メキシコペソの現状について 情報提供資料 Brexitの新興国債券市場への影響 米国の量的緩和解除への警戒感や原油安、中国景気の先行き不透明感など、これまで にも金融市場ではリスクオフ相場の原因となる材料がありましたが、いずれもこれら の懸念が高まった際には、リスク回避的な動きが広がり、新興国債券安となるといっ た場面が多く見られてきました。 2016年6月に実施された英国のEU離脱(Brexit)を決定した国民投票の結果を受け て為替市場ではリスク回避的な動きから円高が進み、一時は1米ドル=99円台まで円 が上昇しました。一方、新興国債券は英国の国民投票の結果を受けて買われ(利回り は低下し)ており、これまでのリスクオフ相場とは反対の展開となりました。その背 景には、他のEU加盟国でもEU離脱の動きが活発化する可能性があることや米国の大 統領選が近づいてきていることなど、政治的なリスクが世界的に高まる方向にあり、 それに伴って各国中央銀行の金融緩和が長期化するという見方が広がってきているこ とが考えられます。 6.8 6.4 (%) ① (2013/1/2~2016/6/30) 新興国債券利回り ③ ② 6.0 ④ 5.6 5.2 Brexit 4.8 4.4 4.0 ※新興国債券:JPMorgan Emerging Markets Bond Index Global Diversified 2013 2014 2015 【新興国債券利回り上昇の背景】 ①米国の量的緩和縮小懸念 ②原油価格下落、ルーブル急落 ③チャイナショック ④米国利上げ、中国懸念再燃、原油安 2016 出所:Bloombergデータをもとに 大和住銀投信投資顧問が作成 当資料のお取扱いにおけるご注意 ■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであ り、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものでは ありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しており ますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記載さ れている今後の見通し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告なしに 将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数 値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではあ りません。 1 商 号 等 加入協会 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 メキシコペソの現状について 情報提供資料 新興国の格付けと利回り 政治リスクが高まりつつある最近の情勢を踏まえると、先進国で低金利政策が持続す るといった見方はさらに浸透していくことが予想されます。そのため、金融市場では 世界的に利回りの高い債券が選好されやすい状況が続くことが見込まれます。 メキシコ債券は、格付けが新興国の中で高く、利回りも先進国の国債より高いため、 資金が流入しやすい情勢が整ってきていると考えられます。 (利回り 10 (2016年6月末) %) トルコ 9 (参考) ロシア 8 南アフリカ ブラジル インドネシア 7 インド 格付け BB 利回り 12.1% メキシコ 6 5 4 マレーシア 3 ルーマニア 2 1 イタリア 0 14 BB13 BB 12 BB+ BBB11 10 BBB 9 中国 ポーランド 韓国 スペイン BBB+ A8 7 6A A+ 5 AA4 AA 3 AA+ AAA 2 1 (格付け) ※利回りは自国通貨ベース(各国5年物国債) ※格付けはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の自国通貨建て長期債の格付けを使用 出所:Bloombergデータをもとに大和住銀投信投資顧問が作成 2 メキシコペソの現状について 情報提供資料 原油価格と乖離するメキシコペソの推移 2015年以降、原油価格の下落に連れ安する形でメキシコペソは下落を続けてきました。 2016年2月を底として原油価格が上昇に転じたものの、メキシコペソは下落傾向が続いて います。 メキシコに対して過激な発言を続けるドナルド・トランプ氏が共和党指名候補に確定したこ とや、メキシコペソ安が続く中で為替介入が見送られていることなどが、メキシコペソ安の 背景にあります。 (米ドル) 65 60 55 (2015/6/1~2016/6/30) WTI原油先物:左軸 (円) 9.5 9.0 ペソ円:右軸 8.5 50 8.0 45 7.5 40 7.0 35 6.5 30 6.0 25 5.5 20 5.0 2015/6/1 2015/9/1 2015/12/1 2016/3/1 2016/6/1 出所:Bloombergデータをもとに大和住銀投信投資顧問が作成 3 メキシコペソの現状について 出遅れの背景には投機的な売りの存在 情報提供資料 メキシコペソ安の背景には投機的な売り ヘッジファンドの動向を示していると言われる短期メキシコ国債の外国人保有額の推移を見 ると、保有額が大きく増加した際にメキシコペソが上昇してきたことがわかります。直近で は外国人保有額が大幅に減少するなかでメキシコペソ安が進むなど、投機的な売りがメキシ コペソ安につながった可能性が統計から読み取れます。 (億メキシコペソ) 7,000 6,000 (2011/6/1~2016/6/22) (円) 9.0 短期メキシコ国債の外国人保有額:左軸 ペソ円:右軸 8.5 8.0 5,000 7.5 4,000 7.0 3,000 6.5 2,000 6.0 1,000 5.5 資金流入時にメキシコペソ高へ 0 2011 2012 2013 2014 2015 5.0 2016 出所:Bloomberg、メキシコ中央銀行のデータをもとに大和住銀投信投資顧問が作成 4 メキシコペソの現状について 通貨防衛姿勢を見せるメキシコ通貨当局 情報提供資料 通貨防衛姿勢を見せるメキシコ通貨当局 メキシコ通貨当局は、2015年に強まったメキシコペソ売りに対抗するべく為替介入 を行ってきました。2016年5月にIMFから為替介入に充当できる資金の利用枠拡 大(それまでの利用枠である約700億米ドルから約880億米ドルへ拡大)の承認を受 けたことで減少の続いていた為替介入用資金は増加し、投機的な売りをけん制した動 きをみせています。 (100億米ドル) (2012/1/6~2016/6/24) 28 27 為替介入で減少 為替介入に充当できる資金 IMFによる 資金利用枠承認で拡大 26 25 24 23 22 21 20 2012 2013 2014 2015 2016 ※為替介入に充当できる資金は外貨準備とIMFによるフレキシブル・クレジット・ラインを合算したもの。 ※フレキシブル・クレジット・ラインは健全な政策運営を行う加盟国のために創設された融資制度。 出所:Bloomberg、IMFのデータをもとに大和住銀投信投資顧問が作成 5
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