科学演習 II Excel 2 限目 課題1 データの検索 次の表は,25 人の医師のデータです。 ①出身地が東京の人を選びだしてみましょう。 ②内科または外科のデータを選びだしてみましょう。 ③次の複数の条件を満たすデータを選びだしてみましょう。 条件 身長 170 cm より高く,年齢 40 歳以下 ④身長の低い人から高い人へ並べ替えてみましょう。 名前 出身地 身長 体重 所属 年齢 性別 浅井浩二 東京 178 88 外科 29 男 石川友二郎 大阪 167 65 内科 35 男 大島敏夫 神奈川 158 74 内科 41 男 大津幸子 東京 155 45 内科 36 女 桂雅之 東京 184 67 産婦人科 43 男 河野恵子 千葉 149 55 耳鼻科 36 女 斉藤由希子 埼玉 162 49 耳鼻科 31 女 清水貴子 千葉 147 62 精神科 33 女 高倉洋子 神奈川 153 58 外科 29 女 戸田英子 神奈川 164 63 産婦人科 48 女 二宮宏美 大阪 166 45 耳鼻科 31 女 松本健二 名古屋 174 79 内科 43 男 山崎均 名古屋 170 76 外科 38 男 高橋しげみ 東京 143 51 外科 27 女 黒田和夫 埼玉 151 47 耳鼻科 26 男 田中一郎 埼玉 188 66 精神科 35 男 根岸美子 千葉 147 45 産婦人科 47 女 谷川浩之 東京 181 77 精神科 42 男 長谷川道夫 名古屋 168 90 産婦人科 39 男 鈴木哲也 大阪 175 81 耳鼻科 52 男 中沢ゆかり 千葉 158 50 内科 44 女 小川久美子 埼玉 156 48 精神科 37 女 中屋耕一 名古屋 176 73 外科 48 男 佐藤英樹 大阪 161 63 精神科 31 男 奥田豊子 千葉 165 49 産婦人科 29 女 ①出身地が東京の人を選びだしてみましょう。 データのメニューの中から,フィルタを選択する。 すると,変数名の右側に▼が現れる。そこで,出身地の右の▼をクリックすると… 出身地が表示されるので,東京を選択して,OK を押す。 ②内科または外科のデータを選びだしてみましょう。 ヒント:フィルタのユーザー設定フィルタを選択する。 ③次の複数の条件を満たすデータを選びだしてみましょう。 条件 身長 170 cm より高く,年齢 40 歳以下 ヒント:フィルタの数値フィルタのユーザー設定フィルタを選択する。 ④身長の低い人から高い人へ並べ替えてみましょう。 データのメニューの中から,並べ替えを選択する。 最優先されるキーの右側の▼をクリックする。すると,データの変数名が現れるので,身長を選択し,最後に OK を押す。 レポート課題 1 25 人の医師のうち,20 代医師と 40 代医師をそれぞれ抽出し,各グループの BMI(Body Mass Index)値 を色分けて(20 代を赤,40 代を青)表示せよ。ただし, BMI 値 = 状態で,BMI 値が印刷された表をレポートに添付すること。 体重(kg) 身長(m) 2 で表わされる。フィルタ解除した 課題 2 ソルバー計算による近似計算 ソルバー(Solver)とは,Excel をはじめとする表計算ソフトの機能の一種で,目標とする値を得るための,最 適な変数の値を求めることができる機能。ソルバーを用いれば,連立方程式の解や,複数の項目が連動す る事業計画の試算といった複雑な演算ができる。 ソルバー機能は,「Excel のオプション」→「アドイン」→「ソルバーアドイン」で追加可能 次のデータは,ある物質 A を含む水溶液に活性炭を投入して,吸着平衡を測定したときの物質 A の濃度 C(mg/L)と吸着量 q(mg 吸着量/g 活性炭)の測定結果である。また,この濃度 C と吸着量 q の関係は,以 下の式(1)に従うものとする。式(1)を満たす最適な b,a,β を求めよ。 q= C (mg/L) 𝑏𝐶 (1 + 𝑎𝐶𝛽 ) q (mg/g) 0 0 2 170 5 230 7 265 9 290 12 310 14 335 18 370 25 390 40 410 58 430 ① C(mg/L),q(mg/g)に関して,右のようなグラフを作成する。 ② (1)式に従って,q(計算値)を算出する。初期値=$C$2*B7/(1+$C$3*B7^$C$4) ③ 残差(実測値-計算値)を求める。 ④ 残差二乗値を求める。 ⑤ 残差二乗和を求める。 ⑥ 先程作成したグラフにこのデータを追加して,現時点でのプロットのズレを確認する。 ⑦ ソルバーを開始する。目的セル→残差二乗和,変数セル→$C$2:$C$4,目的値→最小値 ⑧ ソルバー計算により最適な b,a,β が算出できていることをグラフ上で確認する。 レポート課題 2 q(mg/g)の値に各自の学生番号の下一桁をかけたもので,再度ソルバーを行い,残差二乗和の最小値とグ ラフをプリントアウトしたものを提出する。ただし,学生番号の下一桁 0→10,1→11 をかけること。 課題 3 平均の差の検定 次のデータは,20 人の被験者に新薬あるいは偽薬を投与したときの血圧を測定した結果である。 No. 投与薬 血圧 No. 投与薬 血圧 1 新薬 120 1 偽薬 160 2 新薬 94 2 偽薬 143 3 新薬 103 3 偽薬 132 4 新薬 132 4 偽薬 138 5 新薬 114 5 偽薬 110 6 新薬 102 6 偽薬 135 7 新薬 128 7 偽薬 160 8 新薬 114 8 偽薬 169 9 新薬 135 9 偽薬 143 10 新薬 122 10 偽薬 135 このとき,新薬と偽薬で,本当に血圧に差があるのでしょうか? このようなとき有効な統計手法が「平均の差の検定」です。 検定では,次のような仮説の検定を行う 仮説 H0:2 つの投与薬での平均血圧は等しい。 対立仮説 H1:新薬のときの平均血圧の方が偽薬のときよりも低い。→片側検定 この仮説の検定は,次の 3 つの手順①,②,③で行います。 手順① 仮説 H0 をたてる 手順② 検定統計量を計算する 手順③ 検定統計量が棄却域に含まれたら,仮説 H0 を捨てる まず,新薬投与群の標本平均 𝑥̅1 ,偽薬投与群の標本平均 𝑥̅2 をそれぞれ求める。 E2 のセルに =AVERAGE(A2:A11) E3 のセルに =AVERAGE(B2:B11)と入力して,enter キー 次に,各投与群の標本分散 𝑠12 ,𝑠22 をそれぞれ求める。 E5 のセルに =VAR(A2:A11) E6 のセルに =VAR(B2:B11)と入力して,enter キー 標本分散 𝑠 2 = ∑(𝑥−𝑥̅ )2 𝑁−1 そこで,E7 のセルに,次のように数式を入力して,共通の分散 s2 を求める。 =((10-1)*E5+(10-1)*E6)/(10+10-2) と入力して,enter キー 共通の分散 𝑠 2 = (𝑁1 − 1)𝑠12 + (𝑁2 − 1)𝑠22 𝑁1 + 𝑁2 − 2 ここで検定統計量を求める。 E9 のセルに次の数式を入力する。 =ABS(E2-E3)SQRT((1/10+1/10)*E7) と入力して,enter キー 検定統計量 = |𝑥 ̅̅̅1 − ̅̅̅| 𝑥2 1 1 √( + ) 𝑠 2 𝑁1 𝑁2 最後に棄却限界を求める E9 のセルに =TINV(0.1,18)と入力して,enter キー TINV(確率,自由度)→スチューデントの t 分布の t 値を,確率の関数と自由度で返す。 自由度 分布の自由度を指定します。 このとき,検定統計量と棄却限界は,次のようになる。 したがって,検定統計量( )≧棄却限界( )なので,仮説 H0 は棄てられる。つま り, 「新薬のときの平均血圧の方が偽薬のときよりも( )」ことがわかる。
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