した。RT-PCR 法により陽性になった試料に
ついてはシークエンスを行い、ウイルスの確認と遺伝子型の同定を行った。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S26(ウイルスS15) 生食用カキのノロウイルス検査
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
*
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 吉澄志磨、後藤明子、石田勢津子
【法令根拠】食品衛生法、
「ノロウイルスの検出法について」
(平成 15 年 11 月5日付厚生労働省医薬食品局食品
安全部 監視安全課長通知食安監発第 1105001 号)
、平成 26 年4月 24 日付食衛第 124 号、平成 26 年 10 月 27
日付食衛第 124-2 号、 平成 26 年 12 月9日付食衛第 898 号、平成 26 年 12 月 16 日付食衛第 898-2 号、平成 27
年2月 10 日付食衛第 1082 号、
【目
的】生食用カキの安全性評価の一環としてノロウイルス検査を行う。
【方
法】北海道立衛生研究所検査実施標準作業書に従った。
【試験品目及び試料数】
(道内 19 カ所の養殖海域で水揚げ)
試験品目
試料数
項目数
生食用カキ
53
53
合
計
53
試験内容
ノロウイルス遺伝子の RT-PCR 法による検出
2
ノロウイルス遺伝子型のシークエンスによる決定
55
Ⅲ-6 ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
53 件(55 項目)
【結
果】2海域の生食用カキからノロウイルスが検出された。RT-PCR 法により陽性になった試料については
すべてシークエンスを行い、ウイルスの確認と遺伝子型の同定を行った。
(試験成績書を依頼者宛送付した。
)
感染S27(ウイルスS16) 感染症流行予測調査-ポリオウイルス感染源調査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 後藤明子、吉澄志磨、石田勢津子
【法令根拠】感染症法、
「平成 26 年度感染症流行予測調査の実施について」(平成 26 年6月 24 日付厚生労働省健
康局長通知健発 0624 第3号)、平成 27 年 2 月 23 日付地保第 3794 号
【目
的】ポリオウイルスの分離、同定を行い、野生株の流行を調査する。
【方
法】
「感染症流行予測調査事業検査術式」(厚生労働省健康局結核感染症課・国立感染症研究所感染症流
行予測調査事業委員会発行(平成 14 年6月)
)
、
「ポリオウイルス感染症の実験室診断マニュアル」
(国立感染症
研究所感染症発行(平成 24 年9月)
)に記載の方法に従った。
【試験品目及び試料数】
(苫小牧保健所管内の下水処理場で月1回採取(6カ月分)
)
試験品目
試料数
項目数
試験内容
下 水
6
144
79
ポリオウイルスの分離
ウイルスの同定
合 計
6
223
Ⅶ-4(1)ア ウイルス学的試験ウイルス同定試験(複雑なもの)
- 59 -
6 件(223 項目)
【結
果】ポリオウイルスは分離されなかった。下記のウイルス株が分離された。
8月
9月
10月
11月
12月
1月
4
9
0
6
0
0
エコーウイルス11型
エコーウイルス30型
コクサッキーウイルスA2型
12
1
0
7
0
0
1
0
1
0
0
0
1
0
0
0
0
0
コクサッキーウイルスA4型
コクサッキーウイルスB3型
コクサッキーウイルスB4型
4
1
0
0
0
0
0
1
1
0
0
3
0
0
1
0
0
0
アデノウイルス1型
アデノウイルス2型
0
0
0
0
0
2
0
2
3
0
3
2
アデノウイルス3型
0
0
0
1
4
2
アデノウイルス31型
0
2
4
1
0
0
エコーウイルス3型
(試験成績書を依頼者宛送付するとともに、国立感染症研究所に報告した。
)
感染S28(ウイルスS17) 感染症流行予測調査-ポリオウイルス感受性試験
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部ウイルスG(腸管系ウイルス) 後藤明子、長瀬敏之、吉澄志磨、石田勢津子
【法令根拠】感染症法、
「平成 26 年度感染症流行予測調査の実施について」(平成 26 年6月 24 日付厚生労働省健
康局長通知健発 0624 第3号)、平成 27 年 2 月 23 日付地保第 3794 号
【目
的】ポリオウイルスに対する抗体価測定及びワクチン接種歴調査から、ポリオの流行予測を行う。
【方
法】
「感染症流行予測調査事業検査術式」(厚生労働省健康局結核感染症課・国立感染症研究所感染症流
行予測調査事業委員会発行(平成 14 年6月)に記載の方法に従った。
【試験品目及び試料数】
(天使病院、北海道ブロック血液センターから分与)
試験品目
血
試料数
項目数
225
675
清
試験内容
ポリオウイルス抗体価(1型、2型、3型)の測定
Ⅶ-4(2) ウイルス学的試験ウイルス血清学試験
675 項目
【結
果】
○年齢別抗ポリオウイルス1型抗体保有状況
抗体価
30~39
40~ 歳
0
2
0
3
1
4
2
0
4
4
4
0
7
6
8
8
8
7
4
4
1
4
4
1
5
6
3
5
3
1
2
1
6
3
0~1
2~3
4~9
10~14
15~19
<4
4
8
16
32
64
1
0
0
1
0
4
0
1
0
0
1
1
0
0
0
0
0
4
1
0
0
0
0
3
1
0
0
0
3
4
1
0
1
2
2
1
128
256
6
0
3
5
3
2
5
5
6
3
512
≧1024
1
4
2
2
4
12
3
1
3
2
- 60 -
20~24
25~29
○年齢別抗ポリオウイルス2型抗体保有状況
抗体価
30~39
40~ 歳
0
0
1
1
1
1
1
5
9
4
8
2
4
8
3
6
7
2
10
13
14
7
0
0
4
1
0
2
1
0
3
0
0
4
6
2
1
0
0
0
1
0
30~39
40~ 歳
0~1
2~3
4~9
10~14
15~19
20~24
<4
4
8
1
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
1
0
1
3
0
16
32
64
1
0
2
0
0
1
1
1
6
1
8
3
3
4
7
128
256
512
2
3
2
3
7
3
9
3
2
1
3
0
≧1024
6
1
2
25~29
○年齢別抗ポリオウイルス3型抗体保有状況
抗体価
0~1
2~3
4~9
10~14
15~19
20~24
25~29
<4
4
8
1
0
0
1
1
1
4
0
3
3
1
1
7
4
3
2
6
4
5
4
3
4
6
5
7
5
12
16
32
0
1
0
4
4
5
5
4
5
3
6
1
5
2
1
2
12
12
64
128
256
1
3
2
0
1
2
3
3
3
3
1
0
0
0
0
1
1
2
0
0
0
3
1
0
9
6
1
512
2
1
0
0
0
0
0
0
0
≧1024
7
4
0
0
0
0
0
0
0
○年齢別予防接種歴
年齢区分(歳)
合 計
非接種者
接種者
不 明
0~ 1
17
4
12
1
2~ 3
4~ 9
10~14
15~19
15
25
18
22
0
0
0
5
15
25
18
7
0
0
0
10
20~24
25~29
30~39
40~
23
19
22
64
3
1
4
8
7
0
8
14
13
18
10
42
(試験成績書を依頼者宛送付するとともに、国立感染症研究所にオンラインで報告した。
)
(2)依頼試験
試験品目
血
清
試料数
項目数
3
3
試験内容
ヒト免疫不全ウイルス試験(ウエスタンブロッティング法)
Ⅶ-4(3)エ ウイルス学的試験ヒト免疫不全ウイルス試験(特殊なもの)3 項目
- 61 -
2.調査研究
感染K5(ウイルスK1) 応募研究(科学研究費(基盤研究C)代表)
(平成24~26 年度、㉖予算額1,200 千円)
新規2色蛍光高感度検出/型別法の確立と E 型肝炎ウイルス地域流行の解析
石田勢津子、吉澄志磨、後藤明子、三好正浩、駒込理佳(ウイルスG)
、長野秀樹(企画情報G)
【目的】E型肝炎ウイルス(HEV)は糞口感染する病原体で、急性肝炎の原因となる。 日本国内における発生は散発
程度ではあるが、3型HEVと4型HEVが土着していることが明らかになってきた。E型肝炎は感染症発生動向調査
における全数把握疾患であり、診断した全ての医師には届け出が義務づけられている。本研究では、①ウイル
ス遺伝子の新規2色蛍光検出/型別法の開発と、②診断に用いられる遺伝子検出法と抗体検出法の特性を明らか
にすること、さらに、③ウイルス遺伝子の分子疫学解析を目的とした。
【方法】2005年〜2014年12月に発生届を経て検査に供された血清検体等、計217検体について、新規2色蛍光検出/
型別法による遺伝子検出を行った。各検体は、先にRT-PCR法により陽性、陰性を判定し、陽性検体については
ORF2領域の塩基配列から遺伝子型別、系統樹解析を行った。発症日と検体採取日の情報の得られた73検体につ
いて病日とRT-PCR、IgA抗体、IgM抗体による判定結果を検討した。
【結果及び考察】新規2色蛍光検出/型別法により、3型と4型の型別は可能であり、その検出率はRT−PCR法とほ
ぼ一致した。3型の塩基配列は系統樹上広く分散し多様性を示したが、本検出法で対応可能であった。4型に
おいては蛍光強度が低い集団がありこれらの配列中にプローブの配列とのミスマッチを認めたが、陽性と判定
可能な蛍光強度数値であった。3型においても、低蛍光強度を示すものがあった。低値となる集団をより容易
に判定できる系の検討を予定している。本検出法は、同時に3型と4型を、十分な感度で検出し、型別できる
方法と考える。ウイルス遺伝子の分子疫学解析により、北海道内の患者症例では4型が、無症状病原体保有者
においては3型が多く検出された。同一地域内で類似性の高い株が継続して検出されることもあり、感染源調
査が必要と考えられた。発症日から4週まではRT-PCRでほぼ陽性となり、この期間にあっては遺伝子検出が可
能なことが示された。2種類の抗HEV抗体は同様の挙動を示し、第40病日まで継続して検出できた。これらの結
果から、発症後4週を過ぎた症例については血清診断が有効と思われた。
感染K6(ウイルスK2) 応募研究(厚生労働科学研究費(肝炎等克服緊急対策研究事業)協力)
(平成 25~26 年度)
経口感染によるウイルス性肝炎(A型及びE型)の感染防止、病態解明、遺伝的多様性及び治療に関する研究
石田勢津子(ウイルスG)
、岡本宏明(自治医科大学)
【目的】北海道内において、感染症発生動向調査の全数把握疾患である E 型肝炎患者または無症状病原体保有者
として届け出られた症例について、E 型肝炎ウイルス遺伝子を検出し、道内の地域分布、遺伝子型別、ウイルス
株の塩基配列の類似性解析など、実態調査を行うことを目的とした。
【方法】2013〜2014 年に、北海道内において届け出られ、検体を入手できた 26 症例について、RT-PCR 法により
ウイルス遺伝子の検出を行った。陽性例について ORF2 領域の塩基配列を決定し、2004 年から蓄積した症例のデ
ータとともに分子疫学的に解析した。
【結果及び考察】2013〜2014 年の症例の遺伝子型は、ORF2 領域塩基配列の分子疫学的解析により、5株が3型、
16 株が4型に分類された。2012 年以降全国における届出件数は明らかに増大したが、これは、2011 年 10 月に
抗 HEV IgA 抗体検出用診断薬が保険収載され、医療機関、民間検査機関でのウイルス検査が容易になったため
と考えられる。これに対して、診断薬の登場以前から、E 型肝炎研究会の活動などを通じて診断・検査体制を
整えていた北海道および札幌市の届出件数に大きな変動はなかった。2004〜2014 年の、北海道内の地域毎、患
者・献血者毎の遺伝子型分布において、患者からは4型、献血者からは3型が多く検出される傾向があり、全
体として4型が優位を占めた。本州以南では患者由来でも3型が多く検出されており、地域的特徴が見られる。
解析できた症例において、2004〜2007 年には道東の北見・網走地区から重症度の高い症例で塩基配列相同性の
高い4型 HEV 株が検出されたが、2009〜2014 年には、道南・道央地域で互いに類似した4型 HEV 株が検出され
ている。ウイルス遺伝子の分子疫学的解析による相同性の確認と、喫食調査など疫学情報による症例間の関連
性追跡、感染源調査を継続することが重要と考える。
- 62 -
感染K7(ウイルスK3) 応募研究(厚生労働科学研究費(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)協力)
(平成25~27 年度)
麻疹ならびに風疹排除およびその維持を科学的にサポートするための実験室検査に関する研究
三好正浩、駒込理佳(ウイルスG)
、長野秀樹(企画情報G)
、岡野素彦、
竹田 誠(国立感染症研究所)
本研究の代表機関である国立感染症研究所(感染研)が検査技術の標準化を目的として実施した外部精度管理
に参加した。すなわち、感染研から配布された FTA カード(麻疹ウイルスの RNA を浸漬したもの)について、RNA
を抽出した後、Nested RT-PCR を行い、得られた増幅産物をシークエンスした。また、そのシークエンス領域に
基づいた系統樹を作成し、結果を報告した。
感染K8(ウイルスK4) 応募研究(厚生労働科学研究費(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)協力)
(平成25~27 年度)
地方自治体との連携による新型インフルエンザ等の早期検出およびリスク評価のための診断検査、株サーベイラ
ンス体制の強化と技術開発に関する研究
駒込理佳、三好正浩(ウイルスG)
、長野秀樹(企画情報G)
、小田切孝人(国立感染症研究所)
国立感染症研究所(感染研)が実施したインフルエンザウイルス核酸検出検査(リアルタイム RT-PCR 法)の
第2回全国地衛研外部精度管理(EQA)に参加し、H5 および H7 亜型の鳥インフルエンザが流行している地域に渡
航歴のある患者の検体が含まれるという前提で送付された RNA 検体に対して、
リアルタイム RT-PCR 法による亜型
の同定を行った。正しい結果が得られていたとの感染研からの回答があったことから、当所の検査精度に問題が
無い事が確認された。
感染K9(ウイルスK5) 応募研究(厚生労働科学研究費(エイズ対策研究事業)分担)
)
(平成 24~26 年度、㉖予算額 300 千円(総額1,200 千円)
HIV 検査相談体制の充実と活用に関する研究
長野秀樹(企画情報G)
、三好正浩、駒込理佳(ウイルスG)加藤真吾(慶応義塾大学医学部)
【目的】わが国の新規 HIV 感染者・エイズ患者数は拡大傾向が続いており、北海道でも同様の傾向がみられる。
北海道立保健所の HIV 無料匿名検査において、迅速検査法を導入することにより、検査当日に結果が判明する
即日検査システムを構築し、2004 年4月に運用を開始した。これにより HIV 抗体検査受検者の利便性が向上し、
年間の受検者数は増加した。本研究は、北海道における HIV 感染の現状を検討し、HIV 検査受検者動向を分析す
ることによって、予防制圧に向けた新たなアプローチを探索することを目的としている。
【方法】道立保健所での HIV 即日検査は、
「北海道 HIV 抗体検査実施要領」
(平成 16 年4月1日改正)に基づき、
イムノクロマト法を用いて実施し、確認検査は北海道立衛生研究所で実施した。確認検査については、抗原抗
体同時検査法であるバイダスアッセイキット HIV デュオⅡ(シスメックス社)にてサブスクリーニングを行い、
陽性検体について HIV 抗体(ウェスタン・ブロット法)
、HIV ゲノム RNA(リアルタイム RT-PCR)を検出した。
さらに、env 遺伝子、pol 遺伝子の塩基配列を決定し、HIV サブタイプ及び薬剤耐性変異を決定した。また、保
健所で実施されたイムノクロマト法については通常用いられるダイナスクリーン HIV-1/2(アリーアメディカル
社)に加え、富士レビオ社のエスプライン HIV Ag/Ab を同時に行い、両者の比較検討を行った。
【結果及び考察】2012~2014 年の新規感染者・患者報告数は、それぞれ 27(感染者 19、患者8)
、36(感染者 23、
患者 13)
、29(感染者 20、患者9)名で 2013 年の 36 名は過去最高であった。また、エイズ患者の割合はそれ
ぞれ 30、36、31%で、ほぼ全国平均レベルで推移した。即日検査を導入した 2004 年以降、道立保健所での年間
検査件数は増加しており、導入直前の 2003 年に比べると 2008 年の検査件数は約 4.5 倍の 1,391 件となった。
2009 年からは漸減傾向にあったが、2011 年以降は安定しており、2012~2014 年はそれぞれ 794、845、854 件で
大きな変動はなかった。本研究期間の3年間で道立保健所にて確認された HIV 陽性例2例は、ともにサブタイ
プ B で、いずれも有意な薬剤耐性変異は確認されなかった。一方、即日検査で用いられているイムノクロマト
法については、同期間に 2,094 件の血清検体について検査を実施した。そのうち、確認検査で陽性を示した2
例はダイナスクリーン、エスプラインともに陽性であった。また、ダイナスクリーン陽性エスプライン陰性の
- 63 -
3例、エスプライン陽性ダイナスクリーン陰性の2例はすべて確認検査では陰性であった。これらの成績から、
感度・特異度についてはともに良好であり、臨床的に有用であることが示された。
感染K10(ウイルスK6) 応募研究(厚生労働科学研究費(食品の安全確保推進事業)協力)
(平成25~27 年度)
食品中の病原ウイルスの検出法に関する研究
吉澄志磨(ウイルスG)
、野田 衛(国立医薬品食品衛生研究所)
カキのウイルス汚染状況の把握を目的として、2014 年 2 月に加工された国産の市販生カキを対象に、ノロウイ
ルス、サポウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスの検索を行った。また、ヒトでの流行状況とカキか
らの検出状況の関連性について考察した。
感染K11(ウイルスK7) 応募研究(厚生労働科学研究費(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発研究事業)
協力)
(平成26~28 年度)
下痢症ウイルスの分子疫学と感染制御に関する研究
吉澄志磨(ウイルスG)
、木村博一(国立感染症研究所)
過去 10 年間に北海道で検出されたノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルスの遺伝子型別と試料中のウイル
スコピー数の確認を行い、全長シークエンスの対象とするウイルス株を選択した。これらの株の全長シークエン
スは国立感染症研究所にて実施された。
3.その他
(1)動物実験取扱従事者に対する「腎症候性出血熱」検査
職員特別健康診断の一環として、実験動物の飼育及び実験業務の従事者に対して、抗 HFRS 抗体値検査を行
った。
(対象者 12 名、H26.7.23)
(2)動物実験棟安全実験区域のホルマリン燻蒸
全所停電に伴い、動物実験棟安全実験区域(P3)のホルマリン燻蒸を行った。
(H26.9.1~2)
(3)報道機関等
感染症情報について、報道機関から1件の照会に対応した。
- 64 -
(4)講演、講義、技術指導等
派遣日
研修・講演名
26. 6. 4
全道食品衛生指導員研修会
「ノロウイルス食中毒の予防と対策」
ノロウイルス食中毒予防講習会
26. 7.24 「ノロウイルス感染の現状と食中毒予
防」
依 頼 元
北海道食品衛生協会
宗谷総合振興局保健環境部
北海道獣医師会宗谷支部
北海道・東北ブロック食品衛生関
26. 7.25 係担当者会議
保健福祉部健康安全局
講
師
名
主査(腸管系ウイルス) 吉澄 志磨
主査(腸管系ウイルス) 吉澄 志磨
主幹
石田勢津子
「食中毒を起こすウイルスについて」
産業動物後志ブロック講習会
26. 9.25 「ノロウイルスを知ろう-ノロウイル
しりべし獣医師会
主査(腸管系ウイルス) 吉澄 志磨
ス感染症の現状と食中毒予防」
生活衛生関係営業者・消費者のた
26.11.25
めの衛生管理・経営セミナー
in 札幌
北海道生活衛生営業指導
「ノロウイルス、インフルエンザ等の感 センター
主査(ウイルス感染症) 三好 正浩
染予防~デング熱、エボラ出血熱とは
~」
バイオセーフティ研修会
27. 3.13 「バイオセーフティとバイオセキュリ
ティ」
保健福祉部健康安全局食品
衛生課
主幹
石田勢津子
【北海道立衛生研究所で実施】
Ⅳ-3 感染症部 医動物グループ
医動物グループは、寄生虫や原虫、リケッチアが原因で引き起こされる感染症の検査及び調査研究、生活環境
に発生する衛生害虫の同定検査、食品中の動物性異物に関する同定検査及び調査研究などを行っている。
(調査研究: 一般試験研究2題、応募研究6題、その他(保健福祉部計上)1題、計9題)
管理業務として、実験動物施設において動物の飼育・管理を行い、所内で実施する実験動物を用いた各種試験
・調査研究に対する支援を行っている。
1.試験検査
(1)行政試験等
感染S29(医動物S1) エキノコックス症二次検査 *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部医動物G(感染病理) 山野公明、入江隆夫
【法令根拠】感染症法、北海道エキノコックス症対策実施要領4の2の(2)
【目
的】エキノコックス症は、発見が遅れると生命に関わる疾病であることから、患者の早期発見を目的に
感染の疑いのある者を対象に二次検査を実施する。
【方
法】 北海道エキノコックス症対策実施要領の血清検査項目に従った。
- 65 -
【試験品目及び試料数】 道内 20 保健所から送付された試料について検査した。
試験品目
血
清
合
【結
計
試料数
項目数
111
111
111
111
222
試験内容
抗エキノコックス抗体(IgG)の定量試験(ELISA法)
〃
定性試験(ウェスタンブロッティング法)
Ⅶ-3(1)
Ⅶ-3(2)
Ⅶ-3(1) エキノコックス症血清反応試験(簡易なもの)
111 件
Ⅶ-3(2) エキノコックス症血清反応試験(複雑なもの)
111 件
果】
検査項目
判 定
該当数
簡易なもの(ELISA 法)
−
108
±
3
複雑なもの(ウェスタンブロッティング法)
+
0
−
108
±
0
+
3
(試験成績書を依頼者宛送付した。依頼者を通して各担当保健所から受診者に通知された。
)
感染S30(医動物S2) クリプトスポリジウム属原虫検査
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
*
【担当部等】感染症部医動物G(感染病理) 山野公明、入江隆夫
【法令根拠】感染症法
【目
的】感染症(疑)の患者発生に伴う調査
【方
法】 平成 12 年国立感染症研究所レファレンス委員会編「クリプトスポリジウム症を中心とした原虫性
下痢症の診断マニュアル」の遠心沈殿法・蔗糖浮遊法による浮遊オーシストの顕微鏡観察
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
便
10
10
試験内容
クリプトスポリジウム属原虫検査
Ⅶ-5(1) 精密寄生虫卵検査
10件
【結
果】全件、陰性だった。
(試験成績書を依頼者宛送付した。依頼者を通して担当保健所から受診者に通知された。
)
感染S31(医動物S3) ライム病検査(回帰熱検査を含む) *
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課
【担当部等】感染症部医動物G(感染病理、衛生昆虫) 山野公明、伊東拓也
【法令根拠】感染症法
【目
的】感染症(疑)の患者発生に伴う調査
【方
法】ウェスタンブロッティング法による特異抗体の検出に加えPCR法による病原体の遺伝子検出を適
宜実施
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
血液(血清)
23
23
試験内容
ライム病検査(回帰熱検査を含む)
Ⅶ-7 血清学的試験
【結
23件
果】検査を実施した 23 件のうち、9件がライム病ボレリアに対して抗体陽性、2件が回帰熱診断用
Borrelia miyamotoi 由来組換え GlpQ 抗原に対して陽性だった。
(試験成績書を依頼者宛送付した。依頼者を通して担当保健所から受診者に通知された。
)
感染S32(医動物S4) 医動物同定検査(衛生害虫)
【依 頼 者】北海道保健福祉部地域保健課・保健所
【担当部等】感染症部医動物G(衛生昆虫) 伊東拓也
*
- 66 -
【法令根拠】地域保健法(第6条第4号)
、
「衛生害虫の同定依頼について」
(平成 10 年4月1日付廃棄物対策課
環廃第1号)
、
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」等に係る事務処理について」平成 22 年3月
22 日付事務連絡)
【目
的】 生活環境に発生した衛生害虫の種類名を明らかにし、健康被害の有無などを含めて対策の指導に役
立てる。
【方
法】試料に応じた標本作成を行い、顕微鏡等で形態観察等を実施した。
【試験品目及び試料数】
【結
試験品目
試料数
項目数
衛生害虫等
40
40
試験内容
形態学的同定検査
Ⅶ-5(2)ア 医動物学的試験(医動物同定検査(簡易なもの)
)
40 件
果】節足動物 40 試料であった。
(試験成績書を依頼者及び保健所長宛送付した。
)
感染 S33(医動物S5) 医動物同定検査(食品混入異物)
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部健康安全局
【担当部等】感染症部医動物G(衛生昆虫) 伊東拓也
【法令根拠】食品衛生法(第6条第4号)
【目
的】食品に混入した動物性と疑われる異物についてその種類を特定し、原因究明等の対策の指導に役立
てる。
【方
法】形態学的検査を実施した。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
食品混入異物
3
3
試験内容
形態学的同定検査
Ⅶ-5(2)ア 医動物学的試験(医動物同定検査(簡易なもの)
)
【結
3件
果】昆虫類 1 試料,他の動物 2 試料であった。
(試験成績書を保健福祉部長宛送付した。
)
感染S34(医動物S6) 医動物同定検査(エキノコックス症媒介動物)
*
【依 頼 者】北海道保健福祉部食品衛生課
【担当部等】感染症部医動物G(媒介動物) 浦口宏二、孝口裕一、入江隆夫
【法令根拠】北海道エキノコックス症対策実施要領第4の3の(2)
【目
的】エキノコックス症媒介(宿主)動物対策として、媒介動物の解剖調査等を実施し、流行状況等を把
握する。
【方
法】形態学的検査を実施した。
【試験品目及び試料数】
試験品目
試料数
項目数
キツネ等
157
157
試験内容
形態学的同定検査
Ⅶ-5(2)ウ 医動物学的試験(医動物同定検査(特殊なもの)
)
157 件
【結
果】試験可能なキツネ 78 検体のうち虫体保有件数はキツネ 23 件であった。
(試験成績書を食品衛生課長
宛送付した。
)
- 67 -
(2)依頼試験
試験品目
血
清
試料数
項目数
20
20
試験内容
エキノコックス症血清反応試験(簡易なもの)
(ELISA法)
Ⅶ-3(1)
39
39
〃
(複雑なもの)
(ウェスタンブロッティング法
Ⅶ-3(2)
寄生虫等
2
2
(人体由来)
14
14
衛生害虫
8
食品混入異物
合
計
医動物学的試験 (精密寄生虫卵検査)
〃
Ⅶ-5(1)
(医動物同定検査(簡易なもの)
)
Ⅶ-5(2)ア
8
医動物学的試験 (医動物同定検査(簡易なもの)
)
Ⅶ-5(2)ア
18
18
医動物学的試験 (医動物同定検査(簡易なもの)
)
Ⅶ-5(2)ア
101
101
2.調査研究
感染K12(医動物K1) 一般試験研究 (平成 24~26 年度、㉖予算額 450 千円)
エキノコックス症血清診断法の改良に関する研究-糖脂質に由来する糖鎖の抗原性に関する調査-
山野公明(医動物G)
【目的】エキノコックス症血清診断用抗原(粗抗原)の成分は、主にタンパク質抗原と糖類関連抗原であるが、
そのうち糖類関連抗原には未解明な部分が多いことから、解析を進めてきた。その結果、診断用抗原として有用
と思われる糖鎖配列(エピトープ)を見出すことができた。これまでは、高分子量糖鎖に注目して研究を進めて
きたことから、本研究課題においては、比較的低分子量の糖脂質由来糖鎖を中心に解析を行うとともに、それら
の有用性を検討する。
【方法】コトンラットに実験感染・増殖させたエキノコックス病巣を摘出し、そこから抽出した成分(粗抗原)
から、糖鎖に富む分画を選び、目的糖鎖の精製法を検討する。精製物については、マススペクトル(外注)によ
って構成糖鎖の概要をつかむ。優れた抗原性を持つならば構造既知の糖鎖でも構わないが、極力、新規の糖鎖を
研究対象とするため、糖脂質アレイを用いて、構造既知の糖鎖か否かを確認する。その一方で、各精製分画につ
いて患者血清との反応性をみることで、抗原性の確認を進める。また、寄生虫感染症の場合、他種との交差反応
も時に問題となることから、この点にも留意しながら、診断用抗原として実用的な有効成分を探索する。
【結果及び考察】まず、エキノコックス由来の低分子量糖鎖の中で、比較的珍しい Galβ1-6Gal の繰り返し結合
を主鎖にもつ糖脂質由来糖鎖の一群を中心に解析を行った。その結果、単純な 1 本鎖よりも Fuc を側鎖に持つも
のが感度・特異性において上回ることを明らかにすることができた。それらの糖脂質は、WB 法の短冊上において
判定領域に分布していることが確認できた。当然、粗抗原を用いる ELISA 法のトータル OD 値にも、それらの含有
量に応じて反映されていると考えられる。その一方で Galβ1-6Gal 配列は、他種との交差反応にも関与している
ことが判っていることから、今後検査を行う上で大いに参考になると思われる。
また、糖鎖を含む分画の精製作業を進め、マススペクトルと糖脂質アレイの測定を依頼しデータ解析を行った。
その結果、糖脂質と思われる比較的低分子量の成分の中に、従来から知られている配列とは異なる糖鎖構成のも
のが含まれていることが判った。今後、それらをもとに、より詳細な構造の解析を行い、最終的に診断用抗原と
しての有用性を確認したい。ただし、含有比率としては既知の成分が大部分を占めているようなので、新規の配
列が抗原性にどの程度寄与するかは未知数である。
さらに、他種(イヌ回虫・ブタ回虫)由来の糖鎖も入手できたことから、患者血清と反応させて抗原性を確認
することができた。
- 68 -
感染K13(医動物K2) 一般試験研究 (平成 26~28 年度、㉖予算額 500 千円)
吸血性節足動物におけるブニヤウイルス等の保有状況に関する研究
伊東拓也(医動物G)
それぞれの吸血動物から RNA を分離するためのプール数や方法を検討した。その結果、蚊類は成虫なら 10 個体
幼虫なら 20 個体まで、マダニ類については 5-10 個体が適切なプール数であると考えられた。 蚊(41 プール、
513 個体分)及びマダニ類(17 プール、98 個体)から抽出した RNA を用いて,日本脳炎ウイルス及びブニヤウイ
ルス群を標的とした PCR を行った。一部のプールについてはブニヤウイルスの PCR が弱いながら陽性であった。
感染K14(医動物K3) その他(保健福祉部計上) (平成24~26 度、㉖予算額1,080 千円)
エキノコックス症感染源対策としての駆虫薬散布の応用に関する検討
浦口宏二(医動物G)
、高橋健一(食品科学部)
【目的】道内自治体に駆虫薬散布事業を普及するため、すでに実施しているモデル自治体で、対策の効果と継続
の必要性を明らかにすること、自治体単位の実施が困難な場合でも、住民の感染リスク低減のため、不特定多数
の利用者がいる施設では小面積の駆虫薬散布を促すこと、さらに、人口密度の高い都市部において、エキノコッ
クス感染リスクの変化を正確に評価して、対策への動機づけと衛生教育に資することを目的とした。
【方法】H25 年度に散布を停止したモデル自治体(根室市)でキツネの個体数とエキノコックス感染状況の調査
を行い、駆虫薬散布の効果と散布停止の影響を評価した。また、複数の小面積施設に駆虫薬散布の導入を支援し、
このうち北海道大学キャンパスでは、駆虫薬散布前後にキツネのフンを採集して対策の効果を判定した。札幌市
において交通事故で死亡したキツネを解剖し、エキノコックス感染率を調査した。さらに、毎年の事故死体回収
数を都市に出没するキツネの個体数指標とし、出没個体数と感染率の推移から、都市住民のエキノコックス感染
リスクを評価した。
【結果及び考察】根室市では、駆虫薬散布を停止した H25 年度からキツネの感染率が上昇し、H26 年度末には散
布開始以前のレベルに戻った。このことは、駆虫薬の効果を維持するために継続散布が必要であることを示して
いる。小面積の駆虫薬散布を行う施設は H26 年度末までに 6 カ所に達した。これは今後も増加する見込みがあり、
エキノコックス症対策の新たな展開となっている。北大では、H26 年度の散布の前後にフンの虫卵陽性率を調査
した結果、散布前に約 60%であったものが散布後には 0%となり、明らかな駆虫効果が認められた。北大では、
H26 年 12 月以降散布を中止しているため、H27 年度にも継続した調査を行い、冬期の散布停止の影響を評価する
予定である。札幌市で交通事故にあったキツネの感染率は、年次変動があるものの近年 30〜40%程度で推移して
いた。これに対して、交通事故死体数が示すキツネの出没は急増しており、この両者の積をエキノコックス感染
リスクと見なすと、2010 年代は 2000 年代に比べ約 2 倍のリスクとなっていた。エキノコックス対策は今後ます
ます重要性を増していくと思われる。
感染K15(医動物K4) 応募研究(科学研究費(基盤研究C)代表)
(平成 25~27 年度、㉖予算額 1,200 千円)
実用化に向けたエキノコックス終宿主粘膜免疫ワクチンの改良と再感染防御機能解析
孝口裕一、浦口宏二、山野公明(医動物G)
、八木欣平(感染症部)
昨年度までに、繰り返しエキノコックスに感染したイヌが有意な感染抵抗性を示すことを明らかにした。今年
度は、イヌ 4 頭を用いて繰り返し感染を行い、その糞便中の鉤(虫体由来の強固な構造物)数や下痢や粘液排出
等を観察した。その結果、繰り返し感染を行ったイヌは感染を受けた数日後から 1 週間までに排虫を開始するこ
とが示唆された。これまで虫体排除の開始時期に関する知見は無く、今後のワクチン開発の基礎的な知見となる
と考えられる。
- 69 -
感染K16(医動物K5) 応募研究(科学研究費(基盤研究C)分担)
(平成 25~27 年度、㉖予算額 200 千円)
エキノコックス感染初期(虫卵から多胎化嚢胞)における遺伝子発現の推移
八木欣平(感染症部)
、孝口裕一(医動物G)
、奥祐三郎(鳥取大学)
エキノコックス幼虫の中間宿主における初期の定着やその後の発育機序を解明するため、
エキノコックス虫卵、
虫卵から調製した六鉤幼虫そして、人工的に活性化させた六鉤幼虫を調製した。各生育ステージの材料から、
totalRNA を抽出・精製し、発現している遺伝子群を次世代シークエンサーを用いて比較・解析した結果、複数の
蛋白の発現について有意な差を認めた。
感染K17(医動物K6) 応募研究(科学研究費(基盤研究 B)分担)
(平成 26~28 年度、㉖予算額 1,950 千円)
中国青海省におけるエキノコックス症疫学調査と人と家畜の駆虫薬開発
八木欣平(感染症部)
、孝口裕一、入江隆夫(医動物G)
エキノコックス症は、多くの研究対策が取られて来たにも関わらず、依然として世界規模で問題となっている
人獣共通寄生虫症で、中国青海省においても大きな問題となっている。これらの流行地域でのコントロールを目
的に、抗エキノコックス薬剤開発の検討を当所の実験施設を用いて行った。特に、中間宿主動物の治療に有効な
多包条虫フマル酸呼吸器系阻害剤を探索し、マウスへの感染実験による有効性の解析を試みた.
感染K18(医動物K7) 応募研究(厚生労働科学研究費(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究)分担)
(平成 24~26 年度、㉖予算額 3,400 千円)
動物由来感染症に対するリスク管理手法に関する研究
-エキノコックス等寄生虫感染撲滅のための方策の研究と効率の良い有効性評価法の開発-
八木欣平(感染症部)
、浦口宏二、山野公明、孝口裕一、入江隆夫(医動物G)
、高橋俊幸(感染症センター)
、
吉川泰弘(千葉科学大学)
【目的】エキノコックス症は、寄生虫(多包条虫)が偶発的に人に感染することによって引き起こされる疾患で、
わが国では、北海道に常在する。外科的な手術以外に有効な治療法のない寄生虫性疾患であることから、ヒトへ
の感染のリスクを回避するための方策の確立は重要な課題である。本研究は、このエキノコックス感染予防のた
めの実用可能な対策方法を確立、提言することを目的に構築された。
【方法】研究グループは本目的達成のために、フィールドグループと実験グループに分けて遂行した。フィール
ドグループは、駆虫薬の効果的散布により、環境中のエキノコックスの清浄化方法を確立することを目的とし、
実験グループは、清浄化が達成できるまでのエキノコックス感染予防対策に有効な手段を検討することを目的と
した。当所は、実験グループとして参画し、北海道内で発生している動物園動物の症例について検討、道内保健
所ならびに札幌市動物管理センターで収容されたイヌについて簡易診断キット(エキット)を用いて検査、また当
所に設置された特殊実験施設を用いて終宿主動物に対するワクチンの開発を行った。
【結果及び考察】2011 年から 2014 年にかけて、道内各動物園で合計 6 頭の霊長類がエキノコックス感染で死亡
したことが報告された。これらの死亡例について、病理、血清並びに遺伝子診断の結果を含め、詳細な報告をお
こなうとともに、動物園における感染防止対策として、キツネに対する駆虫薬の散布を推進した。またイヌの調
査では確定診断にいたるものは検出出来なかったが、糞便中の抗原陽性の個体があり、イヌのリスクを改めて強
調するとともに、イヌ飼育時の予防的駆虫の普及を地元獣医師会に提案した。イヌのワクチンに関する研究にお
いて、繰り返し感染による感染防御の誘導にも成功するとともに、ワクチン候補となる糖蛋白の性質について検
討した。これらの調査・研究により、エキノコックス症発生抑制方策の提言のための基礎的情報を得たものであ
る。
感染K19(医動物K8) 応募研究(厚生労働科学研究費(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究)協力)
(平成 24~26 年度)
ダニ媒介性細菌感染症の診断・治療体制構築とその基盤となる技術・情報の体系化に関する研究
伊東拓也(医動物G)
【目的】北海道でシュルツェマダニ及びアカネズミから初めて分離され(1995 年新種記載)
、2011 年以降ロシア
- 70 -
や米国などで患者が確認された新興感染症マダニ媒介性回帰熱について、北海道における媒介マダニ種の特定・
媒介マダニにおける病原体 Borrelia miyamotoi の保有状況・患者の発生状況等を把握する。そのための病原体検
出・検査の方法を、特に以前より流行が知られている同じ Borrelia 属菌を病原とするライム病との切り分けが可
能かという観点から検討する。
【方法】北海道各地で旗ずり法によりシュルツェマダニ及びパブロフスキーマダニを採集し、遺伝子検査によっ
て病原体保有率や遺伝的多様度を求めると共に、BSK 培地に接種して菌分離を試みた。また、ライム病等疑い症
例について、ウェスタンブロット法による血清中の抗体検出、血液中の病原体遺伝子の PCR 法による検出、なら
びに BSK 培地接種による菌分離も試みた。
【結果及び考察】両マダニ種における病原体保有率はライム病ボレリアの 30 パーセント程度よりもかなり低く,
多くの地域で 1 パーセント前後、多い地域でも数パーセントであった。マダニ類から分離された病原体は遺伝子
的にはほぼ均一で、マダニ種間及び地域間の相違は見いだされなかった。感染者調査においては、ライム病疑い
症例の保存血清中から PCR 法によって回帰熱陽性例 2 例が研究主体である国立感染症研究所より見いだされ、こ
れが国内初症例となった。さらに、マダニに刺咬され熱発した複数症例よりライム病を含む抗体陽性、回帰熱特
異的遺伝子陽性例を検出した。そのうち 1 症例における血液の培地への接種では、培地中における一時的な B.
miyamotoi の増殖が見られたが、その後の継代・増菌による最終的な菌分離には至らなかった。これら病原体及
び感染者の調査結果から,北海道はマダニ媒介性回帰熱の流行地であることが明らかとなった。今後は確実で迅
速な診断を通じて患者の治療に寄与し患者発生状況等をより確実に把握するための検査態勢の確立が必要であ
り、そのためには患者からの病原体分離及びライム病と回帰熱を確実に鑑別できる抗体検査法の開発が特に重要
な課題であると考えられた。
感染K20(医動物K9) 応募研究(大同生命厚生事業団地域保健福祉研究助成 代表)
(平成 26~27 年度、㉖予算額 500 千円)
犬のエキノコックス感染の診断における糞便内 DNA 検出法の感度・精度の評価検討
入江隆夫、浦口宏二、伊東拓也(医動物G)
犬のエキノコックス感染の新たな診断法の候補として、糞便内のエキノコックス特異遺伝子を検出する方法に
ついて予備的な検討を行った。DNA 検出方法としては、ミトコンドリア COI 領域を対象とし HotStart 用 PCR 酵素
を用いた際に最も高感度であった。また犬糞便からのエキノコックス DNA 抽出では、土壌サンプル用市販キット
で最も効率がよく、次いでアルカリボイル法に夾雑物除去操作を組み合わせた方法で良い結果が得られた。今後
診断法としての感度の評価を進める予定である。
3.その他
(1)動物実験施設の維持管理
施設における感染防止等のための消毒、清掃及び廃棄物処分を行った。また、施設の適正な稼働のため点
検、保守管理等を実施した。
(2)実験動物の飼育管理
所内の生物学的試験検査・調査研究のための実験動物(マウス、コトンラット等)の飼育、繁殖及び系統
維持を行った。
(3)実験動物の供給、試験補助を行った試験検査等
ア.エキノコックス症診断用抗原調製
イ.多包条虫の虫卵感染を用いた継代維持
ウ.貝毒検査
エ.ボツリヌス食中毒疑いの検査
- 71 -
(医動物G)
(医動物G)
(食品保健G)
(細菌G)
(4)実験動物の供給、技術提供を行った調査研究
ア.特殊感染実験施設を利用した媒介動物標的抗エキノコックスワクチン開発の包括的研究 (医動物G)
イ.実用化に向けたエキノコックス終宿主粘膜免疫ワクチンの改良と再感染防御機能解析 (医動物G)
ウ.中国青海省におけるエキノコックス症疫学調査と人と家畜の駆虫薬開発
(医動物G)
(5)動物実験取扱従事者に対する「エキノコックス症」検査
職員特別健康診断の一環として、実験動物の飼育及び実験業務従事者等に対して、抗エキノコックス抗体
(IgG)の定量試験(ELISA 法)検査を行った。
(対象者 11 名、H26.7)
(6)講演、講義、技術指導等 講演、講義、技術指導等
派遣日
研修・講演名
依 頼 元
病理学
25. 4. 1
~26. 3.31 (非常勤講師)
26. 5.16
寄生虫の話:エキノコックス症を
中心に
講 師 名
北海道公立大学法人
札幌医科大学
感染症部長
八木 欣平
北海道大学医学部
感染症部長
八木 欣平
衛生微生物技術協議会第35回研究
26. 6.27
26. 7. 5
衛生微生物技術協議会第
主査(衛生昆虫) 伊東 拓也
「ダニ媒介性細菌感染症 マダニ 35 回研究会長
媒介性新興回帰熱について」
会シンポジウム会
第47回森林野生動物研究会大会シ
ンポジウム
第 47 回森林野生動物研究
主幹
「市街地に出没するキタキツネの実態 会大会実行委員会
浦口 宏二
とエキノコックス症」
26. 7.23~
エキノコックス症第二次検診医療
従事者研修
「エキノコックス症第二次検診血清検
保健福祉部健康安全局
主査(感染病理) 山野 公明
保健福祉部健康安全局
主査(感染病理) 山野 公明
帯広動物園
感染症部長
主幹
八木 欣平
浦口 宏二
北海道教育大学釧路校
ESD センター
感染症部長
主幹
八木 欣平
浦口 宏二
査について」
26. 7.30~
エキノコックス症第二次検診医療
従事者研修
「エキノコックス症第二次検診血清検
査について」
エキノコックス感染予防研修会
26.10. 8
「動物由来感染症と北海道のエキノコ
ックス」
「エキノコックスにかからないために」
エキノコックス感染予防研修会
26.10. 9
「動物由来感染症と北海道のエキノコ
ックス」
「エキノコックスにかからないために」
- 72 -
派遣日
26.11. 2
研修・講演名
北海道小動物獣医師会年次大会
2014獣医事セミナー
「エキノコックス-ペットのリスクと
依 頼 元
北海道小動物獣医師会
講 師 名
感染症部長
八木 欣平
管理の重要性」
防除作業従事者研修
26.11.14
「蚊の生態と防除」
「ハエ・コバエの生
態と防除」
「感染症対策」
(財)北海道建築物衛生管
主幹
理研修センター
浦口 宏二
北海道大学「リスコミ職能教育プ
26.11.27
ロジェクト」が開催するアクター
北海道大学 リスコミ職能
連絡会
感染症部長
教育プロジェクト
八木 欣平
「北海道の寄生虫について ~エキノ
コックス等~」
北海道ペストコントロール協会技
26.12.27
術研修会
北海道ペストコントロール
感染症部長
「人と動物の寄生虫病-エキノコック 協会
八木 欣平
スを中心に」
平成26年度中央ブロック保健所生
27. 3.11
活衛生監視指導班研修会
「衛生害虫に係る相談対応及び最近の
空知総合振興局保健環境部
話題について」
- 73 -
主査(衛生昆虫) 伊東 拓也
第3章
試験検査一覧
1. 試験検査取り扱い件数総括表(平成26年度)
部 名
総 数
行政試験 依頼試験
理化学部
2,251
1,867
384
食品科学部
6,565
6,536
29
感染症部
4,835
4,713
122
13,651
13,116
535
(成績書謄本)
合 計
備 考
生活保健G :1,631件 (行政1,247件、依頼
薬品保健G : 620件 (行政 620件、依頼
食品安全G :2.997件 (行政2,988件、依頼
食品保健G :3,568件 (行政3,548件、依頼
細菌G
:1,373件 (行政1,355件、依頼
ウイルスG :2,906件 (行政2,903件、依頼
医動物G : 556件 (行政 455件、依頼
384件)
0件)
9件)
20件)
18件)
3件)
101件)
2. 試験検査項目別取り扱い件数
Ⅰ 水・大気・土壌・化学物質及び廃棄物
試 験 項 目
1 水道水質基準項目試験
(1) 全項目試験
(2) 消毒副生成物を除く項目試験
(3) 必須項目試験
2 理化学的試験
(1) 簡易なもの
総 数
行政件数 依頼件数
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
(件)
(件)
(件)
(成分)
(2) やや簡易なもの
139
10
129
416
360
56
48
48
105
90
60
(3) 複雑なもの
(成分)
60
(4) 特殊なもの
(成分)
35
15
35
行政:河川水のpH、BOD、COD、DO、SS等
依頼:水のpH、色度、濁度等
行政:pH、カリウム、カルシウム、マグネシウム等
依頼:水のpH、色度、温度等
生活保健3
(飲料水)
生活保健5
(温泉)
薬品保健3
室内(職場)環境)温度、湿度、気流、浮遊粉じん、照度、騒音
(有害化学物質)
行政:硫酸、メタホウ酸、チオ硫酸
生活保健5
依頼:鉄、硫酸イオン等
(温泉)
生活保健5
ヒ素、水銀
(温泉)
生活保健
ジアルジア試験
(飲料水)
3 生物試験
(1) 簡易なもの
(2) 複雑なもの
4 特殊機器による定量試験
(1) 原子吸光法による微量元素試験
(2) ガスクロマトグラフィーによる微量物質試験
(4成分を超える場合は1成分増すごとに加算)
(3) 高速液体クロマトグラフィーによる微量物質試験
(4) 質量分析計による微量物質試験
(10成分を超える場合は1成分増すごとに加算)
5 微生物試験
(1) 簡易なもの
(件)
245
245
空中飛散花粉
薬品保健4
(有害化学物質)
(件)
(成分)
(件)
(成分)
2
2
水中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
生活保健3
(飲料水)
(件)
5
5
水中のカドミウム、マンガン及び1,4-ジオキサン
生活保健2,4
(飲料水)
2
(件)
(2) やや簡易なもの
(件)
17
(3) 複雑なもの
(件)
35
(成分)
16
15
行政:水中の大腸菌群数(MPN)試験
依頼:水中の大腸菌群数(MPN)試験
35
水中のクリプトスポリジウム試験
生活保健3
(飲料水)
生活保健
(飲料水)
6 ガス成分試験
(1) 簡易なもの
(2) 複雑なもの
7 鉱泉試験
(1) 療養泉判定試験
16
室内(職場環境):炭酸ガス、一酸化炭素濃度の測定
(成分)
(件)
(2) 中分析
(件)
10
10
溶存成分、解離成分等360項目
(3) 医治効能判定
(件)
87
87
飲用または浴用の禁忌症及び適応症の判定
(4) 可燃性天然ガス濃度測定(簡易法)
(件)
1
1
8 ラドン含有量測定試験
9 予備処理試験
(1) 簡易なもの
(2) 複雑なもの
10 ホルムアルデヒド定量試験
(1測定地につき)
(1測定地点を増すごとに加算)
11 揮発性有機化合物定量試験
(1測定地につき)
(1測定地点を増すごとに加算)
(3項目を超え1項目増すごとに加算)
12 ウイルス同定試験
ウイルス同定試験(複雑なもの)
(小 計)
薬品保健3
(有害化学物質)
可燃性天然ガス(メタン)
生活保健
(温泉)
生活保健
(温泉)
生活保健
(温泉)
(件)
(件)
(件)
(測定地)
(測定地)
(測定地)
(測定地)
(項目)
1
2
1
2
1
2
2
1
2
2
1,229
846
室内空気:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの定量 (6項目)
室内空気:トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラ 薬品保健2
ジクロロベンゼンの定量 (15項目)
(有害化学物質)
(件)
- 76 -
薬品保健2
(有害化学物質)
383
Ⅱ 放射能含有物質
試 験 項 目
(単位)
総 数
行政件数 依頼件数
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
1 放射能測定検査
(1) 放射線量率
(件)
(2) 核種分析
(件)
377
ア簡易なもの
(件)
59
58
イ複雑なもの
(件)
283
283
719
718
(小 計)
放射線量率(モニタリングポスト、サーベイメータ)
377
1
生活保健10
(放射線)
行政:Ge半導体検出器によるガンマ線放出核種の分析(精
米、牛乳、海水、蛇口水、降下物のセシウム-137、ヨウ素-131
生活保健7,8,10
等(174項目))
(放射線)
依頼:Ge半導体検出器によるガンマ線放出核種の分析(試料
のセシウム-137、ヨウ素-131等(3項目))
Ge半導体検出器によるガンマ線放出核種の分析(環境試料及
び農畜水産物、標準試料のセシウム134、セシウム137及びヨウ 生活保健8,9,10
素131等(552項目))
(放射線)
降水の全ベータ放射能測定 99項目
1
Ⅲ 食 品
試 験 項 目
(単位)
総 数
行政件数 依頼件数
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
1 微生物試験
(1) 顕微鏡試験
1
(項目)
1
ア簡易なもの
(項目)
16
5
11
イ複雑なもの
(項目)
305
304
1
ウ特殊なもの
(項目)
577
576
1
(1) 簡易なもの
(項目)
17
(2) やや簡易なもの
(項目)
(3) 複雑なもの
(項目)
12
12
(4) 特殊なもの
(項目)
157
157
3 含有添加物試験
(1) 簡易なもの
(項目)
(2) 複雑なもの
(項目)
5
5
カビの確認等
細菌
(食品細菌)
(2) 微生物培養試験
行政:黄色ブドウ球菌、一般生菌等
依頼:一般生菌数、大腸菌、黄色ブドウ球菌、カビの確認等
行政:残留抗生物質(136試料136項目)、リステリア(130試料
130項目)、カビの同定(5試料5項目)、食中毒サルモネラ(3試料
3項目)、食中毒菌培養(3試料27項目)、精度管理サルモネラ(3
試料3項目)
依頼:サルモネラ、カビの同定等
行政:遺伝子検査(24試料576項目)
依頼:腸管出血性大腸菌O157等
細菌17
(食品細菌)
細菌
14,15,16
(食品細菌)
細菌16,17
(食品細菌)
2 成分試験
(3) 特殊なもの
4 添加物外含有成分試験
(1) ごく簡易なもの
(3) 複雑なもの
(項目)
ウイルス同定試験(複雑なもの)
(小 計)
総水銀
遺伝子組換え食品(輸入ダイズ、トウモロコシ)、アレルギー物
質(小麦、そば、落花生、乳、卵、えび・かに)
食品保健
(動物用医薬品)
食品保健1
(動物用医薬品)
食品安全4,5
(遺伝子・アレルギー)
ソルビン酸(漬物)
食品安全2
(残留農薬)
残留動物用医薬品
食品保健
(動物用医薬品)
(項目)
(項目)
5 牛乳の規格試験
(1) 乳脂肪(簡易なもの)
(2) 比重
(3) 酸度
(4) 無脂乳固形分(簡易なもの)
(5) 無脂乳固形分(複雑なもの)
6 ウイルス学的試験
水分、肉骨粉
(項目)
(2) 簡易なもの
(4) 特殊なもの
17
3
3
12
12
(項目)
2,826
2,826
3,401
3,401
53
53
7,385
7,351
HPLC(PDA,FL)動物用医薬品(テトラサイクリン、トリクラベンダゾー 食品保健3、4
ル、イベルメクチン、スルファジミジン(外部精度))
(動物用医薬品)
食品安全1,2,3
残留農薬(21試料2,825項目)、異臭原因物質(1試料1項目)
(残留農薬)
HPLC(MS/MS),GC/MS(動物用医薬品、環境汚染物質(総水 食品保健1,2,3
銀以外))
(動物用医薬品)
(項目)
(項目)
(項目)
(項目)
(項目)
(件)
- 77 -
RT-PCR法によるノロウイルス検出(カキ:53件55項目)
34
ウイルス15
(腸管系ウイルス)
Ⅳ 飲食器具及び包装容器
試 験 項 目
(単位)
総 数
行政件数 依頼件数
(1) 簡易なもの
(項目)
9
9
(2) 複雑なもの
(3) 特殊なもの
(項目)
9
9
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
1 理化学的試験
溶出試験(晒し布、木製合板)
食品安全
(残留農薬)
(項目)
(小 計)
Ⅴ 薬品・化粧品及び医療機器
試 験 項 目
1 日本薬局方等収載試験
(1) 確認試験
(2) 純度試験
(3) 物理的試験
(4) 定量試験
ア簡易なもの
イ複雑なもの
(5) 生物学的試験
ア発熱性物質試験
イその他の生物学的試験
2 日本薬局方等収載以外試験
(1) 定性試験
ア簡易なもの
イ複雑なもの
ウ特殊なもの
(2) 定量試験
ア簡易なもの
イ複雑なもの
ウ特殊なもの
(3) 無菌試験
(4) 物理的試験
3 生薬の鑑別試験
(1) 簡易なもの
(2) 複雑なもの
(単位)
総 数
行政件数 依頼件数
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
(件)
(件)
(件)
(成分)
(成分)
1
1
88
88
7
7
96
96
医薬品(定量試験)
薬品保健6
(家庭用品)
健康食品(シルデナフィル類の検出・定量)
薬品保健7
(有害化学物質)
有毒成分の検出
薬品保健8,9,10
(家庭用品)
(件)
(項目)
(成分)
(成分)
(成分)
(成分)
(成分)
(成分)
(件)
(項目)
(件)
(件)
(3) 特殊なもの
(件)
(小 計)
Ⅵ 家庭用品中の有害物質
試 験 項 目
1 定性試験
2 定量試験
(単位)
総 数
行政件数 依頼件数
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
(項目)
(1) 簡易なもの
(成分)
107
107
(2) 複雑なもの
(成分)
62
62
ディルドリン、DTTB、メタノール等の定量
(3) 特殊なもの
(成分)
38
38
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフェニル錫化合
物、トリブチル錫化合物、ベンゾピレン等の定量
207
207
(小 計)
- 78 -
ホルムアルデヒドの定量
薬品保健5
(家庭用品)
薬品保健5
(家庭用品)
薬品保健5
(家庭用品)
Ⅶ 生体材料
試 験 項 目
1 細菌学的試験
(1) 顕微鏡試験
(2) 分離培養試験
ア簡易なもの
イ特殊なもの
(3) 菌株同定試験
ア簡易なもの
(単位)
総 数
行政件数 依頼件数
試験内容等
担当G・行政試験番号
(主査)
(件)
(件)
(件)
(件)
イ特殊なもの
(件)
(4) 薬剤感受性試験
ア簡易なもの
(件)
イ特殊なもの
(件)
(5) 無菌試験
(6) 動物試験
(件)
(7) 特殊細菌検査
(件)
186
185
1
157
157
131
128
3
行政:腸管出血性大腸菌(176試料3258項目)、劇症型溶血性
レンサ球菌(3試料11項目)、A群溶血性レンサ球菌(6試料12項 細菌1,2,3,6
目)
(細菌感染症)
依頼:サルモネラ菌属(1試料24項目)
腸管出血性大腸菌(146試料3504項目)、劇症型溶血性レンサ
細菌1,2,3,5,6
球菌(3試料45項目)、A群溶血性レンサ球菌(6試料90項目)、
(細菌感染症)
外部精度管理(2試料72項目)
(件)
2 臨床理化学試験
(1) 簡易なもの
(2) 複雑なもの
(3) 特殊なもの
3 エキノコックス症血清反応試験
行政:腸管出血性大腸菌(52試料1716項目)、結核菌(60試料
780項目)、外部精度管理(16試料247項目)
細菌1,4,5,6、
依頼:レジオネラ等(2試料54項目) (浴槽水)、百日咳菌(1試 (細菌感染症)
料2項目)
(件)
(件)
(件)
(1) 簡易なもの
(件)
131
111
20
ELISA試験
(2) 複雑なもの
(件)
150
111
39
ウェスタンブロッティング試験
(件)
133
133
773
773
1,265
1,265
675
675
4
4
医動物1
(感染病理)
医動物1
(感染病理)
4 ウイルス学的試験
(1) ウイルス同定試験
ア複雑なもの
イ高度に複雑なもの
ウ特殊なもの
(2) ウイルス血清学試験
(3) ヒト免疫不全ウイルス試験
ア簡易なもの
インフルエンザウイルス(29試料73項目)、麻疹・風疹ウイルス(72試料
218項目)、チクングニヤウイルス(1試料1項目)、デングウイルス(15試料
33項目)、SFTSウイルス(7試料14項目)、その他のウイルス(9試料33
項目)(計372項目)
RT-PCRによる腸管系ウイルスの検出(胃腸炎:33試料195項
目、食中毒:566試料1,034項目、感染性胃腸炎:154試料391
項目、E型肝炎:14試料20項目)、ポリオウイルス感染源試験(6
試料223項目)(計1,863項目)
ウイルス1,2,4,5,6,7
(ウイルス感染症)
ウイルス
11,12,13,14,16
(腸管系ウイルス)
(件)
(件)
(項目)
インフルエンザ感受性、麻疹感受性、日本脳炎感染源試験
ポリオ感受性試験
ウイルス8,9,10
(ウイルス感染症)
ウイルス17
(腸管系ウイルス)
(件)
イ複雑なもの
(件)
ウ高度に複雑なもの
(件)
エ特殊なもの
(件)
3
(件)
12
(件)
14
69
43
HIV確認試験(抗原抗体同時検出法)
ウイルス3
(ウイルス感染症)
3
HIV確認試験(ウエスタンブロッティング法)
ウイルス
(ウイルス感染症)
2
クリプトスポリジウム検査
医動物2
(感染病理)
5 医動物学的試験
(1) 精密寄生虫卵検査
10
(2) 医動物同定試験
ア簡易なもの (人体由来)
(その他)
14
寄生虫等
26
行政:食品混入異物:3件、衛生害虫:40件
イ複雑なもの
(件)
ウ特殊なもの
(件)
157
157
(1) 貝毒試験(麻痺性)
(件)
62
62
二枚貝等(94項目)
(2) 貝毒試験(下痢性)
(件)
61
61
二枚貝等
(件)
23
23
4,006
3,898
キツネ解剖検査
医動物
(感染病理)
医動物4,5
(衛生昆虫)
医動物6
(媒介動物)
6 毒性病理学的試験
食品保健5,6,7
(貝毒)
食品保健5,6
(貝毒)
7 ライム病抗体検査
血清学的試験
(小 計)
- 79 -
ウェスタンブロッティング試験
108
医動物3
(感染病理)
第4章
研 修 広 報 等
1.職員研修
(1)職場研修
ア
所外講師{客員研究員を含む。)による講演
開催年月日
研修テーマ
講師
国立感染症研究所
感染症疫学センター
第三室 室長
多屋 馨子
研究員 奥野 英雄
平成 26 年 6 月 13 日
ワクチンで予防する感染症のセミナー
研究員 佐藤
主任研究官
新井
弘
智
感染症部ウイルスグループ
主 査
三好 正浩
感染症部医動物グループ
主
イ
査
伊東 拓也
所内講師による講演
開催年月日
平成 26 年 11 月 25 日
研修テーマ
講師
企画総務部総務グループ
公務員倫理研修
主
幹
松田
宏
(2)研究職員国内研修事業
研究開発能力育成事業
研修期間
平成 27 年 1 月 5 日
~ 2 月 27 日
(54 日間)
〔研究能力高度化・産学官連携ネットワーク構築部門〕
研
修
名
【派 遣 先】
ヒトのエキノコックス症に対する治療薬の
研究開発に関する研修
【東京大学大学院医学系研究科】
派 遣 職 員
感染症部医動物グループ
研究職員
孝口 裕一
【概 要】 エキノコックス症に著効を示す治療薬は未だ開発されておらず、現状では外科的手術に
よる病巣の除去でしか根治できないことから、依然、道民の重大な脅威となっている。抗エキノコッ
クス薬が開発されれば、道内のエキノコックス対策は根底から変わると予想され、道内の公衆衛生の
向上が期待される。
本研修は、東京大学医学研究科生物医科学教室において実施されている創薬研究に参加し、抗エキ
ノコックス薬の共同開発を通して周辺技術を習得するものである。
【成 果】 本研修により、寄生虫の呼吸鎖酵素群をターゲットとした薬剤開発の一連の技術を習得
するとともに、今後、新しい抗エキノコックス薬に着手できる基盤が整った。また、薬剤開発に携わ
る研究者との交流により、今後の研究を進めるにあたって重要な人材ネットワークを構築することが
できた。
本研修で得られた技術・知見及び人材ネットワークを活用し、エキノコックスの嫌気性呼吸鎖を標
的とした新しい薬物候補の開発研究に展開することができる。
- 82 -
研究開発能力育成事業
〔研究技術取得等部門〕
研
研修期間
平成 26 年 10 月 1 日
~10 月 3 日
(3 日間)
修
名
【派 遣 先】
バイオセーフティ技術講習会
(主任管理者コース)
【NPO 法人 バイオメディカルサイエンス
派 遣 職 員
感染症部ウイルスグループ
主幹
石田 勢津子
研究会】
【概 要】 医療・公衆衛生分野において新興感染症及び再興感染症は増え続けており、その対策を
行う上で、バイオセーフティ、バイオセキュリティ等に関する知識と技術を習得する必要がある。
病原微生物を取り扱う施設において安全管理に携わる主任者を養成し、バイオセーフティに関する管
理・運営技術を習得させるための講義と実習を受講する。
【成 果】 最終日に実施された筆記試験によりバイオセーフティ主任管理者の資格を得ることがで
きた。
バイオセーフティ及びバイオセキュリティの理論に基づく機器管理、病原体管理など、当所におけ
る安全な実験室運営に、本研修で得た知識や技術を役立たせることができる。また、本研修で習得し
た知識及び技術は、所内外の病原体取扱者並びに関係職員の教育訓練などに活用し、より安全で確実
な病原体を用いた試験研究を行うことができる。
- 83 -
2.研修生受入
(1)大学・企業・団体等
年月日
研修課題名
受講者
26. 5.21
~ 5.23
残留農薬分析法に関する技術の習得
26. 9. 1
~ 9. 4
社会医学実習
-北海道における細菌性・ウイルス性・寄生虫性感
染症の現状-
27. 1.26
~ 1.28
キタキツネの頭骨標本の作製方法および計測に関す
る技術・知識の習得
人数
担当部等
2
食品科学部(食品安全G)
8
感染症部
1
感染症部(医動物G)
ホクレン農業協同組合
連合会
農業総合研究所
国立大学法人
北海道大学医学部
4年生
岩手大学大学院連合農
学研究科
博士課程3年生
(2)保健所等
年月日
26. 9.24
~ 9.25
26.12.11
~12.12
27. 2.18
~ 2.20
27. 2.24
~ 2.26
研修課題名
受講者
ヒラメからの Kduoa septempunctata 検査研修
人数
小樽市保健所
平成 26 年度食品分析研修
①GC-MS/MS を用いた調理冷凍食品中の残留農薬
試験法(実習及び講義)
②空中飛散花粉の測定法(講義)
(主催:保健福祉部食品衛生課、講師依頼)
平成26年度保健所微生物等検査業務担当者研修会
①腸管出血性大腸菌検査法及びリステリア・
モノサイトゲネス検査法(実習及び講義)
②下痢原性大腸菌検査(実習)
③カンピロバクター属菌検査(講義)
④バイオセーフティ研修(病原体輸送)
(講義及び実習)
⑤空中飛散花粉の測定法(講義及び実習)
(主催:保健福祉部食品衛生課、講師依頼)
平成 26 年度食肉・食鳥肉微生物研修会
①敗血症の検査法(実習及び講義)
(主催:保健福祉部食品衛生課、講師依頼)
2
担当部等
感染症部(医動物G)
道立保健所
(試験検査担当者)
10
理化学部(薬品保健G)
食品科学部(食品安全G)
道立保健所
(試験検査担当者)
10
理化学部(薬品保健G)
感染症部(細菌G)
道内食肉衛生検査所
(と畜検査員及び食鳥
検査員)
5
感染症部(細菌G)
注:保健福祉部健康安全局各課主催研修は、講師依頼であるが、当所を会場に行っているため、研修扱いとして併記
3.視察及び見学
年月日
所属・団体名等
人数
26. 7. 3
国立大学法人 北海道大学大学院保健科学院修士1年生
26. 7.16
国立大学法人 北海道大学大学院獣医学研究科4年生
45
企画総務部(企画情報G)
感染症部(細菌G、ウイルスG、医動物G)
26. 7.24
札幌市衛生研究所職員
13
感染症部
8
感染症部
26. 8. 8
26. 9. 8
26.10.29
26.10.30
平成 26 年度 JICA 課題別研修「アフリカ地域アグリビジネス
の振興と農村開発(B)
」研修生
(一般社団法人滝川国際交流協会)
平成 26 年度 JICA 個別研修「食品安全に係る政策立案・マネ
ージメント」研修生
(独立行政法人国際協力機構北海道国際センター(帯広)
)
国立大学法人 北海道大学薬学部2年生(A班)
〃
(B班)
- 84 -
7
担当部等
感染症部(医動物 G)
10
食品科学部
感染症部
41
41
理化学部(薬品保健G)
食品科学部(食品安全G)
感染症部(ウイルスG、医動物G)
4.広報活動等
当所の研究成果や情報などを、道民に紹介するため、次の事業に参加、開催した。また、ホームページにて各
種情報の発信を行った。
(1)2014 サイエンス・パーク
・
・
・
・
・
・
日
時
平成 26 年8月6日
主
催
北海道、 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
場
所
ケーズデンキ月寒ドーム
参加機関
65 機関
一般参加者
2,600 名
内
容(当所の担当分)
①展示コーナー
・見てさわって学ぼう「科学クイズ」(対象:小学校全学年 333 名)
②ステージイベント
・サイエンスクイズ大会(マダニ、エキノコックスに関するクイズの出題)
(2)北海道立衛生研究所市民講座・パネル展
・
・
・
・
日
時
平成 26 年9月 18~19 日
場
所
北海道庁道政広報コーナー(特設展示場及び交流広場)
一般参加者
講演会 35 名、パネル展 433 名
内
容
①パネル展示(公衆衛生に関する啓発及び業務紹介)
②講演会「シラカバ・牧草・ヨモギ―北海道の空中花粉と花粉症―」
(理化学部長 小林 智)
(3)ホームページの発信
発信内容等の詳細については、各グループ「業務」に記載
・ 北海道感染症情報
(企画総務部企画情報グループ)
・ 花粉飛散情報調査
(理化学部薬品保健グループ)
・ 北海道(札幌市)における放射能濃度の測定結果
(理化学部生活保健グループ、企画総務部企画情報グループ)
・ 刊行物、研究評価等、その他の情報
(関係各グループ)
5.研究成果
北海道立衛生研究所報第 65 集(2015)(http://www.iph.pref.hokkaido.jp/)に掲載
(1)北海道立衛生研究所報
総説 1編、 ノート 11 編、 資料 6編
(2)学術誌等
発表論文 22 編、 著書等 6編、 報告書等 25 編、 学会発表 48 編
- 85 -
6.所内発表会(平成 26 年度
日
場
北海道立衛生研究所調査研究発表会)
時 : 平成 27 年3月 12~13 日
所 : 北海道立衛生研究所講堂
○:発表者
1.【応募研究】安全な飲用水確保のためのステロール代謝物による原虫類汚染スクリーニング法の開発
○泉 敏彦、伊藤八十男(理化学部生活保健G)、
泉山信司、八木田健司(国立感染症研究所寄生動物部原生動物室)
2.【受託試験研究】北海道における環境放射能調査(平成 26 年度)
○青柳直樹、横山裕之、高野敬志(理化学部生活保健G)、市橋大山(企画総務部企画情報G)
3.【一般試験研究】モール系温泉の腐植質の分析
○高野敬志、内野栄治、青柳直樹(理化学部生活保健G)
4.【その他】道内温泉の調査研究に関する当所の取り組み
○内野栄治(理化学部生活保健G)
5.【その他】PCR-RFLP を用いたツキヨタケの迅速同定法の検討
○菅野陽平、鈴木智宏(食品科学部食品安全G)、佐藤正幸(理化学部薬品保健G)、
坂田こずえ、野口秋雄、中村公亮、小林友子、福田のぞみ、最上知子、手島玲子、
近藤一成(国立医薬品食品衛生研究所)
6.【その他】ツキヨタケ中毒成分イルジン S の分析について
○青栁光敏(食品科学部食品安全G)、藤本 啓、佐藤正幸(理化学部薬品保健G)
内山康裕(保健福祉部健康安全局食品衛生課)
7.【その他】食品の油様臭に関する苦情事例
○千葉真弘、柿本洋一郎、青栁光敏(食品科学部食品安全G)
8.【その他】LC-MS/MS を用いた畜産物中のテトラサイクリン系及びβ-ラクタム系抗生物質の一斉分析法の検討
○藤井良昭、西村一彦、橋本 諭(食品科学部食品保健G)
9.【応募研究】内閣府食品安全委員会・食品健康影響評価技術研究
残留農薬における肝肥大作用と核内受容体活性化作用の比較
○小島弘幸(食品科学部食品安全G)、北村繁幸、浦丸直人(日本薬科大学)、
吉成浩一(静岡県立大学薬学部)
10.【応募研究】日本学術振興財団・科学研究費(基盤 C)(平成 24-26 年度)
食品中に含まれる化学物質によるダイオキシン受容体を介した Th17 細胞機能への影響
〇小島弘幸(食品科学部食品安全G)、武内伸治(理化学部薬品保健G)、
室本竜太(北海道大学大学院薬学研究院)
- 86 -
11.【応募研究】公衆浴場を対象にしたレジオネラ属菌検査法の国内標準化に向けた検討
○森本 洋、小川恵子、久保田晶子(感染症部細菌G)、長瀬敏之(感染症部ウイルスG)
12.【一般試験研究】細菌感染症検査技術向上に関する研究
―北海道で分離された腸管出血性大腸菌の諸性状について―
○久保田晶子、小川恵子、森本 洋、池田徹也、清水俊一(感染症部細菌G)、
長瀬敏之(感染症部ウイルスG)、井上真紀(釧路保健所(元感染症部))、
堀野裕香、工藤兼司、伊藤政彦(札幌臨床検査センター)
13.【一般試験研究】細菌感染症検査技術向上に関する研究
―北海道内で分離されたサルモネラ及びウェルシュ菌の諸性状―
○小川恵子、久保田晶子、森本 洋、清水俊一(感染症部細菌G)、
長瀬敏之(感染症部ウイルスG)、井上真紀(釧路保健所(元感染症部))、
土田 翔、中村真弓、伊藤政彦(札幌臨床検査センター)
14.【一般試験研究】Multiplex real-time PCR による下痢原性大腸菌病原遺伝子検査法の検討
○久保亜希子、池田徹也、清水俊一(感染症部細菌G)
15.【その他】野鳥の Escherichia albertii 保菌率
○池田徹也、久保亜希子、清水俊一(感染症部細菌G)、玉田克巳(道総研環境科学研究センター)、
山田智子(ウトナイ湖野生鳥獣保護センター)
16.【応募研究】道内の E 型肝炎発生状況について
○石田勢津子、吉澄志磨、後藤明子(感染症部ウイルスG)、長野秀樹(企画総務部企画情報G)、
松林圭二(日本赤十字社北海道ブロック血液センター)
17.【応募研究】北海道における HIV 検査体制と感染状況について
○長野秀樹(企画総務部企画情報G)、三好正浩、駒込理佳(感染症部ウイルスG)
18.【その他】感染症流行予測調査事業ポリオ環境水調査について
○後藤明子、吉澄志磨、石田勢津子(感染症部ウイルスG)
19.【その他】ノロウイルスの発生動向調査について(2013/14シーズン)
○長瀬敏之、後藤明子、吉澄志磨、石田勢津子(感染症部ウイルスG)、
山口博美(上川保健所)
20.【一般試験研究】室内空気中の芳香成分の測定法開発とホルモン受容体活性に関する研究
○武内伸治、神 和夫、佐藤正幸(理化学部薬品保健G)、小島弘幸(食品科学部食品安全G)、
小林 智(理化学部)
21.【応募研究】室内環境における準揮発性有機化合物の多経路曝露評価に関する研究
―室内空気中の可塑剤及び有機リン系難燃剤の粒径別測定―
○武内伸治、神 和夫、佐藤正幸(理化学部薬品保健G),小島弘幸(食品科学部食品安全G)、
小林 智(理化学部)、香川聡子、神野透人(国立医薬品食品衛生研究所)
- 87 -
22.【その他】道央圏で発生した毒キノコによる食中毒事例について
○藤本 啓、佐藤正幸(理化学部薬品保健G)、内山康裕(保健福祉部健康安全局食品衛生課)
23.【その他】食品からのヒ素摂取量~精米の無機ヒ素濃度基準値設定を巡って~
○神 和夫、武内伸治(理化学部薬品保健G)、西村一彦(食品科学部食品保健G)、
平間祐志(食品科学部)、小林 智(理化学部)
24.【民間共同】リアルタイム花粉モニターで計測したカバノキ属花粉飛散量のバーカード法による検証に関す
る研究
○小林 智(理化学部)、武内伸治(理化学部薬品保健G)、藤田敏男(大和製作所)、
川島茂人(京都大学大学院農学研究科)
25.【応募研究】ダニ媒介性細菌感染症の研究
―北海道におけるマダニ媒介性回帰熱についてわかったこと―
○伊東拓也(感染症部医動物G)
26.【一般試験研究】寄生虫由来糖脂質の抗原性
○山野公明(感染症部医動物G)、山村 雄、鏑木挨水香、土屋貴史、小泉晶彦、竹田忠紘、
木内文之、羽田紀康(慶応義塾大学薬学部)
27.【応募研究】イヌの糞便内エキノコックス DNA 検出法開発のための予備的検討
○入江隆夫、伊東拓也、浦口宏二(感染症部医動物G)
28.【その他】キツネ用ベイト剤を用いたエキノコックス症対策
―小面積地域へのベイト散布の適用―
○浦口宏二、入江隆夫、孝口裕一(感染症部医動物G)
29.【応募研究】動物由来感染症に対するリスク管理手法に関する研究
(エキノコックス等寄生虫感染撲滅のための方策の研究と効率の良い有効性評価方法の開発)
○八木欣平、高橋俊幸、浦口宏二、山野公明、孝口裕一、入江隆夫(感染症部)、高橋 徹
(北海道獣医師会)、野中成晃、関口 敏(宮崎大学)、奥祐三郎(鳥取大学)、加地祥文
(厚生労働省)、小林文夫(環境動物フォーラム)、神谷正男(環境動物フォーラム・酪農学園大学)
- 88 -
7.受 賞
地方衛生研究所全国協議会関係
平成 26 年度地方衛生研究所全国協議会会長表彰(平成 26 年 11 月4日、栃木県宇都宮市)
企画総務部企画情報グループ
主幹
長野 秀樹
受賞者は昭和59年4月、(社)北里研究所に入所し、動物用ワクチンの検定業務、開発、診断薬の開発等
を担当した。また、平成2年1月からは(株)三菱油化ビーシーエルにおいて、薬理薬効試験、ヒトCRPの
精製業務に携わった。この間、北里研究所で担当していた鶏伝染性気管支炎ウイルスの血清診断および分子
生物学的手法を用いたウイルス検出というテーマで、平成6年3月、北海道大学から博士(獣医学)を授与
された。平成4年5月、北海道立衛生研究所に入所し、爾来、寄生虫・原虫・細菌・ウイルスの感染症全般
に渡り、試験検査・調査研究及び人材育成に多大な貢献を果たした。最初に配属された血清科では、ELISA
及びウェスタンブロット法を用いたエキノコックス症の血清診断ならびに登録臨床検査センターに対する外
部精度管理を担当した。平成8年からは細菌科に所属し、腸管出血性大腸菌O157やサルモネラ菌などの腸管
感染性細菌を主体的に研究材料とした。特にO157については厚労科研の分担研究者としてわが国におけるパ
ルスネット構築に貢献し、北海道・東北・新潟ブロックにおけるPFGEの精度向上に努めた。平成15年にウイ
ルス科に配属され、HIV確認検査、インフルエンザウイルス・アデノウイルスなどのウイルス感染症に係る
検査を担当した。平成15年以来、厚労科研のHIV検査相談に関する研究班に参加し、北海道における迅速検
査体制の確立とその評価を行った。また、平成19年からは麻疹の検査体制に関する研究班(厚労科研)に参
画し、札幌市衛生研究所との協同のもと、北海道における検査体制を確立した。
今回の受賞は、これらの功績が評価されたものである。
平成 26 年度地方衛生研究所全国協議会北海道・東北・新潟支部長表彰(平成 26 年7月3日、新潟県新潟市)
感染症部医動物グループ
主幹
浦口 宏二
受賞者は昭和63年4月以来、北海道立衛生研究所に25年間勤務し、主として感染症を媒介する動物を担当
し、試験検査・調査研究及び人材育成に多大なる貢献をしてきた。受賞者は、キツネを含む中型の野生動物の
生態の専門家として内外に認められ、専門誌の哺乳類科学(日本哺乳類学会)の査読委員を10有余年にわたり
務めている。北海道にはエキノコックス症という北海道特有の寄生虫病があり、住民の健康被害の脅威となって
いる。本寄生虫病は主としてキツネによって媒介されることから、受賞者の専門知識は、北海道の進める施策の
科学的、技術的な支えとなっている。また平成21〜23年厚生労働科学研究『動物由来感染症のリスク分析手法に
基づくリスク管理のあり方に関する研究』及び平成25年厚生労働科学研究『我が国における動物の狂犬病モニタリ
ング調査手法に係る緊急研究』の狂犬病に関する科学研究費の分担研究者として、狂犬病の北海道への侵入リス
クの解明に務めた。このことは、今後の狂犬病のリスク管理を行う上での基礎となり、衛生行政分野の強い力となっ
ている。
今回の受賞は、これらの功績が評価されたものである。
- 89 -
付
録
北海道立衛生研究所条例
(昭和 24 年9月3日条例第 56 号)
(設置)
第1条 保健衛生に関する科学を基礎とした試験、調査、研究、指導及び検査を行い、道民の保健及び衛生の向
上に寄与するため、北海道立衛生研究所(以下「研究所」という。)を設置する。
一部改正〔昭和 30 年条例 63 号・63 年 16 号〕
(事業)
第2条 研究所は、その目的達成のため、次の事業を行う。
(1) 各種感染症に関する試験、研究及び検査
(2) 食品衛生に関する試験、研究及び検査
(3) 医薬品等に関する試験、研究及び検査
(4) 環境衛生に関する試験、研究及び検査
(5) 食生活科学に関する試験、研究、検査及び指導
(6) 衛生検査技術に関する指導
(7) その他保健及び衛生に関する各種の調査、試験、研究及び検査
2 研究所は、前項の事業のほか、その試験研究に係る医薬品のうち、特に道民の保健上必要と認めるものの製
造事業を行うことができる。
一部改正〔昭和 30 年条例 63 号・31 年 12 号・37 年 39 号・63 年 16 号・平成 11 年8号〕
(位置)
第3条 研究所は、札幌市に置く。
一部改正〔昭和 37 年条例 39 号・63 年 16 号〕
(手数料)
第4条 研究所に衛生に関係のある物件について試験、分析若しくは鑑定(以下「試験」と総称する。)を依頼
する者又はその成績書の謄本の交付を受けようとする者は、規則で定めるところにより、手数料を納めなけれ
ばならない。この場合において、別表に掲げる手数料については、北海道収入証紙で納めなければならない。
2 手数料の額は、別表の範囲内で、規則で定める。
3 職員の出張を要する試験については、出張及び試験用具の運搬に要する費用として規則で定める額を、前項
の額に加算した額を当該手数料の額とする。
全部改正〔昭和 63 年条例 16 号〕、一部改正〔平成 12 年条例 49 号・16 年 29 号〕
(不還付)
第5条 既に納付した手数料は、還付しない。
全部改正〔昭和 63 年条例 16 号〕
(減免)
第6条 知事は、特別の理由があると認めたときは、手数料を減免することができる。
全部改正〔昭和 63 年条例 16 号〕
(試験済み等の文字の記載禁止等)
第7条 試験を受けたものについて広告、掲示及び印刷物又は容器、包装等に道の保証又は試験済みその他これ
に類する文字を記載してはならない。
2 試験成績書を表示しようとする者は、その試験成績書の全文を記載しなければならない。
追加〔昭和 63 年条例 16 号〕
(罰則)
第8条 前条の規定に違反した者は、10 万円以下の罰金又は科料に処する。
追加〔昭和 63 年条例 16 号〕、一部改正〔平成4年条例 15 号〕
(知事への委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、知事が定める。
一部改正〔昭和 63 年条例 16 号〕
- 92 -
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(昭和 30 年9月1日条例第 63 号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 北海道立食糧栄養研究所条例(昭和 24 年北海道条例第 85 号)は、廃止する。
3 北海道委託衛生試験条例(昭和 24 年北海道条例第 45 号)の一部を、次のとおり改正する。
(次のよう略)
附 則(昭和 31 年4月1日条例第 12 号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(昭和 37 年7月 26 日条例第 39 号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(昭和 63 年4月1日条例第 16 号)
1 この条例は、昭和 63 年4月1日から施行する。
2 北海道委託衛生試験条例(昭和 24 年北海道条例第 45 号)は、廃止する。
附 則(平成元年3月 31 日条例第 29 号)
この条例は、平成元年4月1日から施行する。
附 則(平成4年3月 31 日条例第 15 号)
この条例は、平成4年4月1日から施行する。ただし、第8条の改正規定は、同年5月1日から施行する。
附 則(平成5年 10 月 19 日条例第 32 号)
この条例は、平成5年 12 月1日から施行する。
附 則(平成9年4月3日条例第 25 号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成 11 年3月 15 日条例第8号)
この条例は、平成 11 年4月1日から施行する。
附 則(平成 12 年3月 29 日条例第 49 号)
この条例は、平成 12 年4月1日から施行する。
附 則(平成 16 年3月 31 日条例第 29 号)
この条例は、平成 16 年4月1日から施行する。
附 則(平成 20 年3月 31 日条例第 27 号)
この条例は、平成 20 年4月1日から施行する。
附 則(平成 24 年3月 30 日条例第 31 号)
この条例は、平成 24 年4月1日から施行する。
附 則(平成 26 年3月 28 日条例第 33 号)
この条例は、平成 26 年4月1日から施行する。
別表(第4条関係)
試験種目等
水、大気、土壌及び化学物質
放射能含有物質
食品
飲食器具及び包装容器
薬品、化粧品及び医療機器
家庭用品中の有害物質
生体材料
成績書の謄本
手数料の額
1件につき283,700円
1件につき52,800円
1件につき70,200円
1件につき16,400円
1件につき42,700円
1件につき46,300円
1件につき67,400円
1通につき610円
全部改正〔平成 16 年条例 29 号〕、一部改正〔平成 20 年条例 27 号・24 年 31 号・26 年 33 号〕
- 93 -
北海道立衛生研究所条例施行規則
(昭和 63 年4月1日規則第 28 号)
(趣旨)
第1条 この規則は、北海道立衛生研究所条例(昭和 24 年北海道条例第 56 号。以下「条例」という。)の施行
に関し、必要な事項を定めるものとする。
(試験の依頼の申請)
第2条 北海道立衛生研究所に試験、分析又は鑑定(以下「試験」と総称する。)を依頼しようとする者は、試
験物件を添えて、別記第1号様式により北海道立衛生研究所長(以下「所長」という。)に申請しなければな
らない。
2 前項の規定にかかわらず、条例第4条第3項に規定する試験を依頼しようとする者は、別記第2号様式によ
り所長に申請しなければならない。
(依頼の拒絶)
第3条 所長は、試験の目的又は試験物件の性質によっては、依頼に応じないことができる。
(試験成績書の交付)
第4条 所長は、試験が終了したときは、試験成績書を交付するものとする。
(成績書の謄本の交付)
第5条 成績書の謄本の交付を受けようとする者は、別記第3号様式により所長に申請しなければならない。
(手数料の額)
第6条 条例第4条第2項の手数料の額は、別表のとおりとする。
2 条例第4条第3項の規則で定める額は、次に掲げる費用を基準として、所長が定める。
(1) 職員の出張に要する旅費(北海道職員等の旅費に関する条例(昭和 28 年北海道条例第 38 号)の規定に
よる旅費額に相当する額による。)
(2) 試験用具の運搬費
(納付時期等)
第7条 前条第1項の手数料は、試験の依頼の際に納めなければならない。
2 前条第2項に規定する額に相当する手数料は、納入通知書で納めなければならない。
全部改正〔平成 12 年規則 108 号〕
附 則
1 この規則は、昭和 63 年4月1日から施行する。
2 北海道委託衛生試験条例施行規則(昭和 24 年北海道規則第 152 号)は、廃止する。
附 則(昭和 63 年 11 月7日規則第 107 号)
1 この規則は、公布の日から施行する。
2 この規則の施行の際現に交付されているこの規則による改正前の様式による証明書等は、この規則による改
正後の様式による証明書等とみなす。
3 この規則の施行の際現にこの規則による改正前の規則に基づいて作成されている用紙がある場合において
は、この規則による改正後の規則の規定にかかわらず、昭和 64 年3月 31 日までの間使用することを妨げな
い。
附 則(平成元年3月 31 日規則第 29 号)
この規則は、平成元年4月1日から施行する。
附 則(平成4年3月 31 日規則第 21 号)
この規則は、平成4年4月1日から施行する。
附 則(平成5年 11 月 30 日規則第 79 号)
- 94 -
この規則は、平成5年 12 月1日から施行する。
附 則(平成9年4月3日規則第 52 号)
この規則は、公布の日から施行する。
附 則(平成 10 年3月 24 日規則第 22 号)
1 この規則は、平成 10 年4月1日から施行する。
2 この規則の施行の際現にこの規則による改正前の規則に基づいて作成されている用紙がある場合において
は、この規則による改正後の規則の規定にかかわらず、当分の間使用することを妨げない。
附 則(平成 12 年3月 29 日規則第 108 号)
この規則は、平成 12 年4月1日から施行する。
附 則(平成 13 年3月 30 日規則第 34 号)
この規則は、平成 13 年4月1日から施行する。
附 則(平成 16 年3月 31 日規則第 46 号)
この規則は、平成 16 年4月1日から施行する。
附 則(平成 20 年3月 31 日規則第 17 号)
この規則は、平成 20 年4月1日から施行する。
附 則(平成 22 年3月 24 日規則第 17 号抄)
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際現に交付されているこの規則による改正前の様式による証明書等は、この規則による改
正後の様式による証明書等とみなす。
3 この規則の施行の際現にこの規則による改正前の規則の規定に基づいて作成されている用紙がある場合にお
いては、この規則による改正後の規則の規定にかかわらず、当分の間、必要な調整をして使用することを妨げな
い。
附 則(平成 24 年3月 30 日規則第 19 号)
この規則は、平成 24 年4月1日から施行する。
附 則(平成 26 年3月 28 日規則第 20 号)
この規則は、平成 26 年4月1日から施行する。
- 95 -
(北
海
道
収
入
証
紙
欄)
別記第1号様式(第2条関係)
試験分析鑑定依頼申請書
年
北海道立衛生研究所長
月
日
様
申請者 住 所
氏 名
(法人にあっては、その名称及び代表者氏名)
次のとおり試験(分析、鑑定)を依頼したいので、北海道立衛生研究所条例施行規則第2条第1項の規定により、
申請します。
1 試 験 品 名
2 試 験 目 的
3 摘
要
摘要欄記載上の注意
1 水及び氷雪については、採取年月日、使用の目的、採取地名、井戸の構造等を記入してください。
2 鉱泉については、採取年月日、天候、源泉の温度(摂氏)、採取位置(ゆう出口と異なる場合は、その距離)、
付近における既存鉱泉の有無、ゆう出状態(自然ゆう出又は掘削等)、使用の目的等を記入してください。
3 その他のものについては、製造年月日、製造方法、使用の目的等を記入してください。
一部改正(昭和 63 年規則 107 号・平成 10 年 22 号・22 年 17 号)
- 96 -
(北
海
道
収
入
証
紙
欄)
別記第2号様式(第2条関係)
出張試験分析鑑定依頼申請書
年
北海道立衛生研究所長
月
日
様
申請者 住 所
氏 名
㊞
(法人にあっては、その名称及び代表者氏名)
次のとおり出張試験(分析、鑑定)を依頼したいので、北海道立衛生研究所条例施行規則第2条第2項の規定に
より、申請します。
1 試
験
品
名
2 試
験
目
的
3 試
験
場
所
4 出張に必要な人員
5 出張を必要とする予定期間
年
月
日から
年
月
日まで
一部改正(昭和 63 年規則 107 号)
- 97 -
(北
海
道
収
入
証
紙
欄)
別記第3号様式(第5条関係)
成績書謄本交付申請書
年
北海道立衛生研究所長
月
日
様
申請者 住 所
氏 名
㊞
(法人にあっては、その名称及び代表者氏名)
次のとおり成績書の謄本の交付を受けたいので、北海道立衛生研究所条例施行規則第5条の規定により、
申請します。
1 試
験
品
名
2 試験成績書交付年月日
3 申
4 部
請
の
理
由
数
部
一部改正(昭和 63 年規則 107 号)
- 98 -
別表(第6条関係)
試
験
手
数
料
平成 26 年4月1日施行
試験種目等
項
目
数
料
の
額
1 水道水質基準項目試験
(1)全項目試験
(2)消毒副生成物を除く項目試験
(3)必須項目試験
1件につき
1件につき
1件につき
2 理化学的試験
(1)簡易なもの
(2)やや簡易なもの
(3)複雑なもの
(4)特殊なもの
1成分につき
1成分につき
1成分につき
1件につき
3,600円
12,600円
15,300円
30,000円
3 生物試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
1件につき
1件につき
4,100円
10,300円
4 特殊機器による定量試験
(1)原子吸光法による微量元素試験
(2)ガスクロマトグラフィーによる微量物質試験
(3)高速液体クロマトグラフィーによる微量物質試験
(4)質量分析計による微量物質試験
水、大気、土壌
及び化学物質
手
283,700円
234,900円
117,500円
1成分につき
20,000円
1件につき
37,100円
(4成分を超える場合は、1成分増す
ごとに9,000円を加算した額)
1成分につき
32,200円
1件につき
89,900円
(10成分を超える場合は,1成分増す
ごとに6,500円を加算した額)
5 微生物試験
(1)簡易なもの
(2)やや簡易なもの
(3)複雑なもの
1件につき
1件につき
1件につき
4,850円
8,500円
19,100円
6 ガス成分試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
1成分につき
1成分につき
1,350円
13,100円
7 鉱泉試験
(1)療養泉判定試験
(2)中分析
(3)医治効能判定
(4)可燃性天然ガス濃度測定(簡易法)
1件につき
1件につき
1件につき
1件につき
22,100円
118,900円
4,400円
12,300円
8
1件につき
11,500円
1件につき
1件につき
9,700円
16,800円
ラドン含有量測定試験
9 予備処理試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
10 ホルムアルデヒド定量試験
1測定地点につき
19,000円
(1測定地点を超える場合は、1測定
地 点増すごとに4,650円を加算した額
)
11 揮発性有機化合物定量試験(ホルムアルデヒド定量試験以
外のものに限る)
1測定地点につき
34,000円
(1測定地点を超える場合は、1測定
地 点増すごとに6,700円、試験項目が
3項目を超える場合は、1項目増す
ごとに4,600円を加算した額)
12 ウイルス同定試験
1件につき
- 99 -
19,000円
試験種目等
放射能含有物質
項
目
1 放射能測定試験
(1)放射線量率
(2)核種分析
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
1微生物試験
(1) 顕微鏡試験
(2) 培養試験
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
ウ 特殊なもの
食
手
数
料
の
額
1件につき
18,200円
1件につき
1件につき
21,800円
52,800円
1項目につき
1,250円
1項目につき
1項目につき
1項目につき
5,650円
10,300円
20,600円
2 成分試験
(1)簡易なもの
(2)やや簡易なもの
(3)複雑なもの
(4)特殊なもの
1項目につき
1項目につき
1項目につき
1項目につき
5,050円
8,750円
26,800円
35,900円
3 含有添加物試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
(3)特殊なもの
1項目につき
1項目につき
1項目につき
10,800円
22,100円
45,300円
4 添加物外含有成分試験
(1)ごく簡易なもの
(2)簡易なもの
(3)複雑なもの
(4)特殊なもの
1項目につき
1項目につき
1項目につき
1項目につき
4,750円
20,600円
35,500円
70,200円
5 牛乳の規格試験
(1)乳 脂 肪
(2)比
重
(3)酸
度
(4)無脂乳固形分(簡易なもの)
(5)無脂乳固形分(複雑なもの)
1項目につき
1項目につき
1項目につき
1項目につき
1項目につき
35,200円
1,950円
3,300円
6,750円
39,300円
6
1件につき
19,000円
1項目につき
1項目につき
1項目につき
5,350円
12,200円
16,400円
1件につき
1件につき
1件につき
4,450円
14,800円
4,450円
1成分につき
1成分につき
1項目につき
7,350円
19,900円
42,700円
1成分につき
1成分につき
1成分につき
4,200円
11,100円
21,200円
1成分につき
1成分につき
1成分につき
1件につき
1項目につき
10,600円
18,000円
32,100円
24,000円
4,150円
1件につき
1件につき
1件につき
7,050円
18,700円
39,800円
品
飲食器具及び
包装容器
ウイルス同定試験
1 理化学的試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
(3)特殊なもの
1 日本薬局方等収載試験
(1)確認試験
(2)純度試験
(3)物理的試験
(4)定量試験
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
(5)生物学的試験
薬品、化粧品
及び医療機器
2 日本薬局方等収載以外試験
(1)定性試験
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
ウ 特殊なもの
(2)定量試験
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
ウ 特殊なもの
(3)無菌試験
(4)物理的試験
3 生薬の鑑別試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
(3)特殊なもの
- 100 -
試験種目等
項
1
家庭用品中の
有害物質
目
定性試験
2 定量試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
(3)特殊なもの
1 細菌学的試験
(1)顕微鏡試験
(2)分離培養試験
ア 簡易なもの
イ 特殊なもの
(3)菌株同定試験
ア 簡易なもの
イ 特殊なもの
(4)薬剤感受性試験
ア 簡易なもの
イ 特殊なもの
(5)無菌試験
(6)動物試験
(7)特殊細菌検査
生 体 材 料
手
数
料
の
額
1項目につき
16,100円
1成分につき
1成分につき
1成分につき
10,900円
20,900円
46,300円
1件につき
1,250円
1件につき
1件につき
2,900円
4,250円
1件につき
1件につき
5,550円
10,700円
1件につき
1件につき
1件につき
1件につき
1件につき
3,400円
4,650円
12,400円
13,800円
18,400円
2 臨床理化学試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
(3)特殊なもの
1件につき
1件につき
1件につき
3,700円
6,100円
39,200円
3 エキノコックス症血清反応試験
(1)簡易なもの
(2)複雑なもの
1件につき
1件につき
1,500円
11,700円
1件につき
1件につき
1件につき
1項目につき
19,000円
26,700円
31,700円
1,900円
1件につき
1件につき
1件につき
1件につき
3,050円
4,550円
12,600円
18,600円
1件につき
7,600円
1件につき
1件につき
1件につき
4,450円
19,300円
67,400円
1件につき
1件につき
23,800円
27,400円
1通につき
610円
4 ウイルス学的試験
(1)ウイルス同定試験
ア 複雑なもの
イ 高度に複雑なもの
ウ 特殊なもの
(2)ウイルス血清学試験
(3)ヒト免疫不全ウイルス試験
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
ウ 高度に複雑なもの
エ 特殊なもの
5 医動物学的試験
(1)精密寄生虫卵検査
(2)医動物同定検査
ア 簡易なもの
イ 複雑なもの
ウ 特殊なもの
6 毒性病理学的試験
(1)貝毒試験(麻痺性)
(2)貝毒試験(下痢性)
成績書の謄本
全部改正(平成 16 年規則第 46 号)、一部改正 (平成 20 年規則第 17 号、24 年 19 号、26 年 20 号)
- 101 -
(関係通知-厚生省)
平成9年3月 14 日 厚生省発健政第 26 号
各「都道府県知事、各指定都市市長」殿
厚生事務次官
地方衛生研究所の機能強化について
地方衛生研究所については、昭和 51 年9月 10 日厚生省発衛第 173 号厚生事務次官通知により現行の設置要綱
が示され、同要綱に基づき、これまで都道府県、指定都市等における衛生行政の科学的かつ技術的中核機関とし
て、関係行政機関と緊密な連携の下に、調査研究、試験検査、研修指導及び公衆衛生情報の解析・提供の業務を
通じ、公衆衛生の向上に重要な役割を果たしてきているところである。
今般、地域保健対策については、平成6年7月1日に公布された地域保健対策強化のための関係法律の整備に
関する法律(平成6年法律第 84 号)が、本年4月1日より全面施行され、地域保健の体系が抜本的に見直される
こととなるが、地方衛生研究所についても、地域保健法(昭和 22 年法律第 101 号)第4条に基づき策定された
「地域保健対策に関する基本的な指針」(平成6年厚生省告示第 374 号)(以下「基本指針」という。)の中で、
地域における科学的かつ技術的に中核となる機関として再編成し、その専門性を活用した地域保健に関する総合
的な調査及び研究を行うとともに、当該地域の地域保健関係者に対する研修を実施することが示されたところで
ある。
このような状況にかんがみ、基本指針の趣旨を踏まえて、地方衛生研究所設置要綱を別紙のように改正するこ
ととしたので、下記事項に十分御留意の上、この要綱に沿って、貴都道府県(市)地方衛生研究所の一層の機能
強化を図られるよう格段の配慮をお願いする。
なお、昭和 51 年9月 10 日厚生省発衛第 173 号本職通知は廃止する。
記
1 今回の改正は、次のことに重点を置いたものであること。
(1) 地方衛生研究所の調査研究及び研修指導業務について、基本指針において示された専門性を活用した地
域保健に関する総合的な調査研究や、当該地域の地域保健関係者に対する研修を踏まえ、必要な見直しを
行っていること。また、これらの業務の効果的な実施を図るために、必要に応じ、基本指針で定められた
検討協議会で調整等を行うものとしていること。
(2) 地方衛生研究所の試験検査業務について、試験検査に不可欠な標準品及び標準株を確保・提供するなど
レファレンスセンターとしての役割を担うとともに、行政検査等の精度管理を行うものとしているこ
と。
(3) 地方衛生研究所の公衆衛生情報等の収集・解析・提供業務について、公衆衛生に関する国、都道府県・指
定都市、地方衛生研究所、保健所、市町村のネットワークの中の地方拠点として業務を実施するととも
に、得られた情報から地域に密着した公衆衛生に関する新たな課題を発掘し、またその解決のための研究
を企画・実施するものとしていること。
2 地方衛生研究所の機能強化を図るため、その業務の実施に必要な技術系職員等の確保を図るとともに、そ
の資質の向上に努めること。
3 事業実施に当たっては、関係行政部局、保健所等との緊密な連携を十分に考慮して行うこと。
4 地方公害(環境)研究所等関係試験研究諸機関との連携に努めること。
- 102 -
地方衛生研究所設置要綱
1 設置の目的
地方衛生研究所は、地域保健対策を効果的に推進し、公衆衛生の向上及び増進を図るため、都道府県又は
指定都市における科学的かつ技術的中核として、関係行政部局、保健所等と緊密な連携の下に、調査研究、
試験検査、研修指導及び公衆衛生情報等の収集・解析・提供を行うことを目的とする。
2 業 務
2.1 調査研究
2.1.1 地方衛生研究所は、次のような調査研究を行うものとする。
(1) 疾病予防に関する調査研究
(2) 環境保健に関する調査研究
(3) 生活環境施設に関する調査研究
(4) 食品及び栄養に関する調査研究
(5) 医薬品等に関する調査研究
(6) 家庭用品、化学物質等に関する調査研究
(7) 健康事象に関する疫学的調査研究
(8) 健康の保持及び増進に関する調査研究
(9) 地域保健活動の評価に関する調査研究
(10) 試験検査方法に関する調査研究
(11) その他必要な調査研究
2.1.2 地方衛生研究所は、2.1.1に掲げるもののうち、広域的な調査研究を行う必要のあるも
のについては、地方衛生研究所相互間又は国や大学の研究機関等関連する他の試験研究機関との協力を
強化し、プロジェクト研究、学際的総合研究等を積極的に推進するものとする。
2.1.3 調査研究業務の効果的な実施を図るため、必要に応じ、「地域保健対策に関する基本的な指
針」(平成6年厚生省告示第 374 号)で設置することが定められている検討協議会(以下「検討協議
会」という。)において調査研究課題の調整等を行うものとする。
2.2 試験検査
2.2.1 地方衛生研究所は、次のような試験検査を行うものとする。
(1) 衛生微生物等に関する試験検査
(2) 衛生動物に関する試験検査
(3) 水、空気等に関する試験検査
(4) 廃棄物に関する試験検査
(5) 食品、食品添加物等に関する試験検査
(6) 毒物劇物に関する試験検査
(7) 医薬品等に関する試験検査
(8) 家庭用品等に関する試験検査
(9) 温泉に関する試験検査
(10) 放射能に関する試験検査
(11) 病理学的検査
(12) 生理学的検査
(13) 生化学的検査
(14) 毒性学的検査
(15) その他必要な試験検査
なお、地方衛生研究所は、研究要素の大きい試験検査、広域的な視野を要する試験検査、専門的かつ高度
な技術や設備を必要とする試験検査を重点的に行うものとする。
- 103 -
2.2.2 地方衛生研究所は、国立試験研究機関及び他の地方衛生研究所と連携して、試験検査に不可
欠な標準品及び標準株を確保・提供するなどレファレンスセンターとしての役割を担うとともに行政検
査等の精度管理を行うものとする。
2.3 研修指導
2.3.1 地方衛生研究所は、次のような研修指導を行うものとする。
(1) 保健所の職員、市町村の衛生関係職員その他地域保健関係者の人材の養成及び資質の向上を目的とし
た研修指導
(2) 衛生に関する試験検査機関に対する技術的指導
(3) その他必要と認められる研修指導及び技術的指導
2.3.2 研修指導業務の効果的な実施を図るために、必要に応じ、検討協議会で研修指導課題の調整
等を行うものとする。
2.4 公衆衛生情報等の収集・解析・提供
2.4.1 地方衛生研究所は、次のような情報活動を行うものとする。
(1) 試験検査の方法等に関する情報の収集・解析
(2) 公衆衛生に関する情報の収集・解析
(3) 関係行政部局、市町村及び地域住民等への(1)及び(2)の情報の提供
2.4.2 地方衛生研究所は、公衆衛生に関する国、都道府県・指定都市、地方衛生研究所、保健所、
市町村のネットワークの中の地方拠点として、2.4.1に掲げる業務を実施するとともに、得られた
情報から地域に密着した公衆衛生に関する新たな課題を発掘し、またその解決のための研究を企画・実
施し、これらを関係行政部局等を通じて公衆衛生に関する活動に還元するよう努めるものとする。
3 行政各部局との関係
地方衛生研究所の運営に当たっては、必要に応じ、関係各部局と協議し、相互に密接な連携を保つものとす
る。
4 業務推進の方策
4.1 2に掲げる業務の実施に必要な技術系職員等の人員の確保を図るとともに、その資質の向上に努め
るものとする。
4.2 2に掲げる業務の実施に必要な科学技術の進歩に即応した施設及び設備を備えるものとする。
- 104 -
北海道立衛生研究所諸規程一覧(委員会規程を除く)
1 庶務関係
(1) 北海道立衛生研究所処務細則
(2) 北海道立衛生研究所事務決裁細則
(3) 北海道立衛生研究所消防計画
(4) 北海道立衛生研究所廃液等処理規程
2 所内感染予防対策関係
(1) 北海道立衛生研究所所内感染予防対策実施要領
(2) 北海道立衛生研究所B型肝炎ウイルス所内感染予防対策実施要領
3 薬品管理関係
北海道立衛生研究所薬品管理要領
4 研修関係
(1) 北海道立衛生研究所試験研究機能強化推進事業実施要領
(2) 北海道立衛生研究所研修内規・研修生服務心得
5 調査研究事業関係
(1) 北海道立衛生研究所調査研究業務実施要綱
(2) 個人に交付される研究資金の取扱要領
6 広報・啓発関係
(1) 北海道立衛生研究所広報・啓発事業実施要領
(2) 北海道立衛生研究所報投稿規定
7 病原体等安全管理関係
(1) 北海道立衛生研究所病原体等安全管理規程
(2) 指定実験区域安全運営要領
8 放射線障害予防関係
北海道立衛生研究所放射線障害予防規程
9 動物実験関係
北海道立衛生研究所動物実験取扱規程
10 倫理審査・遺伝子組換え研究関係
(1) 北海道立衛生研究所遺伝子組換え実験安全管理規程
(2) 北海道立衛生研究所倫理審査規程
11 その他
(1) 北海道立衛生研究所図書資料室利用規程
(2) 北海道立衛生研究所LAN運用に関する要領
(3) 北海道立衛生研究所に於ける健康危機管理対応方針
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北海道立衛生研究所職員名簿
職 名
所 長
副所長
氏 名
職 名
岡 野 素 彦
森 千惠子
(平成27年12月1日現在 63名)
氏 名
食品科学部
部長
平 間 祐 志
食品安全グループ
企画総務部
部長
総務グループ
主幹
主査(総務)
主査(会計)
主査(施設管理)
主任
主任
主任
主任
企画情報グループ
主幹
主査(企画調整)
主査(情報管理)
研究職員
医療検査専門員
生活科学部
部長
主幹
小 島 弘 幸
主査(残留農薬)
青 栁 光 敏
渡 辺 幸 彦
主査(遺伝子・アレルギー)鈴 木 智 宏
主査
青 塚 圭 二
小 飼 敦 子
研究職員
柿 本 洋一郎
更 科 雅 司
研究職員
菅 野 陽 平
赤 井 徹 男 研究職員
岡 部 亮
食品保健グループ
前 田 光 雄
大 森 俊 美
主幹
西 村 一 彦
菊 池 恭 子
主査(動物用医薬品)
橋 本 諭
主査(貝毒)
上 野 健 一
細 田 勇 *
研究職員
藤 井 義 昭
平 岩 信 一 *
研究職員
加 賀 岳 朗
長 野 秀 樹
研究職員
高 橋 哲 夫 *
上 坂 昌 志
研究職員
田 沢 悌二郎 *
市 橋 大 山
中 野 道 晴 *
久保田 晶 子
感染症センター
センター長
大 岩 義 典
感染症部
部長
小 林 智
生活衛生グループ
主幹
主査(生活環境)
主査(水衛生)
主査(放射線)
研究職員
研究職員
研究職員
研究職員
横 山 裕 之
千 葉 真 弘
高 野 敬 志
青 柳 直 樹
神 和 夫
内 野 栄 治
伊 藤 八十男
泉 敏 彦
薬品安全グループ
主幹
主査(医薬品)
主査(有害物質)
研究職員
八 木 欣 平
細菌グループ
佐 藤 正 幸
藤 本 啓
武 内 伸 治
高 橋 正 幸
*
*
*
*
主幹
清 水 俊 一
主査(細菌感染症)
森 本 洋
主査(食品細菌)
池 田 徹 也
研究職員
久 保 亜希子
研究職員
小 川 恵 子
医療検査専門員 (兼) 久保田 晶 子
医療検査専門員
渡 邉 涼 太
ウイルスグループ
主幹
主査(ウイルス感染症)
主査(腸管系ウイルス)
研究職員
研究職員
研究職員
石 田 勢津子
三 好 正 浩
吉 澄 志 磨
駒 込 理 佳
後 藤 明 子
山 口 宏 樹
医動物グループ
主幹
主査(感染病理)
主査(媒介動物)
主査(衛生昆虫)
研究職員
* : 再任用短時間勤務職員
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浦 口 宏 二
山 野 公 明
孝 口 裕 一
伊 東 拓 也
入 江 隆 夫
平
成
26
年
度
北海道立衛生研究所事業年報
平 成 27年 12月
編集発行
北 海 道 立 衛 生 研 究 所
(企画総務部企画情報グループ)
〒060-0819
札幌市北区北19条西12丁目
電話(011)747-2711(代表)
Fax (011)736-9476
http://www.iph.pref.hokkaido.jp