NISA(少額投資非課税制度)に関する改正の概要 ~金融商品取引業者

(別添)
NISA(少額投資非課税制度)に関する改正の概要
~金融商品取引業者等の変更及び非課税口座の再開設~
平成26年5月
国
税 庁
平成 26 年度税制改正により、NISA(少額投資非課税制度)について、同一の勘定設定期間内に
おける金融商品取引業者等の変更及び非課税口座の再開設が可能となりましたので、その概要をお知ら
せします。
1
制度の概要
ポイント
○ 同一の勘定設定期間内であっても、非課税管理勘定を設定する金融商品取引業者等を変更するこ
とが可能となります。
○ 同一の勘定設定期間内であっても、非課税口座を廃止した後に、非課税口座の再開設をすること
が可能となります。
○ この改正は、平成 27 年1月1日以後に適用されます。
⑴
改正前の制度の概要
非課税期間
最長5年
平成26年 27年 28年
勘
(定
4設
年定
間期
)間
勘
(定
4設
年定
間期
)間
勘
(定
2設
年定
間期
)間
平成26年
平成27年
平成28年
29年
30年 31年
32年
100万円
36年
37年 38年
39年
100万円
100万円
平成30年
100万円
平成31年
100万円
平成32年
100万円
平成33年
平成35年
35年
同一の非課税口座内に新たに設定される
非課税管理勘定へ移管することができる
100万円
平成29年
平成34年
33年 34年
100万円
100万円
5年間で最大5勘定、
500万円まで累積投資可能
100万円
非課税口座内に設けられる非課税管理勘定については、勘定設定期間ごとに一つの金融商品取引業
者等に設定され、一旦非課税管理勘定を設定すると、同一の勘定設定期間内においては、他の金融商
品取引業者等への変更はできないこととされています。
また、非課税口座を廃止すると、同一の勘定設定期間内においては、非課税口座を再開設すること
はできないこととされています。
- 1 -
⑵
改正の内容
イ
非課税管理勘定を設定する金融商品取引業者等の変更
非課税口座を開設している居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者(以下「居住者等」と
いいます。
)は、一定の手続の下で、当該非課税口座に設けられた非課税管理勘定の年分の属する
勘定設定期間と同一の勘定設定期間内において、非課税管理勘定を設定する金融商品取引業者等を
変更することができることとされました。ただし、非課税管理勘定に既に上場株式等を受け入れて
いる場合、その年分の非課税管理勘定については、金融商品取引業者等の変更はできません。
平成26年 27年
ロ
28年
29年
30年
31年
32年
33年
34年 ・・・
< 変更例 >
勘
(定
4設
年定
間期
)間
平成26年
A 金融商品取引業者等
平成27年
B 金融商品取引業者等
平成28年
C 金融商品取引業者等
平成29年
D 金融商品取引業者等
勘
(定
4設
年定
間期
)間
平成30年
・
・
・
非課税期間 ・最長5年
・
・
・
・
・
非課税管理勘定に既に上場株式等を受け入れている場合、その年分の非課税管理
・
※
勘定については、金融商品取引業者等の変更はできません。
・
・
・
・
・
・
・
・
非課税口座の廃止及び再開設
非課税口座を廃止した場合であっても、一定の手続の下で、同一の勘定設定期間内において非課
税口座の再開設をすることができることとされました。ただし、廃止した年分の非課税管理勘定に
既に上場株式等を受け入れている場合、当該廃止した年分については、非課税口座の再開設をする
ことはできません。
平成26年 27年
28年
29年
30年
31年
32年
33年
34年 ・・・
< 再開設例 >
勘
(定
4設
年定
間期
)間
勘
(定
4設
年定
間期
)間
平成26年
A 金融商品取引業者等
平成27年
A 金融商品取引業者等
口座廃止
平成27年
B 金融商品取引業者等
再開設
平成28年
B 金融商品取引業者等
平成29年
B 金融商品取引業者等
・
・
・
・
・
・
・
非課税期間 ・最長5年
・
・
・
・
・
・
・
・
廃止した年分の非課税管理勘定に既に上場株式等を受け入れている場合、当該廃止した年分については、
・
・
平成30年
※
非課税口座の再開設をすることはできません。
- 2 -
2
手続の概要
ポイント
○
居住者等に交付する「非課税管理勘定廃止通知書」又は「非課税口座廃止通知書」は、「金融商
品取引業者等変更届出書」又は「非課税口座廃止届出書」の提出を受けた金融商品取引業者等が作
成します。
○
金融商品取引業者等から税務署への変更届出事項、廃止届出事項又は提出事項の提供は、e-Tax
(国税電子申告・納税システム)の方法により行います(光ディスク等を提出する方法により行う
ことはできません。
)
。
○
NISAにおける金融商品取引業者等の変更又は非課税口座の再開設の流れ
②
①
金融商品取引業者等変更届出書
又は
非課税口座廃止届出書
(注1、2、3)
「金融商品取引業者等変更届出書」は、
非課税管理勘定を再設定しようとする
年の前年 10 月1日から1年を経過す
る日までの間に提出。
※「非課税口座廃止届出書」に提出期
限はない。
金融商品取
引業者等A
NISA番号、氏名、
届出書の提出を受けた
旨等(変更届出事項又
は廃止届出事項)を提
供
(e-Tax)
非課税口座
③
非課税管理勘定廃止通知書
又は
非課税口座廃止通知書
税務署
居住者等
⑤
④
非課税管理勘定廃止通知書
又は
非課税口座廃止通知書
(注 4、5)
NISA番号、氏名、廃
止通知書の提出を受け
た旨等(提出事項)を提
供
金融商品取
引業者等B
勘定を再設定しようとする年又は口
座 を 再 開 設 し よ う とす る 年 の前 年
10 月1日から1年を経過する日ま
での間に提出。
各居住者等の
非課税口座の
開設状況及び
非課税管理勘
定の設定状況
を管理
(e-Tax)
⑥
非課税口座の開設
又は非課税管理勘
定の設定ができる
旨等の情報を提供
(e-Tax)
⑦
非課税管理勘定を再設定又は非課税口座を再開設
(注1)金融商品取引業者等は、他の金融商品取引業者等に設定しようとする年分の非課税管理勘定に既に上場株式等の受入れをして
いるときは、
「金融商品取引業者等変更届出書」を受理してはならないこととされています。
(注2)平成 26 年 12 月までに非課税口座を廃止した者は、
「非課税口座廃止通知書交付申請書」を提出することにより、平成 27 年
1月1日以降に「非課税口座廃止届出書」を提出した場合に準じて取り扱われ、非課税口座廃止通知書の交付を受けることがで
きます。
(注3)居住者等が出国した場合は、出国した時に「非課税口座廃止届出書」を提出したものとみなされ、非課税口座廃止通知書の交
付を受けることができます。
(注4)新規に非課税口座を開設する場合は、
「非課税管理勘定廃止通知書」又は「非課税口座廃止通知書」を添付した「非課税口座開
設届出書」を提出します(この場合は、口座開設年の前年の 10 月1日から上場株式等を当該口座に受け入れる日と口座開設年
の9月 30 日のいずれか早い日までに提出する必要があります。
)。
(注5)金融商品取引業者等は、居住者等が非課税口座を廃止した年分の非課税管理勘定に既に上場株式等を受け入れているときは、
廃止日から同日の属する年の9月 30 日までの間は、「非課税口座廃止通知書」を受理してはならないこととされています。
- 3 -
①
「金融商品取引業者等変更届出書」等の提出
イ
金融商品取引業者等を変更する場合
非課税管理勘定を設定する金融商品取引業者等を変更する場合には、居住者等は、非課税口座を
開設している金融商品取引業者等の営業所の長に対し、当該非課税口座に非課税管理勘定が設けら
れる日の属する年(以下「勘定設定年」といいます。
)の前年 10 月1日からその勘定設定年の9月
30 日までの間に、
「金融商品取引業者等変更届出書」を提出します(措法 37 の 14⑭)
。
ロ
非課税口座を廃止する場合
非課税口座を廃止する場合には、居住者等は、非課税口座を開設している金融商品取引業者等の
営業所の長に対し、
「非課税口座廃止届出書」を提出します(措法 37 の 14⑰)
。
②
変更届出事項等の提供
イ
「金融商品取引業者等変更届出書」の提出を受けた場合
「金融商品取引業者等変更届出書」の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その営
業所の所在地の所轄税務署長に対し、e-Tax により変更届出事項を提供します(措法 37 の 14⑯)。
ロ
「非課税口座廃止届出書」の提出を受けた場合
「非課税口座廃止届出書」の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その営業所の所
在地の所轄税務署長に対し、e-Tax により廃止届出事項を提供します(措法 37 の 14⑲)
。
③
「非課税管理勘定廃止通知書」等の交付
イ
「金融商品取引業者等変更届出書」の提出を受けた場合
変更届出事項を提供した金融商品取引業者等の営業所の長は、
「金融商品取引業者等変更届出書」
を提出した居住者等に対し、
「非課税管理勘定廃止通知書」を交付します(措法 37 の 14⑯)
。
ロ
「非課税口座廃止届出書」の提出を受けた場合
廃止届出事項を提供した金融商品取引業者等の営業所の長は、「非課税口座廃止届出書」を提出
した居住者等に対し、
「非課税口座廃止通知書」を交付(注)します(措法 37 の 14⑲)
。
(注)
「非課税口座廃止届出書」が提出されても、
「非課税口座廃止通知書」を交付しない場合があり
ます。
④
「非課税管理勘定廃止通知書」等の提出
居住者等は、非課税口座を開設しようとする金融商品取引業者等の営業所の長に対し、非課税口座
を開設しようとする年(以下「口座開設年」といいます。
)の前年 10 月1日から上場株式等を当該口
座に受け入れる日又はその口座開設年の9月 30 日のいずれか早い日までに、③により交付を受けた
「非課税管理勘定廃止通知書」又は「非課税口座廃止通知書」
(以下「非課税管理勘定廃止通知書等」
といいます。
)を添付した「非課税口座開設届出書」を提出(注)します(措法 37 の 14⑤一)
。
(注) 提出しようとする金融商品取引業者等の営業所に既に非課税口座を開設している場合には、非
課税管理勘定廃止通知書等のみを提出します(措法 37 の 14⑳)
。
⑤
提出事項の提供
非課税管理勘定廃止通知書等の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その営業所の所
在地の所轄税務署長に対し、e-Tax により提出事項を提供します(措法 37 の 14㉑)
。
⑥
非課税管理勘定の設定等の可否に関する情報の提供
提出事項を提供した金融商品取引業者等の営業所の長に対し、その営業所の所在地の所轄税務署長
から e-Tax により、非課税口座の開設又は非課税管理勘定の設定ができる旨若しくはできない旨など
の情報が提供されます(措法 37 の 14㉒)。
⑦
非課税管理勘定の再設定又は非課税口座の再開設
⑥により非課税口座の開設又は非課税管理勘定の設定ができる旨の情報の提供を受けた金融商品
取引業者等は、非課税管理勘定廃止通知書等を提出した居住者等について非課税管理勘定の設定又は
非課税口座の開設を行います(措法 37 の 14⑤一、二⑳)
。
- 4 -