小さな飛行場の大きな 「夢まつり」

エ ア ロ ン カ
第548号
平成27年(2015年)11月 1 日 (1)
発 行 所
一 般
社団法人
日本飛行連盟
〒105- 東京都港区新橋1 - 18 - 1
0004
航空会館
TEL 0 3−6 2 6 8−8 7 5 5
FAX 0 3−3 5 0 2−0 6 8 0
e-mail/[email protected]
H P / jfa1953.org
小さな飛行場の大きな 「夢まつり」
仙台から北へ33マイル。滑走路480m の小さな飛行場、瀬峰飛行場で、10月10日
栗原市「秋・夢まつり」が開かれた。今年で10回目となり、来場者は5000人を超えた。
マリブ、セスナなど単発機やヘリなど12機が勢ぞろい。このほか、パラグライダー、
7 気筒・星型エンジンのウルトラライトなどのデモもあり、子供だけでなく大人まで
が目を輝かせる。
祭りの実行委員会会長で、NPO 東日本パイロット協会会長の佐々木逸馬さんは、
滑走路をあと300m 伸ばして大きな飛行場にしたい、そして、3.11でヘリの重要拠点
になった瀬峰を、東北の災害救助センター基地に育てたいと語る。元航空大学校教
官の高橋征男さんは、ここで多くのパイロットを育て、栗原の人たちと空への夢を
語るのだと言う。また、実行委員長・同協会副会長で赤十字飛行隊隊員の佐久間憲
夫さんは、来年もっとたくさんの機体にフライインしてもらい、さらに祭りを盛り
上げようとはりきっている。 1 人 1 人の夢が集まり、大きな夢になる。
夢の実現を感じさせる、手づくりの秋祭りでした。(阿)
TABLE OF CONTENTS
小さな飛行場の大きな「夢まつり」………………………………………
「赤十字飛行隊」…………………………………………………… 2 ~
「支隊紹介・福島支隊」…………………………………………… 4 ~
「失速特性」奥貫 博… ……………………………………………………
「大利根・三保の近況」……………………………………………………
「JFAサロン」……………………………………………………………
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平成27年(2015年)11月 1 日
赤十字飛行隊
エ ア ロ ン カ
高橋 淳 赤十字飛行隊隊長より
能力の100% を出して飛んではいけません。
20~30% の余裕がないと、いざという時
に対処できません。
岡山支隊 8.30(日)
平成27年度岡山県総合防災訓練 血液輸送訓練
岡南飛行場~岡山空港間の輸血用
血液緊急輸送訓練を無事に実施し
ました
第548号
JA001A C-560 平野清治 寺岡伸二 佐
藤登岡山県赤十字血液センター企画総務係長
時間 0 +30
JA001A C-560 平野清治 寺岡伸二
佐藤 登 岡山県赤十字血液センター
栃木支隊 8.30(日)
平成27年度栃木県・小山市総合防災訓練
前日29日にはリハーサルも実施のため、出
動準備するも出発地及びエンルートの気象条
件が悪いためリハを中止。翌、30日訓練本番
では訓練会場に地上支援員 4 名を配置しスタ
ンバイしたが、同様の気象条件であったため
フライトを中止した。 2 機フライト中止
茨城支隊 8.29(土)
平成27年度茨城県・桜川市総合防災訓練
出発地にて準備していたが、気象条件が悪
くフライトを中止した。 3 機フライト中止
群馬支隊 8.22-23(土日)
ヘリコプター&防災・防犯フェスティバル
2015/ クロスランドおやべ
陸自、空自、海自、海保庁、県防災ヘリな
ど官民ヘリコプターによる救助訓練及び展示
群馬から富山県小矢部市鷲島へフライト、地
上展示しました。
JA027G 中澤 敦 磯野昌弘
調布支隊、三保支隊、富士川支隊
9.19(土)
陸上自衛隊立川駐屯地 防災航空祭
所属支隊の基地からではなく JA4030は本
田エアポート、JA3921は富士川滑空場から
展示のため早朝からのフライトとなりました。
立川駐屯地は血液輸送などでご支援を頂いて
おり、生地着陸訓練の一環ともなることから
防災航空祭へは毎年参加しています。
JA 4030 PA-46-310P
佐久間哲也
JA3921 C172P 三橋一義 外池一博 高橋清彦 増田登志男
第548号
エ ア ロ ン カ
平成27年(2015年)11月 1 日 (3)
9.26(土) 海上自衛隊下総航空基地開設56周年記念行事 飛行連盟本部式典に出席。
群馬支隊 27.6.20(土)
群馬県渋川市溝呂木地区自主防災訓練/赤十字飛行隊と
の連携訓練 群馬県渋川市溝呂木構造改善センター 4 年前の東日本大震災の教訓をもとに一昨年・昨年に引
き続き開催された訓練。避難誘導訓練や初期消火訓練、寝
たきり者の搬出訓練、応急手当訓練、さらには非常通信訓
JA01CG R44 湯本正一(中央)
群馬県アマチュア無線赤十字奉
練・上空よりの情報収集訓練が行われました。飛行隊は午
仕団 2 名
前 8 時55分群馬県アマチュア無線奉仕団員を乗せて赤城
ヘリポートを離陸。群馬県渋川市上空を飛行しながら市内の情報を収集し、状況を画像ととも
に C 4 FM のデジタル波にて群馬県赤十字アマチュア無線奉仕団を通じて訓練本部へ伝達しま
した。
27.5.30(土)
平成27年度 第 1 回 赤十字飛行隊群馬支隊&岡山支隊連携訓
群馬県前橋市西善ヘリポート~竜ヶ崎飛行場~岡南飛行場
上空調査・無線通信訓練・人員&物資輸送訓練大規模災害に備え、東日本と西日本の各支隊の
連携を図るため実施。
当日は晴天の猛暑日で、午後 1 時30分 ①番機R22が前橋市の西善ヘリポートで人員および
物資を乗せた後、茨城県の竜ヶ崎飛行場まで訓練飛行を行いました。竜ヶ崎飛行場で人員およ
び物資を ②番機ビーチクラフト C90に積み替えた後、東京、静岡、浜松、奈良、大阪、神戸、
小豆島経由で飛行し16時30分に岡南飛行場に着陸し、物資を岡山支隊に引き渡しました。今ま
で群馬支隊では県内あるいは近県での災害支援訓練等にはたくさん参加してきましたが、西日
本までの飛行訓練は今回が 2 度目で、大規模災
害時の赤十字飛行隊各支隊の連携の重要さと、
JA8844 C90
ヘリコプターと固定翼機を組み合わせた災害支
援の有用性をあらためて認識されられました。
JA027G R22 機長 中澤 敦 0 +50
JA8844 C90 機長 塙 光一 2 +00
平成27年度 赤十字飛行隊全国支隊長研修
平成28年 2 月20日(土)東京・日本赤十字社 本社 13:00-16:30
上記のとおり日時が決定致しました。隊員の皆様へは後日、詳細をお知らせ致します。
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平成27年(2015年)11月 1 日
エ ア ロ ン カ
第548号
日本全国の赤十字飛行隊
福島支隊
福島支隊は福島市中心部から北西約10㎞に位置し、標高1,138FT“天空の飛行場”と呼ばれるふ
くしまスカイパークにある。ここは航空機の離発着だけでなく各種のイベントや撮影などにも幅
広く活用され、NPO ふくしま飛行協会が管理している。同協会は福島支隊発足から参画しており、
支隊で中心的な役割を果たしている。
同協会の理事長で支隊員の斎藤氏は「社
会奉仕・地域奉仕の精神に立脚し、災害
時の救助活動」を実施していますと語る。
震災時民間ヘリ受け入れ
3 ・11東日本大震災では民間ヘリの要人輸送、燃料補給、物資の
重要な中継基地となり、隊員はフル回転でサポートした。
こども航空教
郷土の地文学習
上空からのゴミ監視
上空から不法投棄ゴミを監視し、福島市との協定にも
とづき情報を提供。また、毎年、四月の「空開き」に
は周辺のゴミ回収活動も行っている。
上空危険 地監視
赤十字災害 救援活動支援のため、
災害レベル 2 の吾妻山噴火口を
上空から視察。 左は日赤福島県
支部長代理・鈴木正晃県副知事、
右は日赤福島地区長 小林香福島
市長。
中央は機長の室屋義秀隊員。
エ ア ロ ン カ
第548号
平成27年(2015年)11月 1 日 (5)
こども防災教室
福島消防本部の協力で子供向けの火災予防、災害予防の教室を実施。
折り紙教室
日赤と飛行機への関心を深めてもらうため、
折り紙教室ではレッドクロスを印刷した紙
飛行機を製作。
教 室招待飛行
や航空文化啓発のため、子供たちを地域視察飛行に招待。
献血活動支援
赤十字献血センターと協力し、献血
活動を実施。今年は二日間で118名
だった。
福島の三銃士 ふくしま飛行協会理事長斎藤氏。世
界的なアクロバット飛行の第一人者室屋氏。法務担当の
猪口氏の三者は NPO ふくしま飛行協会の立ち上げ、お
よび、飛行隊福島支隊の設立に尽力した、福島の三銃士だ。
次回は富士川支隊です。
今回は福島支隊からのお便りを参考に構成しました。
写真提供・福島支隊 / 取材・構成 阿部正実
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平成27年(2015年)11月 1 日
エ ア ロ ン カ
失 速 特 性
飛行機は、通常の飛行領域では、操縦輪を
引く方向に操縦しますと、主翼の迎え角が増
加して揚力が増加します。これは主翼の表面
を流れる気流の作用によるものですが、迎え
角を大きくして行きますと、やがて、主翼の
表面に沿った気流が剥がれ、揚力を失うと共
に、抵抗が急増します。これが失速と言われ
る現象です。失速は、単に速度によるもので
はなく、主翼の表面に沿って流れる気流の剥
がれによって生じる現象なのです。
従って、失速の領域に入ってしまったら、
引いていた操縦輪を逆方向に戻して主翼の迎
え角を減らし、主翼の表面を流れる気流を良
好な状態に戻す必要があります。
失速への対処にはこの操作が必要ですが、
この状態を適切に判断し、対処できるように
なるには、訓練が必要です。また、技能証明
取得の段階では、進入形態によるパワーオン
での旋回飛行中の初期失速及び、着陸形態パ
ワーオフでの直線飛行中の完全な失速の実施
が求められ、失速の兆候を察知して機を失せ
ず回復操作ができるか、また二次失速を起こ
さず、著しく不安定な姿勢にならないように
操縦できるかの技量が審査されます。
しかし、これが出来るようになり、技能証
明に合格できたとしても、実際の運用におい
ては、更に様々な失速の場面があります。そ
の代表的なものに、以下のものがあります。
・離陸上昇形態の失速、パワーオンの失速
・横滑り旋回状態からの失速
・着陸復航時のトリムの効果による失速
・運動又は旋回の重力加速度(G)による失速
現代の飛行機は、有効な失速警報装置の装
備が義務付けられると共に、型式証明取得段
階での失速特性の厳格な審査により、操縦装
置を普通に使って水平飛行に回復できること
が証明されています。それでも、旋回中の失
速からの回復においては、最大60度まで、加
速旋回中の失速にあっては最大90度までのバ
ンク角が許容されていますし、それに伴う高
度損失もありますから、どのような場面でも、
不意に失速をさせることが無いよう、十分な
第548号
奥 貫 博
高性能機の失速特性の例
注意が必要です。
失速の特性は、使用されている翼断面によ
って、穏やかなものから、急激に揚力を失う
ものまで、様々なものがあります。上の図は、
高性能翼断面の代表例、NACA23012のもの
です。この翼断面は巡航域の揚抗比が極めて
良好なことから、パイパーマリブには翼根
15%、 翼 端 9 %、 ビ ー チ ボ ナ ン ザ は 翼 根
16.5%、翼端12% の翼厚で使用されています。
この翼断面は前縁部上面の曲がりが急で、
それが揚抗比の向上に貢献しているのです
が、一方、失速段階では前縁部上面の気流が
一気に剥がれて急激に揚力を失い、また、抵
抗が急増する傾向があります。従って完全に
失速させてしまうと高度ロスは避けられませ
んので注意が必要です。ちなみにパイパーマ
リブのフライトマニュアルには、失速に伴う
高度損失は700ft に及ぶとの記載があります。
失速に近い状態では、揚力の発生と共に、
大きな抵抗が生じていますので、急な加速や
高度の獲得が困難なことにも注意する必要が
あります。離陸、着陸進入、着陸復航等の低
高度で、不用意に失速領域に近づけてしまう
ことは極めて危険です。
そのようなことがありますので、日頃操縦
している機体については、経験豊富な教官等
の同乗指導のもと、余裕のある高度で、様々
な失速の形態を練習され、その特性の把握と、
失速回避の要領について、十分な経験を積ん
でおくことをお勧めしたいと思います。
エ ア ロ ン カ
第548号
平成27年(2015年)11月 1 日 (7)
日本飛行連盟の飛行場
大利根飛行場 茨城県稲敷郡河内町・利根川河川敷 北関東・東北豪雨の冠水被害から立ち上がる大利根飛行場を日本モーター
グライダークラブのブログより抜粋して掲載します。
9 月10日(木)「50年に一度の大洪水」 栃木茨城に降り続けた記録的な豪雨により、
大利根飛行場は完全に冠水してしまいまし
た。職員総出で午前 3 時より避難作業を行い
ました。私が JMGC を開設して以来、何度か
の大増水に見舞われましたが、今回の規模は
今までの規模を遥かに超えた大増水でした。
おかげさまで、人的被害は皆無ですので、今
後、復旧に取りかかり、以前よりより過ごし
やすい大利根飛行場に復帰致しますので、し
ばらくお時間をくださいますようお願いいた
します。なお、避難作業に多くの方々が協力
していただきました。大変ありがとうござい
ました。
中澤愛一郎
9 月24日(木)今日から重機が投入され、
土砂の除去作業が始まりました。
機体の洗浄です。
10月 1 日(木) 保険の鑑定人の方が、連
日のように飛行場に訪れています。
一晩の悪夢が、一か月続く有様です。
シルバーウィークの総括??より「楽しい」
飛行場を創るとい
う一大プロジェク
トが進行中です。
飛行場作りは、掘
る、集める、捨てる
の繰り返しです。
10月10日(土)1ヶ月が過ぎました。今日、
9 月13日(日)
やっと、今日午後からジープで飛行場へ行か
れるようになりました。午前中はカヌーで往
復していました。とりあえずは、置き去りに
なったクラブハウスの掃除が始まりました
9 月16日(水) 冠水した飛行機を第 2 工
場に運び入れ、洗浄をしなければなりません。
全員、ドロドロになりながらの作業ですが、
全員元気です。 9 月20日(日)シルバーウィーク 2 日目。
復旧作業と言うものは、圧倒され、何から手
を付けて良いか分からず、一日たっても作業
の進展を実感できないという「虚無感」にも
似た気持ちになってしまいます。
やっと滑走路の水洗いができるまでに復旧し
ました。
さて、12日から仮仮オープンにこぎつけたい
と思っています。まだ、飛行場内にはユンボ
やダンプカーが走り回っています。徐々に飛
行機やモーターグライダーを出して行きたい
と考えています。
18日ぐらいから、
仮オープン、10月
下旬に完全オープ
ンして行きたいと
考えています。
とりあえず、11月 1 日か 3 日に「祝!
飛行場再開 BBQ」を開催しますね。
中澤愛一郎 三保飛行場 静岡県静岡市清水区・三保半島
雪を頂いた富士山がきれいです。10月末には
台風で上った砂を除去して、富士川滑空場に
お世話になっている機体が戻ってきます。
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平成27年(2015年)11月 1 日
エ ア ロ ン カ
第548号
航空安全講習会 11/10申込み〆切
日時場所: 11月14日(土)13:00-17:00 東京都調布飛行場ターミナル 2 階会議室
主 催:
協 賛:
後 援:
一般社団法人 日本飛行連盟 公益社団法人 日本航空機操縦士協会
アイベックスアビエイション(株)
公益社団法人日本滑空協会 NPO 法人 AOPA-JAPAN
NPO 法人全日本ヘリコプター協議会
国土交通省航空局
内 容: 「操縦士に求められる能力、実地試験で見ている事項」
国土交通省航空局運航安全課 航空従事者試験官 後藤和志 講師
「自家用操縦士として忘れてはいけない事!/何故駄目だか考えよう!
(航空工学編)」
航空安全講習会認定講師 山本俊平
当航空安全講習会は、航空局通達国空乗2077号に沿った内容を含み、
平成26年 4 月 1 日より本施行された「特定操縦技能審査制度」に対応しております。
受講された方は審査の一部免除が受けられます。
受講費用/ 5,100円(受講費3,100円、教材費2,000円)
※日本飛行連盟、日本航空機操縦士協会、日本滑空協会、AOPA-JAPAN、全日本ヘ リコプター協議会会員の方は、会員証提示で受講費 3,100円を免除させて頂きます。
お申込みは飛行連盟まで
電 話 03-6268-8755 FAX 03-3502-0680
メール [email protected]
忘 年 会 日本飛行連盟・赤十字飛行隊 日時:12月12日(土)13時~ 場所:東京、有楽町(公社)日本外国特派員協会
ご参加の方は 11月27日(金)までにご連絡ください。
◦年間スケジュール◦
月 日
11月 8 日
11月14日
11月未定
12月10日
12月12日
未 定
未 定
2月6日
2 月20日
曜 日
内 容
日
渋川市総合防災訓練
土
航空安全講習会
陸上自衛隊北宇都宮駐屯地航空連絡会
木
航空自衛隊連合幹部会
土
飛行連盟忘年会
群馬支隊・赤十字飛行隊連携訓練
海上自衛隊下総航空基地周辺飛行安全会同
土
防災ボランティア・ 4 奉仕団合同研修会
土
赤十字飛行隊全国支隊長研修
会 場
渋川市内
東京都調布飛行場ターミナル会議室
北宇都宮駐屯地
椿山荘
公社・日本外国特派員協会
NEXUS、
(公社)
日本動物園水族館協会
下総基地
日本赤十字社群馬県支部
日赤本社