CSR報告書 2016

東京精密
CSR 報告書 2016
編集方針
東 京 精 密グループは「 持 続 可 能な社 会の実 現 」に向けて果たすべき責 任や役 割を摸 索す
るた め に、2015 年 4 月 に 社 長 直 轄 の CSR 推 進 室 を 設 置 し、CSR( Corporate Social
Responsibility :企業の社会的責任)活動に踏み出しました。東京精密グループの全ての
企業活動が「環境への配慮」を怠らず、
「社会価値を創出」し、
「社会課題の解決」に貢献し続
けるために、顕在するあるいは潜在する全てのステークホルダーの皆様に企業活動を開示す
ることを目的として CSR 報告書を発行しました。
この報告書をステークホルダーの皆様とのコミュニケーションツールとして活用し、ご評価
やご意見、ご感想をいただくことで、取り組み始めた CSR 活動をより実効の高い活動へと育
てていきたいと考えています。
本報告書の対象範囲
対象期間: 原則 2015 年 4 月 1 日∼ 2016 年 3 月 31 日の活動を報告。
報告対象期間以前から継続している取り組みや、直近のものも含みます。
対象組織: 株式会社東京精密
半導体社 八王子工場(東京都八王子市)
計測社 土浦工場(茨城県土浦市)
業務会社 (東京都八王子市)
半導体社 営業所(国内 3 営業所)
計測社 営業所(国内 14 営業所)
関連会社: 株式会社トーセーシステムズ
株式会社アクレーテク・クリエイト
株式会社東精ボックス
原則(株)東京精密を対象とし、報告対象が限定されている報告については、個別に報告範囲を記載しています。
報告書発行:2016 年 10 月(次回:2017 年 10 月予定、前回:2015 年 11 月)
追加情報の入手先
東京精密の環境・社会活動のページ
http://www.accretech.jp/csr/index.html
東京精密の製品情報
http://www.accretech.jp/product/index.html
◀
◀
以下の資料がダウンロードできます。
◀
◀
◀
1
会社案内
https://www.accretech.jp/company/guide.html
各種財務データ
http://www.accretech.jp/ir/library/index.html
CSR 報告書
http://www.accretech.jp/csr/index.html
ACCRETECH CSR REPORT 2016
CONTENTS
ごあいさつ .....................................................3
東京精密の会社概要 ........................................5
東京精密の CSR の考え方 ................................7
コーポレート・ガバナンス.................................9
コーポレート・ガバナンス
コンプライアンス・リスクマネジメント
ステークホルダー・エンゲージメント ................ 14
お客様とのかかわり ....................................... 15
品質管理の取り組み
顧客満足追求の取り組み
サプライヤとのかかわり .................................. 19
調達にあたっての基本的な考え方
調達にあたっての協力依頼事項
サプライヤとの協働体制
従業員とのかかわり ....................................... 21
雇用・人材活用
労働安全衛生
株主 ・ 投資家とのかかわり .............................. 26
株主・投資家向け情報開示の考え方
積極的な IR 活動の展開
地球環境とのかかわり.................................... 27
環境における基本的な考え方と管理体制
環境目標と環境負荷の全体像
エコファクトリー
エコプロダクツ
環境保全活動の歩み
社会とのかかわり .......................................... 36
地域コミュニティとのかかわり
業界団体とのかかわり
対照表 ........................................................ 38
ACCRETECH CSR REPORT 2016
2
ごあいさつ
東京精密グループは
“ 夢のある未来”を築く
一員であり続けます 。
代表取締役社長 CEO
企業理念:
世界中の優れた技術・知恵・情報を融合して
世界 No.1 の商品を創り出し、
皆様とともに大きく成長していく
MOTTO:
「 WIN-WIN の仕事で世界 No.1 の商品を創ろう! 」
コーポレートブランド:
Accrete ( 共生 ) と Technology( 技術 ) の合成語
3
ACCRETECH CSR REPORT 2016
ごあいさつ
東京精密グループは、創業当初から今日に至るまで、多く
え方を通し、グローバル社会と地球環境に優しい価値ある
のビジネスパートナーの方々に支えられて成長してまいり
技術・サービスの提供に真摯に取り組んでまいります。
ました。改めて厚く御礼申し上げます。
当社は
『環境・社会報告書 2015』
で電子業界行動規範
であるEICC( Electric Industry Code of Conduct )への
また 、東 京 精 密グループは 、
「健 康・安 全」、
「品 質」、
「環境・省エネルギー 」、
「全員力」の価値観を示し、行動
準拠を宣言しました。今後も厳格にこの規範を励行すると
指針としています。
ともに、より広範囲のステークホルダーの皆様とWIN-WIN
世界中の各社が国際社会の
「環境負荷が少なく、健康・
の関係を深めて企業価値を向上し、企業理念と価値観及び
安全で快適な暮らし」のニーズに応えるべく新たな“もの
社会的責任や役割の認識を広く皆様にご理解いただくため
づくり”を目指す中、高品質な No.1 製品により不可能を
に、今年度より
「 CSR 報告書」を発行して公開することに
可能にする生産手段を提供することでこれらのニーズを実
いたしました。
現するのが東京精密の社会的役割であると考えています。
東京精密は新たな価値創出の壁をお客様やサプライヤ様
という目的を共有で
当社は、
「世界 No.1 の製品を創る」
とともに全員力で越えていく技術集団であり、常に世界中
きる企業及び人材と積極的にパートナーシップを結び、ナノ
の“ものづくり共 同 体”の必 須メンバーとして “ 夢のある
テクノロジーレベルの画期的な新製品開発を実現しています。
未来”の一員であり続けます。
協業を成功させるために、
「 WIN-WINの仕事で世界 No.1
また、これらの企業活動の原動力は従業員の健康と能力の
の商品を創ろう」
というモットーのもと、異文化を包摂した
向上であるため、生活環境の変化やライフイベントにおい
グローバルかつハイブリッドな東京精密 (ACCRETECH)
ても心身共に健康で働き続けられる職場づくりとワーク
の文化風土を醸成し、世界 No.1 の製品開発体制の構築に
ライフバランスの適正化、向上心の高揚及び教育・能力
努めている技術指向型の会社です。
開発活動を推進してまいります。
2001 年に導入したコーポレートブランド
「 ACCRETECH」
は、
「ともに成長する」
という意味の“accrete”と“technology”
株主・投資家の皆様へは、引き続き、業績・財務内容・
の合成語で、
「世界中の優れた技術・知恵・情報を融合して
経営戦略などの情報を正確に、分かりやすく、タイムリーに
世界 No.1 の商品を創り出し、皆様とともに大きく成長して
お伝えすることに加え、将来的に
「統合報告書」
として財務・
いく」
という企業理念を表したものです。
非財務情報をまとめてお知らせできるよう取り組みを進め、
この理念に基づいて、世界のものづくり企業様に最先端
企業活動の透明性とガバナンスを向上させてまいります。
の精密測定技術を駆使した測定機器と精密位置決め技術を
企業価値の向上と“夢のある未来”の実現を通して、皆様が
活かした半導体製造装置を提供してまいりました。今後も
安全に資産価値を高められるよう、長期的な信頼関係を
ものづくりの原点として
「測れないものは、作れない」の考
築いてまいります。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
4
東京精密の会社概要
東京精密は、半導体製造装置、精密測定機器を事業の柱として、アジアを中心に
欧州、米州など、グローバルに事業を展開しています。世界中の優れた知恵・情報を
融合して世界 No.1 の製品を創り出し、皆様とともに成長し続けることを目指します。
■ 会社概要
◀
社名
株式会社 東京精密
設立年月日
1949 年 3 月28 日
資本金
10,374 百万円(2016 年 3 月31 日現在)
本社所在地
代表者
証券取引所
売上高(連結)
経常利益(連結)
従業員数(連結)
事業所
海外拠点
東京都八王子市石川町 2968-2
欧州
吉田 均
東京証券取引所市場第一部
70,274 百万円(2016 年 3 月期)
13,232 百万円(2016 年 3 月期)
1,559 名(2016 年 3 月31 日現在)
八王子工場、土浦工場 ほか国内 17 営業所、
海外拠点 66 カ所、国内グループ会社 5 社等
アジア
5 カ所
北米・南米
53 カ所
8 カ所
■ 財務データ
(連結)
売上高
◀
◀
(百万円)
80,000
60,000
(百万円)
7,000
70,274
66,445
70,000
57,723
7
51,013
50,000
6,292
5,744
6,000
55,263
4,979
5,000
4,000
40,000
4,256
3,544
3,000
30,000
2,000
20,000
1,000
10,000
0
0
2011
2012
2013
2014
2015
(年度)
経常利益
2011
◀
◀
(百万円)
14,000
2012
2013
3,000
9,024
7,892
8,000
2015
(年度)
設備投資
3,796
3,500
9,301
2014
(百万円)
4,000
13,232
12,791
12,000
10,000
研究開発費
3,249
2,816
2,795
2,500
1,803
2,000
6,000
1,500
4,000
1,000
2,000
500
0
2011
2012
2013
2014
2015
(年度)
2015 年度の事業別売上高(百万円)
0
2011
2012
2013
2014
1,393
1,447
2013
2014
1,559
◀
◀
1,600
1,400
28,500
■ 計測売上
■ 半導体売上
(年度)
従業員数
(人)
1,800
41,773
2015
1,200
1,144
1,275
1,000
800
600
400
200
0
2011
5
ACCRETECH CSR REPORT 2016
2012
2015
(年度)
東京精密の会社概要
■ 事業概要
東京精密は 、半導体製造装置及び精密測定機器の 2 つを柱と
市場における事業活動を通じ、社会の要請に応えていきます。
し、事業活動を行っています。半導体は、スマートフォンや、自動
精密測定機器は製品製造ラインのさまざまな段階で必要とさ
車、航空機など、便利で快適な社会を構成するあらゆる機器に
れる高い計測機能を提供し、ものづくりを支えています。
「測れ
欠かせないものであり、機器の小型化や高効率化といった機能
ないものは作れない」
の考えのもと、今後も高い技術力を発揮し、
改善、環境負荷低減等の社会要請にも貢献することができる事
測る技術でものづくりを支え、社会を支えていきたいと考えてい
業分野です。IoT を始め今後ますます成長が見込まれる半導体
ます。
■ 製品紹介
半導体製造装置
精密測定機器
三次元座標測定機
直行座標系にスケールを備え、
測定物とプローブの位置関係を
X、Y、Z の座標として読み取る測
定機で寸法、位置、形状、幾何偏
差などの評価をします。
プロービング・マシン
プロービング・マシンは、ウェーハ上に形成された半導体チップの
電気性能テストをプローブカードを経由して、半導体テスタと接続
し、実施する装置です。
表面粗さ・輪郭形状測定機
表面粗さ測定機は、加工された
測定物表面の「つるつる」
「ざらざ
ら」という感覚の凹凸を定量的に
測定し、粗さパラメータ(JIS 規
格や ISO 規格)で評価する測定
機です。
ダイシング・マシン
ダイシング・マシンは、ウェーハ上に
形成された多数の半導体チップを 1 個
1 個のチップに切断する装置です。
真円度・円筒形状測定機
真円度測定機は、一般に「丸い」とか
「円」が理想の円(幾何学的に正しい
円)と比べたときに、どの程度誤差を
もっているかを評価します。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
6
東京精密の CSR の考え方
東京精密グループは、世界中の優れた知恵・情報を融合して
世界 No.1 の商品を創り出すという企業理念を原動力に、
お客様であるものづくり企業や
サプライヤ様を始めとする、あらゆるステークホルダーとの協働を進め、
持続可能な社会の実現を目指します。
MOTTO
風力発電
WIN-WIN の仕事で世界 No.1 の商品を創ろう!
精密測定機器
サプライヤ
新たな価値をともに
創出するパートナー
企業理念
世界中の優れた知恵・情報を融合して
世界 No.1 の商品を創り出し、
皆様とともに成長していくこと
7
ACCRETECH CSR REPORT 2016
小型部品
材料
電装品
最終製品
東京精密が支える
ものづくり企業
スマートフォン
測る技術で
ものづくりを支え
社会を支える
持続可能な
社会の実現
飛行機
次世代ロボット
自動車
半導体製造装置
東京精密グループはこれまで、お客様であるものづくり企業における高効率製品の生産
プロセスに不可欠な精密測定機器と、省エネ・省資源に通じる電化製品の生産に寄与する
半導体製造装置で、社会の利便性の向上と環境負荷低減に貢献してきました。これは 、東
京精密グループの提供する
「測る技術・製品でお客様のものづくりを支え、そこから生み出
された最終製品の数々が社会全体を支えている」
ことを意味します。
私たちが製品を通じて社会にさまざまな価値を提供し続けていくためには 、中長期的な
視点を持ってお客様とその先の社会のニーズを把握するとともに、東京精密の企業理念に
共感してくださる多くのサプライヤ様との協働が不可欠です。
これからも、ステークホルダーの皆様との WIN-WIN の関係を礎に新たな技術を創出し、
生活の質の向上、環境の維持・改善をもたらすものづくりで社会を支えていくとともに、培っ
た技術を活かして安心・安全を提供できる新たなフィールドに進出し、持続可能な社会の
発展に貢献していきます。
また、今後もステークホルダー の皆様と成長し続けるため、企業活動の全プロセスにお
ける人権の尊重、地球環境へ与える影響等について評価を行い、東京精密グループが負う
責任を自覚し、社会的役割の確実な遂行に努めます。その一環として、CSR 報告書におい
てはありのままの東 京 精 密を開 示し、また、ステークホルダー の皆 様と様々なコミュニ
ケーションを図っていきたいと考えています。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
8
コーポレート・ガバナンス
東京精密は、透明性の高い経営システムの構築・運営に努め、持続的な成長と
中長期的な企業価値向上を目指しています。
コーポレート・ガバナンス
基本方針
1.透明性・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うため、
■ コーポレート・ガバナンスに関する
基本的な考え方
取締役会の役割・責務の適切な遂行に努めます。
2.株主の権利を尊重し、株主の平等性の確保に努め
東京精密は 、
「世界中の優れた技術・知恵・情報を融合して世
ます。
こ
界 No.1 の商品を創り出し、皆様とともに大きく成長していく」
3.中長期的な株主利益を尊重する投資方針と株主との
とを企業理念としています。この企業理念をコーポレートブランド
建設的な対話に努めます。
「 ACCRETECH(アクレーテク)」のもとで実践することで、持続
4.株主以外のステークホルダー(お客様、仕入先、
的な成長を実現し、企業価値を高めていくことを目指しています。
従業員、債権者、地域社会等)との適切な協働に
努めます。
その実現のためには、国際社会から信頼される企業市民として、
公正で透明性の高い経営活動を展開していくことが不可欠と認
5.適切な情報開示と透明性の確保に努めます。
識し、コーポレート・ガバナンスの充実に、右記の 5 点の基本方
針を掲げて取り組んでいます。
コーポレート・ガバナンス体制
◀
株主総会
選任・解任
選任・解任
選任・解任
監査役会
選任
社外監査役
報告
選任・再任 ・ 解任の議案決定
会計監査相当性の判断
選任・解任・監督
諮問委員会
社長
報告
指示・監督
指示・監督
コンプライアンス委員会
報告
リスク管理委員会
情報セキュリティ委員会
経営執行会議
品質管理委員会
執行役員会
報告
環境管理委員会
安全衛生委員会
指示・監督
監査室
輸出管理業務室
執行役員
社長室
CSR 推進室
CSR 推進委員会
報告
指示・監督
内部統制委員会 付議・報告
計画・報告
報告
監査・指導
業務執行
報告
各カンパニー(半導体社・計測社・業務会社)及びグループ子会社
9
会計監査人
社外取締役
選任・解任
助言
監査役補助人 監査
報告
取締役会
監査
ACCRETECH CSR REPORT 2016
指示・監督
コーポレート・ガバナンス
■ 内部統制に関する考え方
東京精密グループは、お客様、お取引先、株主・投資家の皆様、
従業員など全てのステークホルダー の方々との間で WIN - WIN
の関係を創り上げ、持続的に成長していくことを目指し、コーポ
レート・ガバナンスとコンプライアンスの強化に取り組むとともに、
経営の健全性と透明性の確保に努めています。
■ 内部統制システムの整備と体制
業務執行全体を適正かつ健全に行うために、取締役会が実効
性ある内部統制システムの構築と法令定款遵守の体制の確立に
コンプライアンス・
リスクマネジメント
■ ACCRETECH グループ行動規範
東京精密グループでは 、法令・社内規程等の遵守、人権の尊
重、公正誠実な事業活動、倫理的行動など、当社グループ役員従
業員一人ひとりが遵守すべき
「 ACCRETECHグループ行動規範」
を制定し、その周知徹底と遵守の推進を図っています。
努めています。また、監査役会は内部統制システムの有効性と機
■ コンプライアンス管理体制
能を監査しています。
東京精密グループのコンプライアンスに関する取り組みの中心
社長直属の組織として設置している監査室では 、当社及びグ
組織として
「コンプライアンス委員会」を設置しています。コンプ
ループ各社の業務執行に対し、内部統制に係る法令・定款及び
ライアンス委員会のメンバー は 、取締役・執行役員を中心に、生
会社規程等への準拠性、管理の妥当性の検証を目的とした内部
産・技術担当役員、人事担当役員・グループ会社の社長等で構
監査を実施しています。IT 統制についても、監査室が他部室・
成されています。企業倫理・行動指針の制定や、コンプライアン
チームと協働して監査を実施しています。
スの教育・研修、取り組み状況等の確認とともに、法令・規程・
また、監査室は東京精密グループの財務報告に係る内部統制
倫理などへの違反もしくは抵触の恐れがある場合は 、各部署に
の整備・運用状況について、その有効性の評価を実施し、確認を
改善指示等を行っています。
行っています。
たはその他の事由に基づく損失の危険のある業務執行行為が発
◀
監査室の内部監査により、法令・定款違反、会社規程違反ま
コンプライアンス委員会
見された場合には 、監査室長は直ちに社長に報告するとともに、
是正・改善を指示し、実施します。
内部監査は、社長に承認された年間計画に基づいて実施され、
コンプライアンス委員長
(業務会社管掌)
その結果が社長に報告されるほか 、取締役会や経営執行会議に
おいても報告されています。また、当社の各部署及びグループ各
社の監査結果や要改善点について、社内共有をしています。
コンプライアンス委員会
隔月
コンプライアンス方針
コンプライアンス規程
委員長(業務会社管掌)
副委員長(両工場長)
委員(取締役・執行役員)
業務会社・技術・子会社・
コンプライアンス規程
別表
議事録
不祥事・対策
監査室・監査役
社長
ACCRETECH CSR REPORT 2016
10
コーポレート・ガバナンス
■ 内部通報制度
東京精密は 2009 年 3 月、セキュリティ管理とコンプライアンス
東京精密グループ内では 、内部通報制度としてコンプライアン
「特定
に優れた輸出者として、AEO ※(認定事業者)制度に基づく
ス相談窓口を整備し、運用しています。コンプライアンス相談窓
輸出者」
の承認を東京税関から受けています。
口では 、広く役員、従業員、派遣従業員及びその家族、取引先等
※ AEO( Authorized Economic Operator )
:
からの通報を受け付けています。
相談窓口は、①コンプライアンス委員、事務局、②人事相談室、
③社外弁護士、④社外取締役・監査役と、社内外に設けられ、通
税関での輸出入に関する手続きについて、検査の簡素化などの優遇措置を受
けられる民間企業で認定事業者と呼ばれる。過去一定期間内に法令違反歴が
ないこと、適正かつ確実に業務を遂行できること、法令遵守規則の整備と実施
が承認の要件とされる。
報者の不利益にならないよう、通報者の匿名性の確保とプライバ
シー保護を徹底しています。
これまでに、この制度を利用した相談が何件か発生しています。
その内容は 、管理者と部下とのコミュニケーション不足からくる
ものが 多く、それらについては 、適 切 な 言 葉 使 いやコミュニ
ケーションをとるよう指導することで、再発防止に努めています。
■ コンプライアンス教育
会社規程
1. 安全保障輸出管理プログラム
2. 貿易関連業務に係る法令遵守規則
管理体制
コンプライアンスの徹底には、守るべき法令・ルールの理解と、
輸出審査実施要領
守らなければならないという意識を、全ての役員・従業員に周
知徹底することが必要となります。東京精密は 、コンプライアン
ス意識の向上及び高い意識レベルの維持のために、さまざまな
審査体制
教育の機会を設けています。
「新入従業員研修」や
「管理職研修」
該非判定実施要領
顧客審査実施要領
出荷管理要領
など、階層別の研修機会を捉えた教育とともに、現場での安全・
衛生研修での関係法令遵守教育を実施しています。また、品質・
部門別管理基準
教育訓練
教育訓練実施要領
強会を行っています。
監査
監査実施要領
■ コンプライアンスに関する取り組み
書類管理
関連記録・文書管理要領
環境マネジメントに関しての法令遵守の徹底にも努めています。
さらに、サプライヤ様との関係については 、下請取引等に係る勉
安全保障輸出管理プログラム
東京精密グループでは 、国際的な平和及び安全の維持を目的
とする安全保障輸出管理を適切に実施するために
「安全保障輸
出管理プログラム」を制定し、製品や部品などの輸出に係る法令
遵守の徹底を行っています。
また、外国為替及び外国貿易法をはじめとする輸出関連法規
の最新情報を常に入手し、関連業務に従事する役員・従業員に
周知するとともに、該非判定や取引審査などを含む社内規定で
定めた輸出管理プロセスの遵守を求めています。さらに、輸出入
管理業務や、海外に赴任する従業員への貿易実務の教育にも力
を入れています。
11
ACCRETECH CSR REPORT 2016
法令等遵守状況
内部監査・外部機関による評価等を実施した結果、2015 年度
は財務報告の適正さ、製品の品質・環境に対する取り組み等に
関し、不正行為や法令違反等の事業活動に影響を与える問題は
ありませんでした。
コーポレート・ガバナンス
■ リスクマネジメント
■ リスクに対する取り組み
東京精密は 、業務執行に係るリスクの把握と管理を目的とした
情報セキュリティ
「リスク管理規程」
を定めるとともに、社長を責任者とする
「リスク
経営のグローバル化・情報化の進展に伴い 、知的財産(特許・
管理委員会」を設置し、
「事業継続計画( BCP )」を策定していま
営業秘密等)の情報管理の重要性が増し、企業の体制整備と管
す。
理強化が求められています。
リスクが発生したときは 、必要に応じ、直ちに社長を本部長と
東京精密では 、2004 年に取締役会が選任する委員長を最高
する
「リスク対策本部」
を設置し、リスクへの対応と速やかな収拾
責任者とする情報セキュリティ委員会を設置し、知的財産権取
のための活動を行います。
得・管理、営業秘密管理、技術流出防止等、情報セキュリティ強
化に努めてきました。
■ リスク管理体制
具体的には、情報セキュリティの基本方針の策定と情報セキュ
「リスク管理委員会」が定期的に開催されています。また、リス
リティポリシー に基づく各種規程の整備、その実行の指導・監督
クが発生した場合は 、直ちに社長を本部長とする
「リスク対策本
を行っています。
部」
を設置し、対策を講じることとしています。
また、情報セキュリティ委員会は 、電子情報のみならず、紙や
口頭情報など全ての情報の取り扱いやセキュリティ担保を対象と
リスク管理委員会
するため、情報セキュリティ委員会の下にITシステム部会、ビジ
ネスセキュリティ部会、監査・教育部会の 3 部会を設け、管理の
徹底に努めています。
リスク管理委員長
◀
リスク管理委員会
委員長(業務会社管掌)
隔月
リスク管理方針
議事録
不祥事・対策
業務会社・技術・子会社・
監査室・監査役
報告
審議
情報セキュリティ委員会
リスク管理規程
事務局長(業者管掌)
副委員長・委員
(取締役・執行役員)
情報セキュリティ委員会と機能
事務局
取締役会・監査役会
リスク管理規程
別表
企画
推進
リスク対策本部
ITシステム部会
ビジネスセキュリティ
部会
教育・監査部会
IT 関係のセキュリティ
オフィス内のセキュリティ
セキュリティ教育
全般の企画推進
全般の企画推進
及び監査
監査
実施
情報システム室・生産システム室・総務室
及び各部門のセキュリティ担当委員
ACCRETECH CSR REPORT 2016
12
◀
コーポレート・ガバナンス
インターネットインシデント対策
また、平時においては業務の状況を踏まえたリスクアセスメン
昨今のインターネット環境は日々新しいリスクと対峙していく
ト及びリスク予想に関する変化の観察に基づき、各部門 BCP の
必要があります。当社ではインターネットによる情報通信の監視
見直しを行うとともに、建物の耐震強度確認や拠点の整備、日常
と同時に、リスク情報を随時従業員向けポータルサイトに掲載し、
の安全確保活動・教育を行い 、毎年、その結果をリスク管理委員
従業員の情報セキュリティ意識の向上に努めています。また、危
会に報告しています。
険 判 定されたインターネットサイトへのアクセス制 御やスパム
メールの配信制御を実施するとともに、新たに検知したリスク情
事業継続基本方針
報については外部の公的機関へ随時通報し、連携して被害拡大
従業員とその家族の安否確認・安全確保、および
地域における人命保護・救助・復興活動を最優先する。
の防止に努めています。
●
事業継続管理
●
自然災害や事故等が発生した際は人命を第一としつつ、重要
顧客の操業維持に必要な部材等の供給維持を優先する。
① 精密切断ブレードの供給維持 事業等が中断しても、可能な限り短期間で事業を再開し、お客様
② 装置修理サービス業務と必要なパーツ等の供給維持
の操業に滞りが起きないよう努めることは 、企業としての重要な
責任と考えています。
東京精密では「事業継続規程」及び「事業継続計画( BCP )」を
更に、東京精密グループでは 、災害・事故発生時に携帯電話
策定し、緊急時の行動を定めています。
やスマートフォンから安否状況を確認する
「安否確認システム」
を
導入しています。
情報セキュリティ対応体系
◀
基本方針
情報セキュリティ
ポリシー
行動指針・規程
個人情報保護行動指針
特定個人情報保護行動指針
個人情報保護規程
情報セキュリティ管理規程
特定個人情報保護規程
各種管理基準
個人情報安全管理基準
インターネット利用管理基準
個人番号の提供を受ける際の本人確認の
情報システム利用管理基準
特定個人情報安全管理基準
措置管理基準
技術的対策
Spam/Virus 駆除 アンチウィルスソフト
Web Filter Firewall
通信ログ解析 HDD 暗号化
メールログ保管
アクセス操作ログ保管
13
ACCRETECH CSR REPORT 2016
電子メール利用管理基準
物理的対策
セキュリティーキー
監視カメラ
人的対策
セキュリティ教育
e-Learning
新人研修
ステークホルダー・エンゲージメント
あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションのチャネルを創出し、
WIN-WIN の関係を深めることにより、持続的で力強い成長をしていきます。
東京精密グループの事業活動はさまざまなステークホルダーと
私たちの仕事は 、お客様が社会のニーズに応えて新しい挑戦
のかかわりによって成り立っています。このため、事業活動の全
を行う際に、その手段を提供することです。サプライヤ様やお客
てのプロセスにおいて、ステークホルダーとの双方向のコミュニ
様とともに技術開発を行う中で、WIN-WIN の関係を構築し成長
ケーションを重視する活動を行ってきました。
してきました。また、それらのイノベーションは従業員の能力と
ステークホルダーの真のニーズは、真摯なコミュニケーション
情熱によっても支えられてきました。もちろん、新たな先端技術
によってこそ共有できるものであると私たちは信じており、その
開発への投資は 、株主・投資家様や地域社会からのご理解・ご
ためには事業活動のプロセスをつぶさに検証し、そこからステーク
支援に支えられてきたことは言うまでもありません。東京精密グ
ホルダーに対する影響や責任を明らかにしていくことが必要だと
ループは 、今後もお客様の新しい挑戦を支援する強力なパート
考えています。
ナーであり続け、サプライヤ様とのより密接な協働でともに成長
これからもステークホルダーとともに成長していくために、こ
し続けるために、従業員の能力開発を進めるとともに、各ステーク
の検証を繰り返し、コミュニケーションのチャネルを広く創出し
ホルダーとのコミュニケーションの更なる深化を進めていきます。
ていくことで、深い信頼関係の構築を目指していきます。
ステークホルダーとのコミュニケーション
◀
●
お客様との共同開発
●
顧客満足度アンケート
●
ホームページでの情報開示
●
高機能な国内外サポート体制
●
特約店研修会
●
管理職との面談の実施
●
人事相談窓口の設置
●
ストレスチェックの実施
●
労使協議会
従業員
サプライヤ
お客様
●
サプライヤ説明会
●
サプライヤセミナー
品質マネジメント体制の
指導及び監査
●
東京精密
グループ
株主・
投資家
業界団体
●
株主総会
●
SEAJ
●
決算説明会
●
精密工学会
●
ホームページでの情報開示
●
日本精密測定機器工業会
●
個別取材対応
地域社会
●
地域美化活動
●
行政組織との連携 ・ 協力
ACCRETECH CSR REPORT 2016
14
お客様とのかかわり
お客様の声に真摯に耳を傾け、日々弛まぬ改善を続けながら、最先端技術を駆使し
た半導体製造装置・精密測定機器の供給と充実したサポートでお客様のものづくり
を支え、持続可能な社会の実現に貢献します。
品質管理の取り組み
トラブルの未然防止と原因追及のアプローチ
東京精密では4点法・設計 FMEA ※1 を推奨し、技術ガイドを制
定して活用を促したり、開発・設計、品質保証部門で社内セミ
■ 品質に関する基本的な考え方
ナーや勉強会等を実施して品質管理に役立てています。また、発
東京精密のお客様はものづくり企業であり、東京精密の提供
生した問題の真の原因を追及するためのアプローチ方法として“な
する価値は“お客様の生産性”と“お客様の生産する製品の正確さ
ぜなぜ分析” ※2 を採用し、共通の思考ツールとして理解を深めて
と信頼性”です。即ち、
「東京精密はお客様の価値創造の手段を
活用しています。
提供している」
ということを大変重く考えています。
※ 1 設 計 FMEA (Failure Mode and Effects Analysis): 設 計 上 での 故 障
安定した高い品質やサービスの提供こそが 、お客様の社会的
地位や利益を守り向上させていく当社の責任であることを常に
念頭において、
「製品品質の維持・向上」
「 グローバルで高機能
なサポート体制」「製品やサービスに対するお客様の満足と信頼」
を心がけています。
■ 常に改善・強化し続ける品質管理システム
モードと影響解析。システムの構成要素に起こりうる故障モードを予測し、
考えられる原因や影響を事前に解析・評価することで設計上の問題点を
摘出し、事前対策の実施を通じてトラブル未然防止を図る手法。
※ 2 なぜなぜ分析:ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き
起こした要因「なぜ」
を提示し、さらにその要因を引き起こした要因「なぜ」
を
提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段。
小集団活動
高品質で合理的な生産手段を求めて、常に小集団による改善
1994 年に八王子・土浦工場一括でISO9001 を取得するため、
活動を行っています。多能工化を進めると、一人で完結するプロ
それまでに行われてきた膨大な品質保証の取り組みを体系化し
セスが長くなるため、職場内でのコミュニケーションが減り、同
ました。以降 21 年間、厳格な品質管理システムのもと、品質リス
じ作業を行う従業員同士の情報共有が希薄になるデメリットが
クの撲滅に挑戦し、改善活動をシステム化しています。
生じますが 、これらの従業員が継続的に直接コミュニケーション
また、
当社の精密測定機器は、自動車・工作機械・電機等幅広い分
を行う小集団による活動によって、個人の気付きや能力が職場単
野で利用されており、更にこのたび 2016 年8月に 航空・宇宙及び
位で共有されるメリットが生まれます。また、八王子と土浦の両
(認証範囲:受
防衛分野のマネジメントシステムJIS Q 9100 の認証
工場で従業員が相互に工場を見学し、これらの改善の創出プロ
託部品の形状測定)
を取得しました。これにより、航空・宇宙・防衛
セスやその成果を共有して、視点や切り口、手法などをシェアす
分野に於けるワーク測定、お客様からの受託(委託)
測定にお応えで
ることで、両工場間の協力体制を密にして改善を進めています。
きることになり、より広い範囲の精密測定ニーズに貢献していきます。
品質状況報告会議
変更管理の強化
当社では 、工程内での不具合は人、加工機械、材料・部品、方
新製品は設計段階からデザインレビューを行って品質を作り込
法を変更した際に最も起こりやすいとの認識のもと、これらの変
んでいきますが 、完成後のリスクアセスメントにより、新たなリス
更を注意深く管理し、リスク評価を行って未然対応することで、
クの想定等を盛り込んで随時対策しています。それでも発生してし
不具合の発生を避けることに努めてきました。従来より、これら
まった不具合については、原因の究明・対策・再発防止措置及び
の変更管理は行ってきましたが 、ISO9001-2015 年版への改訂
これらの対策と措置の妥当性評価を行うとともに、同種のリスクが
にあたって変更管理の要求が明文化されたことを受けて、4M 変
他の製品に潜在する可能性を考慮して、他製品のリスクアセスメン
更管理※への管理基準を強化する規定整備と適応作業を進めて
トを再実施しています。
また、
これらの対策が適切に実施され続ける
います。変更管理の強化により、発生時の原因追及や是正処置
ことを確認するために、定期的に全プロセスのQAパトロールを行っ
も迅速に行える等の効果が期待できます。この機会に改めて均質
ています。
なマテリアルの変更管理など、サプライヤ様へも協力を依頼し、
これらの活動は品質担当役員が参加するQC 会議に毎月報告し、
バリューチェーン全体の協働による変更管理を進めて、2017 年
処理の妥当性の評価を受けており、他の装置への展開の強化やリ
度には ISO9001-2015 年版の運用を開始する予定です。
ソースの移動等、横断的な対策を組織的に実施する決定を迅速に進
※ 4M 変 更 管 理:人 (Man)・加 工 機 械 (Machine)・材 料 や 部 品 (Material)・
められる体制としています。
15
ACCRETECH CSR REPORT 2016
方法 (Method) の頭文字をとって、これらの変更管理を4M 変更管理と呼ぶ。
お客様とのかかわり
顧客満足追求の取り組み
アンケート調査に基づく改善事例
■ アンケート調査に基づく改善活動
「より使いやすく、解りやすいマニュアルへ」
との要望が高
● マニュアル専門部署の設置
製品をお使いいただいているお客様に対し、定期的に顧客満
足度アンケート調査を実施しています。お客様の生の声を調査し、
その声を製品及びセールス、サービス業務に反映し顧客満足度
の更なる向上を図ることが目的です。 製品性能、品質、サポート、
セールス、コスト等に関する質問に評価採点をいただき、製品ご
とに集計しています。 評価点の低い項目は 、各担当部署にて具
体的な改善目標を設定し、PDCAをまわして改善に取り組みます。
お客様の生の声、要求の変化に迅速にお応えできるよう、今後も
この取り組みの強化を進めていきます。
半導体製造装置(プローバ)
に対するアンケート調査結果
◀
項目別平均点(4: 満足、3: 普通、2:やや不満、1: 不満)
■ 2015 年度 ■ 2014 年度
0
1
2
3
4
かったため、マニュアル改善プロジェクトを設置してマニュア
ルの基本的な提供方針の見直しを始めとする改善方針を策
定しました。その後、経験豊富なテクニカルライター を擁す
るマニュアル専門部署を新設し、
「使いやすく解りやすいマニュ
アル」へ、改訂作業を進めています。
● 部品在庫情報の一元化管理を促進
「アンケート」
でお客様の要望が高かった
「保守パーツ供給
の迅速性」
を高めるために、2012 年度に、八王子パーツセン
ター の在庫及び各国 consignment( 委託在庫部品 ) の在庫情
報を、WEB 上で確認できるシステムを構築しました。これに
より各国のグローバルな在庫状況を閲覧でき、各国間での緊
急出荷が対応できるようになりました。
製品選定までの対応
また、MRP( 資財所要量計画管理システム ) 採用により、供
納入・設置・立ち上げ
給量の調整・管理が自動化され 、最短でお届けする体制がよ
セールスの訪問回数・対応
製品の価格
保守費用の価格
り強固になりました。
■ 特約店様との関係
次回も弊社の装置を買う
特約店様はお客様のニ ー ズを汲み取り 、東京精密グルー プ
総合的に、製品に満足
とお客様をつなぐ大切な窓口です。かつてより弊社の特約店会
仕様書の性能仕様
製品の処理(生産)能力
取扱、保守説明書
製品の操作性
エラーメッセージ、復帰方法
装置の保守作業性
製品の外観デザイン、色は、
製品の概観寸法、レイアウト
である『 ACCRETECH 会』では総会、実務責任者による会議、
エリア毎の会議等を定期的に開催し、弊社からは新製品情報や
市場動向を伝え 、特 約 店 様 か ら は お 客 様 の ニ ー ズ の 動 向 を
お知らせいただくなど 、綿密な双方向の情報交換を行なっ て
きました。今後は東京精密グループの CSR 方針や価値観・活動
の進捗なども特約店様にお伝えすることで、一体となったCSR
を実施すると共に 、お客様にご理解いただくチャンスを広げて
いけるよう、検討してまいります 。
保守、修理作業について
保守、修理部品の納期
情報提供、問合せへの対応
操作、保守のトレーニング
製品の信頼性
製品の品質
総平均
2016 ACCRETECH 会総会の様子
ACCRETECH CSR REPORT 2016
16
■ グローバルで高機能なサポート体制
◀
「顧客満足度 No.1 」を目標とするカスタマー・サポートは 、お
地区名
客様により良い状態でより長く製品をお使いいただくため、必要
な時に、必要なヒト・モノを、必要な場所に最短でお届けするこ
とに注力しています。世界各国 31 カ所、国内 25 カ所のサポート
拠点に、総勢約270 人のカスタマー・サポート・エンジニアを配置。
また、世界各国 10 カ所にパーツセンターを設置しています。
海外の現地技術者の研修
東京精密では 、グループの海外法人及び協力会社から人材を
受け入れ 、研修等による能力開発やスキル向上を図ることで、グ
ローバルで顧客満足度の向上を目指しています。
● 半導体製造装置事業:2013 年より東京精密グループの海外
法人から研修生を受け入れて駐在させており、基本的な駐在期
間を一年間とし、開発担当エンジニアとともに業務を行うことで
アプリケーション能力の向上と東京精密の文化の共有を図って
います。研修生との協働は国内従業員の現地文化の理解やコミュ
ニケーション力の向上、英語力向上にも役立っています。
また、駐在中に日本語学校にも通わせ 、日本の風土や文化へ
の理解を深めて、現地と東京精密のパイプ役になってくれるよう
指導しています。
● 精密測定機器事業:2011 年より東京精密グループの海外法
人及び協力会社から研修生の受け入れを開始しました。研修生
には 、計測センターで経験年数に応じて数週間から3 カ月程度
の研修期間中に、納入・保守作業やアプリケーションの教育を
行い、一定基準に達したエンジニアに終了証を授与しています。
海外サービス担当の研修
国名
中国
台湾
タイ
マレーシア
アジア
ベトナム
グループ会社
韓国
インドネシア
ドイツ
ヨーロッパ
イタリア
南米
ブラジル
タイ
インドネシア
フィリピン
マレーシア
アジア
シンガポール
インド
協力会社
オーストラリア
ドイツ
ヨーロッパ
トルコ
北米
アメリカ
メキシコ
南米
ブラジル
合計(人数)
2015
10
1
2
1
3
2
3
1
1
2
-
3
-
4
-
38
半導体製造装置のお客様の多くは英語が公用語として使われ
ていますが 、測定機器のお客様は広範囲で、ご使用いただく環境
やシチュエーションも多義に渡ります。このため、お客様による日
常点検やトラブルシュートを可能とするために、各国語のトラブル
シューティングマニュアルや各種手順書の整備を進めています。
【手順書作成実績】
日本語、英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、
グローバル・サポート体制図
Accretech Korea Co., Ltd.
Accretech (China) Co., Ltd.
Tokyo Seimitsu Co., Ltd.
Accretech (Thailand) Co., Ltd.
Accretech Taiwan Co., Ltd.
Accretech (Malaysia) Sdn. Bhd.
Accretech Vietnam Co., Ltd.
Accretech (Singapore) Pte. Ltd.
PT Accretech Indonesia
Accretech America Inc.
◀
Accretech do Brasil Ltda.
ACCRETECH CSR REPORT 2016
1
多言語対応
世界に広がるセールス・サービス・ネットワーク
17
-
25
6
19
1
10
10
9
6
1
3
5
6
5
1
1
6
1
6
3
6
2
1
133
トラブルシューティングマニュアル・手順書等の
スペイン語、ポルトガル語
Accretech (Europe) GmbH
-
1
3
累積
お客様とのかかわり
■ お客様の価値創造を加速させる国内最先端拠点
当社測定機器をお持ちのお客様、当社
測定機器を取り扱っていただいている商
東京精密の原点であり、事業の 2 本の柱の内の 1 つである精密
測定機器ビジネスは 、
「測れないものは作れない」
という思想に
基づき、単に測定機器を提供するのではなく、社会に精密さや信
頼性を提供する
「ものづくりの原点」
と考えています。
当社製品・計測に
社・特約店、大学・高専・地元工業高校、
地域の企業等を対象に、見学会・製品勉
ついての「学びの場」 強会・計測セミナー等を開催し、計測に
ついて理解を深めていただくとともに、多
全ての“ものづくり”は“ 測る”というプロセスなしには成り立ち
種多様な製品展示を通じ製品理解を図っ
ません。また、正確に“ 測る”ことは私たちのお客様が社会に信頼
ています。
される製品を提供するために不可欠な作業です。この思いをより
大きく社会に届けるために、以下の取り組みを行っています。
メトロロジー(計測)
センター
アプリケーションチームの活動
東京精密では 、メトロロジ ーセンターでトレーニングした計測
2008 年 11 月に、それまでのショールームを一新し、
「計測と
の専門家で組織するアプリケーションチームを国内外の各地に
言えば東京精密」
と世界のトップブランドの地位を確立すべく、
配置して、地域の“ものづくり”のニーズに応えています。
土浦の精密測定機器工場敷地内に、
「メトロロジ ー(計測)セン
・計測のご相談へのアドバイス
を開設しました。
ター ) 」
・各地の研究所・工業技術センター の依頼による計測指導員
このセンターでは、来訪されたお客様の課題に応えるさまざま
( 講師 ) の派遣
な 測 定 機 器 や 計 測 手 法 を 直 に 体 験 いただけるとともに、ソ
・各社の依頼による社内実測・説明会の開催
リューション提案や当社製品の操作トレーニングの機会提供と
・各地での公開プライベートショーの開催
いったさまざまな機能を提供しています。来て見て良かった、感
・技能五輪全国大会への協賛
現につながるセンターを目指しています。
メトロロジー(計測)
センターの機能
◀
動した、またぜひ来たいと喜んでもらえ、お客様の価値創造の実
アプリケーションチームの活動実績(2015 年度)
公的機関での講習/
計測指導
大 学 や テクノセンター を はじめとした
全 9 カ所 ( 計 17 日)
計測セミナー
大 手自動 車 部 品や機 械 関 係メー カー、
特約店様に向けて全 13 回 ( 計 17 日)
プライベートショー
主に特約店様主催のプライベートショーを
全 11 回 ( 計 14 日)
◀
各種測定機器や計測方法の説明、測定
機器の操作トレーニング等を通して、お客様
のご要望や解決したい課題に向けて、さまざ
ソリューション提案
まなソリューションの提案を行っています。
また、測定機 器を設 置されていない、
測定機器が計測に対応した機能を有して
いない等で自社内での計測が行えない場
合、当社が代行して計測を行う「受託測
定」も行っています。
定期開催のトレーニングスクールによる
計測指導やコールセンターによる日々の計
測アドバイス等で、当社測定機器をご購入
お客様サポート
いただいたお客様をサポートしています。
また、海外拠点のサービスエンジニアに
対するトレーニングを行い、測定機器の納
入後も良質なサポートサービスを提供で
きる体制を整備し、お客様との一生のお
付き合いを目指しています。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
18
サプライヤとのかかわり
全てのサプライヤの皆様と WIN-WIN の関係を深められるよう、社会的責任を
重視したサプライチェーンを構築し、ともに持続可能な成長を目指します。
調達にあたっての基本的な考え方
■ 含有化学物質管理
調達部材の含有する化学物質について、厳格な管理と報告を
東京精密は 、お客様に高機能で高品質な製品を提供するにあ
お願いする旨の説明会を行い、これまでに400 社超のサプライヤ
たり不可欠となる、材料や部品・サービスを提供いただく全ての
様にご参加いただきました。
サプライヤの皆様を大事なパートナーと考えています。そのサプ
また、2016 年度から本格運用に入るクラウドを利用した部材・
ライヤ様との“WIN-WIN ”の関係の構築には 、品質はもとより、
原料の含有物質管理デ ータベースを活用し、サプライヤ様ととも
環境や労働・安全衛生、倫理面を含めた社会的な責任をサプラ
にEU の RoHS 指令、REACH 規則に対応していきます。
イチェーン全体で果たしていくことが不可欠です。
それぞれのサプライヤ様が国際社会のニーズに応える責任あ
る企業として自律し、また東京精密がともに協働していくことで、
環境負荷の少ない部材の調達に関する協力依頼事項
サプライチェーン全体をバリューチェーンとして強固なものとし、
1. 環境関連法規の遵守
付加価値の高いものづくりを進めていきます。
2. 化学物質の管理
調達にあたっての協力依頼事項
調達にあたっては 、サプライヤの皆様に、さまざまな協力要請
をしています。
■ 紛争鉱物
3. 有害物質の調達品への含有禁止、または使用の削減
4. 省資源への配慮
5. 省エネルギーへの配慮
6. 包装・梱包への配慮
7. 廃棄物の削減・再資源化への配慮
東京精密グループでは、紛争鉱物※を使用した原材料及びこれ
らを含有する部材・部品などを全て排除していく方針です。その
ため、サプライヤの皆様へは 、紛争鉱物に係るサプライチェーン
■ 品質及び環境管理システムの審査・向上
上のリスクについての実態調査等へご協力をお願いしています。
ISO9001 及び ISO14001 の取 得、またはそれに準ずる内 部
ブレード製品の原料については、既に精錬所の特定まで完了して
管理システムを有していることを当社自身が審査し、そのシステ
おり、今後は装置の部材についても順次調査を進めていきます。
ムが信頼に値すること、または生産管理部長の責任において、指
※紛争鉱物:コンゴ民主共和国及び周辺地域で採掘される特定の鉱物及びその
派生物。その採掘が児童労働や強制労働などの人権侵害、紛争の資金源になる
導に対する改善・向上が担保できるサプライヤ様のみと取引を行っ
ています。
と指摘されている。
毎年数社を監査して改善の指導等に努めるとともに、調達し
■ グリーン調達
で起こった不良原因の是正対策をともに考え、再発防止措置の
部品、加工・組立の調達においては、環境に配慮した活動をし
ているサプライヤ様から、環境負荷の少ない部材を優先的に調達
することにより、サプライチェーン全体の環境保全を図っています。
当社で定めた
「グリーン調達基準」
を、お取引を希望する全サプラ
イヤ様に公開し、協力をお願いしています。
19
ACCRETECH CSR REPORT 2016
た部材に不良品が発見された場合は 、サプライヤ様の生産工程
妥当性を評価することなどにより、サプライチェーン全体の品質・
環境管理の向上に努めています。
サプライヤとのかかわり
サプライヤとの協働体制
■ SCM 推進部会の設置
2015 年度、
「 SCM ※推進部会」
を設立してサプライヤ様との関
■ サプライヤ様研修会等の実施
係を更に強化する活動を開始しました。同推進部会の活動によ
特に取引の多いサプライヤ様が連携する
「 ACCRETECH 協力
りサプライヤ様への情報提供や協力依頼等のコミュニケーション
会」
では賀詞交換会や研修会を実施しており、この中で業界動向、
をより密接に行うとともに、CSR 活動の支援等を行い 、サプライ
生産計画、市場や社会のニーズ等の情報提供・情報交換を行っ
チェーン全体を通じて社会的責任を果たしていきます。
ています。2015 年度の研修会では 、東京精密の CSR の考え方
※ SCM:サプライチェーンマネジメント
( Supply Chain Management ) 原料・
を紹介しました。児童労働や強制労働の排除など人権や環境へ
の配慮について説明し、サプライチェーン全体で、ともにCSR を
果たしていく旨の協力をお願いしました。
材料が部品や半製品に加工され、最終製品が生産されて顧客に提供されるま
でのモノの流れのことを
「サプライチェーン
(供給連鎖)」
と呼び、この一連の流
れの管理をサプライチェーンマネジメントという。
各種調達指針とサプライヤとの関係
購買指針
グリーン調達指針
紛争鉱物指針
環境管理体制調査書
JAMP 調査書
RoHS 不使用証明書
( WEB )
AISデータ
CMRTレポート
品質要求
ISO9001
ISO14001
CSR 要求
EICC 等
調達 BCP
CSR 調査書
BCP 調査書
基本契約書
サプライヤ
MS 調査書
環境管理体制評価表
購入外注先認定記録書
品質保証
協定書
品質保証部
品質指針
ACCRETECH CSR REPORT 2016
20
◀
従業員とのかかわり
従業員が一人ひとりの能力を最大限に発揮できるよう、活力ある職場環境の形成と
人材の育成に取り組んでいます。
雇用・人材活用
■ 雇用・人材活用に関する考え方
東京精密では、多様な従業員一人ひとりが個性を活かし、個々
の能力を発揮して、健康・安全で、ワーク・ライフ両面で充実と
成長を続けられる職場環境づくりに努めています。
また、最先端の技術分野で持続的な成長に資するよう、職場
のダイバーシティの確保を目指し、積極的な女性雇用促進と、人
材のグローバル化を進めています。人権を尊重し、従業員や採用
応募者に対しては 、人種、宗教、出身国、性別、障がいなどの要
素に基づく差別は行いません。また、各種ハラスメントや中傷等、
健全な職場環境の侵害、人格を無視するような発言や行為等を
禁止しています。人材育成においても、従業員一人ひとりが常に
グローバル人材の採用促進
外国籍従業員の採用は 、国内及び海外でも積極的に行ってい
ます。また、新卒・既卒を含め、自ら異文化に飛び込んで吸収す
る日本人の採用に努めています。
外国籍従業員のサポート体制
● 土浦工場・計測センター内に海外サービスチームを設立し、マ
ネージャーを配置して各国サービススタッフのハブとして諸活動
の調整を行っています。同マネージャーは海外従業員、日本人
駐在者のプライベートな相談にも対応しています。
● 設計 ・ 開発職や営業職、及び海外のサービススタッフにおいて、
積極的に外国籍従業員を増やしてきました。また、製造の現場
にも外国籍従業員を増やしていくため、工場内の掲示物や案内
について、
「日本語が母国語でない方の目」で見て十分に機能す
るよう、貼り替えを進めています。
向上心を持って能力に磨きをかける姿勢を支援するよう努めて
います。
■ ダイバーシティの促進
女性活躍推進の取り組み
東京精密では 、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮でき
る職場環境の充実を図るため、ダイバーシティ推進の一環として
女性が活躍しやすい職場環境の整備に取り組むと同時に、積極
的な女性の雇用を行っています。育児休業制度や育児短縮勤務
制度などは法定基準を超える水準で整備し、個別の実情に合わ
せて柔軟に運用されています。
障がい者雇用の促進
東京精密では 、ハンディキャップを持った従業員がさまざまな
業務に携わっています。これからも、積極的に障がい者雇用の拡
大に取り組むとともに、安心して働ける環境づくりに努めていき
ます。
バリアフリー対策
八王子工場に竣工した第 6 工場は、バリアフリー建築で多目的ト
イレを設置した障がい者対応工場です。これにより、障がい者の職
域が拡大したため、今後は一層の積極性を持って障がい者雇用を
進めていきます。
女性活躍推進に関する行動計画
● 目標
1.新卒採用の応募者に占める女性割合を 30%以上とする
2.女性正従業員の採用割合(新規学卒、高卒、中途採用合算)を全体の
20%以上とする(内定者ベース)
● 行動計画
1.女性の応募割合、採用割合を増やす方針や目標の設定
2.これまで女性が採用、配属されなかった部門・部署における配属の可能
性検討及び女性がいないまたは少ない部門・職種等への女性の積極的
な配置検討
3.年度ごとの新卒採用計画策定における積極的な広報方法の検討
4.女性が満たしにくい募集・採用基準や運用の見直し(性別にかかわらず
公正・公平な採用選考を行うため)
5.女性従業員が自身のキャリア形成に対する意識を醸成するための研修実
施、上司からの働きかけ
6.女性従業員一人ひとりのキャリアプランを本人と上司で作成し、中長期
的な視点で育成を行う
7.管理職に対する女性部下育成に関する意識啓発
8.管理職に対するワーク・ライフ・バランスやダイバーシティマネジメント
に関する意識啓発
21
ACCRETECH CSR REPORT 2016
八王子第 6 工場 多目的トイレ
従業員とのかかわり
■ ワーク・ライフバランスの促進
■ 教育・能力開発
労働時間の削減
能力開発方針
東京精密の 2015 年度の年間の所定労働時間は 、
「 2015 年度 東京精密では 、人材教育の強化及び組織能力の向上を目的と
労働時間総合調査」の 2015 年度年間所定労働時間 を約 4%下
して、新入従業員研修をはじめ、段階的な昇進の際に社内教育を
となっていま
回る1,824.6 時間(年間休日数 126 日 /2015 年度)
行っています。基本的には日頃の職場での自己啓発を進め、立場
す。残業時間、休暇等を加減することで年間総実労働時間を少
が変わればミッションや見方も変わることへの自発的な気づき
なくし、仕事と日常生活の両面の充実を図れるように各種施策を
を促すことで「自分で考えて、自分で動ける人材」を育成していま
図っています。
す。
※
※ 労政時報 第 3896 号「 2015 年度 労働時間総合調査」
の2015 年度年間所
定労働時間は1,909.39 時間、休日日数は120.7 日。
休業制度
また、管理職と配下従業員との定期面談を制度化しており、チャ
レンジしたい業務やスキルの習得希望についても相談できるよう
に運営しています。
育児休業制度・ 短縮勤務制度・介護休業制度は 、法定基準を
各種研修制度
上回る独自の制度を設けて従業員の子育てや介護を支援してい
東京精密では入社時の初期研修から生涯学習まで、従業員の
ます。正規従業員のみならず非正規従業員もこの制度を利用で
能力開発のためのさまざまな研修制度を設けています。集合研
きるようになっています。
修 や 現 場 での 製 造 実 習 研 修 のほかにも、2015 年 度 から
また、病気や怪我の長期療養の休業に対しても最大で 2 年半
e-Learningシステムを導入し、利便性の高い研修を従業員に提
の補償制度を設け、安心して治療に専念できる制度になっていま
供しています。
す。
また、製品にかかわる特殊な工具や機器、薬品の取り扱いな
どにおいては、専門性の高い知識・技術が必要となります。教育・
毎年度、任意の期間に連続 5 営業日の
「長期休暇」を取得する
制度を採用しており、取得率の向上を促しています。
リフレッシュ休暇制度
一定の勤続年数、年齢を満たす従業員に対して、2 週間の
「リフ
レッシュ休暇」
と
「お祝い金」を付与しています。長期のリフレッ
シュ期間を得ることで、業務の充実にもつながる好循環となって
います。
福利厚生
従 業 員の多 様 なニーズやライフスタイルに合 わせ 、幅 広い
訓練記録を整備するとともに、一定の習得レベルの従業員には
作業資格を与えています。資格認定記録は事業所ごとに管理し、
年 2 回の内部監査において運用の妥当性を確認する際に活用し
ています。
◀
長期休暇制度
主な研修制度
主な研修制度
概要
新規受け入れ集合研修
(入社時)
就業規則等主要規定、生活規範、安全・衛生・
防災教育
開発・設計基礎研修
(入社 1 年目)
技術職に配属の従業員は専攻を問わず、各種要素技
術や機能部品についての製造実習を含む基礎学習
階層別研修
職階に応じた職位要件に沿った研修
職務スキル研修
工具や精密測定機器、基準器等の使用標準・要領
等についての研修
サービスを利用できるよう、総合福利厚生サービスの会員制度
を導入しています。また、全国に会員制ホテルを展開するサービ
ス会社と法人契約し、宿泊施設を安価に提供し、従業員の余暇の
充実を支援しています。
管理職研修
ACCRETECH CSR REPORT 2016
22
◀
労働安全衛生
安全確保の取り組み
■ 労働安全衛生の基本的な考え方
●
東京精密では、従業員が安心して働ける活力ある職場を目指し
て
「従業員の心身の健康と安全」
を第一に掲げ、安全・ 衛生・ 防災
活動を推進しています。また、2016 年度から全従業員のストレ
スチェックと職場傾向の集団分析を開始し、心身ともに健康で安
現場における
安全確保
全ないきいきと働ける職場づくりを推進していきます。
■ 社内における安全衛生の推進
海外における
安全衛生委員会活動
各工場に工場長を委員長とする安全衛生委員会を設置し、そ
安全確保
の下に安全部会、衛生部会、防災部会、化学物質管理部会等を
設置しています。さらにその下に個別の担当業務を実施する小委
員会を配置して、きめ細やかな活動を進めており、各部会の月次
安全衛生委員会報告と年 2 回の内部監査等、活発な活動を行っ
ています。
安全衛生管理体制
◀
安全衛生委員会
(委員長:各工場長)
安全部会
化学物質管理
部会
衛生部会
組立用クレーンの設置
防災部会
安全な職場づくりに向けた取り組み
従業員が安心して働ける安全な職場を目指し、各種安全確保
の取り組みを実施するとともに安全教育による従業員の安全意
屈み作業防止リフターの設置
識向上に努めています。
特に教育においては 、従業員が現場に配属される際に行う基
本的な安全教育に加え、クレーン操作や高所作業等の特殊作業
を行う従業員に対する講習会の実施、社内独自の資格認定、及び
公的資格の取得促進など、広く安全意識の向上に努めています。
交通安全講習会の様子
23
ACCRETECH CSR REPORT 2016
安全パトロールの実施( 2 回 / 年)
交通安全講習会の実施(地域警察署に
依頼)
● 重量物の組み立てエリアごとにクレー ンを設置し、重量物を持たない作業標
準を設定
● リフターや作業者ごとの作業台の設置
による、屈み作業の排除
● 作業指示はタブレットによりおこない、
ログイン時に過去の災害事例を表示す
ることで安意識向上を推進
●
海外出張者・駐在者を役員許可制とし、
渡航制限等の情報を提供
●
従業員とのかかわり
薬品・化学物質取り扱いに関する取り組み
災害に強い職場づくりに向けた取り組み
薬品・化学物質の安全な取り扱い方法を徹底するため、全使
東京精密では 、自然災害等の緊急時に備え、ハード・ソフト両
用薬品・化学物質の取り扱い規定・基準を作成しています。特に、
側面から災害に強い職場づくりを進めています。
化学物質使用部署においては 、リスクアセスメントを確実に実施
2015 年度のハード面における取り組みとして、八王子工場の
することで、潜在リスクの除去に努めるとともに法令遵守を徹底
新社屋を制振構造とし、震度 6 の場合で約 20% の減震となる構
しています。
造としました。また、従業員の増加を鑑み 、八王子工場の備蓄食
また、八王子・土浦両工場における薬品購入の申請を一元管
料を従来の 7,740 食から8,775 食 (975 人の 3 日分相当 ) に増やし
理する部門を設置し、厳格な薬品購入管理を行っています。
ました。なお 、備蓄の入れ替えに際し、既存の備蓄はフードバン
クに寄贈しています。
活力のある職場づくりに向けた取り組み
職場の活力向上のためには 、全ての従業員が健康でいきいき
と働けることが重要です。従業員の健康をサポートし、ストレスを
低減する各種取り組みを実施しています。
健康・衛生管理の取り組み
◀
●
年次健康診断における成人病検診※1、 人間ドック※ 2 の実施
●
●
健康管理
ソフト面における取り組みとしては 、防災の専門業者を招き、
新社屋で新しいタイプの消火栓等の操作訓練を実施しました。
各工場では 、地震などの自然災害・火災・事故などに備え、定期
的な防災訓練を行っているほか 、薬品の漏洩などの緊急事態を
想定した職場別の緊急対応訓練を実施しています。
今後もこれらの緊急時対策を着実に実施するとともに、年次
訓練計画・実施報告を内部監査するなど、アセスメント結果に基
づいたリスク対応訓練を進めていきます。
ストレスチェック、集団分析の実施
社外カウンセラーや弁護士と連携した
相談窓口の運営
●
外部講師による新入従業員への「メンタルヘルス
研修」の実施
※1希望した若年層を対象
※ 2 管理職を対象
●
衛生
AED の増設 (2015 年度 6 台増設 ) 及び取り扱
い講習の実施
●
●
救急救命講習の実施(地域消防署に依頼)
足元マットの設置による立ち作業時の足への
疲労軽減
新社屋での消火栓の操作訓練
足元マットの設置
苛性ソーダ 25%水溶液の漏洩事故を想定した緊急対応訓練
ACCRETECH CSR REPORT 2016
24
従業員とのかかわり
自衛消防隊の取り組み
八王子・土浦両工場では自衛消防隊を組織し、消火隊は
日々の訓練に励んでいます。八王子消防署主催の
「自衛消防
訓練審査会」
の模擬演技では、毎年上位の成績を収めており、
社内広報することにより防災意識の喚起に努めています。
■ 社外における安全衛生の推進
東京精密の製品とサービスは 、世界中のお客様の生産プロセ
スでご使用いただいていることから、お客様の工場等での作業も
多く、お客様先での安全衛生の確保も非常に重要です。このため、
フィールド作業者は公的作業資格や業界の共通安全基準、お客
様独自の安全講習の受講やライセンス取得を積極的に行ってい
ます。
社外における安全衛生の取り組み
◀
●
SEAJ( 日本半導体製造装置協会 ) の推奨
安全教育
●
社外安全教育
半導体φ 450mm ウェーハを扱う担当者の
安全資格
●
半導体某社様の社内基準安全職長講習
工事責任者/作業責任者/職長/高所/
感電/低圧の安全講習
●
自衛消防訓練審査会
八王子地区自衛消防隊出初式
25
ACCRETECH CSR REPORT 2016
●
その他多数
●
特定化学物質取り扱い作業主任者資格
公的資格・
●
社外ライセンス
●
毒物劇物取扱責任者資格
電気 ・ ガスのライセンス取得(半導体某社様
の社内作業基準)
株主・投資家とのかかわり
投資家の皆様に東京精密への理解を深めていただけるよう、
透明性の高い積極的な IR 活動に努めています。
■ 決算説明会
株主・投資家向け情報開示の
考え方
や証券アナリスト向けの決算説明会を開催し、社長自らが連結業
東京精密は株主・投資家の皆様に対し、業績・財務内容・経
ついて説明しています。
東京精密では 、通期・中間決算の開示日を中心に機関投資家
績の状況や今後の見通し、東京精密グループの経営戦略などに
営戦略などの情報を正確に、分かりやすく、適時かつ公正にお伝
えすることにより、企業の透明性向上に努め長期的な信頼関係
■ 東京証券取引所適時情報開示
を築いていけるよう努めています。
ステークホルダー の皆様に対し、当社ホームページや東京証
欧州を中心としてグローバルに拡大しつつあるESG 投資の浸
券取引所の TDnet に決算をはじめとする重要な情報を公開して
透や日本版スチュワードシップコード策定の流れを受け、非財務
います。TDnet を通じて開 示した情 報は 、日本 証 券 取引所グ
を発行すること
面での情報開示の拡充を念頭に、
「 CSR 報告書」
ループの適時開示情報閲覧サービスでご覧いただけます。
としました。将来的には財務情報、非財務情報の関係性をより
分かりやすくお伝えするべく、
「統合報告書」による開示を目指し
たいと考えています。
https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html
■ その他の IR 活動
直接の面談が困難な機関投資家については 、テレビ会議シス
積極的な IR 活動の展開
テム等を通じた対話を行い、国内外を問わず、幅広い IR 活動を
■ 株主総会
また、2015 年 12 月には 、個人投資家向け IRフォーラムにも
行っています。
東京精密グループでは 、毎年 6 月に本社のある東京都八王子
参加し、個人投資家との交流を深めています。
市内で定時株主総会を開催しています。多くの株主様においで
いただけるよう、近年は「集中日」
をさけて開催しています。
定款に従い社長が議長となり、業績やマーケットの状況、東京
精密グループの経営戦略、今後の業績見通し等を社長自ら説明
しています。また、株主様からも多くの貴重なご意見・ご質問を
いただく機会を設けることで、株主様と経営陣が直接コミュニ
ケーションをとり、東京精密グループを深くご理解いただく場と
しています。
株主総会 開催実績
2016 年 6 月 21 日(火)
10:00 ∼ 10:50
出席者(名)
2016
2015
2014
2013
2012
■ 株主通信
株主の皆様には年 2 回「株主通信」
をお届けして、東京精密グループの業
績や話題・新製品情報をお伝えして
います。
弊社ブースの様子
120
142
106
123
107
証券コード 7729
第93 期株主通信
(平成 27 年 4 月 1 日~平成 28 年3月 31 日)
株主の皆様へ
株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
当社の第 93 期株主通信をお届けするにあたり、ご挨拶を申し上げます。
当社グループは「夢のある社会を創る」、
「豊かな生活を築く」、
「地球環境にやさしい技術で貢献
する」を目的に、半導体製造装置/精密測定機器メーカとして、価値ある技術・サービスの提供
に真摯に取組んでまいる所存です。
代表取締役社長 CEO
株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
当期の概況
〈計測機器部門〉
当期の当社をとりまく内外経済情勢は、米国経済は雇用情勢の改善を
計 測 機 器 部 門では、主 要 ユ ー ザで ある自動 車 関 連 業 界がワー ルド
背景に個人消費や企業活動の拡大基調が続き、欧州経済も堅調な個人消
ワイドな 生 産 体 制 構 築、効 率 向 上に向けた生 産 革 新 のための 積 極 的
費により底堅く推移、日本でも企業収益や雇用情勢が引き続き改善傾向
な 設 備 投 資を続けたほか、工 作 機 械、航 空 機 関 連 業 界 向けの 需 要 動
で推移するなど、世界経済全体としては総じて緩やかな拡大基調を維持
しました。一方で、中国経済は一段と減速、アジア新興国経済も停滞を続
けたことに加え、資源価格の低迷や欧州・中東での地政学的リスクの高
まり、年初来の急激な円高など、先行きについては不透明感が増大して
きております。このような状況下、当期の連結業績は、主要ユーザの活発
な設備投資動向を受け、売上高は 702 億 74 百万円(同 5.8% 増)、営業
向も堅調に推移、加えて国内中堅中小企業マーケットにおける政府助
成 金 の 設 備 投 資 促 進 の 政 策 効 果も引き続き見られました。海 外 拠 点
充実など当社グループとしてこうした設備需要取り込みに努めた結果、
当社機器の引き合いも堅調な推移を続け、前期に続き既往ピーク実績を
更に更新しました。当期の連結業績は、売上高 285 億円(同 8.5% 増)、
営業利益は 58 億 83 百万円(同 14.0% 増)となりました。
利益 132 億 22 百万円(同 9.1% 増)、経常利益 132 億 32 百万円(同 3.4%
増)で、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は 97 億 4 百万円(同
7.9% 増)となりました。
利益配分に関する基本方針
平成 28 年 3 月期の期末配当金につきましては、株主還元方針に定め
た連結配当性向 25%程度に基づき、平成 28 年 2 月 9 日に公表しました
次期の見通し
〈半導体装置部門〉
半導体製造装置部門では、スマートフォンに関連する電子部品、メモリ、
配当予想 1 株当たり26 円から 7 円増配し、33 円とさせていただきました。
この結果、 当期の 1 株当たり年間配当金は、既に実施しております中間
配当金 26 円と合わせまして、前期に比べ 4 円増配の 59 円となりました。
制御系半導体やサーバ向け半導体に対する需要に向け、半導体、電子部品
メーカ各社は積極的な投資を行いました。なかでも電子部品向けの設備
需要は闇を過して堅調に推移しました。半導体メーカ各社では夏場過ぎより
来期以降の株主還元方針について
剰余金の配当につきまして、 株主様のご期待に応え利益還元を更に
景気不透明感を増す中国など新興国での需要減退の影響で、投資抑制、
充実する観点より、 配当の目安とする連結配当性向を「25% 程度」から
在庫調整の動きがありましたが、車載半導体や新型パッケージング技術など
「30%程度」に変更いたします。 これによりまして、来期の配当金につき
の新たな需要により第 3 四半期から再び緩やかな回復に転じました。
ましては、年間配当金 1 株当たり60 円(中間配当 30 円、期末配当 30 円)
この結果当期の連結業績は、売上高 417 億 73 万円(同 4.0% 増)、営業利
を予定しています。
弊社セミナーの様子
2015 年 12 月5 日(土) セミナー受講者 160 人、ブース来場者 300 人超
益は 73 億 39 百万円(同 5.4% 増)となりました。
八王子第 6 工場
八王子に地上 5 階建て・制震構造・バリア
光学測定機器の拡充
非接触三次元表面粗さ・形状測定機
フリー 設 計、延 べ 床 面 積 約 21,000 平 米 の
の Opt-scope に本体と架台を一体化
「第 6 工場」が竣工し、順次稼働しています。
した特別仕様モデルを発表しました。
大型クリーンルームを備え、かつ第3工場と
連結することで、より効率的な生産と技術
レボルバ機構搭載で倍率の切替えが
容易になり、電動ステージは位置決め
開 発 を 実 現します。環 境 問 題 へ の 配 慮と
機能を利用した自動測定にも対応。
省エネ対応の観点から、第5工場に続き太陽光発電設備を敷設する予定です。
さらに多様な測定を可能にしました。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
26
地球環境とのかかわり
提供する製品のライフサイクルを含む全てのバリューチェーンについて環境への負荷
を低減し、持続可能な社会と地球環境に向け、全員力で取り組みます。
環境における基本的な考え方と管理体制
■ 環境の基本理念
東京精密は「地球環境が保全されてこそのものづくり」という
業 員 が 事 業 活 動 において 実 践 するために 具 体 化 したのが
考 えのもと、
「環 境 基 本 理 念」を 1997 年 に 制 定 しました。
「環境行動方針」です。東京精密はこれらの理念・方針に基づき
この基本理念を表現したのが「環境基本方針」であり、全ての従
全ての事業活動を行っています。
環境基本理念
東京精密は、地球環境保全が人類共通の重要課題であることを認識し、開発・設計・生産・サービスの全域において積極的に
環境保全に配慮した行動をとる。
環境基本方針
東京精密は、半導体製造装置及び精密測定機器をはじめとする製品の生産、サービスを主とした事業活動において、全従業員が
「この行動は地球にやさしいか」
を常に配慮し、環境負荷を可能な限り少なくする。
環境行動方針
1.「環境管理委員会」を頂点とする、全職制を軸にした環境管理体制を組織し、揺るぎない環境保全活動を推進する。
2. 環境関連の法律、条例、協定及び本「環境方針」を遵守し、自主目標を設定して、汚染防止、環境保全に取り組む。
の開発・改善に努める。
3. 環境配慮した製品(省エネルギー、省資源、有害物質の不使用)
4. 事業活動に伴う環境影響に関する以下の項目等について環境目標に定め、環境パフォーマンスを向上させるために継続的改善
を行うと共に内部監査等で見直しを行う。
1)省エネルギー、省資源、廃棄物の削減・リサイクル等による天然資源の有効利用
2)有害物質の適正管理と使用量の削減及び代替物質への転換
3)温室効果ガスの排出抑制による地球温暖化防止
5. 全従業員に対し、環境保全に関する教育訓練を行い意識の向上を図る。また、協力工場に対しても環境保全活動についての理
解と協力を求める。
6. 事業活動のそれぞれの業務を通じて持続可能な資源の利用、気候変動の緩和や生物多様性保全を始めとした環境保全活動に
取り組み、より良い地球環境の実現につとめ、社会の発展に貢献する。
7. 環境マネジメントシステムの適用範囲は半導体社、計測社の活動、製品、サービス及び事業活動に関係する工場の環境保全活
動を対象とする。
8. この「環境方針」は社内外に開示する。
27
ACCRETECH CSR REPORT 2016
地球環境とのかかわり
■ 環境管理体制
■ 内部環境監査
「東京精密環境理念」に基づく環境保全活動を継続的に推進し
環境管理マニュアルに規定された社内の励行状況を確認する
ていくために、社内に
「環境管理委員会」を設置し、ISO14001
ため、年 2 回の定期内部環境監査を実施しています。事務局が作
のマネジメントシステムに則り活動を行っています。
成したチェックリストに基づき、主任監査員をチームリーダーと
「エネルギー使用の合理化に関す
2009 年 4 月より施行された
した 2 ~ 3 名が監査チームを編成し、監査を行っています。
る法律」への対応のため、エネルギー管理統括者を選任しました。
環境管理体制組織図
◀
取締役会
代表取締役社長
環境管理委員会※1
標準化委員会※2
品質管理専門委員会
電気作業専門委員会
機械作業専門委員会
ソフトウェア専門委員会
電気専門委員会
環境管理責任者
機械専門委員会
運営委員会
各事業所
内部環境監査チー ム
品質システムチー ム
※3
エネルギー管理統括者
事業所における内部環境監査
環境目標と環境負荷の全体像
■ 環境目標と取り組み実績
東京精密では 、2010 年度より5 カ年計画で環境目標を設定し
て取り組みを行っています。2015 年度からは第 1 次計画の最終
年度を基準として、電力、紙、水、CO 2 排出量を生産高原単位で
年率 1%の削減とリサイクル率 95% 以上を目標とする第 2 次 5 カ
環境部会※4 部門責任者
省エネ PJ
年計画を策定して環境活動を行っています。なお 、2016 年 4 月
に八王子工場に大型の新工場が竣工して順次稼動を開始するた
め、2016 年度は同工場を個別管理とし、2017 年度より5 カ年計
画の目標値を再設定する予定です。2015 年度実績は電力、紙、
委員会の役割
※
1【環境管理委員会】
環境管理活動を審議、推進する組織。環境管理委員長・副委員長、環境管
理責任者(各サイト1 名)
、実行組織の代表(数名)
で構成される。
※
2【標準化委員会】
環境及び品質マネジメントに必要な規格、基準の作成、運用の推進を行う。
※
3【品質システムチーム】
1. 環境管理システムの運営
「環境管理マニュアル」
の原案作成
2.「 環境方針」、
3. 環境管理委員会資料の作成
4. その他両サイトに関係する事項の対策案作成または処理
※
4【 環境部会】
各サイトに設置し、サイトの環境目的達成のための具体的推進を行う。
リサイクル率で目標を達成しましたが 、水使用量と土浦工場の
CO2 削減では未達成となりました。
水使用量については 、生産・稼動に純水を使用する製品の生
産高割合が 2014 年度比で 40%増加したため、各種削減対策を
実施したもののほぼ横ばいとなりました。2016 年度は原単位
基準の見直しを行い 2017 年度より第 2 次 5 カ年計画の最終年度
である2019 年度までの目標を再設定します。
土浦工場の CO 2 排出量については 、省電力空調設備への交換
工事遅延のため、年度内で計画された削減を達成することがで
きませんでしたが 、2016 年度の早期に工事計画の遅れを取り戻
すため、5 カ年計画への影響はありません。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
28
環境目標と取り組み実績
◀
課題項目(2019 年度まで)
電力使用量
生産高原単位 2014 年度の 1%削減
エコファクトリー
CO2 の排出量
生産高原単位 2014 年度の 1%削減
2015 年度実績
評価
目的(2019 年度目標値)
384.81(kWh/ 百万円)
367.68(kWh/ 百万円)
◎
365.57(kWh/ 百万円)
八王子:7,897 t-CO2
八王子:7,861 t-CO2
◎
土浦:2,293 t-CO2
土浦:2,652 t-CO2
0.151(t-CO2/ 百万円)
紙の購入量
生産高原単位 2014 年度の 1%削減
水資源の使用量
生産高原単位 2014 年度の 1%削減
廃棄物対策
0.532(kg/ 百万円)
2.00(m3/ 百万円)
2.01(m3/ 百万円)
△
2016 年度:原単位基準見直し
2019 年度までに 2014 年度より5%削減
◎
毎年度リサイクル率 95% 以上
廃棄物 694,779kg
廃棄物 694,779kg
リサイクル率 91.3%
リサイクル率 98.1%
水削減:(1 機種)
鉛フリー化
六価クロムフリー化
グリーン調達の推進
エコマインド
有効利用 634,469kg
エア削減:(2 機種)
材料削減:(1 機種)
ー
2017 年 5 月の RoHS 対応に向けて準備中
ー
鉛フリーはんだでの全製品製作運用中
○
六価クロムフリーの全製品対応完了
◎
製品開発にて技術検討
○
水銀フリー化
運用中
省エネルギー活動の参画
グループ会社の環境活動推進
社会貢献活動
土浦:0.143(t-CO2/ 百万円)
◎
RoHS 適合製品の推進
グループ会社の環境活動推進
△
0.53(kg/ 百万円)
エア削減:(2 機種 )
環境配慮設計
0.161(t-CO2/ 百万円)
八王子:2015 年度~ 2019 年度平均
7, 975 t-CO2/ 年 以下※
0.56(kg/ 百万円)
有効利用 634,469kg
リサイクル率 95% 以上
エコプロダクツ
2014 年度実績
ガイドライン改訂
社内システム導入
省エネルギー活動の参画
グループ会社の環境活動推進
○
○
八王子:新製品の開発時、従来比5%削減
土浦:省エネ製品の開発、環境設計の促進
2017 年 5 月までに RoHS 完全対応
八王子:使用有害化学物質の代替を推進し、
リスクレベルを下げる
土浦:2014 年度の使用化学物質量を
基準として 5% 削減
2016 年度本格稼動
土浦:TSS などのグループ会社の
環境パフォーマンス向上
1. 隣接する公園の清掃
2. 八王子道路アドプト活動
3.Fun to share の参画
1. 隣接する公園の清掃
2. 八王子道路アドプト活動
3.Fun to share の参画
○
地域社会との協働
11 月発行
10 月発行
○
環境報告書の充実
CSR 報告書
※東京都総量削減義務の第 2 計画期間(2015 年度~ 2019 年度)
温室効果ガス排出量 電気の排出係数= 0.489(2015 年度係数)にて算出
評 価 ◎:目標達成に十分な結果が得られた
○:良好
△:不十分 努力を要す 29
ACCRETECH CSR REPORT 2016
地球環境とのかかわり
■ 環境負荷の全体像
イフサイクル全体の大きな割合を占めることが分かりました。こ
東京精密では、工場等の事業活動に伴う環境負荷だけでなく、
のため、事業活動における環境負荷低減を目指し、工場における
お客様の製品使用に伴う環境負荷まで含めた低減を実現するた
取り組み(エコファクトリー )
を行うだけでなく、お客様先での環
を実施しています。
め、ライフサイクルアセスメント
( LCA )
境負荷低減を目指し、省エネや省資源といった環境配慮型製品
製品の原材料調達から製造、使用、廃棄まで含めたライフサイ
の開発(エコプロダクツ)
も進めています。
クル思考で見ると、お客様が製品を使用する際の環境負荷が 、ラ
環境負荷の全体像
東京精密における環境負荷
INPUT
エネルギー
21,370 MWh
11,000 ㎥
電気
ガス
燃料
水
・点数削減
INPUT
井水 94,895 ㎥
(重油・軽油・灯油・ガソリン)
18,162 L
開発・設計
・ペーパレス化
お客様先における環境負荷
市水 22,202 ㎥
資材・調達
製造
梱包・物流
・グリーン調達
・動線の改善
・梱包材の再利用
・通い箱の運用
・省電力化
・アイドリングストップ
・梱包資材削減
・計画運行
・検査自動化
エコファクトリー
製品稼働
・エア削減
・省電力化
アフターサービス
・サービス拠点の
新設
・効果的な保守対応
廃棄
・REACH 、RoHS 対応
エコプロダクツ
リサイクル率
98.1%
CO2 排出量合計
10,601 t
電気
ガス
( LPG )
62,218 ㎥
10,513 t
38 t
燃料(重油・灯油)
7t
燃料(軽油)
1t
燃料(ガソリン)
工場排水
42 t
廃棄物
↓
758,977 t
最終処分量
OUTPUT
対象範囲:東京精密八王子工場・土浦工場
電力の CO2 排出係数 0.489(2015 年度係数)にて算出
13,745 t
OUTPUT
ACCRETECH CSR REPORT 2016
30
◀
■ 地球温暖化防止の推進
東京精密は 、国内に生産拠点として八王子と土浦に工場を有
しており、省エネ法において一定規模以上のエネルギーを使用す
る特定事業者に該当するとともに、八王子工場単体でも東京都
の環境確保条例の対象事業所として指定されています。
事業活動において一定程度エネルギーを使用する企業として、
◀
エコファクトリー
電力使用量実績
電力
原単位
(電力 MWh)
(原単位 kWh/ 百万円)
25,000
750
689.22
20,000
19,611
に取り組んでいます。
14,767
600
367.68
412.11
10,000
384.81
344.46
450
300
5,000
150
0
0
2009
省エネルギーの推進
東京精密は 、消費エネルギー の中でも大きな割合を占める電
21,081
16,739 17,002 480.25 483.57
15,000
東京精密は 、地球温暖化防止を企業が取り組むべき重要課題と
して認識し、省エネルギー の推進と再生可能エネルギー の導入
20,483
21,370
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年度)
対象範囲/東京精密八王子工場・土浦工場
力使用量について、2014 年度を基準として生産高原単位で 1%
再生可能エネルギー導入の推進
削減を掲げ取り組みました。2015 年度は 、2014 年度に比べ電
東京精密では 、電力使用に伴うCO 2 排出量を減らすために、
力使用量が約 29 万 kWh 増加しましたが 、太陽光発電設備設置、
再生可能エネルギー の導入を推進しています。2015 年 6 月、八
照明 LED 化、空調機器・コンプレッサ等の施設・設備を省エネタ
王子の第 5 工場に太陽光発電設備を設置しました。この設備は 、
イプに交換した結果、生産高原単位では 、1%以上削減すること
年間で 21 万 kWh 以上の発電が可能です。設置後 1 年間の実績
ができました。次年度以降も電力削減のための省エネ活動を推
は電気事業者から電力購入した場合に比べ、122t-CO 2 削減とな
進していきます。
りました。発電した電力を八王子サイトの事業活動で使用するこ
主な電力使用量削減対策
◀
八王子工場
土浦工場
・太陽光発電設備の設置
・照明 LED 化
・空調機器・コンプレッサ― 等の施設・
設備を省エネタイプへ交換
・純水設備の間欠運転
・照明 LED 化
・空調機器の施設・設備を省エネタイプへ交換
とで、サイト全体の電力使用量の1.5%を太陽光発電設備で賄い、
一般的に電力需要の多い昼間時間帯の電力使用量削減にも貢献
します。
太陽光発電設備の設置に加え、各種省エネ対策を実施した結
果、2015 年度の八王子工場の CO 2 排出量は 、7,861t-CO 2 で、
基準排出量 9,383 t-CO 2 に対して16.2%の削減となり、削減義
務率 15%を達成しました。
また、2016 年 5 月に竣工した第 6 工場にも太陽光発電設備の
設置を予定しており、八王子サイトの更なる電力使用量抑制を進
めていきます。
31
ACCRETECH CSR REPORT 2016
地球環境とのかかわり
■ 水使用量の削減
2015 年度の水使用量は 、117,100m 3となり、2014 年度に比
べ 、7,440m 3 使用量が増加しました。水を使用している製品の
割合が 2014 年度比 40%増加したため、目標に掲げた生産高原
単位で比較しても横ばいとなり、使用量削減対策の効果と相殺し
た結果となりました。
2016 年度は 、水の使用量について現状を再認識し、妥当性の
ある原単位基準を設ける等、削減対策を進めるとともに評価基
準の適正化を図り、2019 年度目標である2014 年度比5%削減
を達成するよう努めています。
原単位
(原単位 m3/ 百万円)
◀
120,000
80,000
4.5
117,097
104,243 107,744 109,656
79,707
3.5
3.50
3.0
60,000
2.55
40,000
2.54
2.5
2.01
2.0
20,000
0
2009
6. 非分別不燃廃棄物
• 分別収集の徹底によるリサイクル品の回収
• 廃棄物収集箱、収集方法の改良
1.96
1.96
2010
2011
2.00
1.5
2012
2013
2014
廃プラスチックなどの廃棄物を製品の原材料として再利用
※ 2 サーマルリサイクル:
廃棄物を燃やした際に発生する熱をエネルギーとして再利用
4.0
96,774
74,901
5. 廃電気材
• 電線屑・基盤屑・廃 OA 機器は有価物として売却
※ 1 マテリアルリサイクル:
(水 m3)
100,000
4. 紙・木材
• 社内文書の裏紙使用
• 簡易包装・通い箱の実施など、取引先への協力要請
• 古紙・ダンボール材は有価物として売却
• 木材(合板を除く)はチップ用として再利用処分
• マニュアルの CD-ROM 化で紙使用を削減
7. 廃油・廃液
• 油水分離により再生重油 / 助燃油としてリサイクル
• 有価物回収及び再資源化
水使用量実績値
水
3. 汚泥
• 排水処理装置、系統の見直し
• 埋め立て処分→埋め戻し材への再利用
2015
(年度)
対象範囲/東京精密八王子工場・土浦工場
■ 廃棄物対策 リサイクル率向上
徹底した社内の廃棄物削減対策はもとより、社外に対しても
協力を要請するなどして、廃棄物の削減とリサイクル率の向上に
努めています。
2015 年 度 は 汚 泥 の 再 利 用を中 心 に実 施し、リサイクル 率
■ 化学物質管理
東京精密は、使用する化学物質について、法令遵守とともに自
主基準に基づく管理を行うことで、環境及び人への悪影響を最
小限に留めるよう取り組んでいます。
自主基準に基づく化学物質管理
東京精密は社内規定で環境を汚染する可能性のある物質を定
めており、これを取り扱う場合は環境管理責任者に全て届け出る
こととしています。物質ごとの取り扱い量、保管場所、最大保管
量等を把握するとともに、SDS ※及び緊急対策用具を備え、不測
事態対応のための定期的訓練を実施しています。
※SDS:Safety Data Sheetの略で
「安全データシート」
と呼ばれる。化学物質
の名称や製造企業名、取り扱い法、危険性や有害性の種類、物性、環境への影響、
安全対策、応急対応、緊急時の対策などに関する情報が、化学物質ごとにまとめ
て記載されている。PRTR 法ではメーカー等の企業が化学物質の排出量や廃棄
物の異動量を集計し、自治体を経て国に報告することになっていて、SDSの添付
98.1%を達成しました。
が義務付けられている
1. 金属屑
• 鉄・アルミ・ステンレスは有価物として売却
• 削りしろを最小化する図面の見直し
• 鋳物、ロストワックスへの移行
特定化学物質管理
2. 廃プラスチック
• 簡易包装・通い箱の実施など、サプライヤーへの協力要請
• 減溶化してマテリアルリサイクル※ 1(半導体社)
• サーマルリサイクル※ 2 化→化石燃料の代替燃料(計測社)
東京精密が扱う化学物質のうちPRTR 法特定物質の基準量を
超えている2 物質について届出を提出しています。また、東京都
の環境確保条例で定められた適正管理化学物質については 、八
王子工場において5 物質を使用しており届出を提出しています。
ACCRETECH CSR REPORT 2016
32
エコプロダクツ
部門、生産・製造部門、出荷部門といった直接部門だけでなく、
企画・営業部門、管理部門、サービス部門など間接部門も一体
となったものづくりを推進するとともに、サプライヤ様をはじめ
■ 環境配慮型製品への取り組み
とする社外パートナーとの協力体制も重要です。
東京精密グループは 、東京精密技術標準※ 1( TES ※ 2)
に則り
今後も社内環境研修等による環境配慮意識の浸透を図るとと
環境配慮型製品の開発を行うことで、製品における環境負荷の
もに社外パートナーとの協力体制強化に努めていきます。
低減及び社会の持続可能な発展への貢献に取り組んでいます。
※1 東京精密技術標準:Tokyo seimitsu Engineering Standard( TES )
:
生産活動に関わる開発、設計、製造、生産管理、品質管理、サービス及び環境管
製品開発にあたっては 、高精度・高品質を第一に、環境負荷低
理に適用する原則で、拘束力、強制力を持つ規定、規格、標準、基準、要領をいう。
減の基準として製品使用時の負荷低減(省エネ、水使用量削減)
、
※2 TESの構成:1.一般標準、2.製品標準、3.管理標準、4.設計標準、5. 設
製品含有化学物質対策、原材料投入量削減を掲げ取り組んでい
備標準、6.作業標準
ます。環境配慮型製品の実現に向けては 、開発設計部門、購買
様々な環境配慮型製品
ウェーハダイシングマシン
◀
エア
削減
AD3000T
446 L/min
198 L/min
従来モデルより 60%エア削減。
エア
削減
ウェーハダイシングマシン
AD2000T
198 L/min
309 L/min
エア
削減
ウェーハダイシングマシン
AD20T
50 L/min
5 L/min
ワーク VAC を大幅に削減。
マシン待機中の、VAC とドライエア消費量を削減しま
従来モデルより 36%エア削減。
マシン待機中の、VAC とドライエア消費量を削減しま
装置運用の中で最もエア消費量の多いワーク VAC に着
した。
した。
目。機密性を向上させた VAC 配管内の圧力が一定レベ
ル以下となった場合のみ真空生成することで、エア消費
量を大幅に低減しました。
エア
削減
三次元座標測定機
XYZAX mju NEX
40 NL/min
10 NL/min
水削減
ポリッシュ・グラインダ
PG3000RM
13 L/min
真円度・円筒形状測定機
RONDCOM 73
3,000 kg
1,500 kg
従来比 50%の材料削減を実現。
従来比 75% のエア削減。
研削加工時の水使用量を削減。
X,Y( 右 ) 軸にリニアガイド、Z,Y( 左 ) 軸にエアベアリン
研削加工時の水使用量を大幅に削減しました。研削軸
グを併用したハイブリッド構造を採用。エア消費量は
は 2 軸あるので、稼働中に 9 L/min×2 軸= 18 L/min
置は小型軽量化に取り組み、材料を従来の 3,000 kg
従来機比 1/4 になりました。
の削減を実現しています。
から 1,500 kg と 50% の材料削減を実現しました。
*エア・エア削減とは
エアとは製品を駆動させるために必要な圧縮空気のことを指し、圧縮に使われるコンプレッサ
は他の機器に比べて大きな電力を消費します。エアを削減することでコンプレッサの小型化に
つながり、それがお客様の電力使用量の削減に結びつきます。
33
4 L/min
材料
削減
ACCRETECH CSR REPORT 2016
真円度測定機において、測定範囲を拡大しながらも装
地球環境とのかかわり
製品含有化学物質の管理
これらの管理を確実に実施するためにはサプライヤ様のご協
近年、欧州を中心にRoHS 指令や REACH 規則への対応が求
力も不可欠です。製品含有化学物質管理システムの構築を進め、
められるなど、化学物質管理に関わる要求は年々大きくなってい
既存の設計・開発システムと発注システムの連携をとり、新たな
に属する半導体製
ます。当社製品で LSSIT(大型産業据付工具)
化学物質管理システムによる総合的な管理システムを実現しまし
造装置は 、現在は RoHS 指令の適用除外製品に該当しますが 、
た。
全製品に対して対応を進めることとし、2013 年度初めに社長直
2017 年の規制開始時に十分な対応を実現するため、2016 年
轄の環境製品推進室を設立し、製品含有化学物質を把握する全
度からシステムの稼動を予定しています。環境に優しい製品づく
社的な活動を開始しました。
りと合わせ、製品の信頼性・安全性を益々高めていきます。
管理データベースのシステム構成
東京精密・環境DB
社外クラウドシステム
調査依頼
サプライヤ A
サプライヤ B
サプライヤ C
調査依頼
調査回答
調査回答
●
指定のホームページから
調査依頼の結果回答をアップロード
●
サプライヤは公開先企業を選択
●
含有情報修正時は自動的に通知
●
サプライヤ側も自社情報を一元管理が可能
サプライヤ
ACCRETECH CSR REPORT 2016
34
◀
地球環境とのかかわり
環境保全活動の歩み
1996 年 7 月 環境保全活動の教育訓練を開始
9 月 環境委員会を設立
1997 年 2 月 「環境理念」制定。環境負荷調査を
八王子・土浦の両工場及び各部署で開始
5 月 環境管理マニュアルを制定
1998 年 3 月 ISO14001 認証を両工場で一括取得
9 月 「MOTTO(行動指針)」を制定
2006 年 1 月 六価クロムフリー実施
4 月 ハロン消火器の全廃完了
6 月 クールビズ実施
10 月 新製品より鉛フリーはんだでの生産開始(半導体社)
2007 年 2 月 優秀省エネルギー機器表彰制度で
レーザダイサが日本機械工業連合会会長賞受賞
2008 年 3 月 消防総監表彰状受賞
1999 年 11 月 廃棄物の焼却炉を停止、その後撤去(半導体社)
2009 年 11 月 八王子工場「優良防火対象物認定」を更新
2000 年 3 月 CMP、バックグラインダ等の
2010 年 8 月 東京都から道路アドプト表彰
排水処理施設の運転開始(半導体社)
5 月 重油ボイラーによる暖房設備、
地下重油タンクの撤去(半導体社)
2001 年 4 月 ISO14001 認証を更新
5 月 八王子工場新本館使用開始
2002 年 3 月 自家用焼却炉廃棄(計測社)
2003 年 3 月 「ACCRETECH グリーン調達ガイドライン」を制定
2004 年 2 月 空調設備を重油ボイラーから電気式に更新(計測社)
8 月 「ACCRETECH グループ行動規範」を制定
9 月 環境報告書発行
2005 年 2 月 土浦工場の特定施設廃止
4 月 安全に関わる表彰事業所として
茨城労働局長奨励賞受賞
4 月 八王子・土浦新工場使用開始
6 月 ISO14001 認証 2004 年度版取得
7 月 サプライヤーに対する
六価クロムフリーの説明会を実施
35
ACCRETECH CSR REPORT 2016
2011 年 6 月 八王子第 5 工場竣工
11 月 環境方針改定
2012 年 7 月 切断・研削工具の事業開始
2013 年 3 月 ISO14001 適用範囲に
切断・研削工具を含め認証取得
2015 年 6 月 八王子工場太陽光パネル設置、稼動
社会とのかかわり
事業活動を通じて社会に貢献することはもとより、企業市民として健全で持続可能な
社会づくりのために、社会との対話を通して各地域の課題・ニーズを明確化し、
その解決に向けた社会貢献活動を推進していきます。
地域企業とともに
地域コミュニティとのかかわり
● 地域美化活動
■ 土浦地域における取り組み
辺の清掃を実施してきました。当社ではこれに加え、毎週独自に
地域行政とともに
土浦工場では 、近隣の企業と共に月1 回、隣接する中貫公園周
清掃活動を行っています。この活動は 2006 年に開始し、総務室
に実施しています。
と各部署が毎週月曜(月1 回の清掃は除く)
● エコパートナー協定
土浦市では、市と事業者とが緊密なパートナーシップを形成し
以前は公園周辺の道路にゴミがあふれていましたが 、長年の活
て地球温暖化問題、エネルギー問題及びゴミ問題を改善するこ
動により、大幅に改善されました。
とにより、次世代の子供たちにより良い環境を引き継ぐことを目
今後も、クリーンな周辺環境を保ち、社会マナー向上の一助と
的として、協調して低炭素社会づくり及び循環型社会づくりを行
なることを目指し、活動を継続していきます。
う土浦エコパートナー事業を行っています。当社もこの考えに則
り、2016 年 3 月末に土浦市との協定を締結しました。
地域美化活動の様子
参考:
土浦市ホームページ
エコパートナー協定
http://www.city.tsuchiura.lg.jp/page/
page004517.html
VOICE 参加した従業員の声
● 無災害 25 年達成表彰
中貫公園は緑豊かで春には桜、秋には銀
土浦工場は 、土浦市の神立工業団地周辺の企業で結成される
杏と彩りあふれ、近隣の皆様にも愛されてい
神立地区工業協議会に加盟しています。2015 年に行われた平
るため、利用者の大変多い公園です。ですが、
成 27 年度定期総会において、土浦工場は「無災害事業所」の表
周辺道路にはゴミやタバコの吸い殻が多く、
彰を受けました。土浦工場は過去 25 年間無災害の事業所として
弁当容器等の袋がそのまま捨てられている
高い水準の労働安全衛生環境を保ち、従業員が安心して働ける
のも目にします。その周辺道路がゴミだらけ
職場として高い評価を受けています。
計測社
CMMチーム
安田 慎
では、当社をはじめ隣接工場が近隣から悪く
見られてしまいます。公園や近隣への感謝
はもちろん、神立工業団地の環境と景観を
守るためにも、引き続き清掃を続けていきた
いと思います。
無災害事業所表彰の様子
■ 八王子地域における取り組み
●「かすみがうら」の保護のために
地域行政とともに
土浦工場の近隣には茨城県の代表的な観光地「かすみがうら」
● 八王子労働基準協会
があります。その
「かすみがうら」
をよりきれいに保つために、土
八王子労働基準協会は労働基準行政が円滑に運用されるため
浦市では近隣企業に公害防止に関する計画書の提出を求めてい
に、行政の指導のもと、地域事業団体の世話役的な立場で各種
ます。当社も土浦市で事業を行う企業として、かすみがうらをき
の事業を行い「安全で、健康で、快適な職場」をつくり、働く人々
れいに保つために土浦市へ「公害防止計画書」
を提出しています。
の福祉の向上と産業の健全な発展に寄与することを目的として
ACCRETECH CSR REPORT 2016
36
社会とのかかわり
活動しています。この協議会において、当社の担当者は「総務広
■ SEAJ( 日本半導体製造装置協会 )
報部会」に所属し、年 5 回の新聞発行業務などに協力しています。
SEAJ は 、半導体製造装置産業並びに関連産業の健全な発展
八王子労働基準協会ホームページ
を図るため、統計調査、及び業界の課題や新技術に関する調査、
http://hachirou-kyoukai.jp/index.html
各種セミナー、講演会の開催、標準化の推進など、幅広い活動を
行っている団体です。当社からは複数の従業員が組織に参加し、
● 道路アドプト制度への参加
八王子工場では 、2004 年より八王子市が実施している道路ア
ドプト制度に参加しています。
「 JR 北八王子駅東側ロータリー 」
を対象とし、日常のゴミ拾いに加え、植栽の手入れなどの定期清
半導体製造装置産業の発展に向け協力しています。
● 具体的な活動
●
の事故 0 を目指した勉強会を開催。業界の安全指標をはじめ安全
掃により美観の維持に努めています。昼休みに実施する通常の
定期清掃のほか 、夏季には植え込みの草取り及び剪定を行って
います。2015 年度は年 3 回の活動を行いました。
八王子市ホームページ
「道路アドプト制度とは」
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/33852/shiminkatudo/shiminkatsudo/
adoputo/index.html
安全・サポート部会 : 保守サービスの品質の向上とサービスマン
に関する情報を提供し、安全活動を啓発する勉強会を開催。
●
半導体調査統計専門委員会 : 受注・販売統計調査を毎月実施し、
一部プレリリースを行うとともに、製造装置の需要予測を年 2 回
行い、適宜プレリリースを行ってマーケット情報セミナーを開催。
上記のほか 、技術部会、環境部会、検査専門委員会、貿易専門
委員会、サービス専門委員会、理事会、運営に参加しています。
■ 精密工学会
工業界の発展や生産技術の向上に大きく貢献している学会で、
学術講演会、講習会、シンポジウムや工場見学会、学会誌発行を
行っています。
当社は学会運営への参加や知的ナノ計測専門委員会での活動、
各種の技術講演を数多く行っており、これらの業績が認められ 、
道路アドプト活動の様子
2013 年に本会より感謝状をいただきました。
VOICE 参加した従業員の声
駅前は普段通勤で通る場所でしたが環境
についてそれまでは特に気にしておらず、実
際に清掃活動をして初めてゴミや雑草など
で散らかっていることに気がつき驚きました。
業務会社
国際業務室
菊地 優作
■ 日本精密測定機器工業会
日本精密測定機器工業会は 、測定をはじめとする計測全般に
関する総合展示会の開催、技術及び品質の向上に資する標準化
の推進、他団体との連携による講習会の開催などを通じ、日本の
多くの従業員が通勤で頻繁に利用する駅前
精密測定機器産業の振興に大きく貢献している団体です。当社
を清掃することは、毎朝気持ちよく出社する
からは各種部会、委員会、展示会運営等に積極的に参加し、精
ための環境づくりとして大変意義のあること
だと思います。また、清掃活動自体も気持ち
の良いものであり、その中でさまざまな部署
の方々と協力しながら活動ができるというこ
ともこの活動の魅力だと感じました。初めは
新入従業員研修の一貫である、という気持ち
で参加したアドプト活動でしたが、機会があ
密測定機器産業の発展に大きく貢献しています。
三次元測定機部会では 、2015 年に開催された業界の展示会
である
「メカトロテックジャパン 2015 」で、日本工業規格 JIS B
7440-8(光学式距離センサ付き座標測定機の受け入れ検査及び
定期検査)等、三次元測定機に関する規格講習会の企画と運営
を行うなど、業界の発展に寄与しています。
れば今後も積極的に参加したいと思います。
業界団体とのかかわり
東京精密は自社の事業だけでなく、培ってきたノウハウや情報
を各種関連団体へ活かすことで更なる業界の繁栄に繋げています。
規格講習会の様子 (メカトロテックジャパン2015)
37
ACCRETECH CSR REPORT 2016
ISO26000 対照表
東京精密は CSR 報告にあたって、ISO26000 の中核主題に沿って取り組み状況を整理し、
CSR への取り組みおよび CSR 報告の拡充を図っています。
ISO26000 の
課 題
中核主題
東京精密の取り組み
●ごあいさつ
●東京精密のCSRの考え方
組織統治
1. 組織統治
●コーポレートガバナンス
•コーポレートガバナンス
•コンプライアンス・リスクマネジメント
●ステークホルダー・エンゲージメント
人権
2. デューデリジェンス
3. 人権に関する危機的状況
4. 加担の回避
5. 苦情解決
6. 差別及び社会的弱者
7. 市民的及び政治的権利
8. 経済的、社会的及び文化的権利
9. 労働における基本的原則及び権利
●サプライヤとのかかわり
• 紛争鉱物
●従業員とのかかわり
• 雇用・人材活用
10. 雇用及び雇用関係
11. 労働条件及び社会的保護
労働慣行
12. 社会対話
13. 労働における安全衛生
●従業員とのかかわり
• 雇用・人材活用
• 労働安全衛生
14. 職場における人材育成及び訓練
15. 汚染の予防
環境
16. 持続可能な資源の使用
17. 気候変動の緩和及び気候変動への適応
18. 環境保護、生物多様性及び自然生息地の回復
●地球環境とのかかわり
• 環境における基本的な考え方と
管理体制
• エコファクトリー
• エコプロダクツ
●社会とのかかわり
• 地域コミュニティとのかかわり
19. 汚職防止
公正な
事業慣行
20. 責任ある政治的関与
21. 公正な競争
22. バリューチェーンにおける社会的責任の推進
●コーポレートガバナンス
•コンプライアンス・リスクマネジメント
●サプライヤとのかかわり
• 調達にあたっての基本的な考え方
• 調達にあたっての協力依頼事項
23. 財産権の尊重
24. 公正なマーケティング、事実に即した偏りのない情報及び公正な契約慣行
25. 消費者の安全衛生の保護
26. 持続可能な消費
消費者課題
27. 消費者に対するサービス、支援、並びに苦情及び紛争の解決
28. 消費者データ保護及びプライバシー
29. 必要不可欠なサービスへのアクセス
30. 教育及び意識向上
●コーポレートガバナンス
•コンプライアンス・リスクマネジメント
●お客様とのかかわり
• 顧客満足追求の取り組み
●サプライヤとのかかわり
• 調達にあたっての協力依頼事項
●地球環境とのかかわり
• エコプロダクツ
31. コミュニティへの参画
32. 教育及び文化
コミュニティ
の発展
33. 雇用創出及び技能開発
34. 技術の開発及び技術へのアクセス
35. 富及び所得の創出
36. 健康
●従業員とのかかわり
• 雇用・人材活用
●社会とのかかわり
• 地域コミュニティとのかかわり
37. 社会的投資
ACCRETECH CSR REPORT 2016
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株式会社 東京精密
CSR 推進委員会
八王子・土浦工場一括でISO9001、
ISO14001を取得
〒 192-8515 東京都八王子市石川町 2968-2
TEL:(042) 642-1701 FAX:(042) 642-1821
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発行:2016 年 10 月
A-015-J-1610