産業技術 学院 学 『 間中 デザイン』シラバス

産業技術⼤学院⼤学 『⼈間中⼼デザイン』シラバス
主担当教員
國澤好衛, 安藤昌也(千葉⼯業⼤学)
定員
30
総時間数
126
内容
項⽬
本プログラムは、「⾼いユーザビリティ、よりよいユーザ体験(UX)を提供するものづくり」を実践するための、⼈間中⼼設計の諸理
論並びに関連分野の知識の習得と、企画・デザインを⾏う具体的な⼿法及び技法の習得を⽬的としている。
特に、現在産業界を中⼼に⽤いられている、⼈間中⼼デザインの諸⼿法の修得に⼒点を置いている。⼈間中⼼デザインのための発想法
からコンセプトデザイン⼿法、またそれらコンセプトを検証する⽅法やユーザビリティ評価法まで、⼀貫した内容を体系的に、演習を通
プログラムの概
して実践的に学ぶことができる。
要
また、⼈間中⼼デザインの諸⼿法の活⽤が求められる製品デザイン分野の基礎的な知識や技法についても学ぶことにより、より実践的
で広い活⽤範囲のスキルの構築を⽬指している。
これらの科⽬は、⼈間中⼼デザイン及び製品デザイン分野の第⼀⼈者が講師を務めており、実践的で最新の内容を体系的に学べる点
が、本プログラムの特徴である。
・ものづくりに関連する企業の製品企画、デザイン、設計等に関わる⽅
・ユーザビリティ・エンジニアを⽬指す⽅
受講対象者
・⼈間中⼼設計専⾨家を⽬指す⽅
※特に、組み込み系、IT系などのソフトウェアの他、Webサイト等の設計・デザインに関わる⽅にも、最適の内容です。
本プログラムは、「⾼いユーザビリティ、よりよいユーザ体験(UX)を提供するものづくり」を実践するための、⼈間中⼼設計の諸理論
並びに関連分野の知識の習得と、企画・デザインを⾏う具体的な⼿法及び技法の習得を⽬的としている
【修得できるスキル】
プログラムの狙
・ ⼈間中⼼設計の概念、規格、プロセスの理解
い
・ ⼈間中⼼デザインに関連する認知科学等の基礎知識の修得
・ ⼈間中⼼デザインに関するさまざまな⼿法の理解と実践⽅法の修得
・ 製品利⽤におけるユーザ理解のための総合的分析⼒の修得
本プログラムは、次の3つのユニットを開講する。なお、いずれのユニットも独⽴しており、各ユニットごとに履修することができる。
ただし、デザイン編は、基礎編と合わせて履修することが望ましい。
なお、ユニットⅠ及びⅡの開講時期は重複しているが、両ユニットを同時に履修することが可能である。
1.⼈間中⼼デザインⅠ(基礎編)
1-1. ⼈間中⼼デザイン概論 (10.5時間)
1-2. ⼈間中⼼デザインの認知科学 (12時間)
1-3. ペルソナ構築法 (10.5時間)
1-4. ⼈間中⼼デザインのための発想法 (13.5時間)
1-5. ユーザ調査技法演習 (12時間)
(開講期間: 平成23年10⽉15⽇(⼟)から 平成23年11⽉26⽇(⼟)まで)
プログラムの構
成
2.⼈間中⼼デザインⅡ(デザイン編)
2-1. コンセプトデザイン⽅法論 (16.5時間)
2-2. 情報アーキテクチャ設計論 (9時間)
2-3. ユーザビリティ評価⽅法論 (18時間)
(開講期間: 平成23年11⽉5⽇(⼟)から 平成23年12⽉17⽇(⼟)まで)
3.⼈間中⼼デザインⅢ(製品デザイン編)
3-1. 感性価値デザイン (12時間)
3-2. 製品安全デザイン (6時間)
3-3. デザインプロトタイピング(3D-CADおよびラピッドプロトタイピング)(6時間)
(開講期間: 平成24年2⽉22⽇から 平成24年3⽉10⽇まで)
原則として、各科⽬において3分の2以上の出席を要する。
出席要件
履修証明書修得のための修了要件は、3つのユニットすべての必修科⽬において合格すること。なお、修了要件に認定するための各科⽬
修了要件
有効期限は、5年である。
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅠ(基礎編)
科⽬名
⼈間中⼼デザイン概論 (必修科⽬)
安藤 昌也(千葉⼯業⼤学)、ゲスト講師
内容
⼈間中⼼デザイン(HCD)とは、1999年に発効されたISO13407によって、明確化された
概念であり、製品デザインの過程でユーザの要求をどのように取り⼊れるべきかを規定した
ものである。本来この規格は、インタラクティブシステムの設計を想定したものであるが、
ユーザビリティに配慮するものづくり全般に適⽤可能な概念として、幅広く産業界に受け⼊
れられ、実践されている。このISO13407は、2010年にISO9241-210へと改訂され、ユー
授業の概要
ザエクスペリエンス(UX:ユーザ体験)の実現のための⽅法論として、改めて位置付けられ
た。
本講義では、⼈間中⼼デザインの基本的な概念と基礎的な⽅法論を学ぶとともに、実際の
産業界において「⼈間中⼼のものづくり」がどのようにとらえられ、実践されているかにつ
いて、様々な⽴場から複眼的に理解する。また、昨今注⽬されているUXの概念がHCDにお
いてどのように位置づけられているかについても解説する。なお、本講義は、担当教員の他
にゲスト講師によるオムニバス形式の講義とする。
⼈間中⼼デザイン(HCD)の基本的な概念を理解するとともに、実践事例を通して⼈間中
⼼デザインがカバーする領域の広がりや深さについて理解する。具体的には、この講義を通
授業の⽬的・狙
い
じて以下の知識や能⼒を修得できる。
・⼈間中⼼設計の基本的な考え⽅や歴史、プロセスをISO 9241-210に基づいて理解する
・⼈間中⼼デザインの産業界での実施事例から⽇本での普及状況や課題を理解する
・ユーザエクスペリエンスの考え⽅やデザインの実践に必要な技法の体系について理解する
最低到達レベル
・⼈間中⼼デザインの基礎概念および関連する⼈間⼯学関連規格(ISO及びJIS)の理解
到達⽬標
・⼈間中⼼デザインのための代表的⼿法及びその理論的背景の理解
上位到達レベル
・⼈間中⼼デザインの産業界での適⽤事例を通した課題の理解と対応策の考察
授業の⽅法
講義:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
本講義は、本履修証明プログラムの導⼊のための講義でもある。本講義は、以下7回で構成
する。(なお、講師の都合により、内容が前後する場合がある)
第1回:コースガイダンス 本履修証明プログラムの狙いや⽬的を⽰すとともに、⼈間中
⼼デザインの必要性、関連領域の位置づけなどについて解説する。
第2回:⼈間中⼼デザイン(HCD)とは ⼈間中⼼設計という概念の基礎、歴史的背景
について解説する。また、⼈間中⼼設計の重要性について学ぶ。
第3回:産業界におけるHCDの取り組み実態 ⼈間中⼼デザインの概念が、⽇本の産業
界でどのようにとらえられ、普及・実践されているかを学ぶ。
第4回:ユーザビリティとユーザエクスペリンエスの概念 ⼈間中⼼デザインにおける基
授業の内容
本的な概念である、ユーザビリティとユーザエクスペリエンスについて、その定義及び位置
づけについて学ぶ。
第5回:⼈間中⼼デザイン⼿法体系の理解① ⼈間中⼼デザインを実施するために必要と
なる代表的な⼿法を体系的に位置づけ、それぞれの⼿法の特徴と⽬的を理解する。
第6回:⼈間中⼼デザイン⼿法体系の理解② HCDの「ユーザ調査・分析」及び「ユーザ
評価」の段階で⽤いられる基本的な⼿法について解説し、実践における⼼構えや適⽤法につ
いて学ぶ。
第7回:まとめと総合討議 これまでの講義をまとめるとともに、受講者が各⾃の理解や
疑問点について討議を⾏う。
課題
講義の冒頭に、各⾃のHCDの理解度についてレポートを課す
受講準備
特になし
履修条件
出願・受講申請により受講を認められたもの
テキスト・教材
テキストは⽤いない。必要に応じてハンドアウトを⽤意する。
⼈間⽣活⼯学研究センター 2005 「ワークショップ⼈間⽣活⼯学 第三巻 インタラクティブ
参考書
システムのユーザビリティ」 丸善
他、講義の中で適宜紹介する。
以下のポイントで評価する。
・理解度レポート (30%)
成績評価
・最終レポート (50%)
・総合討議 (20%)
総合討議については内容及び理解度に基づいて総合的に評価する。
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
⼈間中⼼デザインⅠ(基礎編)
担当教員
安藤 昌也(千葉⼯業⼤学)
項⽬
科⽬名
⼈間中⼼デザインの認知科学 (必修科⽬)
内容
実際に⼈間中⼼のものづくりを⾏う際には、⼈間の様々な特性を理解した上で、それら
をうまく利⽤したデザインをすることが求められる。特に、⼈間の認知特性に沿わないデ
ザインは、エラーを誘発したり学習に時間を要したりすることになる。⼈間中⼼設計を実
授業の概要
践するためには、設計プロセスの実践もさることながら、ユーザ⼼理への深い理解ととも
に、認知科学の理論を理解した上で、製品デザインを⾏うことが不可⽋である。
本講義では、特に⼈⼯物との相互作⽤に着⽬し、ユーザインタフェースなどのデザイン
やユーザ⼼理の理解に不可⽋な、⼈間の認知特性の基礎理論を学ぶ。
⼈間と⼈⼯物との相互作⽤における、認知特性の基礎的な理論を学ぶとともに、ユーザ
⾏動の観察を通して認知特性を分析する重要性を理解する。具体的には、この講義を通じ
授業の⽬的・狙
い
て以下の知識や能⼒を修得できる。
・認知科学の成⽴と⼈間中⼼デザインとの関連性について理解できる
・基本的な認知科学の考え⽅を理解できる
・認知科学の考え⽅に基づいて、ユーザ⾏動を理解できる
最低到達レベル
・ 認知科学の成⽴と⼈間中⼼デザインとの関連性の理解
到達⽬標
・ 認知科学の基本的なフレームワーク(情報処理モデル)の理解
上位到達レベル
・ ⼈⼯物の操作に関連する⼈間の認知特性の諸理論の理解
・ ⼈間が⼈⼯物を操作する際の、プロセスモデルに関する諸理論の理解
授業の⽅法
講義:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
各講義では、それぞれに⽰す内容を中⼼に、⼈間の認知特性の基礎理論を解説する。各講
義では、認知科学や⼼理学、⼈間⼯学などの基礎のない受講者にもわかりやすく解説す
る。
第1回: 認知研究の発展と⼈間中⼼デザイン 認知科学が学問として成⽴するまでの
歴史的背景と「認知⾰命」について理解する。また、⼈間中⼼デザインで認知科学を学ぶ
必要性について理解する。
第2回: ⼈間の認知特性①―知覚・注意 ⼈間の知覚と注意の特性について、主に視
覚を中⼼に理解する。また、⽣態学的⼼理学における「アフォーダンス」と⼈間中⼼デザ
インで⽤いられる「シグニファイアー(シニフィアン)」の違いについて理解する。
第3回: ⼈間の認知特性②―記憶・知識・発達 ⼈間の記憶・知識のメカニズムにつ
授業の内容
いて理解する。また、⼈の認知構造の発達について理解する。
第4回: ⼈間の認知特性③―問題解決・推論 課題の解決に関する⼈間の認知的特性
について、問題解決と推論の観点から理解する。
第5回: インタラクションの認知モデル 機器を操作する際の⼈間の認知プロセスの
様々なモデルの理解を通して、認知機能を総合的に⽤いるインタラクティブな操作の特性
を理解する。
第6回: ユーザ⾏動の認知的理解 主にヒューマンエラー、初⼼者と熟達、相互⾏為
と感情を題材にユーザ⾏動を認知的側⾯から理解する。
第7回: ユーザ評価の認知的理解 ユーザエクスペリエンスを製品評価と位置付けた
時のユーザの⼼理的構造とその特性について最新研究を基に検討する。
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
講義の途中と最後に、理解確認のための理解度レポートを課す
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
箱⽥, 都築, 川畑, 萩原(著)『認知⼼理学 (New Liberal Arts Selection)』有斐閣
※購⼊しなくても受講は可能だが、講義内で参照することがある。
William Lidwell、Kritina Holden、Jill Butler(著)『Design Rule Index[第2版]– デ
ザイン、新・25+100の法則』BNN新社
以下のポイントで評価する。
成績評価
・理解度レポート (50%)
・総合討議 (50%)
総合討議については内容及び理解度に基づいて総合的に評価する。
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
⼈間中⼼デザインⅠ(基礎編)
担当教員
⼭⼝ 優 (アートプランA)
項⽬
科⽬名
ペルソナ構築法 (必修科⽬)
内容
⼈間中⼼デザインプロセスにおいて、ユーザーの要求事項を分析するためにペルソナやシナ
リオを⽤いることが、広く⼀般的におこなわれるようになった。ペルソナは、仮想的なユー
ザー像を表すものであり、シナリオは、ユーザーが⽬標を達成するための⾏動と、そこから
得られる事象を時系列的に表現したものである。
ペルソナ/シナリオを⽤いることで、対象ユーザーの要求を明確にすることができるた
授業の概要
め、広く応⽤されているものの、それらを作成するための正しい⼿法については、あまり理
解されていないのが現状である。
本講義では、調査結果に基づいてペルソナやシナリオを作成するための、具体的な⽅法論
を演習形式で学ぶ。
この演習を通じて以下の知識や能⼒を修得できる。
授業の⽬的・狙
い
・調査に基づき、ユーザーの⾏動背景をモデリングできる
・モデリングことを通して、想定ユーザのペルソナ及び⾏動シナリオを作成できる
・⾏動シナリオから要求分析を⾏う⼿法について理解する
最低到達レベル
・ 調査データに基づく、ペルソナの作成技法の理解
・ 調査データに基づく、シナリオの作成技法の理解
到達⽬標
上位到達レベル
・ 調査データに基づく、ペルソナの作成技法の実施
・ 調査データに基づく、シナリオの作成技法の実施
授業の⽅法
グループによる演習:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
第1回:ペルソナ/シナリオ法とは
はじめに(授業の狙い、⾃⼰紹介)、ペルソナ/シナリオ法に関する基礎知識
第2回:⾏動モデルの作成
4〜5グループ程度に分かれて⾏動モデルを作成。
授業の内容
⽤意したインタビューデータを元にユーザーの⾏動背景をモデル化し理解する。
第3〜4回:ユーザーデータの統合
⾏動パターンの類似/相違から、利⽤者をグループに分類。
共通要素を抽出し、KJ法的に整理し、ペルソナの⾻格を作成。
ペルソナ基本⽂書の作成
第5回:⾏動シナリオの作成
ペルソナ基本⽂書のグループ発表
⾏動シナリオの作成
第6回:要求分析とグループ発表
授業の内容
⾏動シナリオから要求分析をする
作成したペルソナ/シナリオについてグループ発表
第7回:ペルソナ活⽤の実際(総合討議)
構築したペルソナ/シナリオに対する講評
ペルソナを⽤いたデザイン開発の進め⽅・留意点・課題
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
グループワークの成果として成果レポートの提出を求める
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
テキストは⽤いない。講義で⽤いる資料は配布する。
参考書は、講義内で適宜紹介する。
以下のポイントで評価する。
成績評価
・成果レポート(50%)
・プレゼンテーション(50%)
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅠ(基礎編)
科⽬名
⼈間中⼼デザインのための発想法(必修科⽬)
上平 崇仁(専修⼤学)、三澤 直加
内容
デザインのように⼈間の創造性が関わる教育にとっては、単発のアイデアよりも、対象が変わっても新鮮なア
イデアを⽣産し続けられる良質な⽅法や考え⽅を体得できるかが重要なテーマとなる。そのためには、⽅法論を
学ぶとともに、地道な訓練で鍛えていく他はない。
本科⽬では、⼈間中⼼のデザインのための発想⼒を⾼める⽅法論及びその訓練として、3つの⼿法を取り上げ
る。KJ法、インプロビゼーション、XB法(クロスビー法)である。
KJ法は、基礎的な⽅法にもかかわらず、本来の⽅法の⽬的である“発想法”としての正しい⽤法がなされていな
いことが多い。そこで、考案者である川喜多⽒の原典に即したKJ法を⾏い、その結果からアイディアを創造す
授業の概要
る。インプロビゼーションは(インプロ)とは台本の無い即興演劇のことである。インプロは、演技の完成度で
はなく瞬発⼒を重視し、他⼈の思考を積極的に受け⼊れて展開される。そのトレーニングメソッドは、近年は役
者だけではなく、多くの領域のクリエーターのための発想の基礎訓練としての有⽤性が注⽬されている。また、
XB法は、感動する製品開発を⾏うための強制連想法の⼀つであり、体験を⽣み出す発想法として近年注⽬され
ている⼿法である。
これら発想法への理解と演習を通して、発想法を学び、実践することの重要性を理解する。
この演習を通じて以下の知識や能⼒を修得できる。
授業の⽬的・狙
い
・⼈間中⼼デザインを実践する過程で、⽤いることが効果的と考えられる発想法を理解する。
・演習を通して、発想法を学び、実践することの重要性を理解する。
最低到達レベル
・ 発想法に関する体系的な知識の修得
到達⽬標
・ KJ法、XB法、インプロビゼーションの各⼿法に関する知識の修得と実践法の理解
上位到達レベル
・KJ法、XB法、インプロビゼーションの各⼿法を⼈間中⼼デザインの改善案等の⽴案に活⽤できる
授業の内容
グループによる演習:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
講義では、3つの発想法の理論と⽅法を学んだ後、ワークショップによる演習を通して実際に体験する。
第1回〜第3回:インプロビゼーション:⾝体活動によって創造的思考を活性化する⽅法
インプロビゼーションとは即興劇のことで、準備された台本が無く、俳優らがその場その場での状況の中で演技
を⾏い、アドリブだけでストーリーが紡がれていく、演劇の⼀ジャンルである。インプロビゼーションを⾏うこ
とにより、⾃⾝の潜在的な⾏為などへの意識を⾼め、よりユーザーへの意識にフォーカスしたアイディアを創出
しやすくする状態へ切り替えることができる。講義では、講師によるファシリテーションのもと、実際に体を動
かすワークショップを⾏う。
第4回〜第6回:KJ法
授業の内容
⼀つは最も基本的なKJ法である。KJ法は、川喜⽥⼆郎⽒によって考案された創造的問題解決法であり発想法の
⼀つである。しかし、⽐較的取り組みやすいKJ法は⾃⼰流で⾏われやすく、⼿法としての効果を⼗分引き出せ
ていないことが多い。講義では、KJ法の正しい⼿法を学び、実際に⼈間中⼼デザインに関するテーマについ
第7回〜第9回:XB法(クロスビー):感動のメカニズムを使ったアイデア発想法
XB法は、U'eyes Designとデンソーが開発した「感動する製品・サービス開発」のための発想法である。XB法
では「感動エピソード」400事例から抽出した、感動のメカニズムを使ってアイデア発想を⾏う。展開したい商
品像に、感動のメカニズムをかけ合わせることで、新しい商品の新しい感動体験を発想する。
各ワークショップの後に、理解確認のための課題(レポート)を課す
課題
特になし
受講準備
ただし、インプロビゼーションの回に参加する場合は、動きやすい服装で参加すること(⼥性はスカート等は不
可)
他に、ノリ、ハサミ、テープ等の持ち物が必要になる場合がある。必要な場合は事前に告知する。
履修条件
出願・受講申請により受講を認められたもの
テキストは⽤いない。講義で⽤いる資料は配布する。
テキスト・教材
特になし。
参考書
以下のポイントで評価する。
・各⽅法ごとの課題レポート (各33%)
成績評価
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
⼈間中⼼デザインⅠ(基礎編)
科⽬名
ユーザ調査技法演習 (必修科⽬)
担当教員
早川 誠⼆ (株式会社リコー)、安藤 昌也(千葉⼯業⼤学)、⼭⼝ 優(アートプランA)
項⽬
内容
⼈間中⼼デザインを実践する最初の取り組みは、ユーザーの利⽤状況を把握すると共に、
現状の課題や潜在的な課題を分析し、ユーザー要求事項としてユーザーに関する情報を整理
することである。この活動をユーザ調査・ユーザ分析と呼ぶ。HCDでは、従来のマーケティ
ングと異なり、アンケートのような定量的な⽅法よりも、インタビューや観察と⾔った定性
的な⽅法を重視する。しかし、定性的な調査法及び分析法の習得には訓練が必要となるた
授業の概要
め、実際に学ぶ機会は多くない。
本演習ではインタビュー法とインタビューデータの分析法に焦点をあて、実践的な技術の
習得を⽬指す。インタビュー法には複数の⽅法があるが、本演習では半構造化インタビュー
法、コンテキスト・インクワイアリ(コンテキストインタビュー)、評価グリッド法の3つ
の⽅法を取り上げる。また、分析法としても、KA法(⽣活価値抽出法)、評価グリッド法
(ラダーリング)を取り上げる。
この演習を通じて以下の知識や能⼒を修得できる。
授業の⽬的・狙
い
・複数のインタビュー技法及びインタビューデータの分析法を理解できる。
・これら複数のインタビュー法を修得することにより、プロジェクトの⽬的に適した調査法
を選択し、適切な範囲の情報収集ができるアプローチを計画できる。
最低到達レベル
・インタビュー調査の調査計画の⽴案に関する実務の理解
到達⽬標
・各技法の位置づけと実施⼿順の理解
上位到達レベル
・様々なインタビュー法およびインタビューデータの分析法の理解と実践⽅法の修得
授業の⽅法
演習:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
第1回:インタビュー調査・分析⼿法の種類とインタビュー調査計画 ユーザー調査のう
ち、インタビュー技法と分析⼿法の種類について位置づけを解説する。また、半構造化イン
タビュー調査の計画の⽴て⽅について解説する。 (早川)
第2〜3回:半構造化インタビュー法演習 半構造化インタビュー法のポイントを解説
し、実際に相互のインタビュー演習によって訓練する。 (早川)
授業の内容
第4回:コンテキストインタビュー法演習 コンテクスチュアル・デザインのためのイン
タビュー⼿法である、コンテキストインタビュー(contextual inquiary)について解説し、
相互のインタビュー演習によって訓練する。 (安藤)
第5〜6回:定性情報分析法(KA法:価値抽出法)演習 KA法(価値抽出法)の特徴
と実施⼿順について解説し、半構造化インタビュー法もしくはコンテキストインタビューで
把握した実際の情報を基にグループで分析を⾏う。 (安藤)
第7〜8回:評価グリッド法演習 パーソナル・コンストラクト理論に基づいた評価グ
リッド法について、その特徴と実施⼿順を解説し、インタビューおよび分析を演習する。
修得した調査技法を使って、⾝近な⼈を対象に調査を実施しその結果をレポートする
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
講義の最後に、理解確認のための課題(レポート)を課す
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
テキストは使⽤しない。必要な資料は配布する。
・シナリオにもとづく設計,J.M.Carrol,郷健太郎訳,共⽴出版,2003
・ペルソナ作って、それからどうするの,棚橋弘季,ソフトバンククリエイティブ,2008
以下のポイントで評価する。
成績評価
・課題提出(50%)
・理解度レポート(50%)
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅡ(デザイン編)
科⽬名
コンセプトデザイン⽅法論(必修科⽬)
浅野 智(横浜デジタルアーツ専⾨学校)
内容
本科⽬では、ユーザ調査などによって得られたユーザ要求事項やペルソナ/シナリオなど
に基づいて、⼈間中⼼性を保ちながら製品やサービスを具体的にデザインするための⽅法論
を学び、演習を通して修得することを⽬的とする。
本講義では、⽇本⼈間⼯学会アーゴデザイン部会がエクスペリエンス・デザインのために
体系化した「ビジョン提案型デザイン⼿法」に基づいて実施する。ビジョン提案型⼿法は、
ユーザの要求事項に基づいたシナリオを段階的に詳細化することにより、サービスの全体像
授業の概要
とユーザーが操作するインタフェース(ワイヤーフレーム等)をデザインするものである。
また、検討したコンセプト及びインタフェースは、そのシミュレーションを⾏いデザイン
案の修正と深化を⾏う。本講義では、アクティングアウト法と、ペーパープロトタイピング
⼿法を⽤いる。アクティングアウトは、⼨劇を応⽤した⼿法であり、ユーザー利⽤体験を可
視化することにより、コンセプト段階のデザインのリファイニングを可能にする⽅法であ
る。また、ペーパープロトタイピングは、紙にGUI画⾯などユーザーが操作する⼈⼯物のイ
メージを描画し、それを⽤いてユーザビリティテストを⾏うことにより、デザインの初期段
階で、受容性の⾼いデザインを作り上げる⽅法である。
この演習を通じて以下の知識や能⼒を修得できる。
・⼈間中⼼デザインアプローチである、ビジョン提案型のデザイン⼿法に関して、演習を通
授業の⽬的・狙
じて実践法を実施できる。
い
・デザインの初期段階のコンセプトアイディアの精度を⾼めるための⼿法として、アクティ
ングアウトおよびペーパープロトタイピング⼿法を実施できる。
最低到達レベル
・ビジョン提案型デザイン⼿法によるコンセプトデザイン⽅法論の理解
・アクティングアウト、ペーパープロトタイピングの⽅法論の理解
到達⽬標
上位到達レベル
・ビジョン提案型デザイン⼿法によるコンセプトデザイン⽅法論の実践
・アクティングアウトの種類と適応するフェーズ及びその⽅法論の実践
・アクティングアウトによるデザインコンセプトのリファイン法の実践
・ペーパープロトタピングの実施⽅法論の実践
授業の⽅法
グループ演習:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
各回の実施内容を以下に⽰す。演習は、グループ分けを⾏いチームでの演習を想定してい
る。なお、講義で⽤いるペルソナ及びシナリオ、ユーザー要求事項等は、基礎編の「1-5.
ユーザ調査技法演習」の成果の⼀部を⽤いる予定である。
第1〜2回:⼿法の理解とコンセプト⽴案 「ビジョン提案型デザイン⼿法」の概要を理
解し、ユーザー調査技法演習の成果を利⽤し、バリューシナリオを作成する。
第3回:アクティビティシナリオの作成 作成したバリューシナリオから、アクティビ
ティシナリオを作成する。
授業の内容
第4回〜5回:インタラクションの検討とUXフロー図の作成 作成したアクティビティシ
ナリオに基づいて、具体的なメディアによるインタラクションを検討し、UXフロー図を作
成する。
第6回〜7回:アクティングアウトによるコンセプトの確認 これまで検討したコンセプ
トについて、アクティングアウトを⾏う。これにより、ユーザー⾏動レベルでのコンセプト
をリファイニングする。
第8回〜9回:ワイヤーフレームとユーザー⾏動のシート作成 リファイニングを⾏った
コンセプトおよびUXフローに基づいて、具体的なGUI画⾯を検討し、ユーザー⾏動シー
トを作成する。
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
主の後に、理解確認のための課題(レポート)を課す
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
特になし
情報デザインフォーラム編「情報デザインの教室」丸善, 2010.
以下のポイントで評価する。
成績評価
・発表・プレゼンテーション(50%)
・理解度レポート(50%)
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅡ(デザイン編)
科⽬名
情報アーキテクチャ設計論(必修科⽬)
⻑⾕川 敦⼠ (株式会社コンセント)
内容
情報アーキテクチャは、Webサイトデザインにおいて重要な技術として確⽴しつつある。
ユーザーとコンテンツをどうつなぐか、という問題を解決するためには、情報アーキテク
チャの観点から調査/分析を⾏い、コンセプトを定義し、情報アーキテクチャの設計を⾏う
必要がある。
授業の概要
本講義では、情報アーキテクチャの役割や基本的な考え⽅を学ぶとともに、カードソー
ティングなどの演習を通して、情報アーキテクチャ設計の基本プロセス及び⼿法に関する知
識を修得する。さらに、ユーザーエクスペリエンスデザインとしての情報アーキテクチャの
役割とは何かについても論じる。
授業の⽬的・狙
い
この演習を通じて以下の知識や能⼒を修得できる。
・Webサイトデザインにおける情報アーキテクチャ設計の役割や考え⽅を理解する
・情報アーキテクチャの基本的な設計プロセスとその技法に対する知識を習得する
最低到達レベル
・ 情報アーキテクチャの役割と考え⽅に関する知識
到達⽬標
・ Webにおける情報アーキテクチャ設計の基本的な⼿法の理解
上位到達レベル
・エンタイープライズアーキテクチャ等、より上位のアーキテクチャに関する知識および
設計の考え⽅の理解
授業の⽅法
講義:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
第1回: 情報アーキテクチャとは Webサイトについて情報アーキテクチャの歴史的な
発展と基本的な考え⽅について理解する。
第2回: 情報アーキテクチャの設計プロセスと様々な技法 情報アーキテクチャを
設計するためのプロセスと主な⼿法及び概要について理解する。
第3回〜第4回: 情報アーキテクチャ設計演習 情報アーキテクチャの設計するため
の技法のうち、以下の⽅法を取り上げグループによる演習を⾏う。
・サイトストラクチャ
授業の内容
・カードソート
・UXフロー
第5回: 情報アーキテクチャの実務 エンタープライズアーキテクチャなど、情報アー
キテクチャの実務で問われる、より上位のアーキテクチャのあり⽅や考え⽅について理解す
る。
第6回: 総合討議 情報アーキテクチャとユーザエクスペリエンスデザインについ
て、実務を想定した議論を⾏う。
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
講義の最後に、理解確認のための課題(レポート)を課す(予定)
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
テキストは⽤いない。
⻑⾕川敦⼠『IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設
計』ビー・エヌ・エヌ新社
以下のポイントで評価する。
成績評価
・発表・プレゼンテーション(50%)
・理解度レポート(50%)
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅡ(デザイン編)
科⽬名
ユーザビリティ評価⽅法論(必修科⽬)
古⽥ ⼀義 (道具眼)
内容
製品のユーザビリティを⾼めるためには、⼈間中⼼設計のプロセスに基づいて開発を⾏う
とともに、適切なタイミングで、製品のユーザビリティ評価を⾏うことが重要となる。ユー
ザビリティ評価には、専⾨家によるインスペクションやヒューリスティック法などのエキス
パートレビューの他に、ユーザによる試⽤テストにより評価を⾏うユーザビリティテストが
授業の概要
ある。
本講義では、広く実践されているエキスパートレビュー及びユーザビリティテストを実践
できるスキルを獲得するために、実際の製品を対象に、テストの計画から実査、データのと
りまとめと分析までを演習する。
演習では、なるべく少⼈数のグループでの実施を⼼がけ、各受講者のスキル獲得に資する
よう配慮する。
本講義では、本履修証明プログラムで得た知識を活⽤し、製品に潜む多くの問題点の発⾒と
解決策の⽅向性を考察できる実践⼒を獲得できることを⽬標とする。具体的には、この講義
授業の⽬的・狙
を通じて以下の知識や能⼒を修得できる。
い
・エキスパートレビュー及びユーザビリティテストの実施計画の⽴案ができる
・エキスパートレビュー及びユーザビリティテストをモデレーター、分析者として実施でき
る
最低到達レベル
・エキスパートレビューの知識及び実施⼿順を理解する
・ユーザビリティテストの実施⼿順を理解する
到達⽬標
上位到達レベル
・エキスパートレビュー、ユーザビリティテストを計画・実施できる
・評価結果から、製品のユーザビリティ上の問題点を分析できる
・評価結果から、問題点の解決策の⽅向性を検討できる
授業の⽅法
グループ演習:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
第1回:エキスパートレビューの⽅法と実践① エキスパートレビューの⽬的や実施⽅法
などを解説する。
第2回:エキスパートレビューの⽅法と実践② エキスパートレビューの演習を⾏うとと
もに、評価者による違いなどについて議論する。
第3回:ユーザビリティテストの実施⽅法と準備 ユーザビリティテストの⽬的や適⽤
フェーズ、実施の⼿順や留意点などを解説する。また、演習のために必要な準備について解
説する。
第4回:システム理解と実施計画の⽴案 調査対象とする製品を実際に操作し、その機能
や特性を把握する。同時に、ユーザビリティテストで評価すべき範囲や仮説を⽴案し、テス
トタスクの設定など実施計画を⽴案する。
授業の内容
第5回:実施計画の調整と実査準備 前回に引き続き、実施計画の⽴案を⾏う。同時に実
査準備を⾏う。
第6回〜8回:実査 実際にインフォーマント(被験者)に来場してもらい(2名程度を
想定)、ユーザビリティテストを実施する。テストはビデオカメラ等に記録するとともに、
ロギングツールやメモ等で記録を取り、分析に⽤いる。
第9回:データのとりまとめと分析 実査で得たデータのとりまとめを⾏い、問題点の分
析を⾏う。
第10回:分析ととりまとめ 引き続き分析を⾏う。また、改善の⽅向性についても検討
を⾏う。
第11回〜12回:発表と講評 テスト結果を⼝頭で発表する。
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
グループ単位で演習成果物の提出
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
適宜資料等を配布する。
⿊須正明「ユーザビリティテスティング―ユーザ中⼼のものづくりに向けて 」共⽴出版、
2003
以下のポイントで評価する。
成績評価
・改善提案資料(発表資料)(50%)
・理解度レポート(50%)
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
⼈間中⼼デザインⅢ(製品デザイン編)
担当教員
福⽥ 哲夫、⼩⼭ 登、國澤 好衛
項⽬
感性価値デザイン
科⽬名
内容
デザインの価値は、しばしば⾮⾔語(かたち、⾊彩、素材などの視覚⾔語)の操作(かたちの操
作)による美的・感性的形式のありようとして議論されるが、本来的にはデザインされた⼈⼯物を
通して、ユーザーにどのような意味が提⽰できたかというコミュニケーションや関係性の問題とし
て議論することが重要である。
そこで、この講義の前半では、ユーザーに提⽰すべき意味をいかに⾮⾔語操作で表現するのかとい
授業の概要
うコミュニケーションや関係性の設計について、そのプロセスを具体的な事例で学ぶとともに、デ
ザインのための⾮⾔語操作によるコミュニケーションや関係性の設計、編集を実際に体験し、「感
性価値デザイン」の設計⽬標となる感性品質の定義とデザインへの展開を学ぶ。
さらに、後半では、感性価値デザインの取り組みをエコデザインやトランスポーテーションデザイ
ンを事例に紹介し、製品デザイン編を総括する。
デザインにおける⾮⾔語操作を通じたコミュニケーションや関係性の設計においては、ユーザーの
コミュニケーションコードを理解し、ユーザーに提⽰すべき感性品質を視覚的に定義することが⼊
り⼝となる。
そこで、この感性品質を定義するためのデザイン⽬標の可視化について実践的に学んでいく。
授業の⽬的・狙
い
また、トランスポーテーションデザインを通じて感性価値デザインの実例を学ぶ。
具体的には学修者はこの講義を通じて以下の知識や・能⼒を習得できる。
• デザイン価値の理解
• 感性価値デザイン(デザイン価値を優先して意味を設計する)の理解
• 意味(主に感性的な形式)の可視化
• エコデザイン、トランスポーテーションデザインの要点
最低到達レベル
• 感性価値デザインの理解
到達⽬標
• デザインパラメータをコントロールによるデザインコンセプトの可視化
• エコデザインやトランスポーテーションデザインにおける感性価値デザインの理解
授業の⽅法
双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む(⼀部グループ演習あり)
講義は以下の8回で構成される。ただし、受講者のバックグラウンドにより内容を⼀部変更するこ
とがある。
第1回:感性価値と⾮⾔語操作
講義の⽬的と学修内容の解説、感性価値デザインの導⼊として、感性価値とデザイン価値、⾮⾔語
操作の形式、デザインの形式としての表象について解説する。
第2回:感性価値の定義とデザインへの展開
デザイン⽬標としての感性価値の定義とデザインパラメータのコントロールについてケーススタ
ディするとともに、⾮⾔語操作によるコミュニケーションや関係性の設計のためのデザイン⼿法と
してイメージボードについて解説する。また、本⼿法を実践的に理解するためにグループにてイ
メージボードの作成に取組む。
第3回:イメージボードの作成
第2回に引き続きイメージボードの作成に取組む。
第4回:イメージボードの発表とまとめ
制作したイメージボードの発表と講評を⾏う。
デザインテーストの分析と活⽤について解説するとともに講義のまとめを⾏う。
授業の内容
第5回:感性価値とエコデザイン
地球環境の問題解決には統合的なデザインの⼒が求められている。エコデザインをエコロジカル+
エコノミカルと定義すると、その前提となる資源⽣産性の向上は物質集約度を⾼め総量を減らしな
がら、感性価値を向上させることにある。4R/LCAのマトリクスを⽤いたグループ作業とエコデ
ザインの概念について解説する。
第6回:五感に訴えるデザインのキーワード
デザインの基本的な造形要素は形態、⾊彩、素材、運動などがあげられ、視覚的な要素であること
が理解できる。しかしながらモノの善し悪しや快適性を決定するのは、それらを超えて⾵(空調)、
⾳(⾳場)、光(照明)がキーワード。⽪膚感覚等のテクスチヤーや錯視によるしつらい等、五感に訴
求する実践例とともに解説する。
第7回:トランスポーテーションデザインにおける感性価値デザイン
トランスポーテーションの代表格である⾃動⾞デザインの概要説明とその設計とデザインを決定づ
ける感性価値デザインについて解説する。
第8回:感性価値デザインの実例
⾃動⾞のデザインや家電製品のデザイン決定プロセスにおける感性価値デザインの具体的な事例に
ついて詳しく解説する。
課題
イメージボードの作成
受講準備
特になし
履修条件
受講を認められたもの
テキスト・教材
授業の際に資料を配布する
• 意味論的転回(クラウスクリッペンドルフ)
• 誰のためのデザイン、エモーショナルデザイン、未来のモノのデザイン(D.A.ノーマン)
参考書
• 記号論への招待 (池上嘉彦)
• エンジニアリングデザイン(ナイジェルクロス)
• ⽣きのびるためのデザイン(ヴィクターパパネック)
成績評価
授業への取組、課題等から総合的に評価する。
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅢ(製品デザイン編)
科⽬名
製品安全のデザイン
越⽔ 重⾂
内容
リスクアセスメントとは、製品を設計・デザインする段階でそれらが製品として使⽤
される状況を想定することで発⽣が予想される危険源や危険な状態を特定し、その影
響の重⼤さを評価し、それに応じた対策を事前に設計に盛り込むことで、製品の安全
性を⾼めるものである。
授業の概要
そこで、この講義では、製品安全を確保するリスクアセスメントついて、その実施プ
ロセスを具体的な事例で学ぶとともに、危険源を特定しその影響の⼤きさを評価する
ための安全性解析⼿法であるFTA(Fault Tree Analysis)を演習を通じて実践的に学
ぶ。
製品安全を確保するためには、製品の企画・設計・デザイン段階において、リスクを
適切に評価することが⼊り⼝となる。そこで、この講義では、リスクアセスメントの
授業の⽬的・狙
い
実施プロセスと安全性解析⼿法であるFTAについて実践的に学んでいく。
具体的には学修者はこの講義を通じて以下の知識や・能⼒を習得できる。
• リスクアセスメントの理解
• 安全性解析⼿法FTA(Fault Tree Analysis)
• 最低到達⽬標
到達⽬標
FTAにより危険源もしくは危険事象の特定ができる
FTAにより危険事象(トップ事象)の発⽣確率が計算できる
• 上位到達⽬標
授業の⽅法
FTAの結果から安全性設計上の対策を講じることができる
講義と演習。双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む。
講義は以下の4回で構成される。ただし、受講者のバックグラウンドにより内容を⼀
部変更することがある。
第1回:リスクアセスメント
講義の⽬的と学修内容の解説をした後、製品安全をデザインするために必要となるリ
スクアセスメントについて、その実施プロセスを解説する。
第2回:リスク解析⼿法FTA(1)
リスク解析⼿法であるFTA(Fault Tree Analysis)について学ぶ。FTAはリスクに
授業の内容
対して危険源を特定し、その影響を評価するための⼿法である。その基礎となるFT
図を描くためのルールを学ぶ。さらに、危険事象(トップ事象)の発⽣確率を計算す
る⽅法を理解する。
第3回:リスク解析⼿法FTA(2)
第2回に引き続きFTAについて学ぶ。ブール代数を使ったFT図の修正と最⼩カッ
トセットの求め⽅(=クリティカルな基本事象の決定⽅法)を学ぶ。
第4回:FTA演習
⾝近な事例でFTAを実施してみる。トップ事象の発⽣確率を計算する演習を⾏う。
課題
FTAによる安全性解析
受講準備
特になし
履修条件
受講を認められた者
テキスト・教材
授業の際に資料を配布する
• リスクアセスメントのハンドブック(経済産業省)
参考書
• やさしく学べる信頼性⼿法(⽇科技連)
•
次の2つのポイントで評価を⾏う(100点満点)
成績評価
• 演習課題、講義中に課題を課す。(30点)
• ⼩テスト、講義内で⼩テストを⾏う。試験と同等のレポート提出とする場合もあ
『⼈間中⼼デザイン』個別科⽬案内
ユニット名
担当教員
項⽬
⼈間中⼼デザインⅢ(製品デザイン編)
科⽬名
デザインプロトタイピング(3D-CADおよびラピッドプロトタイピング)
舘野寿丈
内容
新製品の設計開発は益々短期間化することが求められている。そのためには設計、試
作、評価、修正のプロセス効率化が不可⽋とある。この問題の解決⽅法として、3次元
授業の概要
CAD(3D-CAD)とラピッドプロトタイピング(RP)が注⽬されている。3次元CADを
使って設計段階で様々な視点から製品を設計し、その形状をRPで迅速に作成して⼿に
とって評価することで、従来に⽐べて格段に⾼速化が図れる。本講義では、これら3DCADとRPの有⽤性について実習を含めて学ぶ。
本講義では、設計プロセスの迅速化が要求されている中での3D-CADおよびRPの有⽤性
に関して、講義により学ぶと共に、実際に3次元CADとRPを⽤いて簡単な形状を試作
授業の⽬的・狙 し、これらの効果を体験を通じても理解することを⽬的とする。本講義を通じて、設計
い
プロセス全体の中での3D-CADとRPの活⽤⽅法に関する知識を習得できるほか、3DCADおよびRPの基礎的な操作を習得することができる。
・設計プロセスの中での3D-CADおよびRPの有⽤性を理解できる。
・3D-CADの基礎的な操作ができるようになる。
2次元スケッチで描いた形状をパッドや回転などのフィーチャによって⽴体形状と
してモデリングする操作
フィーチャによる形状を組み合わせて複雑な形状の部品としてモデリングする操作
複数の部品をアセンブリする操作
到達⽬標
・RP装置の基礎的な操作ができるようになる。
積層造形装置で使⽤するデータフォーマットであるSTLフォーマットに3D-CADモ
デルを変換する操作
造形装置で作られたモデルからサポート材を除去して仕上げる操作
・最低到達レベル:上記の3D-CADおよびRP装置の基礎的な操作について,講師からの
指⽰を受けながら実⾏できる.
・上位到達レベル:上記の3D-CADおよびRP装置の基礎的な操作について,⾃らの知識
で実⾏できる.
授業の⽅法
講義:双⽅向・多⽅向に⾏われる討論や質疑応答を含む
1.設計プロセスの迅速化と3D-CADおよびRP
設計プロセスでの問題、3D-CADおよびRPの特徴
2.3D-CADによる部品モデリング
3D-CADによる形状モデルの作成実習
授業の内容
3.ラピッドプロトタイピング
積層造形の原理、積層造形機による造形実習
4. 3D-CADの応⽤
部品のアセンブリ、レンダリング
課題
受講準備
履修条件
テキスト・教材
参考書
成績評価
講義の最後に、作成したCADモデルを成果物として提出する
特になし
出願・受講申請により受講を認められたもの
講義時にテキストを配布する
特になし
成果物により評価する