(2016 年8月号掲載) ガソリン価格の生活への影響調査 群馬経済研究所主任研究員 ~要 樹下芳久 約~ 1.群馬県は車社会であり、多くの人が日常的な交通手段として車を利用している。近年 のガソリン価格は大幅に上昇した後、急速に下落しており、足元では再び上昇傾向にあ る。こうした変動は家計や人々の生活行動に影響を与えていると考えられる。 2.群馬経済研究所が実施したアンケート調査によると、ガソリン価格の上昇局面のうち、 ピ ー ク 時 の 2014 年 7 月 ま で の 3 年 間 で 、 家 計 が 「 苦 し く な っ た 」 と 回 答 し た 世 帯が 72.3%を占めた。 3.ガソリン価格の上昇局面での生活行動をみると、 「車を丁寧に乗るようになった」をは じめ、 「安売りのガソリンスタンドに変えた」、 「余暇での車の利用を減らした」、生活必 需品以外を中心に「支出を減らした」といった動きがみられた。 4.一方、14 年7月以降のガソリン価格の下落局面では、家計が「楽になった」と回答し た世帯は 45.1%と半数に満たなかった。 5.ガソリン価格の下落局面での生活行動をみると、 「余暇での車の利用を増やした」とす る世帯は 10.3%にとどまり、 「変化していない」とする世帯が 77.8%を占めた。県内で は、依然として上昇局面で広まった抑制的な生活行動が続いていると考えられる。 6.この背景には、ガソリン価格が長期にわたり上昇してきたことに加え、家計の節約意 識の定着や省エネルギーへの意識の高まりがあると推測される。
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