第5章 高齢者の生活支援の充実 高齢者の生活支援の充実

第5章 高齢者の生活支援の充実
1 福祉サービスによる在宅生活支援
介護保険以外の高齢者への在宅サービスとして、一人ひとりの状態に応じて
在宅生活ができるよう、以下の既存のサービスを継続して提供していきます。
また、地域包括ケアシステムの実現に向けて、既存のサービスの見直しや、
地域の課題に応じたサービスの検討等、地域の高齢者の支援基盤を構築してい
きます。
事業の名称
日常生活用具給付等事業
防火等の配慮が必要なひとり暮らしの高齢者に対して、電
事業概要
磁調理器などの日常生活用具を給付・貸与し、日常生活の
便宜を図ります。
事業の名称
お布団ふっくらサービス事業
寝具の衛生管理が困難なひとり暮らし高齢者等に対して、
事業概要
使用する寝具の洗濯乾燥消毒などのサービスを提供しま
す。
事業の名称
食の自立支援事業
ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯に属する人で、
事業概要
食事の調理が困難な人に配食を提供することで、食生活の
改善と健康増進を図ります。
事業の名称
軽度生活援助事業
要介護(要支援)認定者以外の在宅のひとり暮らし高齢者
等で、日常生活上の援助を必要とする人に対して、日常生
事業概要
活援助員を派遣し、自立した生活の継続を可能にするとと
もに、要介護状態への進行を防止します。
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事業の名称
住宅改造助成事業
大規模な段差解消やトイレ・浴室等を改修する場合、介護
保険の住宅改修事業(支給限度額 20 万円)だけでは不十
事業概要
分な場合があるため、要援護高齢者向けの住宅改造助成事
業(上限 70 万円)を実施し、高齢者の在宅生活が可能と
なるような住環境づくりの支援に努めます。
事業の名称
敬老事業
80 歳、88 歳、99 歳、100 歳、101 歳以上の高齢者
へ敬老祝い金を支給するほか、金婚夫婦・一人金婚の表彰
事業概要
や名人寄席など、高齢者の豊かさや励みとなるような事業
を実施します。
2 高齢者の生活を支える住居環境の整備と連携
■□■(1)居住環境の整備促進 ■□■
高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するためには、生活の中心となる「住
まい」が、高齢者にとって安全で住みやすい環境となっているかが重要となり
ます。
そのため、高齢者の暮らしに配慮した住宅の居住環境整備を促進するととも
に、手すりの設置や床の段差解消等のバリアフリー化による住環境の改善につ
いても働きかけていきます。
また、町営住宅に入居している要介護(要支援)認定者についても、積極的に
住宅改修費助成制度を周知して、利用の促進に努めます。
■□■(2)地域に密着した基盤の整備 ■□■
高齢者が地域で安心して生活ができるよう、地域密着型サービスの基盤整備
として、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の整備を予定していま
す。
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■□■(3)多様な住まいの整備 ■□■
高齢者の身体の状況や所得水準などから多様なニーズに対応した住まいの供
給が必要となります。
このため、多様な住まいの整備促進等を働きかけます。
— ①養護老人ホームの充実 —
養護老人ホームは、低所得者で住まいや身寄りがなく虚弱であるなど、居宅
での生活が困難な高齢者を対象とし、町が措置する入所施設です。
地域や関係機関等との連携を図り、高齢者が安心して暮らせる住まいを提供
します。
— ②有料老人ホームの整備 —
有料老人ホームは、老人福祉法での定義として「高齢者が入居し、入浴、排
せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他日常生活上必要な便宜を供与
することを目的とする施設であって厚生労働省令で定める施設でないもの」と
位置付けされています。
また、介護付き有料老人ホームについては、介護が必要となっても、当該有
料老人ホームが提供する特定施設入所者生活介護を利用しながら当該有料老人
ホームの居室での生活を継続できる施設であることから、さらなる機能の充実
を働きかけていきます。
— ③高齢者の暮らしに配慮した多様な住宅の整備促進
③高齢者の暮らしに配慮した多様な住宅の整備促進 —
高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するためには、生活の中心となる「住
まい」が、高齢者にとって安全で住みやすい環境となっているかが重要となり
ます。このため、早期からの住み替えや高齢者の暮らしに配慮したサービス付
き高齢者向け住宅等多様な住宅の整備促進を働きかけます。
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
西部圏域
(飯野校区)
飯野校区)
—
認知症対応型共同生活介護
(1施設2ユニット)
—
東部圏域
—
—
—
上益城圏域
—
特定施設入所者生活介護施設
(1施設)
—
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3 施設における生活環境改善等の推進
高齢者の尊厳ある生活を保障するという観点から、施設においても、できる
限り在宅に近い居住環境のもとで一人ひとりの生活のリズムを大切にしたケア
が提供できるよう、施設の個室ユニット化及び施設機能の地域展開による生活
環境改善等を推進します。
■□■(1)介護保険施設における個室ユニット化 ■□■
在宅に近い居住環境で、入居者一人ひとりの個性や生活リズムに沿い、また、
他人との人間関係を築きながら日常生活を営めるように介護を行う手法です。
その実現のためには、個性や生活リズムを保つための個室と、他の入居者と
の人間関係を築くための共同生活というハードウエアが必要であり、同時に、
小グループごとに配置されたスタッフによる一人ひとりの個性や生活リズムに
沿ったケアの提供(生活単位と介護単位の一致)というソフトウエアが必要と
なります。
ユニットケアは、ソフトウエアとハードウエアが相まって効果を発揮するも
のであり、効果的なケアを行うためにはそのどちらも不可欠です。
■□■(2)施設機能の地域展開 ■□■
特別養護老人ホームは、これまでにも通所介護やショートステイの事業所を
併設するなど、その機能を入所者以外の人たちにも提供してきました。
また、ボランティアの受け入れなどを通じて施設を地域に開放し、入所者と
地域住民との交流を図っています。
今後は、さらに一歩進んで、施設の人的・物的資源を地域に展開し、在宅サ
ービスの拠点を施設外に設けて地域の高齢者を支援すること、例えば、サテラ
イト方式(出張所)により、各地に通所介護やショートステイの拠点を設け、
積極的にその機能を高齢者にとって身近な地域で提供することなどが期待され
ています。
こうした拠点の整備により、在宅の要介護高齢者も、施設のバックアップを
受けた在宅サービスを利用できるようになります。さらに、施設に入所するこ
とになっても、地域での在宅サービスの利用を経ての入所となるので、これま
で利用してきた在宅サービスとの連続性、入所前の地域とのつながりを維持し
た状態で生活を継続することができます。
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