理科 偏差値20アップ指導法 動物とヒトのからだ(3)

理科
偏差値20アップ指導法 動物とヒトのからだ(3)
予習シリーズ(5年下第3回)参照
~血液循環について~
血液は、からだの中を循環しながら、全身が必要とする酸素や栄養を届け、からだの中で発
生した不要なものを回収します。そのために必要なさまざまな器官は、すべて血管でつながっ
ています。
どこがどのような役割をもっているのか、それらのつながりをよく考えながら覚えていきま
しょう。
演習問題集 解説
練習問題
 心臓のつくり
血管の中の血液を循環させているのは、心臓です。
心臓は厚い筋肉でできていて、2つの心房と2つの心室に分かれています。
心房と心室は交互に収縮し、血液の流れをつくりだしています。
全身へ
う
肺へ
し ん ぼ う
右心房
肺から ※解剖された心臓を対面で見ているため、
か い ぼ う
さ
し ん ぼ う
さ
し ん し つ
左心房
う
し ん し つ
右心室
左右の向きが自分とは反対になることに注意。
左心室
全身から
べ ん
弁…血液を決まった向きに送ります。
心臓の動き
① 心房がひろがり、
静脈から心房に血液が流れこむ。
② 心房が収縮し、
心房から心室に血液が移る。
③ 心室が収縮し、
心室から動脈へ血液が流れ出る。
④ ①~③をくり返す。この間、心臓は1回拍動したことになる。
は く ど う
- 1 -

液の成分
血液は、血しょうという液体の中にさまざまな固体の成分(血球という)が混ざってでき
ています。
赤 血 球…赤い血色素、ヘモグロビンにより酸素を運びます。
ヘモグロビンには、酸素の多いところでは酸素と結びつき、
固体
酸素の少ないところでは酸素をはなす性質があります。
白 血 球…アメーバ状に動き、体内に入った細菌などをとりのぞきます。
、、
死ぬとうみになります。
血 小 板…外気にふれると血液を固めます。
液体 血しょう…うすい黄色の液体。血球の他に、栄養や二酸化炭素・不要物を運びます。
白血球…血液1㎣ に約7000個。
赤血球…血液1㎣ に約500万個。
血小板…血液1㎣ に約40万個。
血しょう

血液の循環
心臓から送り出された血液は、体の各部分に酸素や栄養を運びます。
左心室から出て、大動脈・全身の毛細血管・大静脈を通り、右心房へもどる循環を体循環、
たい じゅん かん
は い じゅん か ん
右心室から出て、肺動脈・肺の毛細血管・肺静脈を通り、左心房へもどる循環を肺循環、
と言います。
肺動脈
肺
肺 …酸素を血液中に取り入れ、二酸化炭素を体外
肺静脈
へ出します。
左心房
右心室
肝静脈
左心室
肝臓
肝動脈
大動脈
大静脈
右心房
か ん ぞ う
肝臓…小腸で吸収した栄養をたくわえます。
しょうちょう
小腸…栄養を血液中に吸収します。
じ ん ぞ う
にょう
腎臓…不要物を取り除き、尿をつくります。
ど う みゃく け つ
動脈血…酸素を多くふくみ、あざやかな赤色。
じょうみゃく け つ
肝門脈
腎静脈
静脈血…酸素が少なく、少し黒ずんだ赤色。
小腸
腎臓
全身の毛細血管
腎動脈
か ん も ん みゃく
※肝門脈…小腸で栄養を吸収した血液は、そのまま静
脈には流れずに、肝門脈を通り肝臓へ向かいます。
小腸で吸収したぶどう糖を肝臓でグリコーゲンと言
う物質にしてたくわえます。(門脈とは、動脈(心臓か
ら各部分へ向かう血管)でも静脈(各部分から心臓へ戻る血管)でもなく、
ある部分と他の部分との間をつなぐ血管のこと。)
- 2 -
応用問題
・問4
ほ乳類や鳥類の血液循環は、心臓から全身をめぐる体循環と、心臓から肺をめぐる肺循環に
分かれます。このために、心室が左右に壁で区切られ、動脈血と静脈血とが混ざらないように
なっています。
また、両生類やは虫類は、心房が2つにわかれ、体循環と肺循環に分かれますが、心室が完
全には区切られず、動脈血と静脈血が混ざってしまう未発達なつくりになっています。
体循環と肺循環の区別がある場合、血液が体を一周するなかで、心臓を2回通ります。
魚類は、心房・心室ともにひとつずつで、体循環と肺循環の区別がありません。心臓から出
た血液はえらを通り、心臓に戻ることなくそのまま全身へ向かいます。
この場合、血液が体を一周するなかで、心臓を1回だけ通ります。
問5
あ
○
い
○
「左心室を流れる血液 100㎤にふくまれる酸素」-「右心室を流れる血液 100㎤にふくまれる酸素」
20㎤
-
16㎤
あ より、血液 100㎤あたりで 4㎤の酸素をあたえる
○
×48
=
4㎤
=
6㎤
4800㎤
192㎤の酸素
う
○
心臓1回の拍動で送り出される血液の量は 80㎤
×60
60回
4800㎤
え
あ ~○
う と同様に計算してみましょう。
○
○
う と同様に、
○
心臓1回の拍動で送り出される血液の量は250㎤
×60
120回
30000㎤
あ ・○
い と同様に、
○
「左心室を流れる血液 100㎤にふくまれる酸素」-「右心室を流れる血液 100㎤にふくまれる酸素」
19㎤
-
13㎤
上より、血液 100㎤あたりで 6㎤の酸素をあたえる
×300
30000㎤
お
○
1800㎤の酸素
「運動した後」÷「安静にしていたとき」
1800㎤
÷
192㎤
=
- 3 -
9.375