No.26 平成27年10月5日 草加かがやき特別支援学校 特集 自立活動専任 「座っている姿勢を改善したい!」 椅子に座っている時の姿勢が悪いという児童生徒のことを見聞きします。 様子を見てみると、①腰を寝かせて座っていたり、②左右どちらかにぐにゃっと傾い ていたり、③足を組んで座っていたり、④椅子の座面に足を乗せていたり、⑤机に肘を 着くなど、気になる座り方が見られます。 5つの座り方の原因を考えて見ましょう。 ① 腰を寝かせて座る。 ・ ・ 股関節の硬さがある。 腰周りが硬くて、腰を起こした姿勢になるのが難しい。 ② 左右どちらかにぐにゃっと傾く。 ・ 胴回りの使い方が十分にできていない。 ・ 左右の重心移動がうまくできない。 (重心がどちらか片方に 流れてしまう。) ③ 足を組んで座る。 ・ ・ 片方のお尻に体重が乗り続けているので、それを緩和させ ようとしている。 膝が開いてしまうので、足を組むことで開きを抑えようと している。 ・ ④ 椅子の座面に足を乗せる。 ・ 股関節回りの硬さがある。 ・ 椅子の高さがあっていない。 (座面が高すぎて、足を床に着 けることができていない。) ⑤ 机に肘を着いて座る。 ・ 上体を支える力が弱い。 ・ 肘を着けて姿勢を安定させないと、目や手首・指がうまく 使えない。 その他、障害特性から考えられる理由 ・ 注意集中を複数に向けることができない。先生の話を聞いたり黒板を見る方に注意 を向けると、姿勢保持にまで注意を向け続けることが困難になってしまう。 姿勢が悪いと、見た目の印象も悪いので、何とか直したいという気持ちが起こります。 しかし、できない理由を十分に考えず、「背もたれのない椅子に座らせれば姿勢がよく なるだろう」としてしまうと、姿勢がより不安定になり、不必要な力を入れ続けてしま うことになってしまいます。「体にゆがみがあるかもしれない」ということを考えなが ら、丁寧にかかわってみましょう。無理をさせると、子どもたちは一所懸命によい姿勢 を取ろうと頑張るあまり、周囲に注意を向けることが困難になってしまいます。 家でもできる簡単エクササイズ -バランスボールを椅子代わりに使ってみよう- 「バランスボールを椅子代わりにしたら、ずっとずっと揺れていて、落ち着かなくな ってしまうのではないか?」という心配があると思います。自立活動の授業では、バラ ンスボールを使った学習をする時は、まず最初に静止した姿勢を育てることから学習し ます。これを「基本のポーズ」と呼んでいます。「基本のポーズ」ができると、座位姿 勢が安定しますし、バウンドなど、他の動きにも広がる基本となります。 バランスボールでの効果の理由は、以下のようなものが考えられます。 * 座っている姿勢を保とうとするだけで、腹筋・背筋・足の踏みしめなどの力を自 然に育てることができます。 * 絶えず小さな揺れを体で受け止めているので、同じ姿勢で座っているときよりも、 腰を動かすことができます。腰の動きが広がります。 * ボールに安定して座ることで、体の中心(背骨、骨盤)を意識することができる ようになります。 * ボールに座ってバウンドすることで、体を鉛直方向(真下方 向)に保持することが学べます。 海外の学校では、子どもにあわせてバランスボールや好きな椅子 を用意しているところもあるようです。(写真はボーネルンド社の ボブルス イモムシです。)こういう椅子を使っても、学業に支障 が出ることはほとんどなく、かえって集中力がアップするようです。 画像提供:株式会社ボーネルンド 自立ノート 個々に適したボールのサイズや空気圧があります。もし学校で椅子代わりにバランス ボールを使ってみたい場合には、担任の先生や自立活動専任までご相談ください。
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