3 - 地球環境戦略研究機関

気候変動シンポジウム
「日本における気候変動影響への取り組み」
日産自動車における
自然災害リスクへの適応事例
2014年3月26日
日産自動車株式会社
グローバル内部監査室
コーポレートリスクマネジメント
菅 原
Copyright © 2014 Nissan Motor Co., Ltd. All rights reserved
正
1.日産自動車の概要
• 1933年 設立
• 1999年 ルノーと資本提携
• リバイバルプラン(2000年~)の下、自動車関連事業に特化
• 世界19カ国で乗用車/小型商用車を生産(国内生産は106万台)
• 世界170ヶ国以上で491万台の乗用車/小型商用車を販売
(内、国内販売は65万台)
•
•
•
•
連結売上高:
連結営業利益:
連結対象会社:
連結従業員数:
9兆6千億円
5235億円
180社 (内、国内は74社)
161千人
(数値は2012年度末実績)
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1-2. グローバル生産拠点(完成車)
世界19カ国で生産、170ヶ国以上で販売
Russia
UK
Spain
China
Iran
India
Japan
U.S.A
Thailand
Taiwan
Egypt
Mexico
Vietnam
Philippines
Malaysia
Kenya
Indonesia
Brazil
South Africa
注1) 非連結会社を含む
注2) ナイジェリア及びミャンマーにおいても現地組み立ての計画を発表
注3) オーストラリアに部品の鋳造工場あり
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2. きっかけは地震リスク対策
導入の背景~社内環境の変化
「リバイバルプラン」(2000年~)から「持続性ある成長」(2002年~)へ
→ 「再生のための緊急体制」から「足腰の強化」への転換が必要
→ 日産の最もクリティカルなリスクは何か?
日本の大規模地震(想定東海地震、南関東地震)
主力工場が神奈川・静岡に集中
ほとんどの建物が旧耐震構造
海外の工場にも重要部品を供給
→ 足掛け4年のチャレンジの結果、「地震対策計画」が経営会議承認
(2003)
ハード面の対策
・建物の補強、設備の固定
・データセンターの新築移転
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ソフト面の対策
・全社対策本部組織の構築
・サプライヤーとの連携
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3. 雹害対策
雹による損害の様子(2003年5月、米国テネシー州)
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3. 雹害対策
Hail Netの例
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3. 雹害対策
Hail Net (米国テネシー州 スマーナ工場)
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4. 台風対策
防砂フェンス(九州工場 2005年)
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4. 台風対策
2006年台風13号で効果を実証 (2006年9月)
防砂フェンスの効果により被害激減エリア
被害エリア
防砂フェンス設置済みエリア
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5.タイにおける洪水対応(2011年)
・バンコク東部サムットプラカーン県に年産22万台規模の工場
・タイ国内向けの他、小型トラックや部品を世界中に輸出
(日本向けにもマーチを輸出)
・直接の浸水被害は免れたが、サプライチェーンが寸断
10月17日から4週間 タイ工場の操業停止
11月14日から順次操業再開
震災対応の経験を生かし、操業停止期間の短縮及び他工場・他市場への
影響回避を実現
クロス・ファンクショナル
開発・生産・購買が連携して情報収集と対策の立案実行(リスク部品の洗い
出しと、リスク要因(部品の特性)毎に対応策を具体化)、現地及びサプライ
ヤーを支援
クロス・リージョナル
各国の生産管理、物流管理の担当者がタイに集結して情報を一元的に共有。
実態を理解した上でグローバル最適の視点で自ら自国と調整
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6.水資源リスクの管理
グローバルでは深刻なリスクになりつつある
具体的な取組みのステップ
 世界各地の工場ごとに水資源に関する実態調査を実施
 独自のスコア化に基づき、3つのカテゴリーに分類
レベルA: 現在、既に水リスクが顕在化しているか、もしくは近い将来に
顕在化すると予測される工場
レベルB: 将来、水リスクが顕在化する可能性がある工場
レベルC: 水リスクは低い工場
 工場ごとの実情に合わせて水使用量の管理強化
• 水使用量の目標値の設定
• 使用量の削減のための活動を推進
(参考) レベルAに分類した工場
 2011年度: インド、中国、メキシコ、オーストラリア
 2012年度追加: スペイン、エジプト、南アフリカ
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ご清聴ありがとうございました。
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参考1. 自動車事業実質有利子負債
Debt
Position
十億円
Cash
Position
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参考2. 全社的リスク管理の体制
取締役会
報告
委員長:COO
(内部統制担当取締役)
議長:COO
内部統制委員会
オペレーションズコミッティ
(コーポレートリスク管理委員会)
報告
事務局
グローバル内部監査室
(コーポレートリスクマネジメント)
大規模災害
財務リスク
環境・気候変動
リスクオーナー
リスクオーナー
リスクオーナー
リスクオーナー
リスクオーナー
リスクオーナー
パイロット
パイロット
パイロット
パイロット
パイロット
パイロット
対応チーム /
ライン部署
対応チーム /
ライン部署
対応チーム /
ライン部署
対応チーム /
ライン部署
対応チーム /
ライン部署
対応チーム /
ライン部署
各地域 / グループ会社
* リスクオーナーは原則としてオペレーションズコミッティ(経営会議)メンバー
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参考3. リスク情報開示の取り組み
有価証券報告書の「事業等のリスク」の全面改訂(2009年)
アニュアルレポート等へのリスクマネジメント活動の情報開示を強化(2010年)
有価証券報告書 「事業等のリスク」
1.世界経済や景気の急激な変動
(1) 経済状況
(2) 資源エネルギー状況
2.自動車市場の急激な変動
3.金融市場に係るリスク
(1) 為替レートの変動
(2) 通貨並びに金利リスクヘッジ
(3) 資金の流動性
(4) 販売金融事業のリスク
(5) 取引先の信用リスク
(6) 退職給付債務
アニュアルレポート及び
サステナビリティレポート
「リスク管理の状況 」
4.事業戦略や競争力維持に係るリスク
(1) 国際的活動及び海外進出
(2) 研究開発活動
(3) 他企業との提携等
(4) 製品・サービスの品質
(5) 環境や安全に関する規制、
1、金融市場に係るリスク
(1) 資金の流動性
(2) 為替・金利・原材料価格
(3) 販売金融リスク
(4) 取引先の信用リスク
(5) 退職給付債務
企業の社会的責任
(6) 重要な訴訟等
(7) 知的財産保護の限界
(8) 優秀な人材の確保
(9) コンプライアンス、レピュテーション
5.事業の継続
(1) 大規模災害
(2) 原材料及び部品の購入
(3) 特定サプライヤーへの依存
(4) 情報システムに係るリスク
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2、事業戦略や競争力維持に係るリスク
(1) 商品戦略
(2) 製品・サービスの品質
(3) 環境問題・気候変動対応
(4) コンプライアンスとレピュテーション
3、事業の継続に係るリスク
(1) 大規模災害の対応策
(2) 新型インフルエンザ対策
(3) 生産継続のための対応
(4) サプライチェーンの継続
(5) リスクファイナンスと損害防止活動
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