「使用上の注意」改訂のお知らせ(2013−No.13)

ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 1
「使用上の注意」改訂のお知らせ(2013−No.13)
このたび、弊社の「ベクティビックス® 点滴静注(一般名:パニツムマブ
(遺伝子組換え)」の「使用上の注意」
を改訂しましたので、お知らせ申しあげます。
ご使用に際しては、
添付文書の各項を十分ご覧くださいますようお願い申しあげます。
今後とも弊社製品のご使用にあたって、
副作用等の治療上好ましくない事象をご経験の際には、
弊社 MRまで
できるだけ速やかにご連絡くださいますようお願い申しあげます。
平成 25 年 3 月
記
改訂後
改訂前
3. 副作用
3. 副作用
<国内使用成績調査(全例調査)>
市販後の一定期間に投与症例の全例を登録して実施
した調査において,安全性評価対象 3,085 例中 2,595 例
(84%)に副作用が認められ,その主なものは,ざ瘡様 r 新規記載
皮膚炎 1,591 例(52%),爪囲炎 731 例(24%),皮膚乾燥
605 例(20%),低マグネシウム血症 520 例(17%),口内
炎 506 例(16%)等であった(2012 年 12 月集計)
。
<臨床試験 単独投与時>
(略)
<臨床試験 併用投与時>
(FOLFIRI 又は FOLFOX4 との
併用)
(略)
<単独投与時>
(略)
<併用投与時>(FOLFIRI 又は FOLFOX4 との併用)
(略)
(1)
重大な副作用 注5)
(1)重大な副作用 注5)
1)
重度の皮膚障害
1)重度の皮膚障害
重度のざ瘡様皮膚炎・発疹(10%),爪囲炎(4%),
重度のざ瘡様皮膚炎(5%)
,紅斑(5%)
,発疹(3%)
,
皮膚乾燥・皮膚剥脱・皮膚亀裂(2%),H痒症(1%
H痒(2%),爪囲炎(1%),皮膚剥脱(1%未満),皮
未満)及び紅斑(1%未満)があらわれることがある
膚亀裂(1%未満)及び皮膚乾燥(1%未満)があら
ので,重度の皮膚障害があらわれた場合は,投与を
われることがあるので,重度の皮膚障害があらわ
一時中止し,適切な処置を行うこと。なお,続発す
れた場合は,投与を一時中止し,適切な処置を行う
る炎症性又は感染性の症状(蜂巣炎,壊死性筋膜炎,
こと。なお,続発する炎症性又は感染性の症状(蜂
敗血症等)の発現に十分注意し,これらの症状に対
巣炎,壊死性筋膜炎,敗血症等)の発現に十分注意し,
する適切な処置を行うこと。また,必要に応じて皮
これらの症状に対する適切な処置を行うこと。また,
膚科を受診するよう患者に指導すること。
(<用法・
必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導す
用量に関連する使用上の注意>の項参照)
ること。
(<用法・用量に関連する使用上の注意>
の項参照)
2)間質性肺疾患(間質性肺炎,肺線維症,肺臓炎,肺浸
2)間質性肺疾患(間質性肺炎,肺線維症,肺臓炎,肺浸
潤)
(1.3%)
潤)
(頻度不明)
(略)
(略)
5)
低マグネシウム血症
QT 延長,痙攣,しびれ,全身 怠感等を伴う低マ
グネシウム血症があらわれることがあるので,血
清中電解質をモニタリングするとともに,症状の
発現に十分注意すること。異常が認められた場合
には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 r 新規記載
なお,低マグネシウム血症に起因した,低カルシウ
ム血症,低カリウム血症等の電解質異常を伴う場
合には,特に症状が重篤化することがあるので注
意すること。
注5)国内使用成績調査結果(全例調査)に基づき発現頻度を記載
した。
(次頁に続く)
注5)本剤の単独投与による臨床試験(国内及び海外)で認められ
た副作用に基づき発現頻度を記載した。
(次頁に続く)
(下線)部:平成25年3月26日付厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(指示)による改訂
(破線)部:自主改訂による変更
流通在庫の関係から、改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数が必要ですので、すでにお手元にある
製品のご使用に際しては、ここにご案内申しあげます改訂内容をご参照いただきますようお願い申しあげます。
−1−
ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 2
改訂後
改訂前
(前頁の続き)
(前頁の続き)
(2)その他の副作用
(2)その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には,症状に応
以下のような副作用が認められた場合には,症状に応
じて適切な処置を行うこと。
じて適切な処置を行うこと。
<単独投与時> 注7)
<単独投与時>
10%以上
0.5%以上10%未満
0.5%未満
1)精神・
神経系
味覚異常
2)消化器
口内炎(11%) 下 痢 ,悪 心 ,嘔 口内乾燥
吐 ,口 唇 炎 ,便
秘
3)呼吸器
4)皮 膚
5)眼注6)
頻度不明
10%以上
口唇のひび
割れ
鼻出血,呼吸 咳嗽,鼻乾燥,
肺塞栓症
困難
ざ 瘡 様 皮 膚 炎 H痒症,皮膚炎, 脱毛症,爪破 爪甲離床症
( 4 8 % ),皮 膚 皮膚亀裂,紅斑, 損
乾 燥( 2 3 % ), 皮膚剥脱,爪の
爪囲炎(22%)
, 障 害 ,手 掌・足
発疹(10%)
底発赤知覚不全
症 候 群 ,湿 疹 ,
多毛症
結膜炎
睫毛の成長, 眼の炎症,眼
眼乾燥,眼充 瞼炎,眼感染,
血,流涙増加,眼瞼感染,角
膜炎,潰瘍性
眼K痒症
角膜炎
6)血液/
リンパ系
血小板減少症,
白血球減少症
7)代謝異常
低カルシウム血
症 ,食 欲 減 退 ,
低カリウム血症,
高カリウム血症
脱水
疲 労 , 怠 感 , 悪寒
注入に伴う反応,
発熱
粘膜の炎症
8)その他
1%以上 10%未満
頭痛
1)精神・
神経系
2)消化器
頭痛
下痢(13%)
3)呼吸器
4)皮 膚
0.1%以上 1%未満,
又は頻度不明 注 7)
悪 心 ,口 内 炎 ,嘔 口唇のひび割れ
吐,口内乾燥
鼻出血,呼吸困難 咳嗽,鼻乾燥,肺塞栓
H痒(52%)
,
ざ瘡様 皮膚剥脱,爪の障 男性型多毛症
皮膚炎(51%)
,紅斑 害( 爪 破 損 ,爪 甲
(50%)
,発疹(38%)
, 離床症),多毛症,
爪囲炎(20%)
,皮膚 脱毛症
乾燥(19%)
,皮膚亀
裂(15%)
5)眼注6)
結膜炎,睫毛の成 眼瞼炎,眼・眼瞼感染,
長 ,流 涙 増 加 ,眼 角膜炎・角膜潰瘍注 7)
充 血 ,眼 乾 燥 ,眼
の炎症,眼 K痒
6)代謝異常
低マグネシウム血
症,低カルシウム
血 症 ,脱 水 ,低 カ
リウム血症,食欲
不振
7)その他
疲労(15%)
粘膜の炎症,発熱, 注入に伴う反応
悪寒
注 6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処
置を行うこと。
注 7)自発報告にて報告された副作用については,頻度不明とした。
(次頁に続く)
注6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処
置を行うこと。
注7)発現頻度は,承認時までの国内臨床試験及び全例調査の結果に基づき
算出した。なお,国内臨床試験及び全例調査では報告のなかった副作
用を頻度不明とした。
(次頁に続く)
その他の副作用の表および (破線)部:自主改訂による変更。表中の破線部の事象は新規追加し、その他の事象に
ついては発現頻度を更新。
−2−
ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 3
改訂後
改訂前
(前頁の続き)
<併用投与時> 注7)
10%以上
1)精神・
神経系
2)消化器
0.5%以上10%未満
5)眼注6)
6)血液/
リンパ系
0.5%未満
口内炎(21%) 下 痢 ,悪 心 ,口 便秘,口内乾
燥 ,腹 痛 ,上
唇炎,嘔吐
腹部痛,胃食
道逆流性疾
患,口腔内潰
瘍形成
9)肝 臓
10)その他
10%以上
ざ瘡様皮膚炎
( 5 3 % ),爪 囲
炎( 2 5 % ),皮
膚乾燥(19%)
2)消化器
皮膚潰瘍,皮 皮膚毒性,皮
膚剥脱,皮膚 膚病変
色素沈着,多
毛症,爪の障
害,多汗症
結膜炎
眼瞼炎,角膜 眼痛
炎 ,眼 乾 燥 ,
流涙増加,潰
瘍性角膜炎,
霧視,睫毛の
成長
好中球減少症, 貧血,発熱性
白血球減少症, 好 中 球 減 少
血小板減少症
症
静脈炎,潮紅,
低血圧,高血
圧
低リン酸血
症
肝機能異常
( A S T( G O T ),
A L T( G P T ),
γAL-P,LDH,
GTP の上昇,高
ビリルビン血症等)
1%以上 5%未満,
又は頻度不明 注 7)
下痢(59%),悪心 消化不良
(44%),口内炎(24
%),嘔吐(23%),
便秘(13%),腹痛
(11%)
鼻出血
口内乾燥,上腹部痛,
口 唇 炎 ,ア フ タ 性 口
内炎,口腔内潰瘍形成,
口 腔 内 痛 ,胃 食 道 逆
流 性 疾 患 ,口 唇 の ひ
び割れ,口唇乾燥
呼吸困難,肺塞栓,口
腔咽頭痛,咳嗽,発声
障害,鼻漏
4)皮 膚
発疹(53%),
ざ瘡様 手掌・足底発赤知
皮 膚 炎( 3 0%),皮 覚不全症候群,爪
膚乾燥(20%),H の障害
痒(20%)
,爪囲炎(19
%),脱毛症(18%),
皮 膚 亀 裂( 1 7%),
紅斑(15%)
皮膚剥脱,皮膚毒性,
多汗症,皮膚潰瘍,皮
膚色素沈着,多毛症,
皮膚炎,皮膚病変
5)眼注6)
結膜炎(15%)
流涙増加,眼乾燥,睫
毛の成長,霧視,眼瞼
炎,眼痛,角膜炎・角
膜潰瘍注 7)
好 中 球 減 少 症( 4 8
6)血液/
リンパ系 %),貧血(11%),
血 小 板 減 少 症( 1 1
%),白血球減少症
(11%)
発熱性好中球減少症
7)心血管系
静脈炎,潮紅,低血圧,
高血圧
8)代謝異常 食 欲 不 振( 2 6 % ),
低マグネシウム血
症(25%),低カリ
ウム血症(12%)
脱 水 ,低 カ ル シ ウ ム
血症,低リン酸血症
9)肝 臓
高ビリルビン血症,
ALT 増加
10)その他
怠感,注入に 発熱,体重減 粘膜の炎症,
伴う反応,疲労 少 ,毛 包 炎 , 無力症,限局
蜂巣炎,口腔 性感染,爪感
カンジダ症, 染 ,潰 瘍 ,乾
皮膚感染
燥 症 ,カテー
テル関連感染,
尿路感染,鼻
炎,上気道感
染 ,悪 寒 ,過
敏症,末梢性
浮腫,四肢痛,
疼痛,温度変
化不耐症
5%以上 10%未満
錯感覚(18%),末 味覚異常,末梢性 嗜眠,異常感覚,浮動
梢性ニューロパチ 感覚ニューロパチ 性めまい,神経毒性,
ー(11%)
ー
不眠症,感覚鈍麻,頭
痛 ,多 発 ニ ュ ー ロ パ
チー
3)呼吸器
発疹,H痒症,
皮膚炎,皮膚亀
裂,湿疹,手掌・
足底発赤知覚不
全症候群,脱毛
症,紅斑
低カルシウム血 脱水
症 ,食 欲 減 退 ,
低カリウム血症
1)精神・
神経系
消化不良,口
腔内痛,口唇
のひび割れ,
口唇乾燥
鼻出血,呼吸 咳嗽,発声障
困難,肺塞栓 害,鼻漏
症,口腔咽頭
痛
7)心血管系
8)代謝異常
頻度不明
味覚異常,感覚 浮 動 性 め ま 錯感覚,末梢
性感覚ニュ
鈍麻,末梢性ニ い,頭痛
ーロパチー,
ューロパチー
嗜眠,異常感
覚,神経毒性,
不眠症,多発
ニューロパ
チー
3)呼吸器
4)皮 膚
(前頁の続き)
<併用投与時>(FOLFIRI 又は FOLFOX4 との併用)注 8)
疲労(31%),粘膜 体重減少
の炎症(23%),無
力症(17%),発熱
(10%)
毛包炎,皮膚感染,限
局性感染,爪感染,蜂
巣炎,潰瘍,乾燥症,
カテーテル関連感染,
尿路感染,鼻炎,上気
道 感 染 ,口 腔 カ ン ジ
ダ症,悪寒,過敏症,
注 入 に 伴 う 反 応 ,末
梢性浮腫,四肢痛,疼
痛,温度変化不耐症
注 6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処
置を行うこと。
注 7)自発報告にて報告された副作用については,頻度不明とした。
注 8)本剤と FOLFIRI 又は FOLFOX4 の併用群で認められた副作用(本剤,
FOLFIRI 又は FOLFOX4 のいずれかとの因果関係が否定されない有害
事象)に基づき,発現頻度を記載した。
注6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処
置を行うこと。
注7)発現頻度は,承認時までの国内臨床試験及び全例調査の結果に基づき
算出した。なお,国内臨床試験及び全例調査では報告のなかった副作
用を頻度不明とした。
その他の副作用の表および (破線)部:自主改訂による変更。表中の破線部の事象は新規追加し、その他の事象に
ついては発現頻度を更新。
−3−
ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 4
「重大な副作用」として、
「低マグネシウム血症」に関する注意喚起を追記
しました。
国内市販後において、QT 延長、痙攣等を伴う低マグネシウム血症が報告されました。また、
低マグネシウム血症に伴い低カルシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常を伴う場合には、
症状が重篤化することがあります。
低マグネシウム血症、低カリウム血症及び低カルシウム血症等の電解質異常については、従来
「重要な基本的注意」の項に記載し、血清中電解質モニタリングの必要性について注意喚起し
ていましたが、今回周知徹底を図るため、
「重大な副作用」の項に「低マグネシウム血症」に
関する追記を行いました。
(平成 25 年 3 月 26 日付厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)
本剤投与開始前、投与中及び投与終了後も血清中電解質をモニタリングするとともに、症状の
°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°
発現に十分注意してください。また、電解質異常が認められた場合には、まず電解質の補給
°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°
等の適切な処置を行い、さらに状況に応じて本剤の投与を中止してください。
°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°°
「ベクティビックス 特定使用成績調査 最終集計結果報告」、
「ベクティビックス 適正使用ガイド」もあわ
せてご参照ください。
全例調査の結果に基づき、副作用に関する記載内容を更新しました。
1. 副作用の概要(自主改訂)
従来、承認時の臨床試験の概要(単独投与時、併用投与時)について記載しておりましたが、
国内使用成績調査結果(全例調査)に基づき、副作用集計結果概要を追記しました。
2. 重大な副作用(自主改訂)
国内使用成績調査結果(全例調査)に基づき、副作用発現頻度を更新しました。
3. その他の副作用(自主改訂)
国内使用成績調査結果(全例調査)と承認時の国内臨床試験結果に基づき、副作用発現頻度
を更新するとともに、副作用発現頻度の分類の変更に合わせて記載内容を更新しました。
−4−
ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 5
改訂「使用上の注意」全文
【使用上の注意】
【警 告】
1. 本剤を投与する場合は,緊急時に十分対応できる医療施
設において,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医
師のもとで,本剤が適切と判断される症例についてのみ
投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその
家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから
投与すること。
2. 間質性肺疾患があらわれることがあり,死亡に至った
症例も報告されている。異常が認められた場合には本
剤の投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適
切な処置を行うこと 。(「 慎重投与 」,「 重大な副作用 」
の項参照)
3. 重度のInfusion reactionが発現し,死亡に至る例が報告
されている。症状としては,アナフィラキシー様症状,
血管浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難,低 血
圧等があらわれることがある。重度のInfusion reaction
があらわれた場合には,本剤の投与を中止し,以降,
本剤を再投与しないこと。(【禁忌】,「重要な基本的注
意」
,「重大な副作用」の項参照)
【禁 忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者(【警
告】
,「重大な副作用」の項参照)
<効能・効果に関連する使用上の注意>
A術後補助化学療法として本剤を使用した場合の有効性
及び安全性は確立していない。
BKRAS遺伝子変異を示す患者での有効性は確立していな
い。
C【臨床成績】
の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全
性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
A本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は ,【 臨床成績 】
及び
「その他の注意」
の項の内容を熟知し,選択すること。
B重度(Grade3以上)の皮膚障害があらわれた場合は,下
表を目安に本剤の用量を調節すること。
(
「重大な副作用」
の項参照)
1. 慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
A間質性肺炎,肺線維症の患者又はその既往歴のある患者
[間質性肺疾患を増悪するおそれがある。(【警告】,「重大
な副作用」の項参照)]
B妊婦又は妊娠している可能性のある婦 人(「妊婦,産婦 ,
授乳婦等への投与」の項参照)
2. 重要な基本的注意
AInfusion reactionとして,アナフィラキシー様症状,血管
浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難,低血圧等 が
あらわれることがあるので,本剤の投与は重度のInfusion
reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行っ
た上で開始すること。2回目以降の本剤投与時に初めて
重度のInfusion reactionを発現することもあるので,本剤
投与中は毎回患者の状態に十分注意すること。本剤投与
中及び本剤投与終了後少なくとも1時間は観察期間(バイ
タルサインをモニターするなど )を設けること。Infusion
reactionを発現した場合には,全ての徴候及び症状が完全
に回復するまで患者を十分に観察すること。
(
【警告】
,<用
法・用量に関連する使用上の注意> ,「 重大な副作用 」の
項参照)
B低マグネシウム血症,低カリウム血症及び低カルシウム
血症があらわれることがあるので,本剤投与開始前,ま
た,本剤投与中及び投与終了後も血清中電解質(マグネシ
ウム,カリウム及びカルシウム)
をモニタリングすること。
電解質異常が認められた場合には,必要に応じ電解質の
補給等の適切な処置を行うこと。
3. 副作用
<国内使用成績調査(全例調査)>
市販後の一定期間に投与症例の全例を登録して実施した
調査において,安全性評価対象3,085例中2,595例(84%)に
副作用が認められ,その主なものは,ざ瘡様皮膚炎1,591
例(52%), 爪囲炎731 例(24%), 皮膚乾燥605 例(20%),
低マグネシウム血症520例(17%), 口内炎506 例(16%)等
であった(2012年12月集計)。
<臨床試験 単独投与時>
国内の臨床試験(第1相臨床試験13例,第2相臨床試験52
例)において,本剤が単独投与された転移性結腸・直腸癌
患者65例中64例(98%)に副作用が認められた。主な副作
用(20%以上)は,ざ瘡42例(65%),皮膚乾燥39例(60%),
発疹36例(55%),b痒27例(42%),爪囲炎23例(35%),低
マグネシウム血症18 例(28%),疲労17例(26%), 口内炎
16 例(25%)及び食欲不振13 例(20%)であった。海外臨床
試験では,本剤が単独投与された転移性結腸・直腸癌患
者 987例中925 例(94%)に副作用が認められた。主な副作
用(20%以上 )は ,ざ瘡様皮膚炎526例(53%), b痒 521 例
(53%),紅斑519例(53%)及び発疹359例(36%)であった
(承認時)。
<重度(Grade3以上)
の皮膚障害発現時の用量調節の目安>
皮膚障害発現時
本剤の投与
の本剤の投与量
投与延期後の状態
本剤の用量調節
6㎎/㎏
投与延期
6週間以内に
Grade2以下に回復 注4)
6㎎/㎏又は
4.8㎎/㎏
4.8㎎/㎏
投与延期
6週間以内に
Grade2以下に回復 注4)
3.6㎎/㎏
3.6㎎/㎏
投与中止
注4)6週間以内にGrade2以下に回復しなかった場合は,本剤の投与を中止する。
C重度(Grade3以上)のInfusion reactionがあらわれた場
合,本剤の投与を中止し,以降,本剤を再投与しないこ
と。また,Grade2以下のInfusion reactionがあらわれ
た場合は,投与速度を減じて慎重に投与すること。(「重
要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照)
D本剤の投与にあたっては,インラインフィルター(0.2又
は0.22ミクロン)を使用すること。
E注射液の調製法及び点滴時間(「適用上の注意」の項参照)
1)本剤の投与時には1回投与量として6㎎/㎏となるよ
うに必要量を抜き取り,日局生理食塩液に添加して全
量を約100mLとする。なお,日局生理食塩液で希釈後
の点滴溶液中の本剤の最終濃度は10㎎/mLを超えない
こと。
2)本剤は,60分以上かけて点滴静注すること。ただし,
1回投与量として1,000㎎を超える場合は,日局生理
食塩液で希釈し約150mLとし,90分以上かけて点滴静
注すること。
<臨床試験 併用投与時>(FOLFIRI又はFOLFOX4との併用)
本剤と化学療法との併用による国際共同試験(FOLFIRI併
用302例,日本を含む)及び海外臨床試験(FOLFOX4併用
322例)において,本剤が併用投与されたKRAS遺伝子野生
型の転移性結腸・直腸癌患者624例中620 例(99%)に副作
用が認められた。主な副作 用(20%以上 )は,下痢371 例
(59%),発疹332 例(53%), 好中球減少症301 例(48%),
悪心274例(44%),疲労196例(31%),ざ瘡様皮膚炎186例
(30%), 食欲不振160例(26%), 低マグネシウム血症156
例(25%), 口内炎152例(24%),嘔吐146例(23%),粘 膜
の炎症141例(23%),皮膚乾燥122例(20%)及びb痒122例
(20%)
であった(承認時)。
次頁につづく
2013年3月改訂
(破線)部:自主改訂による変更
−5−
ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 6
A重大な副作用 注5)
1)重度の皮膚障害
重度のざ瘡様皮膚炎・発疹(10%),爪囲炎(4%),皮膚
乾燥・皮膚剥脱・皮膚亀裂(2%),b痒症(1%未満)及び
紅斑(1%未満)があらわれることがあるので,重度の皮
膚障害があらわれた場合は,投与を一時中止し,適 切
な処置を行うこと。なお,続発する炎症性又は感染性
の症 状( 蜂巣炎,壊死性筋膜炎,敗血症等 )の発現に十
分注意し,これらの症状に対する適切な処置を行うこ
と。また,必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に
指導すること 。( <用法・用量に関連する使用上の注
意>の項参照)
2)間質性肺疾患
(間質性肺炎,肺線維症,肺臓炎,肺浸潤)
(1.3%)
間質性肺疾患があらわれることがあるので,患者の状
態を十分に観察し,異常が認められた場合は,本剤の
投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な
処置を行うこと。(【警告】
,「慎重投与」の項参照)
3)重度のInfusion reaction
(1%未満)
重度のInfusion reactionとして,アナフィラキシー様症
状,血管浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難 ,
低血圧等があらわれることがあるので,重度のInfusion
reactionを認めた場合,本剤の投与を中止し,薬物治療
(アドレナリン,副腎皮質ステロイド剤,抗ヒスタミン
剤等)等の適切な処置を行うとともに,以降,本剤を再
投与しないこと 。(【警告】,【 禁忌 】,「 重要な基本的注
意」
,<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
4)重度の下痢
(1%未満)
重度の下痢及び脱水があらわれることがある。重度の
下痢及び脱水により急性腎不全に至った症例も報告さ
れていることから,患者の状態を十分に観察し,こ の
ような症状があらわれた場合には,止しゃ薬(ロペラミ
ド等)の投与,補液等の適切な処置を行うこと。
5)低マグネシウム血症
QT延長,痙攣,しびれ,全身e怠感等を伴う低マグネ
シウム血症があらわれることがあるので,血清中電解
質をモニタリングするとともに,症状の発現に十分注
意すること。異常が認められた場合には,投与を中止
するなど適切な処置を行うこと。なお,低マグネシ ウ
ム血症に起因した,低カルシウム血症,低カリウム 血
症等の電解質異常を伴う場合には,特に症状が重篤化
することがあるので注意すること。
7)
代謝異常
低カルシウ ム
血症,食欲 減
退,低カリウ
ム血症,高カ
リウム血症
脱水
8)
その他
疲労,a怠感, 悪寒
注入に伴う 反
応,発熱
粘膜の炎症
注6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処置を
行うこと。
注7)発現頻度は,承認時までの国内臨床試験及び全例調査の結果に基づき算出
した。なお,国内臨床試験及び全例調査では報告のなかった副作用を頻度
不明とした。
<併用投与時> 注7)
10%以上
1)
精 神・
神経系
2)
消化器
4)
皮膚
2)
消化器
3)
呼吸器
4)
皮膚
味覚異常
0.5%未満
頻度不明
口 唇のひび割
れ
鼻出血 ,呼吸 咳嗽,鼻乾燥,
肺塞栓症
困難
ざ瘡様皮膚炎 b痒症, 皮膚 脱毛症,爪破 爪甲離床症
(48%),皮膚 炎,皮膚亀裂, 損
乾燥(23%), 紅斑, 皮膚剥
爪囲炎
(22%)
, 脱,爪の障害,
発疹(10%) 手 掌・足底 発
赤 知覚不全 症
候群,湿疹,
多毛症
5)
眼 注6)
結膜炎
6)
血液 /
リンパ系
血小板減少
症,白血球減
少症
9)
肝臓
頭痛
口内炎(11%) 下 痢 , 悪 心 , 口内乾燥
嘔吐,口唇炎,
便秘
睫 毛 の 成 長 , 眼の炎症 , 眼
眼乾燥 , 眼充 瞼炎,眼感染,
血,流涙増加, 眼瞼感染 , 角
眼 b痒症
膜炎 ,潰瘍性
角膜炎
鼻出血 ,呼吸 咳嗽,発声障
困難,肺塞栓 害,鼻漏
症,口腔咽頭
痛
ざ瘡様皮膚 炎 発疹,b痒症, 皮膚潰瘍,皮 皮膚毒性,皮
(53%),爪囲 皮膚炎, 皮膚 膚剥脱,皮膚 膚病変
炎(25%),皮 亀 裂 , 湿 疹 , 色素沈着,多
膚乾燥
(19%) 手掌・足底発 毛症 ,爪の障
赤知覚不全症 害,多汗症
候群,脱毛症,
紅斑
眼瞼炎 ,角膜 眼痛
炎,眼乾燥,
流涙増加 , 潰
瘍性角膜炎,
霧視 ,睫毛の
成長
好 中 球 減 少 貧 血,発熱性
症,白血球減 好中球減少症
少 症,血小板
減少症
8)
代謝異常
1)
精 神・
神経系
消化不良,口
腔 内痛,口唇
のひび割れ,
口唇乾燥
6)
血液 /
リンパ系
注7)
0.5%以上
10%未満
口内炎
(21%) 下 痢 , 悪 心 , 便 秘,口内乾
口唇炎,嘔吐 燥 ,腹痛,上
腹部痛,胃 食
道逆流性疾
患 ,口腔内 潰
瘍形成
結膜炎
7)
心血管系
10)
その他
頻度不明
錯 感覚,末梢
性感覚ニュー
ロパチー,嗜
眠,異常感覚,
神経毒性,不
眠 症,多発ニ
ューロパチー
5)
眼 注6)
注5)国内使用成績調査結果(全例調査)
に基づき発現頻度を記載した。
10%以上
0.5%未満
味覚異常,感 浮 動 性 め ま
覚鈍麻,末 梢 い,頭痛
性ニューロパ
チー
3)
呼吸器
Bその他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には,症状に応じ
て適切な処置を行うこと。
<単独投与時>
0.5%以上
10%未満
静脈炎,潮紅,
低 血圧,高血
圧
低カルシウム 脱水
血 症,食欲減
退,低カリウ
ム血症
低リン酸血症
肝機能異常
(AST
(GOT)
,
AL T( GPT ),
AL-P,LDH,
γ- GTPの上
昇,高ビリル
ビン血症等)
e怠感,注入 発 熱,体重減 粘 膜 の 炎 症 ,
に 伴 う 反 応 , 少 , 毛 包 炎 , 無 力症,限局
疲労
蜂巣炎,口 腔 性 感染,爪感
カ ン ジ ダ 症 , 染 ,潰瘍,乾
皮膚感染
燥 症,カテー
テル関連感
染,尿路感染,
鼻 炎,上気道
感染,悪寒,
過 敏症,末梢
性 浮腫,四肢
痛 ,疼痛,温
度変化不耐症
注6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処置を
行うこと。
注7)発現頻度は,承認時までの国内臨床試験及び全例調査の結果に基づき算出
した。なお,国内臨床試験及び全例調査では報告のなかった副作用を頻度
不明とした。
(下線)部:平成25年3月26日付厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(指示)による改訂
その他の副作用の表及び (破線)部:自主改訂による変更。表中の破線部の事象は新規追加し、
その他の事象については発現頻度を更新。
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次頁につづく
2013年3月改訂
ベクティお知らせ2013No13 13.3.26 17:36 ページ 7
4. 高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので,
患者の状態を観察しながら投与すること。
5. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与
A妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有
益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与する
こと。やむを得ず投与する場合は,本剤投与による胎児へ
の危険性(流産又は胎児毒性)について患者に十分説明する
こと。[本剤30㎎/㎏を妊娠カニクイザル
(器官形成期)に投
与したところ,流産及び胎児死亡の増加が認められた。
]
B妊娠する可能性のある婦人には,本剤投与中,又は本剤投
与終了後も最低6ヵ月間は適切な避妊法を用いるよう指導
すること。[カニクイザルにおいて,本剤投与により月経
周期の延長,妊娠率の低下が認められた。
]
C授乳婦に投与する場合は,授乳を中止させること。また,
本剤投与終了後も最低8週間は授乳しないよう指導するこ
と。[本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが,
ヒトIgGは乳汁中に移行するので,本剤も移行する可能性
がある。]
6. 小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性
は確立していない。
7. 過量投与
臨床試験では,本剤9㎎/㎏までの用量が投与されている 。
また,承認用量(1回6㎎/㎏)
の2倍相当(1回12㎎/㎏)の過
量投与例も報告されている。本剤の過量投与時にみられる主
な症状は,皮膚障害,下痢,脱水,疲労等であったが,これ
らは本剤の承認用量で認められたものと同様であった。
8. 適用上の注意
A調製時
1)バイアルを振盪せず,激しく攪拌しないこと。
2)本剤は日局生理食塩液に希釈し使用すること。
3)本剤は無色の溶液で,半透明∼白色の微粒子をわずかに
認めることがある。微粒子はインラインフィルターによ
り除去されるが,バイアルに変色がみられた場合は使用
しないこと。
4)本剤の投与時には1回投与量として6㎎/㎏となるよう
に,次式に従い算出した必要量を抜き取り,日局生理食
塩液に添加して全量を約100mLとする。最終濃度として
10㎎/mLを超えないこと。
必要量(mL)
=体重(㎏)
×
6
(㎎/㎏)
20(㎎/mL)
5)1回投与量として1,000㎎を超える場合は,日局生理食
塩液で希釈し約150mLとすること。
6)希釈後溶液は静かに混和し,急激な振盪は避けること。
7)本剤は保存剤を含有していないため,希釈後は6時間
以内に使用すること。やむを得ず希釈後すぐに投与開
始しない場合は溶液を冷蔵保 存(2∼8℃)し,24時間以
内に投与開始することが望ましい。
8)本剤の投与前後には日局生理食塩液を用いて点滴ライ
ンを洗浄し,本剤と他の注射剤又は輸液との混合を避
けること。
9)未使用の調製後溶液及び使用後の残液は廃棄すること。
B投与時
1)本剤は,インラインフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を
用いて投与すること。
2)本剤は点滴静注用としてのみ用い,急速静注は行わな
いこと。(【用法・用量】
の項参照)
3)本剤は,60分以上かけて点滴静注すること。ただし ,
1回投与量として1,000㎎を超える場合は,90分以上か
けて点滴静注すること。
9. その他の注意
A海外において,化学療法未治療の転移性結腸・直腸癌患
者を対象に,多施設共同無作為化非盲検試験が実施され,
オキサリプラチン又はイリノテカン塩酸塩水和物を含む
化学療法とベバシズマブの併用療法に本剤を併用投与し
たとき,本剤併用群で無増悪生存期間の短縮及び死亡率
の増加が認められ,また,本剤併用群で肺塞栓,感染症
(大部分は皮膚障害の合併症 ),下痢及び脱水の発現頻度
が高く認められたとの報告がある。1)
B海外において本剤に対する中和抗体の産生が報告されて
いる。
2013年3月改訂
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