個人事業主の皆様へ 飯塚・河崎会計事務所 税理士 河崎陽子 http://zeimu-kaikei.com/ Ⅴ 確定申告書の記載の仕方 平成 21 年分の所得税の確定申告の相談及び申告書の受付は、平成 22 年 2 月 16 日(火) から同年 3 月 15 日(月)までです。 今回は、青色または白色の個人事業を営んでいる方を中心に、一般的な場合の確定申 告(Bの記載)について、簡単に流れをご説明します。 青色の方は決算書、白色の方は収支内訳書を記載し終えていますか? では、さっそく、お手元に『所得税の確定申告書の手引き』と『所得税の申告書B』 をご用意ください。これらの書類は、国税庁のHPからもダウンロードできますし、所 轄の税務署にも用意してあります。 国税庁 HP 確定申告書に関する手引き等 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2009/index.htm 確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htm 申告書にはAとBがあります。AとBにはそれぞれ、第一表と第二表があります。 Aは、給与あるいは、年金、配当、一時所得があり、事業を営んでいない方が使用 します。これらの方は住宅ローン控除、医療費控除などの還付申告もAでできます。 Bは、上記以外の事業や譲渡の収入がある方が使用しますが、本来はAで申告する方 でも、Bを使用しても申告できます、つまり、Bはどんな場合もOKのオ-ルマイティ の申告書です。譲渡所得がある方は、このほか、第三表などが必要になります。 収入金額等 ア ~○ サ )とあります。事業収入であれば、決 Bの第一表の緑色の部分に収入金額等(○ 算書または収支内訳書の損益計算から売上(収入)金額の合計を記載します。これは経 費や控除を差し引く前の金額です。 事業のほかに給与がある場合は、源泉徴収票から支払金額を記載します。源泉徴収票や 1 支払調書がある方は、第二表の所得の内訳(源泉徴収税額)に所得の種類や、その支払 者、収入金額を記載します。 所得金額 1 ~○ 9 )あります。 Bの第一表の水色の部分に所得金額が(○ 1 )に記載 事業収入であれば、決算書または収支内訳書の損益計算から所得金額を(○ します。所得金額は青色申告の場合は、青色申告特別控除後の金額です。青色申告特別 46 )にも記載します。 控除額は第一表の右の青色申告特別控除額(○ 事業のほかに給与がある場合は、源泉徴収票から、給与所得控除後の金額を記載しま す。源泉徴収票や支払調書に源泉徴収税額のある場合は、第二表の所得の内訳の源泉徴 39 )の源泉徴収税額と一 収税額の欄に記載し、この源泉徴収税額の合計が、第一表の(○ 致します。 9 )を計算します。 所得金額の合計(○ 所得から差し引かれる金額 10 ~○ 25 )になります。 この欄は、Bの第一表左下、所得控除の計算(○ 事業収入の方でも、給与あるいは年金の方でも、こちらの記載の仕方は変わりません。 12 )と基礎控除(○ 24 )です。 誰にも必ずあるのは、社会保険料控除(○ 11 )は領収書を集計してください。医師等にかかった人の氏名と医療機 医療費控除(○ 関と控除対象の支払金額と交通費などの合計を集計して、別途、封筒等に記載し領収書 を添付します。支払った医療費等から保険金などで補てんされた金額を差し引いた金額 9 ) から、所得金額(○ (に退職所得と山林所得があれば加算)の 5%と 10 万円のどちら 11 )に記載する額です。 か少ない金額を、差し引いた金額が医療費控除(○ 12 )とは、その年内に支払った国民年金等の支払額や健康保険料、 社会保険料控除(○ 介護保険料の支払額の合計です。源泉徴収票がある方で、社会保険料等の金額欄に数字 がある場合は、給与から天引きされている金額も忘れないで記載してください。第二表 には社会保険料の種類と金額を記載します。源泉徴収票と同額であれば、源泉徴収票ど おりと書きます。 14 )や地震 このほか、 『所得税の確定申告の手引き』を参考にして生命保険料控除(○ 15 )を計算します。第二表には、保険料で支払った金額を記載しますが、 保険料控除(○ 控除される金額は、手引きを参考にして控除できる金額を計算します。 19 ~○ 20 ) 21 、○ 22 )扶養控除(○ 23 )など 障害者控除(○ 、配偶者控除・配偶者特別控除(○ は、『所得税の確定申告の手引き』を参考にして数字を入れていきます。第二表にも、 該当する方の氏名と金額等を入れる欄があります。 24 )は誰でも一律に 38 万円です。 基礎控除(○ 25 )で所得から差し引かれる金額を合計します。 (○ 2 税金の計算 26 )の欄で(○ 9 )の所得金額の合計から(○ 25 )の所得から差し 課税される所得金額(○ 26 =○ 9 -○ 25 ) 引かれる金額の合計を引いて計算します。 (○ 次に、税額表を見てください。 国税庁HP http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm 27 )に記載します。 この表を基に貴方の税額を計算し(○ 26 )の課税される所得金額が 300 万円であれば、 たとえば、 (○ 300 万円×10%-9 万 7 千 5 百円=20 万 2,500 円が税額です。 27 )に税額を記載したら、 28 ~○ 35 )の欄に記載する金額がなければ、差引所得金額 (○ (○ 36 )に、 27 )と同じ金額を書きます。 39 )には、すでに源泉されている源泉徴収税 (○ (○ (○ 36 -○ 39 )で申告納税額を(○ 40 )に記載します。すでに納 額を記載してありますので、(○ 41 )に記載し、なければ、納める場合には(○ 42 )に、還付され めた予定納税があれば(○ 43 )に還付される額を記載します。 る場合には(○ その他 配偶者特別控除を受ける方は、配偶者の所得金額に応じて控除ができるものですので、 44 )に記載してください。 配偶者の合計所得金額を(○ 45 )に記載します。 このほか、専従者給与(控除)額がある方は合計額を(○ 46 )にその控除額を記載します。 青色申告特別控除をした方は、(○ 以上、一般的な場合の確定申告について簡単に説明しましたが、確定申告は、個々人の 諸事情により提出書類や対処方法が変わる場合がありますので、詳しくは税理士にお尋 ねください。 確定申告はインターネットを利用しても申告できるようになりました。その際は、 詳しくはHPに記載されていますので、以下をご確認ください。 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm (注)この内容は、平成22年1月現在の税法に基づいております。 3
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