株式会社千趣会

IBMお客様導入事例
株式会社千趣会
利用量に応じた料金体系の導入により
3年間で20%以上のコスト削減を期待
株式会社千趣会(以下、千趣会)
では、総合オンライン・ショップ
「ベルメゾンネット」
のITインフラストラクチャーとして、IBMマネージド・クラウド・コンピューティング・
サービス
(以下、IBM MCCS)の活用を開始、
キャンペーンや季節により大きく変
お客様情報
動するトランザクション量に合わせた柔軟なインフラ提供をクラウド・コンピューティ
ング・サービスにより実現しました。利用量に応じた料金体系により、3年間で20%
以上のコスト削減を見込むほか、
システムの可用性を高めることにより、
ベルメゾン
ネット会員へのサービス品質を向上しています。
チャネルミックスの推進で通信販売事業を拡大
千趣会はこけし人形の頒布販売を主業として1955年に設立されました。
その後商品や
販売方法を拡充し、
1976年にはカタログ
「ベルメゾン」
を創刊。
さらには長年カタログ通信
販売で積み重ねたノウハウを生かし、
フルフィルメントの受託サービスなど、
ビジネス・
ソリューションの提供も手掛けています。
現在の主力ビジネスとなっているカタログ通信販売では、
2000年にオンライン・ショッピング・
サイト
「 ベルメゾンネット」を開 設 。さらに2 0 0 2 年にはベルメゾンの店 舗 1 号 店を
オープンし、バーチャル・ショップ、実店舗での販売など、多角的な販売スタイルを展開
しています。
株式会社千趣会
● 本社所在地
〒530-0035
大阪府大阪市北区同心1-8-9
http://www.senshukai.co.jp/
ベルメゾンネット
http://www.bellemaison.jp/
1955年、
こけし人形の頒布を目的に設立。
その後料理カード
付き月刊誌「クック」
をはじめ、
タオルやハンカチ、下着など
女性の心をとらえたオリジナル商品の大ヒットによって業容を
拡大し、1976 年にはカタログ誌「ベルメゾン」を発刊し、
カタログ販売事業に進出しています。
現在では18種類の主要
カタログを約700万人の会員に向けて発行し、
カタログ販売
のリーディング・カンパニーとして人々の生活向上に貢献
しています。
急増するインターネット経由の取引に対応
こうしたさまざまな通信販売のチャネルの傾向について千趣会 業務本部 情報システム部
部長 高田 拓治氏は、
次のように語っています。
「通信販売の受注は、
電話、
ファックス、
ハガキ、
インターネット経由という4種類がありますが、
近年はインターネット経由が半分以上を占めるようになってきています。
紙媒体のカタログの
場合は、
諸事情によりお客様にお届けする時期が分散しますので、
ご注文が極端に集中す
るということは比較的少ないのですが、
インターネットの場合、
商品を掲載すると一斉に多数
のお客様から反応が寄せられるという特徴があります。特にセールの案内でメール
マガジンを配信したような場合は、
通常の5∼10倍のレスポンス量になります」
このように、
ベルメゾンネットが同社の主力ビジネスとなりつつある中で、
レスポンス量の変動
にどのように対応するのかが、
大きな課題となっていました。
「急激にレスポンス量が増えた場合、
従来のシステムでは、
システム・ダウンを避けるために、
一定量を超えた場合にアクセス制限をかけていました。
そのため、一部のお客様には
ご迷惑をお掛けしていて、
また千趣会としても販売機会を逃していた可能性がありました」
(高田氏)
。
この問題を解決するためには、
単純にサーバーを増強するという方法が考えられますが、
通常時に使われない無駄なITリソースが増え、
非効率
それではコストが増大するとともに、
的なIT運用に拍車がかかってしまいます。
そこで千趣会が着目した方法が、
IBM MCCSの
活用です。
「千趣会のビジネスの特性上、
システムの利用量に応じた料金体系のサービスがあれば
理想的だということで、
以前より日本IBMに相談していました。
それを受けてさまざまな提案を
いただいたのですが、
コスト面などで問題があるなどなかなか話がまとまらなかったところ、
IBMお客様導入事例
2009年にIBM MCCSの提供が始まりました。
そこで早速IBM MCCS活用の検討を開始
事例概要
したのです」
(高田氏)
。
課題
パブリック・クラウドで高いサービス・レベルを実現
カタログ販売のベルメゾンネットのシステムでは季節に
よりトランザクション量の変動が激しく、
ピーク時を想定
コスト
したITリソースの場合は通常時に無駄が発生し、
を最適化できていなかった。
また従来はピーク時にアク
セス制限を設けていたため、
ビジネス機会の損失につ
ながっていた。
ソリューション
● IBMマネージド・クラウド・コンピューティング・サービス
による利用量に応じた料金体系
● 基本利用量の4倍まで自動的にITリソースを柔軟に提供
ビジネス・メリット
● 3年間で20%以上のコスト削減を期待
●
●
会員に対するサービス品質の向上
多数所有していたサーバーの管理コストを削減
IBM MCCSは日本IBMが提供するパブリック・クラウド・コンピューティング・サービスで、
リソースの利用量に応じて月々設定する基本使用量を変動することができます。仮に
基本使用量を超えてしまった場合でも、設定した基本使用量の4倍(ベスト・エフォートの
値)
まで自動的にIT資源が割り当てられます。
「数年前からこうした従量制課金型のサービス提供をしていただけないかという要望を
日本IBMにはお伝えしていましたので、IBM MCCSの提供が始まったと伺ったときは、
『これだ』
と思いました。ただし、IBM MCCSはパブリック・クラウド・サービスなので、
どの程度のサービス品質が実現できるのかということが懸念したのですが、
アウトソー
シングと同等のサービス・レベルは確保していただけるということでした。
つまりパブリック・
クラウドでありながら、限りなくプライベート・クラウドに近いサービスを提供していただける
ということでしたので、
その点を評価して採用を決定しました」
(高田氏)
。
千趣会では、ベルメゾンネットのシステムを含め、ITシステムの運用を日本IBMにアウト
ソーシングしてきましたが、そのアウトソーシング・サービスとの親和性も採用に踏み
切った大きなポイントだったと千趣会 業務本部 情報システム部 システム基盤チーム
マネージャー 溝口 誠氏は振り返ります。
「長年の運用からサーバーが乱立している状態になっていて、近年では360台を超える
数にまで増加していました。
これらの最適化を図るために、
サーバーを仮想化し、統合
急な利用量増加にもバーストで対応。
また資源追加が必要な場合も迅速に対応
提供資源量
(SPECint)
利用量に合わせてIT資源量を提供するこ
とで、青色部分の余剰 IT 資源量を抑える
ことが可能
サービス基準量
(ベースライン)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
アプリ
アプリ
アプリ
ケーション ケーション ケーション
135台のサーバーを
118個の仮想
サーバーに集約
ミドル
ウェア
ミドル
ウェア
ミドル
ウェア
OS
OS
OS
Hypervisor
CPU資源
ストレージ資源
ネットワーク資源
IBM MCCS
エンド
ユーザー
する計画を進めていたのですが、IBM MCCSの提供が始まったとのことで、仮想化の
最大の効果は、
コスト・パフォーマンスの
計画は中止しました。
もしアウトソーシングとクラウド・サービスを個別の会社に依頼して
改善でしょうね。今後3年間で20%以上
いたら、多数のサーバーを抱えた一方でクラウド・サービスの利用料金も同時に発生
のコスト削減を期待すると同時に、
これまで
ピーク時にはアクセス不能になっていた
するので、大きなコスト・メリットを生み出すことが難しかったでしょう。
しかし同じ日本IBM
のサービスを利用することで、契約変更という形で対応していただけたので、
より大きな
コスト・メリットにつなげることができました」
問 題 が 解 決される見 通しですので、
お客様に対するサービスの向上も同時
に実現されるということも大きな成果に
なります。
135台のサーバーを118個の仮想サーバーに集約
千趣会では、2010年5月末にIBM MCCSを契約。
その中で多くのシステムをクラウド・
コンピューティング環境に移行する予定ですが、秋から冬にかけて稼働のピークを
迎えるベルメゾンネットを先行して移行する計画を立てました。
移行内容としては、
それまで稼働していた135台のサーバーを118個の仮想サーバー
に集約。その環境にベルメゾンネットを中心とした各種システムを順次移行していきま
す。
またIBM MCCSはストレージ・ミラーリング構成を採用しており、
データを自動的に
バックアップするため、個別にバックアップ対策を講じる必要はありません。
「千趣会では約360台のサーバーが稼働していますが、そのうち135台分をIBM
株式会社千趣会
業務本部
情報システム部
部長
高田拓治
MCCS環境に移行する予定です。
ファックス機能が付いた装置など、IBM MCCS
環境に入れることが不可能なものを除いて、実質的には移行できるものはすべて
氏
クラウド化するという方針です」
(高田氏)。
2010年6月から新環境の構築が始まりましたが、
もともと日本IBMが運用を受託してい
たことから、
システムの移行はスムーズに運び、2010年8月末までにはベルメゾンネット
多数設置されているサーバーは、ハード
ウェアおよびソフトウェアの保守契約の
期間がそれぞれ異なるなど、
その管理に
は非常に大きな手間がかかっていました。
それが必要なくなるだけでも負荷が削減
されますし、コスト換 算してもおそらく
大きな額になるのではないでしょうか。
の新環境への移行が完了。翌9月からIBM MCCS環境下での稼働が始まっています。
その後、他のシステムの移行作業が進められ、2011年12月までにはすべての移行が
完了する予定です。
大幅なコスト削減を実現すると同時にサービス品質も向上
千趣会のIBM MCCSの活用はまだ一部での運用が始まったばかりですが、今後見込
める効果としては、
コスト・パフォーマンスの向上が一番大きいと高田氏は言います。
「やはり最大の効果は、
コスト・パフォーマンスの改善でしょうね。今後各種システムの
移行を進めていきますが、2013年までには20%以上のコスト削減を実現することが現在
の目標となっています。
もちろん、単にコストが下がるだけということではなく、
これまで
ピーク時にアクセス不能になっていた問題が解決される見通しですので、お客様に
対するサービスの向上も同時に実現されるということも大きな成果になります」
株式会社千趣会
業務本部
情報システム部
システム基盤チーム
マネージャー
溝口 誠
氏
千趣会が見込むコスト削減は、従来のアウトソーシング・サービス対象料金が削減され
る部分が大きいのですが、
サーバーの管理コストの削減効果も見逃せないと溝口氏は
言います。
「これまで管理していた135台のサーバーが、新環境に移行する予定ですので、
そこに
かかっていた管理の手間やコストが削減されるということも大きな効果になるでしょう。
多数設置されているサーバーは、
ハードウェアおよびソフトウェアの保守契約の期間が
それぞれ異なるなど、
その管理には非常に大きな手間がかかっていました。
それが必要
なくなるだけでも負荷が削減されますし、
コスト換算してもおそらく大きな額になるのでは
ないでしょうか」
また従来は、
ピーク時にアクセス制限をかけていたことから、最大のアクセス数を正確に
把握することができませんでしたが、
ピーク時のキャパシティーが増えたことにより、今後
は正確なアクセス数の集計が可能になります。
さらなるITシステムの最適化へ向けて
今回IBM MCCSを活用したことで大きなメリットを期待している千趣会ですが、今後は
さらに理想的なIT環境を目指していきたいと高田氏は語ります。
「まだ多くの課題があるのかもしれませんが、
さらにIBM MCCSのユーザー企業数が増
えることにより、経済性の高い従量制に向けての条件が整ってくることを願っていますし、
わたしたちとしてもそれを応援していきたいと考えています」
また現在はすべてのシステムに均一のサービス・レベルが適用されていますが、個別
システムの必要度に応じた柔軟なサービスの適用ということについても高田氏は期待
しています。
「システムによっては、
厳重な監視が必要ないもの、
あるいは極端にいえば、
仮にシステム・
ダウンしたとしても大きな問題が発生しないものもあります。そうしたシステムすべてに
高い品質のサービスを適用している現状では、無駄なコストがあるのではないかと考え
ています。
メニュー構成をどのようにしたらいいのかなど、難しい問題はあるかも
しれませんが、ぜひ柔軟なサービス・レベルの設定が実現すれば、
とても素晴らしいと
思っています」
このように千趣会は、ITシステムの最適化をさらに推進する姿勢を貫いています。今後
も千趣会は、
先進的な取り組みを継続し、
さらなるビジネスの発展を実現していくでしょう。
お問い合わせは、IBMビジネス・パートナー、製品販売店、弊社営業担当員、
または、
「ダイヤルIBM お客様相談センター」
( 0120-04-1992)
へ。
フリーダイヤルをご利用いただけないお客様は電話番号:043-310-2501をご利用ください。
(通話料金はお客様のご負担となります。)
IBM マネージド・クラウド・コンピューティング・サービスについての
詳細情報は下記のWebサイトでご覧ください。
ibm.com/services/jp/index.wss/offerfamily/so/b1333005
©Copyright IBM Japan, Ltd. 2010
〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19-21
Produced in Japan
October 2010
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このカタログの情報は2010年10月現在のものです。仕様は予告なく変更される場合があります。
記載の事例は特定のお客様に関するものであり、全ての場合において同等の効果が得られることを意味するものではありません。
効果はお客様の環境その他の要因によって異なります。
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