DAIO 2013 - 大王製紙株式会社

DAIO
2013
大 王製紙グループ
CSR報告書
C
o r p o r a t e
S
o c i a l
R
e s p o n s i b i l i t y
R e p o r t
TOP MESSAGE
創業の原点に立ち戻るとともに、グループ一体
運営を推進し、持続可能な成長と社会への
貢献を目指してまいります。
創業70周年を迎えて
昨年(2013年)、当社は創業70年という節目の年
一方で、成長著しいアジア市場に対しては、紙おむ
当社は中期事業計画に取り組む上で、コーポレー
を迎えました。これも株主の皆様をはじめ、お取引
つを中心とするホーム&パーソナルケア事業での展開
トガバナンスの強化を経営上の最重要課題と位置付
先様、お客様、地域の皆様のご支援を賜った結果で
を推進してまいります。既にタイ、中国(南通)で現地
け、経営の健全性と透明性を高めることで、全ての
あり、長年のご愛顧に感謝を申し上げます。
生産工場を立ち上げています。この2工場をハブ拠点
ステークホルダーの皆様との信頼関係構築に努めて
この70周年を機に、改めて当社グループの役職員
としてアジアでの事業を拡大していく考えです。
おります。
は、創業者井川伊勢吉の経営理念であり社是である
これらの事業戦略とともに、業務改革による省力化
3年前(2011年)の事件以降、グループガバナンス
「誠意と熱意」を原点に、様々な困難や環境変化に対
や組織のスリム化による効率化、不要資産の売却、棚
及びコンプライアンス体制の改善・強化のため、継
して、その都度知恵を結集して乗り越えてきた当社
卸資産の圧縮等による財務体質の改善に、グループ
続して諸施策を講じてまいりました。子会社株式の
グループ70年の歴史を確認し共有しました。
一体で取り組んでまいります。
整理を通じた連結体制の見直し、社外役員による経
当社グループの良き伝統、良き思想は継承する一
営監視や取締役会の活性化、グループ役職員に対す
方で、
「社会の公器」として、変革すべき点は変革し
るコンプライアンス研修の実施等により、確実に成
ていくことで、未来に向けて更なる企業価値の向上
を図ってまいる所存です。引き続きご理解、ご支援
大王製紙株式会社
代表取締役社長
風土・体質改善の取り組み
を賜りますようお願い申し上げます。
今後の事業展開について
当社を取り巻く事業環境は、
インターネットの普及や
輸入紙の定着などにより、景気が上向いてもそのまま
■ 2014年度 経営目標
売上高・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4,500億円
経常利益・・・・・・・・・・・・・・・・・・・225億円
(対売上高比率 5.0%)
有利子負債額・・・・・・・・・・・・・・4,000億円
D/Eレシオ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.8倍
自己資本比率・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 %
果は出てまいりました。
他方、従来はトップ依存の体質であった企業風土
を、現場を中心としたボトムアップ体質へと転換を
進めています。各現場が部門を跨いだ横断的な収益
改善の切り口を見つけ出し、その実現に向け階層間
が連携する。その状況をグループ全体で共有させる
「フラグシステム」の運用、会社・部門・職場間のア
イデア・成功事例を共有・横展開させる「ベストプラ
紙の需要に直結しない構造になってきており、今後も
クティス運動」を通じて、グループの一体運営を進め
厳しい状況が続くと予想されます。
ています。
このような状況の中、当社グループにおきましては、
また、当社では地球環境に配慮した先端技術の開
2014年度までの3カ年を対象期間とする「中期事業
発・事業化にも注力しており、製紙工程から排出さ
当社グループはガバナンス経営及びコンプライア
計画」の達成に向け、グループ一丸となり取り組みを
れるリグニンの有効活用(リグニンブラック:超軽量
ンス遵守をベースとして、お客様に最も近く位置し、
進めています。
中空微粒子の研究)やパルプを微細化処理すること
絶えず時代の要請を迅速・的確に捉え、地球環境と
洋紙事業の収益構造を転換するため、営業部門は
で得られるナノセルロースの実用化に向けた取り組
調和した事業活動を展開し、株主・取引先・従業員・
み等、新たな事業の創出にも努めてまいります。
地域住民に信頼される総合製紙企業集団として、社
「売り方」の見直しを継続する一方、臨海工場である
三島工場(愛媛県)の競争力に磨きをかけるとともに、
会の生活・文化産業の発展に貢献してまいります。
そのポテンシャルが最大限発揮できるようグループ生
産体制の見直しを進めています。
01
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
02
2012年度実績及び企業の社会的責任を果たすための取り組み
顧客に最も近く位置し、絶えず時代の要請を迅速・的確に捉え、着実で長期に安定した成長を
持続するとともに、地球環境と調和した事業活動を展開し、株主・取引先・従業員・地域住民に
信頼される総合製紙企業集団として、社会の生活・文化産業の発展に貢献します。
基本的使命とし、あらゆる局面において高い倫理観に基づき、創業以来受け継がれている
「誠意と熱意」をもって、以下の8原則に基づいて行動します。
また、経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範の上、
社内に徹底するとともに、グループ会社や取引先に、周知を図る努力を惜しみません。
社会に愛され
信頼される
商品の提供
6
環境保全への
取り組み
7
地域社会への
貢献
反社会的
勢力との
関係排除
ループの取り組み内容が分かりやすく伝わる情報開示ツールとな
るよう努めております。
4
法令遵守の
徹底
2012年4月1日∼2013年3月31日 (一部対象期間外の内容も含まれます。)
【 報告対象範囲 】 大王製紙株式会社及び連結子会社
(P42参照)
DAIO2013
CONTENTS
トップメッセージ・・・・・・・・・・・・・・・ 01
経営理念・行動規範・・・・・・・・・・・・・ 03
事業紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 05
中期事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
コーポレート・ガバナンスの取り組み・・・ 09
【 参考にしたガイドラインなど 】
環境省「環境報告書ガイドライン2012年度版」
ISO26000
環境に関するコンプライアンス体制
DAIO地球環境憲章 ・・・・・・・・・・・・ 11
環境に関するコンプライアンス体制 ・・・ 13
環境データ
5
活力ある
企業風土の確立
ステーク
ホルダーとの
信頼関係の構築
報告するにあたり、ステークホルダーの皆様にとって当社グ
【 報告対象期間 】 大王製紙グループ役職員は、事業活動を通じて社会や文化の豊かな発展に貢献することを
3
と、今後の計画を報告するものです。
紙と環境
グ ル ープ 倫 理 憲 章
2
編集方針
本報告書は、大王製紙グループの環境に関する取り組みの
経営理念
1
環境に関するコンプライアンス体制
経営理念・行動規範
【 報告書発行年月 】
8
国際社会との
共生
2014年3月
(今回)
2014年12月
(次回予定)
CO 2削減対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
【 お問い合わせ先 】
行動規範
意思決定を迅速に行う為、悪いことが関係部門から直接経営トップにパラレルに報告され、
紙と環境
廃棄物の有効利用 ・・・・・・・・・・・・・ 17
大王製紙株式会社 総務部
古紙利用拡大の取り組み ・・・・・・・・・ 19
〒104-8468 東京都中央区八重洲2-7-2 八重洲三井ビル
環境に配慮した森林事業 ・・・・・・・・・ 21
TEL 03-3271-1442
FAX 03-6895-1009
適切かつ速やかな対応がとれる社風を築いています。
環境データ
当社ホームページでも環境への取り組みを開示しています。
環境データ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
紙と人・社会
http://www.daio-paper.co.jp/csr/index.html
環境会計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
紙と人・社会
製品の品質保証 ・・・・・・・・・・・・・・・ 29
環境配慮型商品紹介 ・・・・・・・・・・・・ 31
社員との関わり ・・・・・・・・・・・・・・・ 33
安全活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
衛生・防災活動・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
地域との共生・社会への貢献 ・・・・・・・ 39
大王製紙グループの概要 ・・・・・・・・・ 41
03
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
04
business overview
紙・板紙事業
ホーム&パーソナルケア事業
ホーム&パーソナルケア部門では、加工品事業の国内外にお
2 0 1 2 年 度までに三 島 工 場 の 抄 紙 機・塗 工 機で 品 質 改
ける積極的な増産・拡販、紙製品事業における高付加価値商品
善・コスト削 減 を 目 的 とし た 改 造 工 事 を 完 了しまし た 。
への販売シフトを軸に増収増益を図ります。
か に
2 0 1 4 年 度には、洋 紙 マシンである可 児 工 場 の N 3 マシン
を い わ き 大 王 製 紙 に 移 設し て 、板 紙 マ シン に 改 造し 、
生産能力を向上させ、販売を強化します。
売上高全体に
占める構成比
段ボール原 紙 の 生 産を強 化します。また、三 島 工 場に洋 紙
品 種を集 約することで生 産 性を向 上させます。
2012年度連結売上高
2,780億円
68.2%
セグメント利益
に、中国・インドネシア・韓国およびその周辺国への販売を拡大し
ていきます。
2012年度連結売上高
109億円
1,207億円
51億円
外装用クラフトライナーを日本で初め
新聞用紙の高速化・カラー化や用紙の軽量
ファミリーケア/
ハウスホールドケア用品
ゆる要望に応えるため多種多様な段
度に変化しています。当社は常にお客様の要
エリエールブランドは
「生活者の肌に触れる商品」
が多いため
て商品化した当社は、お客様のあら
ボール原紙を品揃えしています。
■
新 聞用紙
化等、新聞用紙に求められる品質ニーズは高
求に応えられる製品の開発に努めています。
●古紙パルプ100%新聞用紙など
紙の軽量化や、鮮やかな印刷再現性にこだわった
■
印刷・出 版用紙
広大な自社植林地と高度な古紙再
生技術から生産される用紙は、鮮や
かな印刷再現性や良好な印刷作業
性を実現しています。
多様化するニーズに対応する
■
包 装用紙
強度と印刷・製袋適性を兼ね備えた
品質と環境配慮にこだわって毎日の暮らしを豊かにする
■
「肌へのやさしさ」
を追求した総合家庭商品を提供しています。
生活者の皆様から支持
され、愛されるブランド
として
「やさしさ」
という
形の無い品質を作り続
け 、質・量ともに 業 界
No.1を目指します。
「包装用紙」
は、産業用・家庭用包装
ています。
電子、電機、建材、食品など様々なシーンで活躍する
■
機能材
「環境にやさしい商品」
へのニーズの高まりに対応した
■
情 報用紙
特殊な加工を施し、多様な機能をもたせ
各種パルプや抄紙設備を有する当社は、情報用
用途から建材や電子・電気工程紙用途ま
付加価値製品を次々に開発・上市しています。
た「機能材」は、食品包材といった身近な
で幅広く使われています。
●光学用粘着フィルムなど
紙の多様化、高度化したニーズに即対応した高
●古紙パルプ100%コピー用紙、間伐材
パルプ利用商品など
赤ちゃんもママも笑顔になれる
■
ベビーケア用品
おむつに24時間ふれている赤ちゃん
にとっての心地よさを追求。
やわらか
さ、つけ心地、動きやすさを実現した
おむつ。
それがGOO.Nです。
自分らしく生きる、
すべての女性を応援する
■
フェミニンケア用品
「女性のココロと体をいたわるナプキ
ン」
として開発されたelis。
もっと活動
的に、
いつもの自分らしく過ごせる生
用紙としてさまざまな分野に用いられ
介護をする方、
される方のことを考えた
■
05
セグメント利益
業界トップレベルの古紙処理技術を生かした
段ボール原紙
29.6%
海外事業においては、
タイ、中国でのベビーケア用品生産を軸
強度、
また耐水・撥水といった特殊機能をもたせた
■
売上高全体に
占める構成比
国内事業は今後も需要拡大が見込めるシルバーケア用品の
シルバーケア用品
アテントは「安心・満足
できるブランド」
をコンセ
プトに、
モレやスキントラ
ブルを防ぐ信頼の品質
と誰にでも使いやすい
商品を目指し、商品開
発を進めています。
理用品です。
あなたの大切な
“家族”
の一員のための
■
ペットケア用品
家族の一員としてのペットに対する真剣な
想いや、ペットに関する困ったことや悩んで
いることに、私たちは耳を傾け、確かな技術
と豊かな発想で、
「ありそうでなかった」
「欲
しかったけれどなかった」そのような新しい
価値を持った商品を提供してまいります。
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
06
中期事業計画
R estart
2
紙・板紙事業 国内生産体制の再構築
∼確かな変革、更なる成長∼
2012年9月に公表しました
「中期事業計画」
の達成に向け、経営基盤再構築と成長戦略の施策を推進しています。
2014年度の経営目標
これまでの主な取り組み
1
2
3
4
5
6
7
コーポレート・ガバナンスの再構築
グループ一体運営と子会社の合併
紙・板紙事業 国内生産体制の再構築
ホーム&パーソナルケア事業 海外展開の拡大
グループを挙げた収益改善・財務体質改善
北越紀州製紙㈱との総合技術提携
特種東海製紙㈱との業務提携
1
4,500 億円
経常利益
225 億円
経常利益率
5.0 %
有利子負債
4,000 億円
D/Eレシオ
3.8 倍
自己資本率
17 %
【 三島工場 】
洋紙(新聞、
印刷、情報、
包装用紙含む)
の基幹工場
か
子会社の合併
子会社統合による一体運営を進
め、収益改善のスピードアップと事
業基盤の強化を図っています。
Topics
段ボール原紙 新聞用紙
■ 洋紙事業の収益改善
■ 板紙・段ボール事業の強化
クラフトパルプ増産改造
移設・改造(2014年10月稼動)による
段ボール原紙の生産強化
か に
東南アジア産チップの増配
可児工場
N3マシン移設による
洋紙の生産能力減
三島工場への洋紙品種集約
洋紙品種
コスト低減の推進
段ボール原紙の主要品種を
1工場から安定供給
東日本:いわき大王製紙
西日本:三島工場
高付加価値品へシフト
1 段ボール会社
●中部大王製紙パッケージ(株)
●大王製紙パッケージ(株)
●大王製紙デザインパッケージ(株)
●関西大王製紙パッケージ(株)
●中国大王製紙パッケージ(株)
●九州大王製紙パッケージ(株)
大王パッケージ(株)
2 販売会社
●大建紙販売(株)
●中京紙パルプ販売(株)
●大阪紙販売(株)
●中国紙販売(株)
大王紙パルプ販売(株)
3 物流会社
●大王紙運輸(株)
●エリエール運輸(株)
●三和倉庫作業(株)
●大宮運輸(株)
●北関東紙運輸(株)
●名古屋紙運輸(株)
ダイオーロジスティクス(株)
◎日本からの輸出と現地法人による
海外市場での販売
4 家庭紙加工品生産会社
●ダイオーペーパーコンバーティング(株)
●エリエールペーパーテック(株)
エリエールプロダクト(株)
◎各国のニーズに合わせた商品展開
5 紙加工会社
●ダイオーペーパーテック(株)
●(株)ダイオーパッキングシステム
●ダイオーミルサポート(株)
ダイオーミルサポート(株)
◎輸出販売により販売基盤を確立後、
現地法人を設立
6 エンジニアリング会社
●ダイオーエンジニアリング(株)
●ダイオーメンテナンス(株)
ダイオーエンジニアリング(株)
3
ホーム&パーソナルケア事業 海外展開の拡大
市場が成長しているアジア地域での紙おむつ等の加
工品事業の拡大に取り組んでいます。
Topics
特種東海製紙(株)との業務提携及び資本提携
2013年8月、中期事業計画で重点事業として位置付けている
ホーム&パーソナルケア事業と板紙・段ボール事業をさらに強化す
るため、
特種東海製紙(株)と業務提携及び資本提携を行いました。
【 いわき大王製紙 】
包装用紙・機能材
情報用紙 家庭紙
パルプコストの低減
合併した主な子会社
に
【 可児工場 】
国内屈指の生産性
2013年4月、同一業種内の子会
社が合併しました。
合 併 等により連 結 子 会 社 数は
2012年の43社から34社となりまし
た。(2013年9月時点)
07
売 上 高
業務提携内容
● 古紙トイレットペーパーのOEM
● ナノセルロース技術を用いた新商品開発
● 段ボール原紙の調達
など
【 韓国・ロシア 】
輸出販売の拡大
【 中国 】
輸出販売から現地生産へ
2013年11月より現地生産開始
【 タイ 】
現地生産拡大
タイ国内・周辺諸国
への拡販
【 インドネシア 】
2013年3月販社設立
中国工場の営業運転開始
2012年12月、中国に大王(南通)生活用品有限公司
(英語名Elleair International China (Nantong) Co., Ltd.)
を設立しました。
2013年春に日本国内生産品の輸入販売を開始するとともに工場建設に着手し、
11
月に営業運転を開始しました。
2014年より中国工場で生産した紙おむつを華東エリア
を中心に販売します。
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
08
Corporate
Governance
コーポレート・ガバナンスの取り組み
【 コンプライアンス体制組織図 】
コンプライアンス委員会
環境
小委員会
コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する当社の方針
環境に関するコンプライアンス体制
Corporate Governance
品質・
サービス
小委員会
安全衛生
小委員会
労務・人権
小委員会
広報
小委員会
経理・財務
小委員会
海外関係
会社管理
小委員会
経営リスク
小委員会
【 監査体制 】
当社はコーポレート・ガバナンスの強化を経営上の最重要課題と位置付け、経営の健全性と透明性を高
めることを通じて全てのステークホルダーとの信頼関係を構築し、継続的な企業価値の向上に努めており
当社では取締役会の他、社長を議長とし当社の経営幹部で構成する経営会議、その他取締役及び部門
長で構成する会議体を設置・運用することで、体質改善・構造改革について迅速な意思決定に努めていま
す。また、コンプライアンス委員会及び小委員会を設置し、リスク管理体制及びコンプライアンス体制の整
備、経営リスクの抽出・意思決定、具体的な改善施策の立案・実行を進めています。
◆
コーポレート・ガバナンス体制及び内部統制の模式図
しています。
❶ 内部監査
紙と環境
ます。
当社グループの監査体制は、監査部による内部監査と監査役による取締役の職務執行の監査を基本と
内部監査については、監査部が取締役会の承認を受けた年度監査計画に基づき、業務、コンプライアンス、環
境、リスク管理等の観点から当社各部門及び国内外グループ会社を対象に実地監査、書面監査等を実施してい
ます。内部監査の結果は、社長、取締役会、監査役に報告するとともに被監査部門の責任者に報告し、提言事項
に対する改善案の提出を義務づけています。監査実施後、継続的にフォローアップを実施し、被監査部門におけ
る改善が完了するまでモニタリングを行っています。
❷ 監査役監査との連携
監査部では、内部監査の有効性と効率性を高めるとともに監査の質的向上を図るため、会計監査人と連携し
ている監査役との定期的な連絡会を通じて、監査計画・結果の報告や意見交換等、三様監査の相互連携強化に
取り組んでいます。
◆
コンプライアンス委員会では、当社のコンプライアンス体制及びリスク管理体制の整備に係る方針・施策の決定、
(※1)
監督
監査
コンプライアンス
委員会
報告
監査役会
(※2)
連携
部門別会議
小委員会
会計監査人
体制の監視・評価等を行う体制の整備に努めています。
監督
監督
監査
(※1)
、
(※2)社外取締役3名及び社外監査役3名を含む
なお、当社の内部統制システム整備の基本方針の詳細は、東京証券取引所ホームページに開示しております「コー
ポレート・ガバナンスに関する報告書」、または「EDINET(有価証券報告書等の閲覧サイト)」に開示しております「有
環境データ
株主総会
選任・解任
経営会議
各 部 門・関 係 会 社
選任・解任
取締役会
価証券報告書」にて閲覧することができます。
内部通報制度(企業ホットライン)の整備
当社グループでは内部通報窓口として「企業倫理ホットライン」を設置し、違法行為・違法状態を見聞き
した場合の通報義務、通報者のプライバシーへの配慮、不利益な取り扱いからの保護等について運用規則
に定め、グループ全社に周知することで内部通報制度の利用促進を図っています。なお通報の受付窓口とし
て、従来の社内窓口に加え2011年12月1日付で社外窓口を設置し、経営トップや管理部門に関わる違法行
為等についても通報を行い易い環境を整備しています。
【 取締役会の責務 】
【 取締役及び部門長で構成する会議体による迅速な意思決定 】
大王製紙及び関係会社の役員・従業員(契約社員、パート・アルバイト等を含む)
通報
当社では取締役会の他、社長を議長とし当社の経営幹部で構成する経営会議、並びに取締役及び部門
長で構成する会議体を設置・運用することで、体質改善・構造改革について迅速な意思決定を行うととも
に、コンプライアンス体制及びリスク管理体制の整備に努めています。
【 監査役の機能 】
監査役会は社外監査役3名を含む5名で構成し、監査役会で決定した監査計画に基づき、内部監査部門
及び会計監査法人と緊密に連携し、業務監査及び会計監査による内部統制システムの整備状況の調査を
実施し、経営に対するチェック機能の強化・充実に努めています。
09
紙と人・社会
◆「企業倫理ホットライン」概要図 ◆
「経営の透明性の確保」、
「業務執行の迅速化」、
「取締役の業務執行の監督」
調査結果の
フィードバック
社外窓口
(外部協力弁護士)
協議
通報
社内窓口
(当社監査役室)
報告
監査役(社外監査役含む全監査役)
報告及び
協議
報告
協議
コンプライアンス
委員会
社外専門家
※通報された案件につき、監査役が主体となり内容の調査を行うと共に、関係部署に必要な是正対策を求める。
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
10
環境に関するコンプライアンス体制
環境行動計画
DAIO地球環境憲章
私達は、社会が求める製品と信頼を持続可能な形で提供しつつ地球環境と調和した豊かな生活・文化・
社会の創造を目指した活動を展開します。
基本方針
計画内容(2015年度目標)
2012年度実績
CO 2 削減
CO2 排出原単位を
0.96トン/製品トンにする
1.02トン/製品トン
古紙利用の推進
難リサイクル古紙利用量を
83 千トンにする
63.5 千トン
廃棄物の削減
廃棄物最終処分量を
6 千トンにする
9 千トン
紙と環境
環境と調和した事業活動として地球温暖化を防止するため、CO2排出量の削減
項目
を行動目標とし、古紙の有効利用、森林保護、省エネルギー、廃棄物の削減事業を
展開します。
■大王製紙グループ CO2排出原単位推移
トン/製品トン
1
環境調和型企業文化の創造
千トン
50
90
1.10
1.08
1.04
0.96
2009
2010
2011
2012
30
70
1.02
2015目標
年度
65.6
63.5
40
47.1
2009
48.5
2010
24
20
60
50
46
40
83
80
1.00
0.90
■大王製紙グループ 産業廃棄物最終処分量推移
16
9
10
2011
2012
0
2015目標
年度
6
2009
2010
2011
2012
2015目標
年度
環境データ
地球社会の企業市民として、環境
と事業活動の調和を図りつつ地球
環境保全に貢献する。
千トン
100
1.20
1.10
■大王製紙 難リサイクル古紙利用量推移
環境経営推進体制
2
大王製紙及びグループ生産会社20社を、業種別に3つの部会に分け、環境事故・クレームの再発防止策
環境負荷低減技術・製品の導入・開発
地球環境への貢献を具体的に
実現するための技術、及び製品の
導入・開発を行う。
の立案・展開、環境法令改正への対応、環境改善取り組みを行っています。
各部会の取り組みは環境小委員会で相互評価し、部会間で問題点を共有し、取り組みの方向付けや軌
道修正を行っています。
環境小委員会の運営状況をコンプライアンス委員会に報告し、承認を得ています。
3
11
紙と人・社会
コンプライアンス委員会
環境小委員会
資源の有効活用の推進
化学パルプの歩留まり向上や、
古紙の高度利用により木 材資源
の保護を図る。
製紙部会
9社
段ボール部会
4社
印刷加工部会
7社
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
12
環境に関するコンプライアンス体制
環境に関するコンプライアンス体制
地域住民とのリスクコミュニケーション
地元住民への環境説明会
大王製紙三島工場では、年1∼2回、地域住民の方との意
大王製紙グループ生産会社は、全社共通の環境自主点検チェックリストに基づき、法令別に年1回、各社の内
見交換会の機会を設け、当社の環境に関する取り組み(設
部監査員が自己チェックしています。また、本社の環境監査部門が、年1回、現地監査を行い、各社が実施した
備改善の状況や騒音・振動測定データ)
を説明しています。
環境自主点検結果の精度を保証しています。この取り組みにより、法令遵守はもとより、コンプライアンス意識
参加者からは「普段見ることができない工場の設備を見学
を維持し続けています。
できてよかった」
「参加しやすい」等の意見がありました。
また、公害連続測定器(ばい煙、放流水、廃棄物焼却炉維持管理基準値)の測定データを環境監視システムで
また、参加者からの意見を反映し、一般廃棄物処理業許
常時監視し、基準値超過を未然に防止する仕組みを導入しています。
可(2013年5月取得)
を活用し、地域住民の木製粗大ゴミの
環境法令(大気、水質、騒音・振動、悪臭、廃棄物)の改正情報と、社内外の環境トラブルの類似対策を
織り込んだ環境自主点検表を毎年更新しています。この表を用い、年間計画に沿って、大王製紙及びグ
ループ生産会社20社が自主点検を年1回、継続実施しています。自主点検結果で発見した不備は、各社の
コンプライアンス委員会で是正状況を進捗管理しています。
紙と環境
受入処理を開始しました。
環境自主点検表による自主点検
か に
大王製紙可児工場でも近隣地域の自治会長を対象とし
た工場見学会及び住民説明会を実施しています。説明会は
毎年実施しており、参加者からは「環境への取り組みを、
工場幹部から直接聞くことができてよかった」
「環境対策
も年々進んでいることが分かった」等の話がありました。
本社監査部門による環境監査
環境監査部門が、大王製紙及びグループ生産会社20社を、
項は、各社で1カ月以内に是正処置を立案し、実行しています。
関係会社の現地監査の実施
環境監視システムの運用
環境監視サーバー(安全環境室)
製紙(株)、大津板紙(株)、ハリマペーパーテック
(株)、大成製紙(株)、
丸菱ペーパーテック
(株)、大宮製紙(株)、赤平製紙(株))
は、大気や水
監視しています。法令基準値の80%を自主管理値とし、
これを超過した
この他にも大王製紙グループでは地域との意見交換会を積極的に開催しています。
会社名
頻 度
内 容
大津板紙
(株)
1回/年
工場近隣の3つの自治体との意見交換会を実施。
大成製紙
(株)
2回/年
地元町内会役員を招き、工場案内と環境対策等についての
説明会、意見交換会を開催。
ハリマペーパーテック
(株)
1回/年
公害防止連絡会にて近隣住民に当社の公害防止に対する
取り組みを報告。
丸菱ペーパーテック
(株)
2回/年
本社工場周辺住民の方を訪問し、騒音、振動等に関する
聞き込みを実施。
大宮製紙
(株)
1回/年
近隣住民との意見交換会を実施。工場に対する要望を聞き、
環境対策に取り入れている。
エリエールプロダクト
(株)
1回/年
工場周辺住民及び区長と工場に対する意見等について
ヒアリングを実施。
紙と人・社会
質などの環境データを連続測定器で測定し、環境監視システムで常時
社内ネットワーク
を利用し、各製造
現場の操業デー
タをリアルタイム
でモニタリング
工場周辺住民の方の工場見学
環境データ
事業所毎に年1回、現地監査しています。現地監査での指摘事
大王製紙及びグループの製紙会社8社(いわき大王製紙(株)、大日
工場周辺住民の方との意見交換会
場合は、即、管理者にアラームメールが発信され注意喚起すると共に、
操業員は改善アクションを行います。
厳しい自主管理値を設け、環境監視システムで異常傾向を早期に検
知し対応することで、法令基準値超過を未然に防止しています。
製造現場 A
製造現場 B
製造現場 C
環境監視システム構成図
(大王製紙㈱三島工場)
ISO14001の取得推進
大王製紙グループではISO14001認証の取得を推進しており、13社33ケ所の事業所で認証を取得しています。
13
階層別の法令教育
年間計画に基づき、環境保全部門が年1回、取締役、部長を対象に、主に環境法令改正内容と、会社運営
への影響について教育をしています。
課長以下の全社員は、毎月のコンプライアンスweek期間に、課単位で年間スケジュールに基づき、環境法
令も含めて教育を行い、
自部門の法令違反リスクを考え、事前対応する運用を継続実施しています。
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
14
紙と環境
CO2削減対策
当社は、CO 2を吸収・固定する働きのある海外
植林を1989年から行っており、2012年度は2,374
CO2排出量の少ないバイオマス燃料への転換にグループ全体で
2012年度CO 2 削減量(対1990年度比)
609 千トン
取り組んでいます。2012年度は年間609千トンのCO 2を削減し、
バイオマスエネルギーのエネルギー構成比は47%になりました。
1.80
3,893
大王製紙グループ計
3,500
3,350
3,000
3,219
2,500
1990
3,284
3,214
2,921
2,911
2008
2009
2010
1.40
3,472
1.34
年度
0.80
集計範囲:大王製紙とグループ会社の生産拠点20社
(P42参照)
1.12
1990
2008
1.10
2009
1.04
1.08
2010
1.02
2011
2012
10,000
年度
集計範囲:大王製紙とグループ会社の生産拠点20社
(P42参照)
大王製紙グループでは、木屑・紙く ■ 化石・再生可能エネルギー構成比率
ず・廃プラスチック固形燃料(RPF)、
オマスボイラーの導入を進めています。
グループ全社で化石燃料を使用する石炭ボイラー、重油ボイ
ラーから非化石燃料(バイオマス燃料)を使用するバイオマスボ
イラーへの転換を進めてきた結果、大王グループのバイオマスエ
ネルギー比率は37%(1990年度)から47%(2012年度)まで増
大王製紙グループ合計/生産拠点
化石エネルギー
100
37
43
45
45
44
47
60
35,400
20
55
55
56
53
0
1990
2008
2009
2010
2011
2012 年度
集計範囲:大王製紙とグループ会社の生産拠点20社
(P42参照)
2011
2012 年度
72.3
66.0
67.7
65.9
2009
2010
2011
52.7
20
5,000
1.6
1990
2008
2009
2010
2011
0
2012 年度
1990
2008
2012 年度
製品輸送におけるモーダルシフトの取り組み
CO 2 排出量の多いトラック輸送から、CO 2 排出
■ 輸送距離500km以上におけるモーダルシフト化率
量の少ない船舶や鉄道輸送への転換を
『モーダル
100
シフト』
といいます。三島工場から輸送距離500km
しています。
トラックよりCO2排出量の少ないJRコンテナ輸送
にモーダルシフトすることで、大王製紙グループ全
体でCO2排出量削減に取り組んでいます。
は約1/3、鉄道は約1/6です。
バイオマスボイラーの導入を進めています。
貨物輸送方法を見直し、
トラック輸送から鉄道
2013年8月にはグループ会社の大成製紙(株)で新規にバ
や船に切り替える
(モーダルシフト)
ことはCO2削
イオマスボイラーを稼動させ、重油ボイラーを停止しました。
鉄道
(%)
80
船舶
88.7
89.0
90.3
90.4
10.7
12.9
14.0
15.0
15.0
78.2
75.8
75.0
75.3
75.4
2008
2009
2010
2011
2012
88.9
60
40
20
0
■ 輸送機関別CO2排出原単位
またモーダルシフトをすることにより、
トラック
CO2排出量削減になりました。
の長距離ドライバーの労働条件の緩和、高速道
■ 2001年以降の大王製紙グループバイオマスボイラー導入実績
路での重大事故の撲滅、不定期ロットによる過積
か に
載運行の排除にもつながり、企業としての社会的
責任を果たす上でも重要になっています。
( g-CO 2 /トンキロ )
自家用貨物車
946
営業用貨物車
133
減対策として大いに効果があります。
このバイオマスボイラーの新規稼動により、年間32千tの
年度
紙と人・社会
を比較すると、営業用貨物車
(トラック)
に比べ船
王製紙(株)にバイオマスボイラーを設置するなど、積極的に
15
2010
40
8,500
1トンの貨物を1km運ぶ時に排出するCO 2量
大王製紙グループは2001年に業界に先駆けて、いわき大
2008年 10月:大王製紙可児工場にて
バイオマスガス化設備新設
11月:赤平製紙 か に
2009年 4月:大王製紙可児工場2基目
2013年 8月:大成製紙
2008
60
大王製紙グループのバイオマスボイラー
2001年 11月:いわき大王製紙
2004年 1月:大王製紙三島工場
か に
5月:大王製紙可児工場
2008年 10月:いわき大王製紙2基目
2009
61
1990
(%)
80
とで、2012年度モーダルシフト化率90.4%を達成
40
57
2,374
■ CO2排出量に対する海外植林によるCO2吸収・固定率推移
以上におけるモーダルシフトに継続して取り組むこ
63
2,288
再生可能エネルギー
構成比
(%)
80
2,268
環境データ
廃タイヤなど廃棄物を燃料としたバイ
加しました。
35,500
15,000
バイオマス燃料の利用推進
47%
34,900
20,000
0
バイオマスエネルギー比率
35,000
25,000
1.27
1.26
1.42
1.00
2,862
2012
1.37
34,400
2,205
1,000
30,000
1.20
3,027
2011
大王製紙グループ計
1.35
2,000
0
35,000
大王製紙計
1.60
大王製紙計
3,343
1.67
1,967
紙と環境
3,732
発生するCO2の72%を吸収・固定しました。
(ha)
40,000
トン/製品トン
千トン-CO2/年
■ 植林によるCO2吸収・固定量推移
(千トン)
3,000
千トン/年のCO 2を吸収・固定し、グループ全体で
■ 海外植林面積推移
■ CO2 排出原単位推移
■ CO2 排出量推移
4,000
環境に関するコンプライアンス体制
植林によるCO 2 固定化の取り組み
内航船舶
40
鉄道
21
0
100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
※出典:国土交通省 モーダルシフト等推進事業の概要
大成製紙
(株)
バイオマスボイラー
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
16
紙と環境
環境に関するコンプライアンス体制
2 古紙脱インキ粕を再生填料に利用し、排水処理汚泥焼却灰削減
廃棄物の有効利用
古紙パルプ製造設備から出る脱インキ粕は、従来、排水処理工程で処理し排水処理汚泥となっていました
が、当社では脱インキ粕を填料(紙に配合して不透明性を向上させる薬品)
として再利用しています。現在、
大王製紙グループの産業廃棄物発生量の内、三島工場の発生量は全体の66%を占めています。三島工場
は17基(休止中3基含む)のボイラーを有し、工場で使用する電力はほぼ全て自家発電しており、廃棄物の発
再生填料の高品質化に取り組んでおり、主に新聞用紙に配合してその使用範囲を拡大し、発生量を削減し
ています。これにより2012年度は、約17千トンの排水処理汚泥焼却灰の発生量を削減しました。
生割合では、
ボイラーの燃料となった石炭や排水処理汚泥を燃焼させた灰が94%を占めます。
そのため、灰の再生利用を推進し、最終処分量(埋立)の削減に取り組んでいます。
■ 産業廃棄物発生量
■ 産業廃棄物最終処分量
表面処理薬品
(千トン)
80
紙と環境
(千トン)
500
424
■ 高品質再生填料のイメージ図
406
400
334
344
300
314
60
46
再生填料
40
200
29
0
24
20
100
2008
2009
2010
2011
■ 産業廃棄物発生割合
(三島工場)
その他0.6%
16
2008
2009
2010
2011
9
2012 年度
粒子の隙間に
油が吸込まれ
易くなっている。
■ 再生利用内訳
(三島工場)
石炭灰
48.6%
排水処理
汚泥焼却灰
45.6%
再生砕石
47.6%
その他 0.1%
土地造成
13.4%
資源循環の仕組み
セメント原料
39.0%
高品質再生填料
環境データ
無機汚泥
5.2%
0
2012 年度
再生填料
限られた天然資源保護への取り組み
脱インキ粕
古紙パルプ製造設備
従来は排水処理
工程で処理
(製紙スラッジは焼却)
ボイラーの焼却灰やクラフトパルプ製造設備から発生する無機汚泥は、セメント原料や
再生砕石等の土木資材として再生利用しています。
1 廃棄物の再資源化の取り組み
古 紙
用されるほか、2008年度より高炉セメントや生石灰等と撹拌造粒して
製造される再生砕石にリサイクルして、埋立最終処分量の削減を進め
ています。
外部委託で製造された再生砕石は、土壌環境基準を満たした安全な
当社独自の
填料リサイクル
システム
従来の
古紙リサイクル
システム
紙と人・社会
回収
石炭灰や排水処理汚泥焼却灰、無機汚泥は、セメント原料として再利
再生填料
製造設備
再生砕石
土木資材として、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)登
出荷
録や都道府県の環境配慮製品に認定され、路盤材・盛土材・埋戻材等
として再利用されています。
印刷物
紙製造設備
再生填料
2012年度は、前年度から25千トン増の126千トンを再生砕石にリサ
イクルしました。
17
盛土材として土場のぬかるみを改良
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
18
紙と環境
古紙利用拡大の取り組み
従来、廃棄物として処分されていた難リサイクル古紙を、段ボール原紙の原料として使用し、循環型社会へ
と貢献しています。当社では離解設備(パルパー)の改造や除塵設備(スクリーン)の改良・増強をすることで多
様な種類の古紙を利用しています。パルパーでは通常、5∼7%程度の濃度で離解をしますが、当社の高濃度
大王製紙グループでは、古紙を積極的にリサイクルして資源を大切にする「紙づくり」をしています。
雑誌古紙、機密古紙、難リサイクル古紙などの利用を拡大させることで、
さらなる資源の有効活用に取り組
んでいます。
古紙利用率実績
パルパーでは30%近い濃度で離解ができます。高い濃度で離解を行うことで異物が細片化されないため、後
工程で異物を除去しやすくなります。
紙・板紙用途とも、業界平均(日本製紙連合会統計)
を上回る古紙利用率となっています。
■ 古紙利用率推移
(紙用途)
利用率
(%)
利用率
(%)
80
70
70
大王製紙グループ
業界平均
68
67
67
68
63
63
64
62
2008
2010
2011
2012 年度
51
50
50
51
30
41
42
40
2008
2009
2010
40
2011
41
2012 年度
98
96
96
94
40
2009
52
92
90
96
難リサイクル古紙
95
94
93
2008
93
2009
93
2010
93
2011
93
・石膏ボード剥離紙
・両面ラミネート紙(防湿紙)
・口金付き紙管
・金具付きファイル
・窓付き封筒等
2012 年度
集計範囲:大王製紙とグループ会社の生産拠点20社
(P42参照)
回収
機密古紙
お客様のもとへ
・社内文書
・個人情報文書
・機密文書
環境データ
50
63
大王製紙グループ
業界平均
98
60
66
60
利用率
(%)
大王製紙グループ
業界平均
54
・段ボール
・耐水段ボール
・米袋、麦袋
・セメント袋
・食品用袋
・手提げ袋
・封筒、包装紙
■ 古紙利用率推移
(板紙用途)
100
紙と環境
段ボール古紙・
クラフト紙
石膏ボード剥離紙
■ 古紙利用率推移
(紙・板紙用途)
環境に関するコンプライアンス体制
2 板紙用途の古紙利用向上 ∼難リサイクル古紙の利用∼
1 紙用途の古紙利用向上
大王製紙(株)三島工場ではドラムパルパーを導入するこ
口金付き紙管
機密文書
とにより、紙用途に利用可能な古紙の種類を増やしています。
ドラムパルパーは古紙の自重による穏やかな叩解により、
異物が細分化されにくく、そのままの形で系外に排出できま
す。そのため、今まで利用できなかったCD付き雑誌や背糊付
古紙処理工程
き雑誌も原料として使用できるようになりました。
紙と人・社会
ドラムパルパー外観
■ 難リサイクル古紙
破砕機
ビニール表紙の雑誌
19
加 工
背糊付き雑誌
高濃度パルパー
板紙原紙
抄紙機
(ジャンボロール)
CD・DVD付き雑誌
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
20
紙と環境
生物の多様性保全に配慮するとともに、森林資源を有効かつ効率よく利用し、環境と調和した持続可能な
森林経営の推進に取り組んでいます。
木材原料調達理念と基本方針
間伐材の利用促進
間伐をすることで、林内への陽光量が増加して幹や根が太く育ち、地表に雑木が生育して、風水害に強い健
全な森林になります。
間伐材を山に放置すると、大雨で下流域に流れて被害を及ぼしたり、地表の植生の生育を妨げるので、
当社
では、間伐材が放置されないよう購入量を増やす取り組みをしています。
■ 間伐材購入量
(トン)
3,000
2,590
2,500
② 伐採から流通経路までが把握され、以下5項目に該当しない持続的な森林経営が行われている森林より
2,419
2,619
紙と環境
① 購入する木材原料は、植林木から生産された木材原料もしくは再・未利用材のみを調達する。
2,000
合法的に伐採されたことが証明された材のみを調達する。
1,500
購入禁止木材
1,000
❶ 違法
(または許可のない)
伐採された木材
❷ 伝統的な権利または市民権を侵害し伐採された木材
環境に関するコンプライアンス体制
環境に配慮した森林事業
国内材の活用
500
間伐前
0
間伐後
322
2009
2010
2011
2012
年度
❸ 管理活動により高い保護価値が危機に瀕している森林から伐採された木材
❹ 人工林
(プランテーション)
または非森林用途に転換されつつある森林から伐採された木材
「国民が支える森林づくり運動」推進協議会との共同開発に
❺ 遺伝子組み換え樹木が植栽された森林からの木材
より、古紙と間伐材クレジットを使ったコピー用紙「木になる紙」
環境データ
を2009年4月に上市しました。売り上げの一部を間伐材を供給
した森林所有者に還元する仕組みとなっており、林業・山村の
森林認証の取り組み(合法材の利用)
森林認証は第三者機関から植林木の使用や環境に配慮して、合法的に伐採された材のみ使用しているこ
とを認証しており、基本方針に沿った原料調達を実施していることを保証する手段の一つです。
当社にチップを供給しているチリの自社植林会社は森林認証を取得しています。
また、
チップサプライヤーに
活性化と地球温暖化防止に貢献しています。
「国民が支える森林づくり運動」
・
・
・
紙を使う私たち一人ひとりが、ほんの少しお金を負担することで、
これまで採算が合わず間伐できなかった森林などの森林整備を推進
し、林業・山村の活性化と地球温暖化防止に貢献する運動です。
も森林認証の取得を推奨しています。
また、改正法で間伐材チップ、山元から各生産工程において証明書提出が義務付けられました。
当社購入材は林野庁のガイドラインに基づいて、合法性などを第三者が監査する森林認証材
であること、森林認証材以外の材は全サプライヤーに対して伐採地域、流通経路等に関する調
査
(トレーサビリティー)
を実施し、合法的に伐採された材であることを確認しています。
2012年度は、輸入チップ15社、国内チップ202社、合計217社分のトレーサビリティーを確認
しました。
21
素材生産
一般業者
伐採届
提出
各市町村長
の承認
○1ヶ月前までに市町村の
農林関係課に伐採届を提出し、
市長村長の承認
(捺印)
を得ます。
○全伐・間伐に関わらず伐採届の
提出が必要です。
○保安林の場合、県の承認が必要です。
(森林組合経由で提出)
承認
森林組合
素材生産
一般業者
伐採届
提出
原木市場
【添付書類】
重量検収及び
伐採届に基づいた、
山別、本数、材積の
証明書
【添付書類】
森林組合素材
業者の証明書に
基づいた、
チップ工場の
間伐材証明書
大王製紙
森林組合
チップ工 場
②持続可能な森林からの材であること を証明する必要があります。
伐採届承認に基づき
施業開始
伐採届
提出
①バージンパルプの原料に違法伐採材を使っていないこと
紙と人・社会
グリーン購入法
(2009年4月施行)
では、政府調達品を対象に、
間伐材証明書付チップ入荷フロー
製材所
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
22
紙と環境
環境に関するコンプライアンス体制
海外植林地での人権、労働に配慮した取り組み
海外植林の取り組み
大王製紙グループでは、木材チップ原料を安定的に確保するため、海外植林事業を推進しています。海外
植林は、木の生長過程において、光合成によりCO2を吸収・固定する働きがあり、植林を通じて地球温暖化防
止にも貢献しています。
地球温暖化防止を始め、環境と調和した植林によって、安定した原料の調達を目指しています。
フォレスタル・アンチレ社(チリ共和国)
■ 雇用環境の整備
(労働法の講習)
外部講師を招いて、現地従業員に労働法の講習を行いました。
労働契約開始時及び終了時に必要になる条件や労働訴訟の手
続きを学びました。
植林地紹介
【事業地区】チリ共和国第10州、第14州
紙と環境
フォレスタル・アンチレ社
■ 職場環境の配慮
(熱中症対策)
【植林面積】29,500ha
(2012年度末)
【森林認証】FSC認証
(2002年)
、PEFC認証
(2008年)
熱中症対策、
日焼け対策として、紫外線の強さを示す看板を設
優良樹種の選定と最先端の植林技術により、世界トップレベルの
植林木の生長量を誇っています。
置し、
日々データを更新して社員に周知しています。また、屋外で
業務を行う社員に、
日焼け止めクリームを支給しています。
プランテーション・プラットフォーム・オブ・タスマニア社
【事業地区】オーストラリア タスマニア州
【設立年月】1999年6月
熱中症、
日焼け対策テキスト
【事業面積】4,900ha
【植林面積】4,900ha
(2010年度末)
【森林認証】PEFC認証(2004年)
■ 地域との共生
(生活環境の整備)
「産業と自然環境との共生」
を目指すあらゆる業種の企業に植林の場を
提供する
「植林プラットフォーム」
として当社が提唱しました。
環境データ
① 当社所有山林(プルカルウエ・プコノ)近隣
の老朽化した橋(公道)
を安全に通行でき
オーストラリア・ビクトリア州植林
るよう修理しました。
【事業地区】オーストラリア ビクトリア州
【事業面積】600ha
【植林面積】600ha
(2010年度末)
豪州南部のビクトリア州において、
自社で土地を購入し、2007年からユーカリ・グロビュラス植林を実施しています。
社有林の近隣にある老朽化した橋
(公道)
の修復作業
② 当社所有山林(ロス・ギンド)近隣の公道脇
フォレスタル・アンチレ社の所有面積59,000haの42%に相当する25,000haの天然林は、人手を加えない
自然の状態で残し、生物多様性を維持しています。また、国際自然保護連合(IUCN)やチリ政府が定める希
に生えた樹木の伐倒、及び排水溝の整備を
しました。
少動植物の生息、
または生息する可能性がある区画や、先住民の取水地を保護林としています。外部から人
や家畜の侵入、違法な猟や伐採が無いかを監視すると共に、定期的なモニタリングを行っています。
紙と人・社会
モニタリング事例 動植物の生態状況の確認
公道脇の樹木の整備及び排水溝の整備
【 調 査 対 象 】アレルセ、ニッケ 【調査対象】
ウイジン
(カワウソの一種)
、
イ、
コイウエ等の天然常緑種の シスネ・クエジョ・ネグロ
(黒襟白鳥)
、
ガル
保護、及び先住民取水地保護
ザ
(サギの一種)
等の保護
■ 近隣住民への配慮
(生活用水の提供)
当社所有山林(ロス・モロス山林)の近隣住
民の生活用水確保のために、 井戸を掘って提
供しました。
天然常緑種のアレルセ群生林に
設置した定点観測地
23
アレルセ
(希少植物)
群生林
ウイジン(絶滅危惧種)
シスネ・クエジョ・
ネグロ(在来種)
生活用水確保のための井戸の提供
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
24
環境データ
環境データ
環境会計 集計基準
か に
① 集計範囲:大王製紙株式会社 三島工場、可児工場に加え、環境保全コスト・効果にはグループ会社である
フォレスタル・アンチレ社の植林関連を計上しています。
② 集計対象期間:2012年度(2012年4月1日∼2013年3月31日)
主な取り組み内容
内訳
① 公害防止コスト
排水処理設備、脱臭・排煙脱硫設備、ECF等
③ 資源循環コスト
廃棄物処理・再原料化、古紙等資源の有効利用
海外植林、社有林維持管理、省エネルギー
(2)
上・下流コスト
リサイクルコスト、低硫黄燃料購入費用
(差額)
等
(4)
研究開発コスト
環境配慮銘柄等環境保全に資する製品開発等
(3)
管理活動コスト
( 単位:百万円 )
投資額
(1)
事業エリア内コスト
費用額
605
15,759
109
3,981
496
各種ボランティア活動、団体支援、環境報告書等
(6)
環境損傷コスト
汚染負荷量賦課金
(SOx)
合 計
1,371
10,407
564
ISO14001費用、従業員教育、環境影響測定費用等
(5)
社会活動コスト
56
40
17
605
157
16,593
環境負荷項目
①温室効果ガス
(CO2)
削減
②大気汚染物質削減
(1)
事業エリア内
コストに対応
する効果
③水質汚濁物質削減
単位
2011年度 2012年度 前年度との差異
千トン
3,037
2,862
175千トン削減
硫黄酸化物排出量
窒素酸化物排出量
ばいじん排出量
トン
トン
トン
1,564
5,563
342
1,422
5,553
372
142トン削減
10トン削減
30トン増加
千m3
トン
トン
トン
トン
123,332
7,239
1,421
251
26
ha
35,500
35,400
100ha減少
116,556 6,776千m3削減
155トン削減
7,084
113トン増加
1,534
23トン削減
228
6トン削減
20
④海外植林の推進
海外植林面積
⑤産業廃棄物削減
産業廃棄物発生量
千トン
280
252
28千トン削減
古紙使用量
千トン
1,266
1,237
29千トン減少
上・下流コスト
(2)
①古紙利用の推進
に対応する効果
省エネルギーによる費用削減
433
難離解古紙を溶解処理・原料の置換えによる費用削減
合 計
25
( 単位:百万円 )
631
廃棄物の有効利用による処理費用削減
セル(株)で、トルエンの使用量が減少したことと、
60
トルエンの分解効率が上昇したため、PRTR物質排
71
74
47
20
0
1
48
71
80
243
279
296
300
334
374
405
412
438
71
40
出量が減少しました。
政令番号
72
化学物質名
亜鉛の水溶性化合物
EPN
塩化第二鉄
キシレン
ダイオキシン類
1,1,1 -トリクロロエタン
1,2,4 -トリメチルベンゼン
トルエン
4 -ヒドロキシ安息香酸メチル
ふっ化水素及びその水溶性塩
ほう素化合物
マンガン及びその化合物
メチルナフタレン
合 計
単位
2008
2009
2010
2011
2012 年度
取扱量
排出量
移動量
t
t
t
t
t
t
t
t
1
1
5
37
9
2
42
673
3
3
46
2
65
1
1
0
1
0
2
1
34
0
3
1
2
1
0
0
0
0
8
0
0
12
0
0
3
0
1
t
882
47
16
t
t
t
t
g-TEQ
※1 集計範囲は大王製紙と連結対象関係会社の生産拠点20社
(P42 参照)
※2 取扱量が1t以上の化学物質のみ掲載
※3 ダイオキシン類は単位が違うため、集計から除外している
土壌及び地下水への影響調査
か に
大王製紙(株)三島工場、可児工場及びいわき大王製紙(株)は、土壌及び地下水への影響について、以下の調
査を行い、問題がないことを確認しました。
① 地歴調査
② 敷地内及び敷地周辺の地下水(湧き水)
の水質試験
土壌汚染対策法に基づく26項目の分析を、各工場の地下水について実施し、問題がないことを確認しました。
金 額
1,066
化石燃料使用減による費用削減
80
工場を建設する以前は農地であったことを確認するなど、立地している土地の地歴を確認しました。
環境保全対策に伴う経済結果
効果の内容
2012年度はグループ会社のエリエールテク
紙と人・社会
CO2排出量
排水量
COD排出量
SS排出量
窒素排出量
りん排出量
■ PRTR特定化学物質排出量
(トン)100
環境データ
環境保全効果
環境保全効果の分類
大王製紙グループでは、化学物質の使用を適切に
紙と環境
環境保全コスト
分 類
PRTR物質削減の取り組み
管理し、製品の安全性に最大限配慮しています。
③ 環境省より公表されている「環境会計ガイドライン2005年度版」を参考に集計しました。
② 地球環境保全コスト
環境に関するコンプライアンス体制
環境会計
24
2,155
PCB含有機器管理状況
2013年4月時点で大王製紙グループでは361台のPCB含有機器(微量PCB含有機器を含む)
を保有しています。
2013年度は301台の処分を計画しており、2015年度までに全て完了予定です。
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
26
大気関連データ
難リサイクル古紙の利用拡大とバイオマス燃料への転換を進める等、地球環境に配慮した生産活動を展開して
います。また、生産活動に伴い発生するCO2の72%は、当社の植林事業により吸収・固定されています。さらに、廃
棄物はセメント原料や再生砕石、土地造成等にリサイクルしています。
環境に関するコンプライアンス体制
環境データ
バイオマスエネルギーの使用を拡大し、化石エネルギー(重油、石油)の使用量削減を進めたことで、2012年度
のSOx排出量は1,812トン/年と対前年度比8%削減しました。
か に
環境データ集計範囲 大王製紙株式会社 三島工場、可児工場、グループ会社の生産拠点、非生産拠点
(P42参照)
□ グループ生産拠点
か
項 目
2,500
に
単 位 三島工場 可児工場 大王製紙計 生産拠点 2012年度総計
チップ
古 紙
購入パルプ
用 水 ( 水資源投入量 )
1,317
1,204
0
633
32
0
30,495
17,730
2,017
千m3
□ グループ非生産拠点
項 目
2,431
9,502
1,586
95,195
1,950
1,237
0
0
846
179
1,950
2,083
180
用 水 ( 水資源投入量 )
水 質
排出量
COD
SS
窒 素
り ん
PRTR物質
廃棄物の発生量
廃棄物の最終処分量
□ グループ非生産拠点
項 目
大 気
CO2
廃棄物
廃棄物の発生量
廃棄物の最終処分量
CO2の吸収・固定
①セメント原料
②再生砕石原料
廃棄物の
③土地造成等
リサイクル量
④その他
合 計
27
1,969
6,262
6,159
6,173
400
40,674
30,698
5,553
1,000
23,831 119,026
36,152
155,178
0
387
5,000
1,812
336
379
400
300
4,000
200
2,000
500
376
100
1,000
2008
2009
2010
2011
2012 年度
0
2008
2009
2010
2011
2012 年度
0
2008
2009
2010
2011
2012 年度
千GJ
333
千m3
9
水質関連データ
大王製紙グループ全社でCOD、窒素、
りん総量規制を遵守し、生産活動をしています。
単 位
三島工場
か
に
可児工場
大王製紙計
生産拠点
2012年度総計
千トン
千トン
千トン
1,478
433
1,911
343
0
343
1,821
433
2,254
308
654
962
2,129
1,088
3,217
トン
トン
トン
千トン-CO2
936
4,620
254
2,713
487
933
118
149
1,422
5,553
372
2,862
390
620
28
422
1,812
6,173
400
3,284
千m3
トン
トン
トン
トン
95,033
5,270
767
158
13
21,523
1,814
767
70
7
116,556
7,084
1,534
228
20
35,280
951
304
79
5
151,836
8,035
1,838
307
25
トン
1.4
0
1
45
47
千トン
千トン
219
0
33
2
252
2
62
7
314
9
■ SS排出量
■ COD排出量
8,000
8,003
7,475
8,040
8,115
千トン-CO2
トン
トン
6,000
2,000
千トン-CO2
千トン
千トン
千トン
千トン
千トン
110
126
40
29
305
2,090
2,030
300
1,838
4,000
300
325
307
251
200
1,000
2,000
284
1,705
1,500
100
500
0
2008
2009
2010
2011
2012 年度
0
2008
152
32
2010
2011
2012 年度
■ 排水量
40
32
2009
32
30
0
2008
2009
2010
2011
164
161
163
159
2008
2009
2010
2011
2012 年度
■ 用水量
(百万m 3)
200
20
2,374
400
2,464
2,500
(トン)
50
43
24
(トン)
500
3,000
8,035
■ りん排出量
単 位
■ 窒素排出量
(トン)
3,500
(トン)
10,000
紙と人・社会
廃棄物
排出量
1,923
6,234
環境データ
大 気
1,997
6,061
(トン)
500
3,000
7,748
3,466
1,950
□ グループ生産拠点
硫黄酸化物
窒素酸化物
ばいじん
CO2
6,000
1,500
32,926
27,232
3,603
● 2012年度アウトプットデータ
紙
板 紙
計
2,404
2,000
■ ばいじん排出量
(トン)
7,000
単 位
燃 料
化石エネルギー
( 総エネルギー投入量 )
生産量
■ NOx排出量
紙と環境
千トン
原材料
千トン
( 総物質投入量 )
千トン
千GJ
化石エネルギー
燃 料
千GJ
再生可能エネルギー
( 総エネルギー投入量 )
廃棄物由来エネルギー 千GJ
項 目
■ SOx排出量
(トン)
3,000
● 2012年度インプットデータ
(百万m 3)
200
153
157
158
152
150
150
100
100
50
50
155
29
25
20
10
0
2008
2009
2010
2011
2012 年度
0
2008
2009
2010
2011
2012 年度
0
DA IO2013
2012 年度
Corporate Social Responsibility Report
28
紙と人・社会
環境に関するコンプライアンス体制
サプライチェーンマネジメント
製品の品質保証
購買・外注管理規定に基づき、原料購入先における環境負荷物質の管理や環境関連法令の遵守状
況を、現地確認で評価し、環境に配慮した資材、薬品等の購入先を選定しています。
大王製紙(株)
では、原料の購入から製品の納入に至るまで、ISO9001に基づいた品質保証体制を
構築し、以下の品質方針で運用しています。
品質方針(2013年4月1日改訂)
■ 購買・外注管理規定
購買先の選定
購買・外注先評価
購買・外注先認定
受入検査
理 念
【選定条件】
・経営状態
・技術的能力
・品質システムの調査
方 針
1)品質マネジメントシステムを継続的に改善し、顧客ニーズを満たし、信頼を得る製品を提供する。
2)遵法精神に則り、関連法規、品質基準を厳守し、顧客要求事項を満たす。
3)品質方針を達成するために、品質目標を設定し、品質マネジメントシステムを定期的に評価・見直しを行う。
【評価項目】
・品質
・環境負荷物質の取扱いの有無
・価格
・安定供給性
【認定条件】
紙と環境
社員一人ひとりが品質の重要性を深く理解し、地球環境との調和をはかりつつ、社会の変化に対応し、顧客が求める
製品を創造的に提供するため品質マネジメントシステムを継続的に改善、運用し、業界一の品質を達成する。
【取引開始】
品質評価が低い場合は
購買を行わない。
評価は毎年1回行う。
4)この方針を従業員全員に伝達、理解させ、品質に対する意識の向上を図る。
生産した商品をユーザーに品質保証する取り組み
工程管理体制
当社では、古紙パルプ等配合率に関する保証規定、製品表示・包装規定を、ISO9001の品質保証体
制に組み込んで運用しています。製品には、古紙パルプ配合率、間伐材パルプ等を表示して配合率(クレ
質基準内で安定して生産できることや製品品質に与える影響などを審議し、技術開発部長の承認を得た
ジット方式を含む)
を保証するとともに、製品のトレーサビリティー(ロットナンバー追跡確認)が行えるよう
環境データ
新商品開発をはじめ、製品の仕様変更、工程変更、新規薬品の採用を行う場合、工程標準審議会で品
製品ロットナンバーを管理しています。
のちに、実行しています。
■ 新規薬品・工程変更承認フロー
【立案】
内部監査
【審議】
【承認】
【実行】
本生産開始
技術開発部長
工程標準審議会
製造工程変更
新規薬品採用
製 品の仕 様 変 更
新商品開発
チップ・
原木の資源
背景を確認
森林認証材・
管理された
木材の入荷
ISO9001管理規定
古紙業者の選定・
古紙の入荷
購買・外注
管理規定
古紙パルプ
配合率
保証規定
抄紙機への
古紙パルプ
払出し量の管理
古紙パルプ、
間伐材パルプ等
配合率の管理
森林認証紙、
再生紙、
他一般紙の
製造
紙と人・社会
製紙薬品の安全性保証
森林認証
管理規定
外部機関による監査
商品の販売
化学物質の使用を適切に管理し、製品の安全性に最大限配慮しています。
製紙薬品の新規採用にあたっては、製品品質だけでなく人や環境への影響について、薬品承認審議会
で審議した後、採用を決定しています。審議は、薬品メーカーが提出する化学物質に関する含有成分証明
書から、環境負荷物質が不使用または、環境負荷が小さいものであることを確認した上で採用しています。
製品表示
包装規定
古紙パルプ・
間伐材パルプ等
配合率ラベル表示
また、既に採用された薬品についても含有成分証明書を毎年更新し、薬品の安全性を確認しています。
29
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
30
紙と人・社会
環境に関するコンプライアンス体制
環境に配慮したPPC用紙
環境配慮型商品紹介
■ 木になる紙
オフィスから家庭まであらゆる分野で環境配慮型商品を展開するとともに、お客様の生活や健康を支
援する社会貢献活動を行っています。
「国民が支える森林づくり運動」推進協議会との共同開発。
CO2排出権クレジットによるカーボンオフセット付商品です。
また、販売収益の一部が間伐材拠出者へ還元され、間伐推
進等の森林整備の支援にも役立っています。
全庁で一斉導入した佐賀市の取り組みは、
「第13回グリー
環境に配慮したエリエール商品
ン購入大賞」において「環境大臣賞」を受賞しました。
紙と環境
古紙を配合した商品
古紙 100% 商品
古紙パルプを100%配合し
た環境にやさしい商品です。
古紙 配合 商品
雑誌などのリサイクル原料を配合し、環境に配慮しなが
らも毎日使いたくなる柔らかな品質を実現しました。
牛乳パック配合 商品
食材にも安心して使える、牛
乳パックリサイクルパルプを
一部使用しています。
■ リサイクルPPC
古紙パルプ配合率70%以上、PEFC森林認証を受けた原材
料を30%使用した、環境に優しいPPC用紙です。
(グリーン購入法適合商品)
■ CUTペーパー
エルフォーレ
トイレットティシュー
エリエールプロワイプ
ソフトタオル未晒帯止め
エルフォーレ
ペーパータオル
環境データ
エルヴェール
トイレットティシュー
エコノミーとエコロジーをコンセプトとして、
コピー紙の機能は
そのままに、無駄を省いてローコストを追求したザ・カット紙。
古紙パルプを25%以上配合した環境にも優しい用紙です。
無漂白パルプを配合した商品
100%無漂白パルプを使うこと
エリエール超吸収キッチンタオル無漂白
エリエールプロワイプ
ソフトタオル未晒
で、製造時にかかるエネルギー負荷
を削減した商品です。
また、食品関連商品は無漂白の
ナノセルロース バイオマス資源を用いた環境に優しい材料の開発
ものを購入したいという「食に対す
る安全性」を求める消費者の声を
※上記以外に、
「エリエールミートペーパーロールタイプ無漂白」
、
「エリエールドリップペーパー無漂白」
「
、エリエールペーパー
タオル無漂白大判」
を品揃えしています。
ナノセルロースとは
紙と人・社会
受けて開発しました。
植物の基本骨格物質であるセルロースを主体としたナノ材料であり、植物由来のため原料が豊富にあるこ
と、
また環境負荷がとても低い環境配慮型材料としても注目を集めています。
原料使用量を抑えた嵩高で肌にやさしい商品
当社独自のラミネートエンボス
加工によって嵩高い紙とすること
で、パルプ使用量を抑えながらも
吸収量を持たせ、肌には柔らかな
仕様としています。
31
エリエール
Herb Garden
(ハーブガーデン)
エリエール
トイレットティシュー
フラワープリント
エリエール
シャワー
トイレットティシュー
ナノセルロースは繊維幅が20nm∼数100nmの極細繊維状物質で、軽量、高強度、高保水性などさまざま
な特徴を持っています。
保水剤や樹脂・繊維の補強剤、
フィルター部材など化学繊維に代わる素材として幅広い用途での活用が期
待されています。
当社は次世代先端材料として注目を浴びているナノセルロースのサンプル提供を2013年12月より開始す
るとともに、今後の実用化に向けた用途展開を図っています。
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
32
紙と人・社会
社員との関わり
女性の能力や強みを積極的に経営に活かし、人材を多様化させ
組織活性化につなげることを目的に、女性の活躍を推進する取り組
みを行っています。
女性の活躍推進の取り組みの一つとして、地域限定職(一般事
グループ一丸となって、社員が安心していきいきと働ける職場づくりに取り組んでいます。
務職)の女性社員で業務改善タスクチーム「女子力会」を立ち上
げ、不要書類削減をはじめとした固定費削減や業務効率改善業務
1 人材活用・人材育成
に取り組んでいます。
また近年、将来の幹部候補である総合職の採用において女性比
①人材育成
当社では現場でのOJT(On the Job Training)
を人材育成の基本とし、
それを補完する目的で、資格階
また、2012年度より、
グローバル人材の育成を目的に、社内公募制度やグローバルマインド研修等を導入
し、海外展開の中核を担う人材の育成に積極的に取り組んでいます。
率は上昇しており、今後も積極的に女性の活躍を推進していきます。
2 両立支援
2011年に次世代育成支援対策推進法に基づいた認定(くるみんマーク)
を取得し、社員の仕事と育児の
[ 研修体系図(抜粋)]
両立支援を目的とした取り組みを積極的に行っています。
選抜教育
階層別教育
海外人材育成
職場教育(OJT)
自己啓発
専門教育
2013年7月には、社員の仕事と育児の両立支援の一環として、
「GOO.N 子育てサポートプログラム」を導
上級管理職・
管理職
入し、社員育児支援制度をリニューアルしました。
上級管理職ワークショップ
新任部長研修
次世代
リーダー育成
企画指導職
初級管理者研修
実務リーダー研修
入社1年後フォローアップ研修
グローバルマインド・
リーダーシップ研修
TOEIC試験
メンター研修
メンター制度
(マンツーマン教育)
2年目社員育成シート
新入社員育成計画書
赴任前・後研修
(語学)
海外勤務希望者
社内公募
他
通信教育
英語、中国語 等
グローバルマインドセット
マネジメント
リーダーシップ
BATIC英文会計
財務・会計
パソコンスキル
コンプライアンス
他
公的資格取得奨励
簿記
保全技能士
他
法令講習会
会計セミナー
● マザーケアサービス
(ベビーシッター)
の利用補助
営業員セミナー
● GOO.N製品の出産祝いプレゼント
技術教育
● GOO.N製品の購入支援
他
項 目
ており、本人の技能・特性にあわせて一般事務や試験業務、
清掃業務等に従事してもらっています。
2010年11月には当社グループ会社の「大王保安検査シ
ステム
(株)」が、障害者の雇用の促進等に関する法律に基
6月時点で障がい者雇用率は1.91%となっています。
現在も、活躍の場を広げており、2013年4月から法定雇
用率が2.0%に引き上げられましたが、今年度においても法
1.8
1.7
1.6
1.80
GOO.N特製おむつケーキ
1.60
2009
2010
2011
2012
※各年度6月1日時点での障がい者雇用率
2013
GOO.N製品購入支援
おむつを使用中の子どもを
もつ社員
育児支援としてGOO.Nの
購入支援を行う。
育児短時間勤務制度
小学就学前の子どもを
もつ社員
1日の労働時間を最大2時間
短縮することができる。
小学3年までの子どもを
もつ女性社員
マザーケアサービス
(ベビーシッター)の
利用料金の一部について会社補助を行う。
介護休業
身体上または精神上の障害により、
日常生活を営むのに支障があり介護を
必要とする対象家族をもつ社員
要介護状態にある対象家族1人につき
最大6ケ月まで休業が取得可能。
ノー残業デー
全社員
毎週火、木曜日を定時退社とする。
年度
定雇用率を上回る見込みです。
③60歳以降の就労制度
熟練スキルや技術・技能の伝承を目的に、2006年度に一般社員の定年を60歳から63歳に延長しました。
マザーケアサービス
(ベビーシッター)の利用補助
2013年度には、再雇用者の多様な就労希望への対応や個々の適性、能力を活かした就労機会の提供を目
的に、短時間勤務や他の職務への転換が可能な人事制度へと見直し、社員が最長65歳まで個々のライフプ
ランに合った就労が可能な再雇用制度としています。
子どもが誕生した社員
1.72
1.5
0.0
概 要
1.91
1.87
1.9
対象者
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
紙と人・社会
づく特例子会社としてグループ適用の認可を受け、2013年
GOO.N製品の
出産祝いプレゼント
■ 障がい者雇用率推移
(%)
2.0
次世代育成支援認定マーク
愛称
「くるみん」
出産祝いとしてGOO.Nの紙おむつと
おしりふきをプレゼントする。
②障がい者雇用
当社では、障がいのある方も活躍ができる職場を拡大し
「GOO.N 子育てサポートプログラム」
環境データ
一 般 職
入社2年後フォローアップ研修
新入社員研修
33
女子力会打合せの様子
紙と環境
層別、専門分野別等の様々な研修制度や自己啓発を支援する通信教育制度を導入しています。
階層
環境に関するコンプライアンス体制
④女性労働力の活用
34
紙と人・社会
環境に関するコンプライアンス体制
安全最優先の意識を全員で共有
安全活動
■ 安全のたすきリレー
大王製紙グループでは従業員一人ひとりがいきいきと安心して働ける職場をつくるために、
日々職場改善に
取り組んでいます。幸せな生活の源は健全な身体と精神にあります。特に働く人にとっては様々なことから身を
守ることが大切です。言い換えれば、災害を防止し安全を確保することです。災害には労働災害・交通災害・
天災があります。3つの災害のどれに関わっても人の生命を脅かされることになります。そこで当社グループで
は、人命尊重の理念により安全を何よりも優先させ、人の安全に取り組んでいます。
大王製紙(株)三島工場で働く全ての人が一体となっ
て、安全の想いを共有する手段のひとつとして、安全のた
すきリレーをスタートしました。社員は3グループ、安全衛生
協議会は88社を7グループに分け、それぞれ1本、計10本
のたすきを各グループ内でまわしています。グループ全員
の「安全」に対する思いをたすきに込め、全員の思いをとぎ
安全が企業活動の原点であり、一人ひとりが安全衛生意識を高く持ち、安全・健康を脅かす自部署の問題
を解決するために仕事のやり方を変え、働きやすく、無駄のない「安心第一の職場」とする。
紙と環境
安全理念
安全最優先
れさせることなく、完全無災害100日を達成しました。
自分や仲間から災害を発生させ
ない意識を持ち、安全第一で仕事
を行う意識に変化させる。
■ 安全の取り組みの三本柱
安全に対する想いを社員全員が共有して、
安全な意識
2014年度に大王製紙グループ「休業災害ゼ
ロ」を達成し、従業員一人ひとりが安心して働
社員が安全・安心
災害のない職場
ます。
大王製紙グループでは安全の3本柱「意
識」、
「環境」、
「仕事」を切り口にグループ社
員だけでなく、仕事に関わる全ての人の安全
を守るという考えで各職場に根付いた安全
活動となるように取り組んでいます。
たすきの裏にメッセージを記入
安全な環境
安全な仕事
環境整備や不安全設備の
改善を通じ、災害が発生し
ない職場つくりを進める。
TBMやリスクアセスメント
を通じ一人ひとりの安全に
対する感度を上げ、安全な
やり方に変える。
環境データ
ける活気ある職場にする取り組みを進めてい
各製造現場でたすきをまわし続け安全を意識付ける
■ ベテラン社員の意識改革
経験年数30年以上のベテラン社員に再度
安全の教育を実施し、安全の意識を高めまし
た。また運動研修を実施し、自分の体力年齢・
体組成を確認させました。
コンプライアンス委員会
大王製紙グループは、各関係会社を製紙
部会、家庭紙部会、段ボール部会、印刷部
■ 安全衛生大会開催
防災企画部会
のもと、労働安全衛生活動を推進しています。
印刷部会
ちの安全は、自分たちの手で守るという考え
段ボール部会
全体の取り組みをサポートしています。自分た
家庭紙部会
境部がオブザーバーとして参加し、
グループ
製紙部会
組んでいます。各部会には大王製紙安全環
体力測定により自分の体の状態を認識
安全衛生小委員会
会、防災企画部会に分けて、安全活動に取り
パッケージグループ4社13工場全体の安全
衛生大会を開催しました。参加者を各工場の
操業現場に近い製造課長と班長・職長としたこ
とで、
「気を引き締めグループ全体で安全目標
を達成する」という強い想いに繋がりました。
大王パッケージ
(株)
熊本工場
3年間無災害表彰
35
紙と人・社会
■ 安全衛生推進体制
各工場からの決意発表
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
36
紙と人・社会
環境に関するコンプライアンス体制
防災に関する取り組み
衛生・防災活動
事業継続計画(BCP)の策定
大王製紙グループでは、南海トラフを震源とした大規模地震を想定した事業の中断、
または縮小等の被害
一人ひとりがいきいきと仕事に取り組めるよう、パワハラ撲滅とセルフケアを重点に取り組んでいます。
を最小限に抑えるために事業継続計画(BCP)
を策定しています。
災害発生時には「人命(社員及びその家族)の安全確保」を最優先に考え、避難と安否確認を行うと同時
に、
「地域社会への協力
(避難場所の提供)」を行いながら、以下の項目を軸に事業継続を図る考えです。
① 社員自身の健康管理・ストレス管理をする上で、法定・法定外健診の重要性を理解してもらい、
健康意識を高める取り組みと合わせて、定期的に「自己診断チェック」を実施する。
① 生産体制の維持(被災設備の早期復旧)
② 顧客や地域への貢献度が高い重要業務
② 不調者の多い部署に絞り、管理職に集中してメンタルヘルスの重要性を自覚させ、心身の
健康が確保された、活力ある職場を目指す。
紙と環境
(新聞用紙のデリバリー、
トイレットペーパー、サニタリー製品、紙おむつの供給)
の継続
【 対策例 】
1
生産拠点や原燃料調達先の分散化
2
原燃料や製品の物流経路の迂回シミュレーションの実施
【 工場での災害発生時に備えた対策 】
メタボリック運動指導の取り組み
大王製紙(株)三島工場(愛媛県四国中央市)の余剰蒸気を
利用したスポーツクラブで温水プールを開設しています。半年
に一度の健康診断で肥満と判定された社員については、
トレー
1
自衛消防組織の設置
2
公共の通信遮断に備えた、広域無線システムと簡易無線機の配備
3
年2回の防災訓練を実施
4
工場建屋や中央操作室の天井落下防止対策及び津波発生時の防潮堤を設置
環境データ
ナーによる運動指導が受けられるようになっており、社員の健康
維持をサポートできる仕組みを整えています。
大王製紙グループ各社の防災訓練
大王製紙グループでは、各工場で防災訓練を定期的に実施しています。大規模災害発生を想定した緊急
避難訓練では、人命の安全確保を最優先に、周辺地域への二次災害防止のための協力活動が迅速に行える
ように訓練しています。
メンタルヘルスへの取り組み
近年、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、
ストレスを感じている労働者の割合が高くなってい
社員・管理職
大王製紙健康保険組合ではメンタルヘルスへの
取り組みとして、社員や扶養家族を対象に月2回(第
2・第4火曜日)
に精神科医を招いてメンタルヘルス
相談
処方・次回の予約
健康保険組合
カウンセリングを実施しています。本人からの申し出
や管理職からの相談事項なども受け付けています。
また、
ドック検診時にストレスチェックを行い、その結
果を基に保健指導の際にメンタルヘルスの相談窓
口として使用し、
メンタル疾患の予防に積極的に取
り組んでいます。
37
紹介
紙と人・社会
ることが社会問題となっています。
検診で
ストレスチェック
大王パッケージ(株)茨城工場
大王パッケージ(株)九州工場
いわき大王製紙(株)
エリエールパッケージング印刷(株)
大津板紙(株)
末広印刷(株)美里工場
大成製紙(株)
大王パッケージ
(株)
関西工場
処方等指示
精神科医師
(面談)
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
38
紙と人・社会
環境に関するコンプライアンス体制
地域との共生・社会への貢献
乳児紙おむつ支給事業への協力
当社は愛媛県四国中央市が実施している、
「乳児紙
おむつ支給事業」に協力しています。四国中央市では
「紙のまちの子育て応援」、
「おむつのまちの子育て応
援」として、1歳になるまでの子どもがいるご家庭に無償
大王製紙グループの地域清掃活動
で紙おむつを提供しています。
この事業は四国中央市に
住む方への子育て支援として、企業と行政が協力した全
大王製紙グループは企業市民として、地域の
国初の取り組みです。大王製紙はこれからも地域の方々
行事や美化活動、環境活動に積極的に参加して
への貢献ができるように取り組んでまいります。
います。地元地域の方々とのコミュニケーションを
東日本大震災復興支援
域との共生」を目指しグループを挙げてさまざま
な活動に取り組んでいます。
紙と環境
大切にしながら、地域に根差した企業として、
「地
大王パッケージ
(株)
熊本工場
いわき大王製紙
(株)
■ 東日本大震災義援金BOXの販売
大王製紙(株)
では東日本大震災の発生直後から今日
大津板紙
(株)
大王パッケージ(株)関西事業部
エリエールプロダクト
(株)
“がんばらない介護生活”
とは・・・
介護する方にも介護される方にも過度の負担を強い
まで、被災地の復旧・復興に向け現地での支援活動、義
援金の拠出、当社エリエール製品を含む生活用品提供、
義援金プロモーションの実施に取り組んでまいりました。
復興支援の取り組みの一つとして、2012年6月より販
環境データ
がんばらない介護生活を応援
大成製紙
(株)
売したエリエールティシュー180組5個「東北名所BOX」
の売上の一部を義援金として寄付する企画を実施してお
ります。
ることなく、質の高い生活を長く続けていただこうとする
「新しい介護の価値観」です。
第4弾 東北夏祭りB O X2013
お1人おひとりの「その人らしさ」を支えていきたい・・・
アテントは、
この「がんばらない介護生活」を、排泄ケ
アの面から応援しています。
介護における排泄ケア研修プログラムを順次開催
2 0 1 3 年 2 月 1 8 日に 当 社 の H & P C 事 業 部 長 の
井 関( 現 情 報 用 紙 営 業 本 部 長 )より福 島 県 佐 藤 知
事に、第 3 1 回エリエー ルレディスオー プン出 場 プ
大王製紙では、2013年4月より全国のドラッグストア等の販売
ロの サインボ ー ル( 8 0 名 分 )と四 国 地 域 産 業 協 議
員の皆様を対象に排泄ケアを中心とした介護研修プログラム「ア
会 からの 義 援 金 を 寄 贈しました 。佐 藤 知 事 からは
テントカスタマーサポートプラン」を開始しました。
当プログラムでは、介護のプロによる講演を始め、要介護者の
疑似体験キットを使用し、生活の中での手足の不自由や、視野狭
窄、白内障などの体験型研修、排泄ケアの基本的な介助技術や、
要介護者の体の状況に合わせた適切な大人用おむつの使用法
紙と人・社会
アテントカスタマーサポートプラン
女子プロゴルファーサインボール・四国地域産業協議会からの義援金を福島へ届けました
「大会を福島で開催して頂いたことで、県外から多
くの ギャラリー が 訪 れ 、福 島 の 名 産 を 食 べ て もら
い 、風 評 被 害 の 払 拭 の 一 助になりました 。」との 言
葉を頂きました。
等に関する情報を提供し、介護における排泄ケアの理解促進を
図っています。
39
DA IO2013
Corporate Social Responsibility Report
40
大王製紙グループの概要
大王製紙グループ企業の生産拠点、非生産拠点
(2013年12月現在)
社
名
大王製紙株式会社
本
社
● 東京本社 ・
・
・
・
・
・
・
・
・〒104-8468 東京都中央区八重洲2-7-2八重洲三井ビル
TEL 03-3271-1961(代) FAX 03-3271-2738
● 四国本社 ・
・
・
・
・
・
・
・
・〒799-0492 愛媛県四国中央市三島紙屋町2-60
TEL 0896-23-3300(代) FAX 0896-23-5694
http://www.daio-paper.co.jp
設
資
代
本
表
立
昭和18年(1943年)5月5日
金
304億円
者
事 業 内 容
事
業
大王製紙(株)の生産拠点
1
段ボール
(1)紙・板紙の製造加工ならびに販売
(2)パルプの製造ならびに販売 ほか
か に
岐阜県可児市
製 紙
H&PC生産会社
大王パッケージ(株)
10
いわき大王製紙(株)
18
大宮製紙(株)
2
東海大王製紙パッケージ
(株)
11
大日製紙(株)
19
赤平製紙(株)
3
近江大王製紙パッケージ
(株)
12
大津板紙(株)
20
4
阪神大王製紙パッケージ
(株)
13
ハリマペーパーテック
(株)
エリエール
プロダクト
(株)
14
大成製紙(株)
5
6
東京都千代田区
愛知県豊橋市
滋賀県近江八幡市
兵庫県丹波市
末広印刷(株)
15
埼玉県川越市
(株)美幸堂
東京都豊島区
福島県いわき市
静岡県富士市
滋賀県大津市
北海道赤平市
愛媛県四国中央市
19
岡山県津山市
丸菱ペーパーテック
(株)
愛媛県四国中央市
グループ会社の
非生産拠点(本社所在地)
加 工
16
ダイオーミルサポート
(株)
8
エリエール印刷(株)
17
エリエールテクセル(株)
9
エリエール
パッケージング印刷(株)
合計34社(2013年12月現在)
静岡県富士宮市
兵庫県加古川市
コンピュータ印刷(株)
7
新聞用紙、
印刷・出版用紙、情報用紙、包装用紙、機能材、
ホーム&パーソナルケア商品
(フェイシャルティシュー・トイレットティシュー・
ペーパータオル・ナプキン・紙おむつ等)、段ボール原紙、各種パルプ
連結子会社
か に
大王製紙(株)可児工場
1
印 刷
● 工場・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・三島工場
(愛媛県四国中央市)
か に
か に
可児工場(岐阜県可児市)
● 支店 他・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ホーム&パーソナルケア事業部(東京)、
大阪、名古屋、福岡
● 海外事業所・
・
・
・
・
・
・アメリカ、
チリ ほか
主 要 製 品
愛媛県四国中央市
2
グループ会社の生産拠点(本社所在地)
代表取締役社長 佐光 正義
所
大王製紙(株)三島工場
東京都豊島区
愛媛県四国中央市
愛媛県四国中央市
エンジニアリング
か に
岐阜県可児市
21
22
売上高・グループ社員数
(億円)
5,000
(人)
4,658
4,000
10,000
4,231
4,102
4,090
4,074
8,000
6,000
3,000
2,000
8,037
4,658
7,707
4,469
7,465
4,482
2,000
2008
2009
2010
2011
2012
0
年度
5
7,348
5,182
14
4,560
3,238
2,983
3,071
2,788
2008
2009
2010
2011
2012
13 4
3
(%)
250
200
50
0
41
億円
%
183
150
100
10
232
134
105
5.5
3.9
2008
3.3
2009
2010
116
2.6
2.8
2011
2012
年度
(億円)
8
120
6
90
4
60
2
30
0
0
142
百万円
1.4
%
2008
2009
2010
66
2011
1.6
2012
大王紙パルプ販売(株)
26
四国紙販売(株)
27
富士ペーパーサプライ
(株)
東京都中央区
愛媛県四国中央市
東京都新宿区
サービス
4
28
エリエール総業(株)
29
エリエール
ペーパーケミカル(株)
1
年度
大王製紙グループは、H&PC加工品事業を核にアジアを軸とした海外
事業を展開しています。
5
2
47
1.2
25
海外での事業拠点
3
57
2.4
東京紙パルプ
インターナショナル
(株)
年度
112
3.4
24
東京都中央区
東京都港区
27
29
(%)
150
東京紙パルプ交易(株)
7 25
8 15 16 20
■ 経常利益・経常利益率
(億円)
11 18
21 22 26 28
(注)2011年度は連結子会社数変更の影響をうけ減少
■ 営業利益・営業利益率
2
愛媛県四国中央市
23
6 24
2
1
30
3,379
1 23
17 9
12
2,111
4,000
1,000
0
グループ
単体
ダイオーロジスティクス
(株)
流 通
10
■ グループ社員数
愛媛県四国中央市
運 輸
岐阜県加茂郡
■ 売上高
ダイオーエンジニアリング(株)
0
愛媛県四国中央市
海 外
ゴルフクラブ
愛媛県松山市
エリエール
インターナショナル
34
コリア(韓国)
31
フォレスタル・アンチレ社(チリ)
32
エリエールハワイINC
(アメリカ)
33
エリエールインターナショナル
タイランドCo.,LTD(タイ)
資材資源本部資源部
東南アジア出張所(ベトナム)
34
エリエールインターナショナル
コリアCo.,LTD(韓国)
エリエールインターナショナル
トレーディング インドネシア
(インドネシア)
愛媛県四国中央市
30 (株)
エリエールリゾーツ
上海事務所(中国)
大王(南通)生活用品
有限公司
(中国)
エリエール
インターナショナル
タイランド
(タイ) 33
DA IO2013
オレゴンチップターミナル
(アメリカ)
エリエール
ハワイ
(アメリカ)32
31
フォレスタル・
アンチレ
(チリ)
Corporate Social Responsibility Report
42
DA IO2013
色覚の個人差を問わず、できるだけ
多くの方に見やすいような配慮や表
示を心がけました。モニターによる
検証などを経て、NPO法人カラーユ
ニバーサルデザイン機構
(CUDO)
より認証を取得しています。
Corporate Social Responsibility Report
ユニバーサルデザイン
(UD)の
考え方に基づき、より多くの人に
見やすく読みまちがえにくいデ
ザインの文字を採用しています。
T05
このパンフレットは、古紙配合率
70%の当社ユトリロマットグリー
ン70を使用し、環境に優しい水
なし印刷で制作しています。