人材育成 地域社会とのつながり

人材育成
地域社会とのつながり
マネ ジメント・レター
離職率
1
%
概ね
女性社員の業務風景
総合研修センター(静岡県三島市)
公共輸送機関である鉄道は、地域社会と非常に密接なつながりを持っています。
きません。そのため当社では、長期雇用を前提に、与えられた役割を確実に遂行する意識
における医療機関や博物館の運営に加え、沿線地域と連携した営業施策の展開や、
当社は、地域の玄関口となる駅の利便性を高める取組みや、本社のある名古屋地区
銘品や逸品を紹介するウェブサイトの立ち上げなど、地域への貢献を目指した取組
と高い技能を身に付けた社員を育成するため、長期的な視野に立った人材育成や能力開
発に力を入れており、様々な制度を通じて、その定着と活躍促進を図っています。
▶ 関連情報(コラム3「『 小1の壁 』の克服」)はP51へ
今後も教育機会の拡充を図るとともに、研修内容のブラッシュアップ
務知識や技術を学ぶ
「職場内教育訓練
(OJT)
」
を中心に、総合研修セ
に不断に取り組んでいきます。また、社員一人ひとりが心身ともに健
ンター 等で実施する
「集合研修」
と、社内・社外通信研修制度等の自
全な状態で業務に取り組めるよう、社内の健康管理センター と連携
分自身で知識・技能を習得する様々な
「自己啓発」
により補完する形
し、
メンタルヘルス面での
「セルフケア」
に関する手法やトレーニング
としています。平成27
(2015)
年度は約260件の集合研修が実施さ
法に関する教育をさらに充実させていきます。
れ、延べ約9,500名の社員が研修に参加したほか、社内通信研修だ
こうした結果、毎年多くの新規採用
[平成28
(2016)
年度初採用で
けでも延べ約6,000名の社員が自発的に受講しました。
約670名]
を行う中でも、離職率は概ね1%程度と、非常に高い定着
平成28
(2016)
年度は、プロフェッショナル職社員の視野拡大や見
状況となっています。
修」
を新設しました。
リーダーシップ等、各職場の中核的役割を担う社
*1.総合研修センターでは、鉄道に従事する関連会社の人材を含めて、グループ一体として安全やサー
ビスに主眼を置いた社員教育を行っています。
*2.東京、静岡、名古屋、大阪の各地区に設置され、産業医、保健師、看護師や臨床心理士が所属する部署。
社員の健康管理や職場巡視、健康教育・相談などを担当。
■ 女性社員の活躍促進
車いすをご利用のお客様をはじめとする
当社は、名古屋市による
「モノづくり文化
お身体の不自由なお客様に対しては、必要
交流拠点構想」
に参画し、平成23
(2011)
年
当社は、地方自治体からの要請に応じて、
に応じて当社の駅においてご案内や列車の
3月、名古屋市港区金城ふ頭に
「リニア・鉄道
新駅の設置、駅舎の改良、駅前広場の整備、
乗降のお手伝いをしています。
館」
を開館しました。
駅等の利便性の向上
地域に根差した医療機関の設置
に、在来線から超電導リニアまでの車両展示
(名古屋セントラル病院)
を通じて
「高速鉄道技術の進歩」
を紹介してお
のお客様を含め、お客様に当社の鉄道を安全
名古屋市中村区に設置している名古屋セ
り、平成28
(2016)
年5月には入館者が358
万人となりました。
貢献しています。
また、お身体の不自由なお客様やご高齢
に、
かつ安心してご利用いただくため、いわゆ
ントラル病院は、急性期病院として様々な
るバリアフリー法をはじめ関係諸法令等に基
先端医療機器を導入して、年間1,500件以
づき、国・関係自治体と三者共同で設備の整
上の手術を実施するなど、高度で先進的な
備や改良等を行っています。これまで、お客
医療サービスを提供しています。また、近隣
営 業 施 策 の 一 環として 、
「 S h u p o[シュ
様のご利用が1日5千人以上の駅については
の 救 急 隊と連 携して年 間 4 ,0 0 0 件 以 上 の
ポ ]」キャンペ ーン、
「 さわや かウォー キン
橋上駅舎化計画等のある駅を除いて基本的
救急車を受け入れるなど、救急医療にも注
グ」、
「 Japan Highlights Travel」等につ
力しています。今 後も当 院 の 特 色・専 門 性
いて、沿線地域との連携を深めながら取り
本方針に従い、お客様のご利用が1日3千人
を活かして、地域社会への貢献を果たして
組んでいます。
以上の駅に対し、順次エレベーターや多機能
いきます。
また、当社は勤務制度の整備や各種給付制度の充実等を通じて、
翌日5時にかかる時間帯の労働)
が必要不可欠ですが、当社発足当時
子育てをはじめとする仕事と家庭の両立を支援する環境を整えてき
の労働基準法では、一部の限定的な職種を除き、女性の深夜労働は
ました。とりわけ育児支援に関しましては、育児休職期間をはじめ、時
トイレなどの整備に取り組んでおり、現時点
で約9割の駅が整備完了または計画が進行
原則として禁止されていました。そのため、平成8(1996)年度末に
間外労働の免除期間や分娩休暇期間等の面において、法を上回る制
度を整えてきたところです。平成28(2016)年4月の女性活躍推進
その後、平成9
(1997)
年の労働基準法改正を受け、当社では本格
法施行にあたっては、
こうした取組みも踏まえ、男女の別なく育児に
参加することを積極的に後押しすべく、育児休業取得率の維持・向上
女性社員数は約2,000名(全社員に占める割合は約10%)
となって
を行動計画として定めております
[平成27
(2015)
年度の育児休業
います。
の取得者は約490名]
。
いすをご利用のお客様に対応した設備を取
り入れています。
地域活性化策への参画
▶
「リニア・鉄道館」
~夢と想い出のミュージアム~
線地域の銘品や逸品など、その土地ならで
はの 商 品を通じて地 域 の 魅 力を紹 介 する
ウェブサイト
「いいもの探訪」
を立ち上げま
した。
国際交流
■ 健全な労使関係
当社は、海外事務所
(ワシントンD.C.・ロンドン・シドニー)
を通じた世界各国のタイムリーな鉄道情報の収集、国際会議参加による各国の
当社には現在4つの労働組合があり、その全ての労働組合との間
員数計19,334人]
。この労働協約に基づき、経営協議会、団体交渉等
で労働協約を締結しています
[平成28
(2016)
年3月31日現在、組合
を行っており、健全かつ安定的な労使関係の構築に努めています。
東海旅客鉄道株式会社 2016
中です。また、当社のほぼすべての列車に車
また、地域活性化に向けた新たな取組み
として、平成27(2015)年12月に、当社沿
参考資料
的に女性社員の採用を開始しました。平成27
(2015)
年度末時点で、
▶ 沿線地域と連携した施策展開
に整備が完了しました。現在、新たな国の基
鉄道事業では、その業務の特性上、いわゆる深夜労働(22時から
おける当社の女性社員の割合はわずか1.3%にとどまりました。
「リニア・鉄道館」
では、東海道新幹線を中心
鉄道高架化事業等を推進し、地域の発展に
会社概要
員として必要な基礎的素養を体得するプログラム等を実施します。
*2
ESG情報
基本的な教育体系は、各職場における日常的な仕事を通じて、業
識の向上、ならびに全体のレベルアップを目的に
「フォアランナー研
みを行っています。
地域コミュニティーへの貢献
■ 人材育成の基本方針
*1
名古屋セントラル病院
重 点 施 策・経 営 戦 略
当社は人材こそが最大の経営資源と考えています。鉄道の運行の安全を最終的に守る
のは、それを動かす人材です。鉄道は経験工学だとも言われ、人材の育成は一朝一夕にで
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リニア・鉄道館
鉄道関係者との先端技術及び経営に関する情報交換、海外向けプレス発表等による広報活動等幅広い国際業務を積極的に行っています。
また、政府の要請に基づく鉄道分野での技術協力、海外の大学や国際機関等からのインターンの受入等の人材育成を行っています。
東海旅客鉄道株式会社 2016
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