システムエンジニア(プロジェクトマネージャー) B103-01 ど んな職業か 顧客の求めに応じて、利用可能なハードウェアとソフトウェアから、様々な情報システムの設計と開発を行うのがシ ステムエンジニアである。システムエンジニアには色々な仕事があるが、システムエンジニア(プロジェクトマネージ ャー)は、情報システムの開発・運用のプロジェクトにおいて、チームの責任者として、プロジェクトの計画、推進、 管理、監督を行う。 プロジェクトの規模は数人から数十人、ときには複数のプロジェクトを束ねて数百人規模のものもある。 仕事の内容は、システム化計画にもとづいてプロジェクトの実行計画を策定し、その計画の遂行に必要な人員や資源 を調達し、プロジェクト体制を確立する。そして、プロジェクトが動き出すと予算、納期、要員、品質の管理を行い、 プロジェクトを円滑に運営する。特に進捗管理は重要であり、問題や将来見込まれる課題を早期に発見し、適切な対策 を実施し、プロジェクトの目的を達成するために最善の対応を行う。プロジェクトの終了時には、計画と実績を分析・ 評価し、その結果をこれからのプロジェクト運営に反映させるとともにプロジェクト管理のための指標とする。 システムエンジニア(プロジェクトマネージャー)の仕事は、コンピュータや情報通信をソフトウェアにより制御す ることで、社会や会社の仕組みを作り上げていくことに最大の魅力がある。しかし、その反面、情報システムの重要度 が社会や会社の中で高まるほど、プロジェクトマネージャーには大きな責任がかかる。特に決められた期日までに情報 システムを完成できるか、求められる機能を充分に満たしているか、情報システムの安全性や信頼性は充分か、高い品 質を確保しているか、24時間に亘り情報システムの安定的な稼働が出来ているか、予算内に費用・経費を収められる か等、これらは全てプロジェクトマネージャーの手腕にかかってくる。 就 くには プロジェクトマネージャーは、多くの場合、システムエンジニア として情報システムの構築や運用を10年ほど経験した者が就く。 一般的な学歴は、7割以上が大学・大学院卒業以上、2割が短大・ 高専・専門学校卒業である。専攻は、6割が理工系、4割が人文社 会系である。特に最近ではソフトウェア工学やシステム工学など専 門的な学科で学んだ人材が求められる。 必要とされる能力(スキル)は、コンピュータ・ソフトウェア・ 情報通信ネットワークなど技術に関する知識・技能(テクニカルス キル)、情報システムの構築・運用に係わる方法論に関する知識・ 実践手法(メソドロジスキル)、情報システム構築・運用を管理す るための知識・実践手法(マネジメントスキル)、情報システムを 活用する分野の産業や会社の仕事・業務に関する知識(業務知識) 、プロジェクトチームで仕事を進めていくために必要となる聞く・ 話す・書く・理解する能力や、人と人との関係をうまく構築してい く能力(コミュニケーションスキル)であり、これら能力や適性を 備えた人材がプロジェクトマネージャーに選任される。 労 働条件の特徴 プロジェクトマネージャーは、情報サービス企業のなかで管理職かそれに準じる職位のエンジニアである。多くの場 合、何時間働いたかという時間管理ではなく、仕事の目標に対する成果によって給料や昇進・昇格が決まる。報酬もI Tエンジニアの中で上位の給与水準となるが、仕事の成果によって個人間の格差も大きくなる。 また、プロジェクトマネージャーには仕事の時間やペース配分は自分自身で決め、自分自身の創意工夫でプロジェク トの仕事を進めるなど、大きな権限が与えられる。それだけにやり甲斐を感じるとともに大きな責任を負う。 プロジェクトマネージャーの働き方は、プロジェクトの忙しさの状況(繁閑)によって異なる。特に開発しているシ ステムを顧客に納める直前には忙しさもピークとなり、プロジェクトにトラブルが発生した場合には多くの仕事が発生 する。一般的にプロジェクトマネージャーは大変忙しい職種である。しかし、仕事を達成させていく経験が全て自分自 身の実績となり、会社や顧客、業界や社会から高い評価を受けることになる。 海外企業のシステムを受注したり、外国人エンジニアがプロジェクトのメンバーとなったり、プログラム開発を一部 海外企業に発注する等、開発業務のグローバル化が進んでおり、多様なIT技術者をまとめ、プロジェクトを推進する 人材が求められるようになっている。 参 考情報 関連団体 関連資格 社団法人 情報サービス産業協会 http://www.jisa.or.jp 情報処理技術者
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