「東南アジア各国の2014年第1四半期 消費者景況感調査」(PDF:569KB)

ニールセン・カンパニー合同会社
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東南アジアの消費者景況感は引き続き良好、
将来のための貯蓄と家計の支出引き締めを重視
~ニールセン 東南アジア各国の 2014 年第 1 四半期 消費者景況感調査の結果を発表~
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インドネシア、フィリピン、タイの消費者景況感指数は世界のトップ 10 圏内を維持。
日本も 2005 年の調査開始以降、最も高い数値(81)を記録(図 1)

東南アジアの消費者は余ったお金の貯蓄に熱心(図 3)
ニールセンシンガポール報道発表資料をもとに作成:2014 年 5 月 9 日
マーケティングリサーチと分析において世界最大の企業であるニールセンは、2014 年第 1 四半期(2014 年
1-3 月期)の「消費者景況感および購買意向に関するグローバル調査」の結果を発表しました。これによると、
東南アジアの消費者景況感指数は依然高く、インドネシア、フィリピン、タイの消費者は世界で最も楽観的で
あり、シンガポール、ベトナムの景況感指数も世界平均を大きく上回る水準を維持していることが明らかにな
りました。
今回の 2014 年第 1 四半期調査でも、インドネシアの消費者景況感指数は 124 ポイントで前四半期から変
わらず、世界最高を記録しました。また、フィリピンは対前四半期で 2 ポイント増加し、116 ポイントで世界第
3 位となりました。タイの消費者景況感指数も「楽観的」水準に留まり、前回調査から 1 ポイント減の 108 ポイ
ントでした。シンガポールとベトナムはともに 99 ポイントで、それぞれ前四半期に比べて 2 ポイント、1 ポイン
トの増加となりました。一方、マレーシアは同 6 ポイント減と地域内で最大の減少幅を記録し、世界平均(96
ポイント)を下回る 92 ポイントでした。(図 1 参照)
ニールセン 消費者景況感および購買意向に関するグローバル調査は 2005 年に開始され、60 の国と地域で
合計 30,000 人以上のインターネット利用者を対象に消費者マインド(楽観的・悲観的)、懸念点、消費意識を
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アンケートの回答結果から数値化しています。消費者景況感指数は 100 を基準とし、これより高い場合は楽
観的、低い場合は悲観的と読み取ることができます。
1
ニールセン コンシューマーライゼーション・プラクティス 東南アジア・北アジア・太平洋地域担当マネージン
グ・ディレクターのビシャール・バリは次のように述べています。「東南アジアの消費者心理は他地域に比べ
ると引き続き良好で、中でもインドネシアはこの 1 年間、景況感指数ランキング首位の座を明け渡すことがあ
りませんでした。世界を見渡すとやや不安感も目につく中で、東南アジアの消費者が全般に自信と前向きさ
を維持し続けているのは心強い限りです。ほぼ全ての市場で、消費者景況感指数は 1 年を通して高い水準
で安定していました。マレーシアは例外で、四半期ごとの変化も通年でマイナスとなりましたが、これは政府
補助金の引き下げにより、燃料および食品の価格が上昇したことが主な要因と考えられます。」
なお、日本の消費者景況感も、2005 年に当調査を開始して以降最も高く(81)、前四半期比 1 ポイント増とな
りました。
個人の経済状況は消費者にとっての最優先事項
東南アジアのほぼ全域で高い消費者景況感指数が維持された今四半期の調査では、今後 1 年間の個人の
経済状況見通しについても前向きな回答が目立ちました。最も楽観的であったのはインドネシアの消費者で、
83%が今後 12 ヶ月間の見通しは「良い(Good)/とても良い(Excellent)」と回答しています(2013 年第 4 四半
期から 1 ポイント減少)。同様に回答した人はフィリピンで 79%(同 3 ポイント増)、タイでは 63%(同 6 ポイント
減)でした。
ベトナム、マレーシア、シンガポールでの回答傾向は前四半期とほぼ同じでした。ベトナムでは前四半期から
1 ポイント増加の 56%の消費者が、自身の今後 1 年間の経済状況を「良い/とても良い」と回答、マレーシア
では同 6 ポイント減の 50%が同様に回答しています。シンガポールと日本は前回と変わらずそれぞれ 54 パ
ーセント、24 パーセントでした。(図 2 参照)
将来に備えた貯蓄
自身の経済状況を良好に捉える東南アジアの消費者の間では、生活必需品の購入後に残るお金を熱心に
貯蓄する傾向も引き続き顕著です。ベトナムでは 4 人に 3 人以上(77%)の消費者が余ったお金を貯蓄に回
しています(2013 年第 4 四半期比で 3 ポイント増加、世界平均の 51%を 26 ポイント上回る)。インドネシアで
は 71%(同 1 ポイント減)、シンガポールでは 70%(同 6 ポイント増)、フィリピンでは 69%(同 1 ポイント増)、
マレーシア(同 1 ポイント増)とタイ(同 2 ポイント減)ではともに 64%の消費者が余ったお金を貯蓄に回してい
ると答えています。(図 3 参照)
1
オンラインによるアンケートでは、世界各地から驚異的な規模で回答が得られるものの、その回答者はインターネットユーザーに限られ、総人口が
反映されるものではありません。新興市場ではインターネット普及率はまだ低く、比較的豊かな若年層の利用者が多い状況です。また、調査結果
は、実測データではなく消費者の回答に基づいています。
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バリは次のようにコメントしています。「東南アジアの消費者は家計の管理に熱心で、節約のためには努力を
惜しみません。また、貯蓄や投資を目的とした金融商品が広く認知され利用しやすくなったことで、消費者は
これらを活用して将来のゆとりある暮らしに向けて最大限に蓄え、老後の生活設計をしようとしています。」
家計の出費を抑えるために消費行動を見直す
東南アジアの消費者の 8 割以上が、過去 1 年間に節約のために出費に気を付けたことがあると答えていま
す。生活費の節約に最も熱心なのはタイとベトナムの消費者でともに 87%が、マレーシアで 83%、インドネシ
アで 82%、フィリピンでは 80%が、出費を抑えるために何らかの努力をしています。シンガポールで消費行動
を見直した人は 61%で、地域内で最も節約意識が低いという結果でした。
貯蓄額を増やすために新品の衣料品の購入を控えた消費者は、ベトナム(64%)、シンガポール(64%)、フィ
リピン(59%)、マレーシア(59%)で約 6 割にのぼります。その他、出費を抑える分野として家庭外の娯楽や光
熱費が挙がっています。(図 4 参照)
バリは次のように述べています。「東南アジアの消費者の節約志向と、将来に備えた貯蓄を重視する姿勢は
密接につながっています。タイやマレーシアでは、家計の借金を減らしたいとの思いが出費を抑えるための
努力を駆り立てています。地域全体の所得水準は上昇を続けていますが、消費者は今なお消費に慎重な姿
勢を崩さず、家計を豊かにするためには出費を見直すこともためらいません。
一方、万一に備えて貯蓄に励む東南アジアの消費者も、休暇にはやはりお金を使いたいと考える人が多いと
いう興味深い傾向もあります。消費活動がいっそう洗練され、体験型消費への需要が高まっていることが反
映されているようです。」
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図 1:ニールセン消費者景況感指数 東南アジア各国と日本 2014 年第 1 四半期
Q2 2013
124
120
124 124
121 118
114 116 114 112
Q3 2013
Q4 2013
97 99
98 99
95 97
109 108
98
95
Q1 2014
103101
98
94 94 94 96
92
78
80 81
74
%
インドネシア
フィリピン
タイ
シンガポール
ベトナム
マレーシア
日本
世界平均
図 2:この先 1 年間の各個人経済状況についての認識 東南アジア各国と日本 2014 年第 1 四半期
良い
24
15
%
9
59
とても良い
3
5
7
5
64
54
53
49
45
3
48
21
インドネシア
フィリピン
タイ
ベトナム
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シンガポール
マレーシア
日本
世界平均
図 3:消費者が余ったお金を主に費やしている分野 東南アジア各国と日本 2014 年第 1 四半期
インドネシア
マレーシア
フィリピン
シンガポール
タイ
ベトナム
日本
世界平均
77
71
69 70
64
64
63
54
51
44
%
42
41
38
35
33 34
30
35 34
33 32
27
32
27
27
23
21
17
貯蓄
休暇
16 16
16 16
借金・ローン返済
株・投資信託
図 4:消費者の生活費節約策トップ3 東南アジア各国と日本 2014 年第 1 四半期
インドネシア
マレーシア
フィリピン
シンガポール
タイ
ベトナム
日本
家庭外での娯楽
を減らす
新品の衣料品の
購入を控える
新品の衣料品の
購入を控える
新品の衣料品の
購入を控える
家庭外での娯楽
を減らす
ガス・電気代を節
約する
ガス・電気代を
節約する
最新機器への買
い替えを見送る
家庭外での娯楽
を減らす
ガス・電気代を節
約する
家庭外での娯楽
を減らす
新品の衣料品の
購入を控える
新品の衣料品の
購入を控える
新品の衣料品
の購入を控える
新品の衣料品の
購入を控える
ガス・電気代を節
約する
最新機器への買
い替えを見送る
安いブランドの
食品に切り替え
る
ガス・電気代を節
約する
家庭外での娯楽
を減らす
家庭外での娯楽
を減らす
ニールセン グローバル調査について
「ニールセン 消費者景況感および消費意向に関するグローバル調査」は、アジア太平洋、欧州、中南米、中
東/アフリカ地域、北米の合わせて 60 の国と地域で 30,000 人以上の消費者を対象に、2014 年 2 月 17 日
から 3 月 7 日にかけて実施されました。サンプルには各国ごとに年齢や性別の条件が設定され、インターネ
ットを利用する消費者を代表するよう に割り付けられています。最大許容誤差は ±0.6% です。今回のニール
セン調査はインターネットアクセスを持つ回答者のみを対象にしています。インターネット普及率は国によって
異なります。ニールセンは調査に使用するデータ基準をインターネット普及率 60%以上、もしくはインターネッ
トユーザー1,000 万人以上と定めています。なお、中国の消費者景況感指数は同国内の 3,500 人を対象に、
複数の手法を組み合わせた調査の結果を基に作成されています。
ニールセンについて
ニールセン・ホールディングス N.V.(NYSE: NLSN)は世界的な情報・調査企業で、マーケティング及び消費者
情報、テレビ等のメディア情報、オンライン情報、モバイル情報の分野でリーダー的地位を確立しています。
アメリカ・ニューヨークとオランダ・ディーメンに本社を持ち、世界 100 カ国以上でビジネスを展開しています。
詳細はホームページをご覧ください:www.nielsen.com
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