第二回 BG スタッフミート 2010/07/10 ODA 文責:三浦 宏介 本日のコンテンツ ・ODA ってなに? ・どんな種類があるの? ・ODA の問題点 ODA ってなに? ODA1(政府開発援助)とは、OECD2の DAC3が作成する援助受取国・地域のリストに掲載 された開発途上国・地域に対し、主に経済開発や福祉の向上を目的として公的機関によっ て供与される贈与および条件の緩やかな貸付のことである。 ODA の 3 つの定義4 ① 公的機関によって供与されるものであること。 ② 開発途上国の経済開発や福祉の向上に寄与することを主たる目的としていること。 ③ 有償資金協力は供与条件が緩和された条件のもの(グラント・エレメント5が 25%以上 であること) ODA の種類 ① (① 二カ国間 )援助と(② 多国間 ② 技術協力と資金協力 ③ 無償協力と有償協力 1 Official Development Assistance 2 3 経済協力開発機構 開発援助委員会 4 外務省 ODA 白書より 5 発展途上国への援助の中に占める贈与的要素 1 )援助 第二回 BG スタッフミート 2010/07/10 無 償 資 金 協力 贈与 政 府 技術協力 二国間援助 開 政府借款(貸付) 発 援 助 多国間援助 国際機関に対する出資・拠出 6 ① 二国間援助と多国間援助 二カ国間援助:ドナー国が直接途上国に支援する形 特徴 ・供与を決定する上での裁量の余地が大きいため、援助にドナー国の政策意図を反映させ ることができる。 ・直接援助を行うことで友好な態度をアピールし、緊密な関係を築くことができる。 多国間援助:一度国際機関等にドナー国が資金提供し、そこから支援する間接的な形 特徴 ・政治的中立性が確保され、途上国に援助を行う際の条件を課す場合に内政干渉等のトラ ブルを回避しやすい。 ・外交関係の薄い国や地域に対しても効果的に援助ができる。 6 京都研究会 2010 年度 前期 BG より引用 2 第二回 BG スタッフミート 二 国 間 援 助 2010/07/10 多 国 間 援 助 国際機関 7 ② 無償協力と有償協力 無償協力(贈与) 元本・利子の返済を要しない資金。 供与対象分野:収益性の低い医療・保険、衛生、水供給、初等・中等教育、農村・農業開 発 有償協力 (政府借款) 有償の資金協力で、元本・利子の返済を要する。 主要な供与対象分野:経済インフラ ③ 技術協力と資金協力 技術協力 目的:開発途上国で指導的な立場にある人に、医療・保健、飲料水確保などの基礎的生活 分野8に始まりコンピュータ技術、法律や制度の整備などにいたる多様な技術を伝え、普 及・拡大させるため 資金協力 目的:途上国の開発に必要な物資の購入(輸入)に必要な資金を供与するため。おもに経 済・社会インフラの整備、基礎的生活分野に対しても盛んに行われている。 7京都研究会 2010 年度 前期 BG より引用 8 BHN(Basic Human Needs ) 3 第二回 BG スタッフミート 2010/07/10 ひもつき援助とひもなし援助 ・ひもつき援助(タイド) :援助や物資やサービスの調達先をドナー国の企業等に限定して 行うこと。 ・ひもなし援助(アンタイド) :援助に関する物資やサービスの調達先を限定せず、すべて の国に開放すること。 ODA の問題点 ① 量の問題 ODA の額の問題である。援助の額を増加するような目標や公約がされて来たのにもかか わらず現状ではそれらを果たしていない。 Ex MDGs など:GDP 比 0.7%の目標 モントレー合意9:開発資金の確保の必要性 G8 グレンイーグルサミット:アフリカへの援助額を 2 倍するという公約 ② 質の問題 パリ宣言において援助効果向上の必要性が謳われており、ODA においては現地のニーズ との差異、融資条件及びアンタイド援助などがあげられる。 ③ 分配格差 LDC10の多くを抱えるアフリカ地域への援助が不十分であるという現状がある。例えば日 本はつながりが強いアジアに対し重点的に援助を行っており、格差が生まれている。 まとめ ・ODA にはさまざまな種類が存在する(二カ国間・多国間・有償・無償など)。 ・ODA には量・質・格差などの問題点が存在し、援助がうまくいっていない現状がある。 9開発資金国際会議 10 後発発展途上国 Least Development Countries 4 第二回 BG スタッフミート 参考文献 最終 Wed 閲覧日 7/9 西垣 昭 下村恭民 辻一人 『開発援助の経済学』有斐閣 2009 年 草野 厚 『ODA の正しい見方』 ちくま書房 1997 年 南場俊祐『2010 年度京都研究会 前期 BG 開発金融』 外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/ 5 2010/07/10
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