《モーターの仕組みを調べよう》 ☆はじめに モーターは動力源として家電製品や乗り物,玩具など数多く使われています。 ここでは,身近な材料を使ってシンプルなモーター作りをとおしてモーターが回る原理を調べて見まし ょう。エナメル線で円形や長方形のコイルを作り,これを永久磁石の間においてコイルを電池から電流 を流すとコイルが回り始めます,この原理はフレミングの左手の法則で説明す ることが出来ます。導線を流れる電流が磁界から受ける力の向きは,次回の向 きと電流の向きのそれぞれに直交します。つまり,左手を開いたとき,中指を 電流の向き,人差し指を磁界の向き,親指を力の向きにしてこの三本の指を互 いに直交させて示すことが出来ます。 「シンプルモーターの作り方」 ☆準備するもの…磁石 1 個,エナメル線 (太さ 0.4mm・長さ約 75cm),ゼムクリップ(長さ約 5cm)2 個, 単三電池、厚紙の電池ボックス型枠(約 5cm×8.5cm),ハサミ,セロテープ ☆方法 ① 直径 2cm 位の円筒の周囲にエナメル線を 10 回ほど巻き取ってコイルを作る。 ② エナメル線の巻き始めと巻き終わりの端はクリップの軸受けに通すのでコイルの中心線に一致する ように水平に伸ばしておく。クリップの軸受けに接触するエナメル線の片方の端は紙ヤスリで半分だ けはがし他方は全部はがす。 ③ 厚紙の型枠で電池ボックスを作る。この後,単三電池を紙製ボックスに入れる。 ④ クリップの針金をペンチで 3.5cm 程伸ばし,乾電池の電極に当てるための接点ボックスに入れた電 池の+極,-極に当てる。 ⑤ 電池の上の中央に磁石を置き,コイルを軸受けに取り付ける。指先でコイルが回転する向きに軽く動 かすとコイルが回転し始める。 ☆モーターの仕組み 図 a のようにコイル ABCD の向きに電流を流すと編 AB は上向き,編 CD は下向きの力を磁場から受け コイルが回り始める。図 b の状態の後,整流子によってコイルに流れる電流は DCBA の向きになり(図 c),辺 AB は下向き,辺 CD は上向きの力を磁場から受けコイルは同じ向きに回り続ける。 図 a 図 b 図 c 風の力で電気を起こしてみよう ☆はじめに 風によって電気を起こす装置に風力発電機があります。これは海辺などの風の強い場所に設置され,現 在クリーンエネルギーとして注目されています。今回は簡単な装置を作りその原理を理解しましょう。 「シンプル風力発電機の作り方」(図 2) ☆準備するもの…モーター1 個,ペットボトル 500ml,発光ダイオード1個,銅線, 扇風機(風を送ることが出来るもの) ☆方法 ① ペットボトルを切り下図のように羽を作る。 ペットボトル ② ペットボトルが回るとモーターも回るようにする(右図)。 輪ゴム ③ 銅線を使ってモーターと発光ダイオードをつなぐ。 ④ 風をプロペラに送りプロペラを回転させ,発光ダイオードが光るのを確認する。 モーター ☆風力発電の仕組み 下図 1 のように大きなプロペラを風の力で回して,その回る力を発電機に伝えることで電気をつくるこ とができます。二酸化炭素を出さないクリーンな発電方式ですが,風が吹かないときは電気をつくるこ とができません。風力発電はプロペラの回転(運動エネルギー)を電気エネルギーに変換するものです。 電池とプロペラをつないで回したことがあると思いますが,風力発電ではこれとは逆にプロペラを回し て電気を作っています。 参考 九州電力ホームページより 風 モーター ダイオード 図 1 図2 光で電気を起こしてみよう 光によって電気が発生する装置にソーラー電池があります。これはシリコンなどの半導体の P-N 接合体 に光りを照射すると電気が起こる光起電力効果を利用したものです。 現在では家の屋根にソーラーパネルを設置したり,電卓や時計などに使われたりしています。いずれも, 太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置として半永久的に使えます。 ☆準備するもの…ソーラーパネル,モーター(今回は自作のモーターを用いる),銅線 ☆方法 ① ソーラーパネルをモーターに銅線を用いて結び付ける。 ② ソーラーパネルに光を当てるとモーターが回転する。 ③ 光の強さによってモーターの回り方が違う。 ☆ソーラー電池の仕組み 太陽光が半導体にあたると,「+」と「-」太陽光が半導体にあたる と,「+」と「-」が発生します。太陽電池は半導体でできています。 半導体の原子は,太陽光があたると「+」と「-」に分れる性質があ るからです。この「+」と「-」の発生が,電気をつくりだすための 第 1 段階となります。 太陽電池の半導体は,2 種類に分けられていま す。「+」と「-」がただ発生しただけでは,まだ電気はつくれませ ん。たとえば乾電池のように,「+」と「-」を両極に分ける必要が あります。そこで,太陽電池の中の半導体は,あらかじめ「+」が集 まる「P 型半導体」と,「-」が集まる「N 型半導体」の 2 種類に分 けられています。 「+」と「-」が,別々の半導体に集まります。 「+」は「P 型半導体」に,「-」は「N 型半導体」に集まります。こ の段階で,「+」と「-」が両極にはっきりと分けられ,電池として機 能する準備が整います。「+」と「-」が,それぞれ別々の半導体に集 まります。 2 つの分れた「+」と「-」の間に電圧が生まれ,半導体 が「電池」になります。乾電池と同じように,「+」と「-」の間には 電圧が発生します。そして,「+」の電極となった「P 型半導 体」,「-」の電極となった「N 型半導体」に電線をつなげば, 電気を取り出すことができます。 参考 SHAP 太陽電池の原理 より
© Copyright 2024 Paperzz