2013 年 5 月 20 日 東海大学文学部 ヨーロッパ文明学科ニュースレター 2013年春号 ♥学生たちの春のヨーロッパ留学体験記♥ ドイツ・フンボルト大学(ベルリン) by 中島英莉、篠崎麻実、高橋未来(ヨーロッパ文明学科2年生) 私たちは、今年3月の約1ヶ月間、ドイツのフンボル ト大学に短期留学をしました。授業は、フンボルト大 学付属の日本学(Japanologie)校舎の教室で、平日 の午前9時~12時まで行われました。午後は各自でカ フェや 学食(Mensa)で昼食をとるなり、観光に行く なり自由な時間を過ごすことができました。授業内容 はアルファベットの読み方、数の数え方、動詞の変化 という基本的なことの他に、道案内の仕方、レストラ ンでの会話練習、ベルリンの壁についてペアワークや グループワークをしました。授業はすべてドイツ語で 行われましたが、皆が理解できない時は先生が日本語 で説明を付け足してくれたので納得して授業に取り組む ことができました。教室の雰囲気は良く、先生たちも皆 とても優しかったです。機会があればまたドイツで勉強 したいと思います(中島英莉) 。 ドイツ連邦議会(ベルリン) 留学中は、平日の午前中は学校で授業に行き、午後はドイツ 人の友達と遊びに行ったり、1人で観光に行ったりと、それぞ れ自由に行動しました。電車(地下鉄や路面電車)の乗り方、 買い物の仕方(環境に配慮したスーパー)など、挙げたら きりがないほどに驚きや戸惑いの連続でした。特に毎日の 料理は、日本とは食材も違うし、何よりもドイツでは基本 的に電子レンジがないので、日本ではあまり使い慣れない オーブンやコンロで温めたり、時間をかけて自分で料理を 作ったりしました。日本では当たり前のことがドイツでは 当たり前ではなく、私にとって、馴染みのない新しい文化 の中で暮らすことは、なかなか大変でしたが、それも楽し みとして感じることができました。普通の旅行では味わえ ない体験はドイツ語だけでなく、いろいろな価値観や考え を得ることができました(篠崎麻美) 。 今回の留学では、ベルリンでドイツ人の友達がたくさ んできました。みんな自分の意見を素直に言い、そし て他人の意見をきちんと聞きます。例えばお店で働く 人を見ていても、それぞれのペースで仕事をしていま すし、お客さんと店員さんが挨拶や会話を交わし、そ れは単なる「お客様と店員」ではなく、「人と人」の関 係なのです。島国の日本と違って陸続きのヨーロッパ では、常に周囲の国のことを考えながら積極的な主張 をします。さまざまな景色とともに、人間関係からも 日本との違いが見えてきます。留学をする際には是非 いろんな人との関わりを持ち、語学以外の経験をして みるといいと思います。将来は「海外で働いてみたい、 海外との関わりを持ちたい!」という方には、留学は とてもお勧めだと思います(高橋未来)。 2012年夏・学生たちのヨーロッパ留学体験記 スペイン・カディス by 栗林 遼(ヨーロッパ文明学科3年生) 私はこの春休みに約1ヶ月半、スペインのカディスへ留学をしました。カディスはセビージャから南へ列車で2 時間ほどの所にある大西洋に面した湾岸都市です。非常に歴史のある街で、コロンブスが航海に出た場所でもあり ます(写真・左) 。 私は週5日の語学学校へ通いました。授業は文法と会話の二部制で、もちろん全てスペイン語で行われるのでと ても内容が濃く新鮮でした。昼の14時に授業は終わるので、あとは自由に過ごすことが出来ます。私は友人やホ ームステイ先の家族と色々な所へ出かけました。市内観光やカディス博物館、新鮮な魚介のそろう市場、サッカー 観戦、そしてバル巡りなど。バルで食べるチーズや生ハム、ワインは絶品です! カディスの人々はとても明るく 親切なので、バルやお店などでは知らない人ともすぐに「amigo!」になります。 2月には年に一度の有名なカルナバル(カーニバル)がありました。世界中から多くの人が訪れ、街中には合唱団 がたくさん(普通の合唱ではなく内容は社会風刺やジョークなど)、人々もみな各々に仮装して街へ繰り出し、夜は パレードなどとても内容は盛り沢山です。 カディスからは列車やバスで簡単にセビージャやグラナダ、ヘレスへも行く事が出来ます。アンダルシア特有の 白い家々の並ぶ姿はとても美しい景色です。留学の最終日はマドリードにいたので、プラド美術館とソフィア王妃 芸術センターへ行き、ベラスケスやゴヤ、ピカソなどの芸術品を観ることが出来ました。 今回の留学でスペインの文化や生活習慣、現地の言葉を実際に肌で感じ、たくさんの友人もでき、とても素晴ら しい経験をすることが出来ました。私は必ずまたスペインへ行きたいと思います。 フランス・ブルゴーニュ大学(ディジョン) by 小島 悠(ヨーロッパ文明学科3年生) 私は今年の夏にフランスのディジョンにあるブルゴーニュ大学に留学しました。ディジョンは、歴史と文化の豊かなブル ゴーニュ地方の中心都市で、フランスだけではなく、ヨーロッパ中あるいは世界中から学生たちが集まってきています。私 がフランスに留学しようと思ったのは、1年生の時から学んでいたフランス語の力を、さらにもっと向上させたいと思った からです。実際に現地に行って1ヶ月ですが勉強してみて、行く前の倍くらいには話したり聞けたり出来るようになったと 思います。さらに単なる言葉だけではなく、日本にはない風景とか建物、食べ物、習慣、文化などに直接触れることができ ました。毎日が新しい発見の連続でした。またそれまでとは違う新しい自分自身を見つけること出来ました。今回留学を経 験したことは、自分の人生にとって、いろいろな意味で大きな価値があったと思います。 ディジョンの大公宮殿 フランス語クラスの仲間たち 学生のヨーロッパ旅行記 私のスペイン一人旅 by 松田瞳美(ヨーロッパ文明学科2年生) 私は春休みに3週間スペインを旅行しました。大学で1年間学んだ語学がどれだけ生かせるか、スペインという国はどう いう国なのかを実感するための旅行でした。マドリード、トレド、マラガ、グラナダの四都市を周り、その都市の歴史的建 造物や美術館を見るとともに、スペインの人たちが生活している街を歩きました。今まで写真や映像でしか見ることができ なかった世界が自分の目の前にある、この感動は言葉にはできないものです。日本にいては絶対に経験できないことがたく さんあり、それがスペインという国、国民を作っているのだろうな、と思いました。 好きな画家と同じ景色を見たり、レポートで書いたテーマのものを実際に触ってみたり、ミサを体験したり、見たこと、 聞いたこと、感じたことを全て話すと何時間もかかるでしょう。人が倒れたり、乗ったバスが事故に遭ったり、と思わぬア クシデントに見舞われたこともありましたが、それも旅行の醍醐味です。 言葉はほとんどわからず、英語もそんなにできるわけではないので、大半がジェスチャーや単語のやりとりでした。それ でもホテルの人や、お店の人、道を尋ねた人、みんな私のつたない言葉を理解してくれようとしてくれました。一人で海外 に行くのは初めてだったので、最初は一人きりで行ったことを少し後悔していましたが、自分の足で歩いていくうちに、ス ペインという国をどんどん知って行くことができ、今では次はどこへ行って何を見ようかな、と考えています。ス ペインだけではなく様々な国に行って、いろいろなものを感じることが今の目標です。 マドリード王宮 トレド グラナダのアルハンブラ宮殿 今年(2013年)の夏の「ヨーロッパ実地研修」は?! 地中海歴史紀行 -古典古代とルネサンス~ヨーロッパ文明の源流を求めて~ ギリシャではパルテノンを中心としたアテネの古代遺跡とデルフィの遺跡、イタリ アでは「永遠の都」ローマとルネサンスの中心地フィレンツェなどを訪問します。 ※さらに来年以降の予定 2014 年度「イギリス・スコットランド・アイルランド ~ケルト文化をたどる旅」 2015 年度「ブレンナー峠を越えて~北イタリア、チロル、オーストリアへの旅」 2016 年度「フランスの歴史と文明に触れる旅 ~パリと南仏プロヴァンスをめぐる」 教員スタッフの春の研究調査活動 南仏アルデーシュの歴史遺産調査:中川久嗣(教授) 今年の3月に、南フランスのローヌ地方・アルデッシュ県の歴史的文化遺産を訪れました。このあたりは、いわゆる プロヴァンス地方とともに、古代からローマ文明の影響を強く受けていたところです。中世にはロマネスク様式の教会 が数多く建てられました。クリュアス(またはクリュア Cruas)は、そんな教会のひとつで、アルデッシュ県中部のロ ーヌ川沿いにあります。もともとは9世紀にさかのぼる修道院ですが、現在の巨大なロマネスク聖堂は11世紀のもので す(写真・左)。身廊のトリビューンとその奥のクリプトには古い柱頭彫刻が、きわめて良い状態で残されています。 渦巻き状の植物文様や鳥、ライオンなど(写真・中央)。 さらに北に行くと、ローヌ川を見下ろす山の上に、ロンポンのサン・ピエール修道院の遺構が残っています(写真・ 右)。クリュニー修道会のもので、12~13世紀に最盛期を迎えますが、百年戦争の時には破壊されていました。ローヌ 渓谷を吹き渡る風の中でこの廃墟にいると、かつての修道士たちの静かな祈りの日々がよみがえってくるようです。 ヨーロッパ文明学科・オープンキャンパスのお知らせ 6月16日(日)体験授業:ヨーロッパ留学の楽しみ(担当:中川久嗣教授) 7月28日(日)体験授業(担当:柳原伸洋講師) 8月10日(土) パネル展示(担当:平野葉一教授) 8月25日(日) 体験授業(担当:土谷直人教授) 11月3日(日) 学科説明・ブース対応による各種相談受付(担当:金沢百枝准教授) 金沢百枝『イタリア古寺巡礼・シチリア→ナポリ』 (小澤実氏との共著)新潮社・とんぼの本、1680円 『イタリア古寺巡礼』(新潮社)は、ヨーロッパ中世の建築と美術を紹介するシリ ーズです。今回は、シチリア・南イタリア。地中海のまん中に位置するこの場所は、 古代ギリシア、ビザンツ、イスラームの支配を受けた文明の交差路です。だから、 建築や美術もじつに多様。 カッパドキアを思い起こさせる洞窟教会群では60年代に発見され、2005年に修復 を終えたばかりの美しい壁画も取材しました。シチリアの絢爛豪華なモザイクやイ スラームの天井板絵、ロマネスクの愉快な柱頭彫刻など、中世の美術と建築を、歴 史と料理も紹介する旅行記です。十字軍の時代の中世イタリアを一緒に旅してみま せんか? (かなざわ・ももえ/ヨーロッパ文明学科准教授) 東海大学文学部・ヨーロッパ文明学科(お問い合わせ・資料請求などは下記まで) 〒 259-1292 神奈川県平塚市北金目 4-1-1 東海大学湘南校舎 TEL 0463-58-1211(代表)内線 3067 [email protected](学科事務室:秋山) 発行責任者:金沢百枝(かなざわ・ももえ:ヨーロッパ文明学科主任)[email protected] http://www.u-tokai.ac.jp/ (東海大学大学オフィシャルサイト) http://www.hum.u-tokai.ac.jp/ (東海大学文学部サイト) http://www.europe.u-tokai.ac.jp/ (学科制作サイト) ※ヨーロッパ文明学科の教員による出張講義などのご要望にもお応えいたします。お問い合わせは金沢まで。
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