中学校第 2 学年 技術科 技術科学習指導案 平 成 20年 12月 18日 ( 木 ) 5校 時 沖 縄 市 立 越 来 中 学 校 2年 2組 指 導 者 1 単元名 2 単元の目標 仲 里 研 一 郎 情報伝達の安全性とマナー (1)インターネットを活用したコミュニケーションを体験することにより,正しい判断力を身 につけることができる。 (2)ネチケットを身に付け,情報に関する技術利用の場面に応じて,適正に活動することがで きる。 3 教材設定について (1)教材観 近年,ニュースや新聞の中で,子ども達を中心にインターネットを介したトラブルが続発し ている。その背景にはネットワーク社会の匿名性や機密性が問題とされ,無責任な情報発信が 原因にあげられている。これからの時代を生きるためには,倫理観や情報モラルなど正しい判 断力やネットワーク社 会での人との関わり方などの育成が必要であり,今まで以上に意識し て指導していくことが求められてくる。そこで,生徒達のトラブルの元になる要素が高く,又 興味・関心の高いチャットを介した体験を題材として取り上げ,匿名性の有無によって情報の 発信に対する責任や他者意識,思いやり,やさしさについて適切に判断する態度を育成し,ネ ットワークの仕組みや情報の伝達の手段を理解させたい。 (2)生徒の実態 小学校の頃から授業でコンピュータを利用しており,文字の入力やインターネットでの検索 ができる。(文字を入力することができる100%,インターネットでの検索ができる93%), また,今回の題材であるチャットに関しては,約6割の生徒がどういうものか知っており,3 4%は実際にチャットをしたことがあると回答している。しかし,ネチケットという言葉につ いては,聞いたことがあると答えた生徒が66%いたにもかかわらず,意味について,ある程度 わかると回答したのは26%であった。 (3)指導観 ネチケットについては教科書やプリント等で学習したが今回は実際にチャット体験を通し てネチケットについて課題解決能力を身につけさせていきたい。 - 27 - 中学校第 2 学年 4 5 技術科 単元の指導計画・・・(3時間) 1 ○インターネットの利用方法 ・情報の検索 ・情報の発信 ・コミュニケーション ・マルチメディア 1 ○チャットを利用した情報発信 ・チャットソフトを使った匿名性のある情報発信について体験 ○責任が伴う情報発信 ・発信と同時に責任問題が発生する情報のしくみ 1 ○インターネットの光と影の存在を知る(仮想体験) ○危険性を回避する手段 ○ネットワーク社会における情報モラルのあり方 本時の学習 (1)本時の目標 ①コンピュータを活用したコミュニケーションの特徴と利用方法を理解し,チャットを利 用した情報発信できる。(技能) ②情報発信の際のルールやマナー(情報モラル)について考え,情報発信のあり方につい て理解する。(知識・理解) (2)道徳の内容項目との関連 「道徳」年間指導計画より 1-(3) 誠実・責任 【11月】ウイニング・パス 2-(2) 思いやり 【9月】おかえりなさい 4-(1) 社会の秩序と規律 【6月】規則があなたを守る 【2月】地図のある手紙 【10月】勝手に使ってだいじょうぶ? インターネットを活用したコミュニケーションでの情報発信を体験することにより,匿 名であるからこそ他者への思いやりが必要なことや,発信する情報に責任を持つことの大 切さ等の情報社会に参画するために必要な情報モラルを学ぶことができる。また,そのこ とが,情報社会をより豊かで安全なものにしようとする等,社会の秩序と規律を高めよう とする態度を育むことにつながっている。本時では,リアルタイムで相手とやり取りする チャットを取り上げることから,匿名の場合でも誠実に責任を持って発信することや思い やりの大切さに気付かせるよう留意する。 (3)授業仮説 ネットワーク上で自分の意見や考えを相手に伝える場面において匿名性の有無の違いに よるチャット体験をすることにより,コンピュータを活用したコミュニケーションの利用 方法と特徴を理解し,責任をもって情報発信しようとする態度が育つであろう。 - 28 - 中学校第 2 学年 (4)展 技術科 開 学習内容・学習活動 指導の手だて・留意点 ・ワークシートを配布する。 導 ・本時の目標を確認する。 備考(評価・資料) プロジェクター ・目標を記入させる。 ・日常生活の中にある情報伝達 ・相手に情報を伝える手段にはどのよ 入 の手段について考える。 うな方法があるのか考える。 ・コンピュータを活用した情報 ・考えやすいように例題を提示してヒ ・コンピュータを活 伝達やコミュニケーション手 ントを与える。 用したコミュニケ 段にはどのようなものがある ーションの方法が か考える。 分かったか(挙手) ・チャット体験ソフトの使い方 ・チャット体験ソフトの操作方法を説 について知る。 明する。 ・ソフトを活用した ・テーマに沿って書き込みをす ・入力の目的を明確化させる。 る。 情報伝達ができる か(行動観察) ・ハンドルネームを用いて意見 ・匿名性のあるインターネット社会の を入力する。 展 特徴について体験できるように支援 する。 ・実名を用いて意見を入力する。・実名で入力できるように支援する。 ・考えを発表できた か(問答) ・ハンドルネームと実名を用い ・ハンドルネームの場合と比較してど 開 た場合の違いを考え,発表す のような違いが出てくるか考えさせ る。 る。 ・アクセスログやIPアドレス等 ・一度発信した情報は記録が残される の存在を発見する。 ことを知らせる。(アクセスログの存 ・ネットワーク上の 在) 情報発信における ・チャット等のネットワーク上 ルールやマナーを で情報を発信する際に気をつ まとめることがで けなければならないことをワ ・「チャット等のネットワーク上で情報 きたか(分析記録) ークシートに記入する。 を発信する際に気をつけなければな らないことは何か」を発問する。 ・本時の学習内容をふり返り, ・机間指導 ま 自己評価表を記入する。 学習したことを振り返りながら自 と 己評価にきちんとまとめられるよう め 支援する。 - 29 - 中学校第 2 学年 6 技術科 評価 (1) リアルタイムで複数とコミュニケーションが取れることや匿名によって起こる問題点等 チャットの特徴を理解できたか。(発言・ワークシート) (2) 責任をもって情報発信しようとする態度を育むことができたか。(実名チャット内容の観 察・ワークシート) 7 授業の反省(成果と課題) (1) 成果(ワークシートより) ①リアルタイムで複数とコミュニケーションが取れることや匿名によって起こる問題点等 チャットの特徴を理解できた。 ②責任をもって情報発信しようとする態度を育むことができた。 生徒感想① ・匿名のときは文句があった(Iさん) ・匿名のときはいろいろ気軽に書き込んだが実名のときは相手の気持ちも考えて慎重に書き込 んだ。(Kさん) ・匿名だと自分がだれかということをみんながわからないから適当に書き込めるけど,実名だ と少し気をつかってしまう。(Mさん) ・実名のときはふざけたことをあまり書いてなかった。匿名のときはテンションがあがってい ていろいろなことを書いてあった。(Oくん) ・実名のときはやりにくかった。匿名のときは書きやすかった。(Nくん) ・実名と匿名のときでは書くときの気持ちが全然ちがっていた。(Tくん) 生徒感想② ・言葉をえらんだりちゃんと気をつかって書く。(Tさん) ・悪口や言葉づかいに気をつける。(Aさん) ・相手の気持ちを考えないといけない。(Mさん) ・もんく禁止!!変なことわっなし☆だめ!(Rさん) ・人の悪口や誹謗中傷は書かない。いい加減だったり適当な事は書かない。あと,意味不明と かってのも(Tさん) ・冷静になって言葉をえらんで書く。(Oくん) ・はめをはずして相手の悪口を書かない。(Nくん) (2)課題 ・授業の最後の方で生徒の発表の時間を確保できなかった。 ・コンピュータ室でパソコンの予想できるトラブルに対応できず時間のロスがでた。 - 30 - 中学校第 2 学年 8 資料 ○ワークシート1 - 31 - 技術科 中学校第 2 学年 技術科 ○ワークシート2 ○ワークシート3 - 32 -
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