古地図とモバイル端末を用いた地域学習支援アプリケーション -近世

古地図とモバイル端末を用いた地域学習支援アプリケーション
-近世後期の鳥取城下町を題材に-
塚本章宏・柴田 祐・来見田 博基・高橋 徹・鳴海邦匡
A Support Application for the Local Study Based on Historical Maps and Mobile Devices:
A Case Study of Tottori Castle Town in the Late Edo Period
Akihiro TSUKAMOTO, Yu SHIBATA,
Hiroki KURUMIDA, Toru TAKAHASHI, and Kunitada NARUMI
Abstract: In this paper, using a jokamachi (old castle town) in Tottori City as an example, we would
like to discuss the results of studying historical maps using a GIS and its application for local area
studies. Applying the GIS`s database function, we created the iPhone/iPad application. This application
is proving useful for supporting the study of the local region. For example, it has been used in town
walking events for community residents hosted by the Tottori Prefectural Museum. GIS research on
historical maps not only provides research outcomes for academia. By utilizing its versatility, this can
also be used as a tool through which local communities can benefit from historical maps.
Keywords: 古地図(historical maps)
,鳥取(Tottori),iPhone/iPad アプリ(iPhone/iPad app)
1. はじめに
近年,インターネットの普及とともに,地域情報
をデジタルデータとして保存し,インターネットを
介して公開する取り組みが盛んに行われるように
を地図上で共有するためのシステムとして
なってきた.ただし,古地図や絵図類に関しては,
Web-GIS を活用する取り組みが様々な分野で進ん
A0 サイズを超える巨大なものも多く,デジタル化
でいる.Web-GIS のシステムを援用し,観光や市民
に多大な費用がかかるものの,ホームページでデジ
活動をはじめ,災害・防災に関わる分野などにおい
タル画像データを公開する以上の,有効な活用方法
て,地域に密着した情報を収集・共有・発信するこ
はあまり考えられていないのが現状である.しかし
とで,地域活性化や安全安心などに寄与する取り組
ながら,古地図は,歴史資料のなかでも過去の地域
みが進めらている(柳澤・山本,2012;村中ほか,
景観を端的に伝えることができるものであり,学術
2012;酒井ほか,2012)
.
研究の対象としてだけではなく,地域の情報を広く
一方で,全国の博物館や資料館において,古地図
塚本章宏 〒770-8502 徳島市南常三島町 1-1
徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部
徳島大学総合科学部 空間情報論研究室
Phone: 088-656-7616
E-mail: [email protected]
一般に発信する際の有用なツールでもある.実際に,
紙に印刷された古地図を用いた町歩きイベントが
催されたり,教材が作られたりしている.
こうした動向を踏まえて,本研究では,歴史資料
のデジタルデータと GIS を有効活用した地域貢献
のモデルケースを構築することを目的とした.まず,
たモバイル端末を利用した地域情報の発信や地域
デジタル化された古地図を主な題材として,GIS や
学習への応用を着想するに至った.
インターネットなどの情報技術を援用した,アプリ
ケーションの開発を進めた.このアプリケーション
像データの自由な移動や,現在の地図との比較を可
2. アプリケーションとコンテンツの概要
2.1 アップリケーション:「ちずぶらり」
モバイル端末上で GPS から取得した現在地を基
能にしている.これを利用して地域住民を対象とし
準に,「古地図と現在図との切り替え」や「拡大・
たワークショップを開催し,地域学習を支援への有
縮小」が可能なビューワーである「ちずぶらり」を
用性を検証した.本稿は,こうしたアプリケーショ
援用して,鳥取城下町に関わる地図と地域情報の閲
ンの開発からワークショップの成果までを報告す
覧が可能な iPhone/iPad アプリ「鳥取こちずぶらり」
るものである.
を 作 成 し た .「 ち ず ぶ ら り 」 は , 株 式 会 社 ATR
は,モバイル端末上において,古地図のデジタル画
対象地域は,近世後期の鳥取城下町の範囲を設定
Creative が開発した位置情報付きイラスト地図を
した.これまでの研究において,鳥取県立博物館が
あらゆる端末アプリに対して配信するモバイル向
歴史資料を援用した地域学習・振興に対して積極的
けプラットフォームである.特徴的な機能として,
であること,また同館に所蔵された近世から近代の
イラスト地図や古地図といった正確な空間座標系
鳥取城下町を描いた一連の地図群の質が非常に高
によって描画されていない地図画像上に,現在の地
いことがわかっていた(鳴海・塚本,2012).これ
点やユーザーが指定する任意の地点を座標変換し,
らの古地図は空間的精度が高く,歪みが少ないため,
それらの地図上に位置情報をリアルタイムで表示
現在との比較が容易であることに加え,書き込まれ
する機能を有している点である.具体的な仕組みは,
た情報は,過去の鳥取についての様々な地域情報を
表示したい地図画像の地点と,対応する Google
含んだもので,本取り組みにとって絶好の題材であ
Maps(iOS 6 以上は Apple Maps)上の地点を交互に
る.こうした状況から,古地図と Web-GIS を搭載し
指定していくことで,複数のリファレンスポイント
図-1 「鳥取こちずぶらり」
(左:起動画面,中央:閲覧モード,右;ランドマークの情報表示)
を設定する.これらリファレンスポイントがあらか
集約した上で,鳥取県立博物館の協力のもと,地域
じめ指定された範囲であれば,任意の地点を指定す
住民向けに本アプリを利用したワークショップ形
ると,近傍の 3 点から地図上の X・Y 座標を要素と
式の町歩きイベントを 2012 年と 2013 年にそれぞれ
するベクトルを用いて,リファレンスポイントとの
標に変換することができる.また,リファレンスポ
2 回ずつ開催した.
3.1 2012 年のワークショップの成果
2012 年のワークショップは,主にアプリの完成
イントを数多く設定するほど,「ちずぶらり」上で
度を上げることを目的としていた.参加者は,第 1
の座標変換の精度は高くなる.これにより,あらか
回が 8 名,第 2 回が 9 名で,本アプリを使用しなが
じめ現在図と古地図を重ね合わせ,ランドマークを
ら,約 3km を 2 時間半ほどかけて歩いた後,ワーク
登録しておくことで,モバイル端末で古地図上に現
ショップ形式によって感想を聴取した.全体的な感
在地や周辺の歴史・地域情報を表示して,その詳細
想として,
「iPad を使うという内容は斬新で興味深
内容を参照することができる.そのため,紙の古地
い」「普段歩かない所に昔のなごりを感じられて良
図を使ったガイドツアーでよくある現在地の確認
かった」など,好意的なものが多かった.また,
「古
に時間をかける必要がなくなる.また,古地図に詳
地図と現在の地図があまり変わっていないことに
しくない場合でも,その場で古地図上の現在地を確
驚いた」といった鳥取城下町に特有の感想もあった.
認することや,ツアーガイドの説明がなくても自身
参加者の多くは iPad を使ったことがなく,その半
で地域について様々な発見ができる.また,Web ア
数以上は高齢者であったが,1 時間ほどで操作の要
プリケーションとしてエディタが実装されており,
領を得ている様子も観察することができ,本アプリ
インターネット環境があればどこからでもアクセ
の汎用性の高さも確認することができた.一方,
「ボ
スして編集可能な設計がなされている.
2.2 コンテンツ:地図資料
鳥取県立博物館が所蔵する,近世期の鳥取城下町
タンが小さい」
「思うとおりの画面がでない」
「現在
を描いた絵図を基盤地図として,近世から現在まで
やすいという反面,こんがらがってしまう」「現在
の歴史・地域情報を「鳥取こちずぶらり」に集約し
地の表示が少し不精確に感じた」など,操作性の課
た.なお,基盤とした古地図は,測量・製図の精度
題も得られ,順次改良を加えることとした.
3.2 2013 年のワークショップの成果
相対的な位置関係を計算して地図画像上の X・Y 座
が非常に高く歪みが少ないため,現在の地形に重ね
ることが容易で,別の時代の絵図・地図・空中写真
地の表示が少し不正確」「しるし(ランドマーク)
が多くて,それだけ解説も多いということで分かり
2013 年のワークショップは前年の結果を受けて,
との切り替えが可能である.具体的には,安政 5 年
アプリとワークショップ運営を改良し,鳥取県立博
の「鳥取城下全図」,昭和 27 年米軍米軍撮影の航空
物館の公式イベント「《歴史講座》歴史発見!「鳥
写真,昭和 46 年測量の国土基本図,慶安 3 年以前
取こちずぶらり」でまち歩き」(2013 年 5 月 25 日
の「鳥取城下之図」,Google Maps などを適宜選択
および 6 月 23 日午後 1 時~午後 4 時)として,開催
して,切り替えることができる.
された.
本ワークショップでは,参加者に iPad を貸し出
3. ワークショップの概要と成果
鳥取城下町に関する歴史・地域情報を古地図上で
して,趣旨と操作方法を説明した後,実際に手に持
ちながら鳥取城下町を約 2 時間かけて歩いてもら
った.その際,参加者には,GPS と連動したアプリ
で最も多く,次いで 70 歳代が 7 人となっている.
上で現在地を確認しながら,現在と過去の様々な地
未記入部分を除いても,半数近くが 50 歳以上で全
図を参照して,景観や地物の変化を発見することを
体的に年齢層は高い.また,鳥取の居住歴について
課題として設定されていた.そして,ワークショッ
は,30 年以上が 13 人で最も多く,次いで 10~20
プの後半では,参加者が発見した,興味を惹かれた
年が 7 人で,10 年以上の居住歴を持つ人は 70%近
場所を紹介し合う情報共有の時間を設けた.最後に,
くになる.上記を合わせて考えると,本ワークショ
ワークショップやアプリの有用性について,回答者
ップの参加者は,鳥取の居住歴が長く,年齢が高い
自記方式によるアンケート調査を実施した.なお,
層が多くを占めていることがわかる.
2013 年のワークショップは,第 1 回,第 2 回とも
次に,アプリの操作性についての評価をみてみる
にほぼ同条件で開催されたため,2 回のアンケート
(図-2)
.いずれの項目についても,未記入項目が
調査の結果を合算して,集計と分析を進める.ただ
あるものの,
「やや不満」
「とても不満」と回答した
し,高齢の参加者が多いこともあり,未記入となっ
人は,両項目を合わせても 15%以下であった.ま
てしまった部分もあるため,あくまでも基本的な分
た,
「鳥取城下全図と現在地図の切替えやすさ」
「ラ
析にとどめておく.
ンドマークの解説の表示のしやすさ」では,「とて
まず,表-1 に示したワークショップ参加者の基
も満足」
「やや満足」の両項目を合わせて 50%以上
本属性についてみてみると,男女の比率については,
となり,
「地図表示のスピード」
「ランドマークの解
それぞれ 13 人で同数となっている.未記入項目が
説の内容」
「現在地の表示精度」
「ランドマークの解
やや目立つが,当日の様子からもほぼ偏りはなかっ
説」でも 40%以上を示している.一方で,
「上記以
たと思われる.年齢層については,50 歳代が 8 人
外の地図への切替えやすさ」
「地図の切替えスピー
表-1
性
別
年
齢
層
鳥
取
居
住
歴
項目
男性
女性
未記入
10歳代
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
未記入
3年未満
3~10年
10~20年
20~30年
30年以上
市外
未記入
ド」については,両項目を合わせても 30%未満と
回答者基本属性
人数(人)
13
13
9
4
1
2
2
8
3
7
8
4
1
7
2
13
1
7
割合(%)
37.1
37.1
25.7
11.4
2.9
5.7
5.7
22.9
8.6
20.0
22.9
11.4
2.9
20.0
5.7
37.1
2.9
20.0
なり,課題が残される.これは,別の地図への切替
えアイコンをタッチしてから,画面に表示されるま
でにタイムラグがあることが,評価を下げた要因で
あると考えられる.それでも「全体的な操作のしや
すさ」に不満を持つ人は総じて少ないことがわかる.
次に,参加者がワークショップ中に,どの地図を
見ながら歩いたのかについてみてみる(図-3).
「よ
く見た」に注目すると,
「昭和 27 年米軍撮影の航空
写真」が 70%近くと突出している.2 番目の「昭和
46 年測量の国土基本図」が 30%程度で,他の地図
は 10%程度で横並びである.本アプリのメインコ
ンテンツである「安政 5 年の「鳥取城下全図」」と
「慶安 3 年以前の「鳥取城下之図」」は,
「よく見た」
「時々見た」を合わせれば,40%程度になるものの,
昭和前中期頃の航空写真と国土基本図に比べれば,
-4),半数近くの参加者が「パソコン」「携帯電話」
は「よく使う」
「時々使う」としている一方で,
「ス
マートフォン」
「iPad」については,
「あまり使わな
い」「使ったことがない」と回答している.現在,
広く一般に情報機器が浸透しているものの,年齢が
高い層はパソコンや携帯電話までで,iPad やスマ
ートフォンについては,まだ敷居が高いようである.
しかし,そうした携帯電話やパソコンは利用するも
のの,iPad やスマートフォンの利用経験がないよ
図-2
よく見た
時々見た
アプリの操作性
あまり見なかった
うな層であっても,本ワークショップとアプリの操
見なかった
未記入
作に満足していることから,本アプリの汎用性の高
さが伺える.
a.鳥取城下全図高解像度
b.鳥取城下全図オーバーレイ現在道路
最後に,ワークショップの全体的な感想をみてみ
c.航空写真_鳥取
ると(表-2)
,10 歳代から 70 歳代まで,好意的な
d.国土基本図_鳥取
回答が多く見られる.時間が足りないという感想も
e.鳥取城下全図
f.鳥取城下之図
みられ,本アプリの長期的な利用が期待できる.ま
g.ハイブリッド地図
た,鳥取の居住歴が長い層であっても,新しい発見
h.衛星画像
があったことや,社会見学への利用を示唆する感想
i.標準地図
0%
図-3
よく使う
時々使う
20%
40%
60%
80%
100%
一定の評価が得られていることがわかる.
閲覧した地図
あまり使わない
もあり,地域学習支援アプリケーションとしても,
使ったことがない
未記入
パソコン
4. 地域学習支援アプリケーションとしての活用
鳥取県立博物館が所蔵する安政 5 年の「鳥取城下
携帯電話
スマートフォン
町全図」は,大きさや資料保護のために,実物を展
iPad
示する機会の少ない資料である.そのかわりとして
0%
図-4
20%
40%
60%
80%
100%
情報機器類の利用経験
常設展示室では,縮小したレプリカを展示している.
また博物館の HP 上で,高精細のデジタル画像が公
開されている.本取り組みでは,こうした従来の方
よく閲覧されたとは言いづらい.現在と近世との間
法では制限があった博物館コンテンツである鳥取
の変化も追うことができるように用意した昭和前
の城下絵図に加え,GHQ 撮影の空中写真,高度経済
中期頃の空中写真・地図であるが,鳥取居住歴の長
成長期の国土基本図などを,モバイル端末に取り込
い参加者が多いことから,実際に暮らした,あるい
み,GPS 機能を頼りに,利用者が現地に立って,日
はそれに近い時代である地図に自然と興味を惹き
ごろから慣れ親しんだ町並みと過去の情報を対比
つけられたのであろうと考えられる.
しながら,土地の履歴や町の記憶を発見できるアプ
また,情報機器類の利用経験についてみると(図
リケーションを開発した.様々な時代の断面を用意
表-2
年代
性別
ワークショップの感想
居住歴
10歳代
男性
3年未満
10歳代
女性
3年未満
10歳代
女性
楽しかった
とても満足ですおもしろくて、興味深いところが
たくさんあり、新しい発見が多く勉強になった
10~20年 その所々でわかりとても便利なアプリでした!鳥
取の魅力を再発見出来た気がする
男性
30歳代
男性
40歳代
未記入
10~20年 とても満足
10~20年
アプリケーションを開発した.さらに,これを援用
したワークショップを行い,課題と有効性を検討し
た.その結果,地域学習の支援に有効であると一定
の評価が得られた.
また,本取り組みの特徴である過去の地図や空中
が重なっておもしろい。
10~20年 いと思いました。ありがとうございました。皆さ
んの発表もおもしろかった。
テーマを決めてコースを設定してお散歩事業を定
40歳代
男性
20~30年
50歳代
男性
30年以上 もっと時間がほしい
例化してほしい
写真が,古地図は学術分野での利用だけでなく,
GIS の汎用性と連携することで,過去の地図に含ま
れる地域情報の有用性を活かした地域貢献に寄与
することが可能であることを示したと考えている.
大変勉強になったが、一人だと交通事故が心配。
50歳代
男性
30年以上
50歳代
男性
30年以上 もう少しゆっくり時間をかけて歩ければ良い
50歳代
女性
30年以上
60歳代
女性
3~10年
多くの時間が必要だと思った。
現在地と古地図を比べながら歩くのは次代をこえ
た感覚でおもしろいかった
楽しかったが、もう少し時間がほしい
よい汗をかき意義あった。室内で「キカイ」を自
女性
地と周辺の歴史・地域情報を表示する iPhone/iPad
社会見学で使えるかも。地元の歴史と今の町並み
「こちずぶらり」おもしろかった。もっと使いた
70歳代
本取り組みは,GPS と連動して古地図上での現在
感想
鳥取の町の新しい一面を知ることが出来てとても
「鳥取こちずぶらり」は。現在の場所での歴史が
30歳代
5. おわりに
10~20年 由に使いこなせるような催をおねがいしたいと思
う。
iPadの操作の仕方に困った。古地図と現在の地図
70歳代
男性
30年以上
70歳代
女性
30年以上 気になっていたことがわかった
を重ねるようなソフトを希望
付記:本報告は,平成 24 年度 小田急財団研究助成
観光事業の活性化と推進に関する研究「歴史資料とモ
バイル端末を援用した地域活性化のための情報共有
システムの構築」
(代表:塚本章宏)及び,平成 24 年
度
科学研究費補助金
基盤研究(C)
「日本の近世測
量術のルーツとその近代測量への影響」(代表:鳴海
邦匡)の成果である.
したのは,時間と人間活動の積み重ねによって現在
の町並みや景観が作り上げられてきたことを自然
参考文献
と意識させることを狙ったものである.
柳澤 剣・山本佳世子(2012)
:地域コミュニティにお
これまでの紙地図を用いたイベントでは,ガイド
ける地域知の蓄積を目的とした情報共有型 GIS に
役の学芸員が古地図上での現在地を特定した上で,
関する研究,GIS-理論と応用,20-1,pp.61-70.
関連情報を説明したり,複数の地図を持ち替えても
村中亮夫・瀬戸寿一・谷端郷・中谷友樹(2012)
:Web
らうのに時間を取られていたが,本アプリでは,GPS
版安全安心マップの活用意思とその規定要因―利
によって現在進行形で現在地が表示され,適宜地図
用 者 評 価 に よ る 分 析 ― , 地 理 学 評 論 , 85-5 ,
を切り替えることができるため,まち歩きイベント
pp.492-507.
での利用は非常に有用である.また,本アプリは,
酒井聡一・坪井塑太郎・後藤真太郎(2012)
:Web-GIS
学芸員や専門家のガイドなしに,利用者が自発的に,
により期待される地域効用の規定要因分析-伝統
現地で古地図をじっくり観察しながら,現地で何か
行事への Web-GIS の適用事例から-,GIS-理論と
を発見することや,歴史的な情報を引き出すといっ
応用,20-2,pp.103-112.
た,自習型での地域学習を支援する場合にも有効で
あると考えられる.
鳴海邦匡・塚本章宏(2011)
:
「鳥取城下全図」の作成
技術について,日本地理学会発表要旨集,80,p4.