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(通算 365 号)2012 年 1 月号
るうてる
箱崎群教会共同体版
-月報 メッセージと
メッセージと証し-
発 行 日本福音ルーテル箱崎教会
代表者 牧師 和田 憲明
〒812-0053 福岡市東区箱崎 3-32-3
TEL(092)641-5440
FAX(092)641-5480
メールアドレス [email protected]
箱崎教会・恵泉幼稚園 http://www.jelc.or.jp/hakozaki
奈多愛育園
http://nata.aiikuen.net/
キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、
かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。
(フィリピの信徒への手紙 2章6-7節a/新共同訳『聖書』P363)
絆という傷
という傷に
和田 憲明
年末、2011 年の漢字に選ばれた「絆」は、言葉自体は「よい」意味で使われることが多い。けれど
もこの文字が出た途端、年末年始商戦にも「絆」と付く言葉は商品の世界などでもてはやされた。東北
の絆も、産品を買うことや人や食の安全の確保、復興増税などの闘いも、本当は長く痛みを伴うことの
はず。先日の新聞記事に嘆かれていたことだが、「また絆ですか」と日本中がつぶやくようになったら
怖い、と「絆」の安売りが危ぶまれる。
「絆には『傷』が含まれている」という奥田知志氏(東八幡キリスト教会牧師、NPO 法人北九州ホームレス支援
機構理事長・代表)は、ホームレス支援を始めて 22 年、
「無縁社会」と呼ばれる現代にあって、以前から
真の絆の必要を訴えていた。彼はハウスレス(物理的困窮)状態とホームレス(無縁)状態の絆を失う若
者に出会う。深刻なのは、彼らの無縁化による「自己喪失」が問題で、なぜなら人は自分の存在意義を
他者との出会いの中で見出すから、という。その著書(『もう、ひとりにさせない-わが父の家にはすみか多し
-』いのちのことば社/2011 年)の中で、その名も「絆」というタイトルのエピソードがある。
――少女は 18 歳だった。奥田氏は彼女を小さい頃から知っていた。なぜなら彼女の両親もまた支援の
炊き出しに並んでいたからだ。貧困の世代間連鎖、親の貧困が子どもに引き継がれる。彼女は 16 歳で
施設を出てひとり暮らしを始め、就職し、結婚もしたがうまくいかず家を失う。ホームレス相談窓口に
助けを求めて来た時、彼女は妊娠 5 ヶ月だった。
「産みたい」という彼女の決意は固かった。奥田氏の
妻が彼女に聞く「あなたはこれからどうしたいの?」と。彼女は少し考え込み「私は、しあわせになり
たいんです」と答える。彼の妻は「じゃあ、あなたにとってしあわせとは何よ?」と問う。彼は内心「し
あわせになりたいで十分ではないか」と思って横で聴くも、なんと答えるのか耳をそばだてる。彼女は
うつむき、そして一言こう言った。「わからない」。その瞬間、彼は心の中でこう叫ぶ、「そうだ、そう
なんだ。しあわせがなんであるか、それはひとりで考えていてもわからない。かくいう僕もわからない。
だから、君はここに来んだ。だから、みんなの中で生きていくのだ。そして他者との出会いの中で、自
分とは何者かを考え、そして、しあわせとは何かを知るんだ。一緒に生きよう」と。
その後、彼女は出産した。元気な男の子。
「我が家に来なさい」との誘いにも、
「ひとりで生む」とがん
ばる彼女。出産後も「ひとりで育てる」とがんばっていたが、退院当日、「家に行ってもいい?」との
申し出があり、彼の家族は慌ててベビーベッドを借りに走った。その後一ヵ月間、彼の家族は久しぶり
のベイビーの登場に沸いた。当初、金髪に染めていた彼女も、子育てに忙しく髪を染める暇もなくなっ
た。一日一日と、金髪は黒髪へ変わっていく。それと同じように「やんちゃ娘」は母へと変えられてい
った。人は出会いによって変わる。生まれた子どもが少女を変えた。
奥田氏は「本当に自分を知りたければ、他者と出会うことだ」、
「絆とは
傷つくという恵みだ」と語る。そして冒頭の聖句を取り上げ、「キリス
トは、私と出会う為に神であることを捨ててくださった。この絆こそが、
私を生かし、私を変える」と。隣町で生きる、ひとりのキリスト者(ク
リスチャン)の証しを聴く。
聖書日課 マルコ
マルコによる
による福音書
による福音書6
福音書6章7-13節
13節(新共同訳『
新共同訳『聖書』
聖書』71ページ)
ページ)
新年礼拝 説教:
説教:「杖一本
「杖一本の
杖一本の旅」(要約)
要約)白川 清牧師(引退牧師)
引退牧師)
2011 年 3 月 11 日、この日を私たちは、決して忘れることが出来ません。
「地震、津波、原発崩壊の
放射線汚染など・・・。そして今もその苦しみは続いています。ある意味では、今までの日本,イヤ、
世界の歩みに激しくNOを突きつけた出来事でありました。
そして私たちひとり一人に「生きるとは・・・」「自然の恐るべき力」など・・・次々と問われてきた
のです。そして、このような中で 2012 年を迎えました。
今日注目したいのは、イエス様が神の国を宣べ伝えさせるために弟子たちを 2 人 1 組にして、町々村々
に遣わされる時,汚れた霊を追い出す権能を与え、パンも、袋も、金も持たず、下着も 2 枚は着ないよ
うにと命じられました。このイエス様の言葉の中に「旅には杖一本のほかは何も、もたないように」
(8
節)と言われた「杖一本」に注目したいのです。
旧約の出エジプト記を見ますと、この「杖」が繰り返し出てきます。イスラエルの民は 430 年にわたっ
てエジプトに奴隷として苦しい、囚われの日々を送っていました。彼らは何とかしてそこから脱出した
いと願ったのですが、しかし容易なことではありません。
そこに羊飼い「モ-セ」が登場します。モーセにとっても“イスラエルの民をエジプトから導き出せ”
という神の言葉は、思いもかけない、まさに晴天のへきれきでした。「とんでもない、私は一介の羊飼
いに過ぎません。それに私は言葉の人ではありません。リーダーの器ではありません。どうか他の適当
な人を、お遣わし下さい」と懸命に断ったのです。しかし、神は『モーセよ。何を言っているか。わた
しが一緒にいるではないか』と強く言い、その時、彼に「一本の杖」を渡されたのでした。『お前はこ
の杖で、神の業を行いなさい」と。この様に、神さまは、強引とも思える仕方でモーセを召し出された
のでした。
こうして召し出されたモーセは、この杖を持って、エジプトの強大な権力者、ファラオに相対したので
す。出エジプト 7 章以下には、多くのファラオの魔術師たちとの、魔術比べが記されています。・・ナ
イル川が血に染まる出来事、蛙の災い、ブヨの災い、疫病の災い・・という具合に、次々といろんな出
来事が起こってきます。
そして、その度毎に、モーセは手に持っている一本の杖で、彼らと戦い、その問題を乗り越えていった
のです。
さらに「過ぎ越し」の出来事・・・遂にファラオはイスラエルの民の脱出を赦しました。民は歓呼の声
を上げ、大喜びでタンバリンを叩きながら、エジプトを出て行きました。
しかし、再び恐ろしいことが降りかかってきたのです。エジプとの軍隊が追ってきて、前は紅海、後ろ
はエジプとの軍隊、その間に挟まれ、まさに絶対、絶命の窮地に追い込まれてしまいました。
ここで、あの紅海が二つに分かれるという物凄い出来事が起こりました。モーセの杖は、まさに神の杖
であり、これを通して、物凄い業がなされたのでした。
その後も荒野で飲む水がなかったとき、あの杖で岩を打ち、ほとばしる水を与えられています。
モーセの杖は、まさに神の杖でありました。イスラエルの民の荒野の 40 年は、この“神が与えられた一
本の杖”の導きで、この杖が彼らを絶えず、導き、助け、救ったのでした。
そこで今日の聖書の箇所に戻ります。今日のところの、神が与えら
れた一本の杖には、このような旧約の背景があります。
そして新しい年を歩み始める私たちに与えられている「一本の杖」
とは何でしょうか。それは、私たちに与えられた「信仰という杖」
、
『神信頼の杖』であります。「神が、私たちと共にいて下さるとい
う杖」です。「神がなしてくださる」という信仰の杖、神への信頼
の杖』であります。
最後に、神の杖に導かれているS教会や、T教会の歩みを紹介し・・・、神さまの栄光をこの年も心か
ら讃美し喜んで共に生かされて行きたいものです。アーメン
されどわれらが日
されどわれらが日々
大津山 惠子
主人が脳卒中で倒れてから3回目の冬を迎えます。
「健康に自信あり」とは言えなかったものの、まさかそんなはずがない、まさかまさかと、ただ途方に
暮れるばかりだったことが、つい昨日のことのように思われます。
ショックで何も手につかない状態から、もう立ち直れないのではないかと思っていたあの頃は、こうし
て穏やかな目で冬木立ちを眺めている自分を想像だにできませんでした。「右半身と言葉に障害が残り
ます」主人の回復はきわめて難しいと告げる医師の言葉を何度も反芻しながら聞いたのは3年前のこと
です。はからずも聖ペテロ教会の週報係(書記)を任命された年でした。週報どころではないとしぶる
私に「聖ペテロ教会らしい週報を作りませんか」と、遠慮がちに、かつ何度も声をかけてくださったの
は早川牧師です。「らしさ」とは何か、と尋ねる私にただ黙ってうなずいておられた早川牧師に軽く肩
を押されるような格好ではじめた週報作り・・。週報に詩やコメント(ひとりごと)欄を設けたのはこ
の頃です。
「ご主人、お食事も水も薬も召しあがりません」携帯電話で呼び出されて足取り重く向かう先は病院。
水も薬も受け付けたくない、もう生きていてもしょうがないと目で訴える主人の傍らでなすすべもなか
った毎日。右半身の自由と言葉の機能を失って、生きることをあきらめるまでに主人を打ちのめした病
は、当然のことながらそれを支えていく家族にとっても辛いものでした。思いを伝える術を「言葉」に
頼っていた私たちには、ある日突然言葉が消えた現実を受け入れるのにずいぶん時間がかかりました。
言葉も文字も媒介としない意思の疎通がいかに気力を萎えさせるものか、神さまが私に教えるために与
えた試練だったとしたならば、なんと苛酷な試練だったでしょう。
病院と仕事と週報作り。何も手につかない中で、仕事と週報作りは欠かせないと思う気持ちがあの時の
私をかろうじて支えていました。秋が過ぎ、冬が過ぎ、長いトンネルを抜けて、3度目の春。その頃に
なってようやく、主人も家族もどうやらその状況を受け止めていかざるを得ないことがわかってきまし
た。懸命なリハビリによって字を書くことが出来るようになったことも大きな変化を産みました。
言葉の大切さ、文字の大切さ、大切だけれども気づかないたくさんのものに囲まれていることに気付か
された日々・・。週報作りもはや4年。もうやめよう、次はやめようと思いながらも、周りの思いがけ
ない反響の大きさに支えられ、叱られ、おだてられ、励まされてのコメント作り。
今春、早川牧師ご夫妻を東京に送り出さざるを得なかったことは大きな痛手でした。‘らしさ’にこだ
わった先生の「これでよし」「いや、まだまだ」という声が聞けないのは寂しい限りです。
でも、今年からは、週報に白川牧師による讃美歌紹介の紙面が加わりました。その日に歌う讃美歌の中
からピックアップして紹介くださる文を楽しみにしている新しいファンも増えました。
主人の症状は未だに一進一退、聖ペテロ教会の会員数も礼拝
人数もゆるやかな下降線をたどりつつあります。でも、いかな
る試練にあおうとも、それでもいつかどん底から立ち上がるこ
とはできる、なにがあろうと、何が変わろうと、されどわれら
が日々。流れる雲、木立ちをゆらす風・・されどわれらが日々。
※昨年 12 月にいただいた原稿です(編)
1 月祈りのカレンダー(2 月中頃まで)
日
曜
1
日
2
祝・月
3
4
5
6
7
8
9
10
11
火
水
木
金
土
日
祝・月
火
水
12
13
14
木
金
土
15
日
16
17
18
19
20
月
火
水
木
金
21
22
土
日
23
24
25
26
27
28
29
月
火
水
木
金
土
日
30
31
月
火
2
/1
2
3
4
5
水
木
金
土
日
6
7
8
9
10
11
12
月
火
水
木
金
祝・土
日
箱崎教会
箱崎教会・恵泉幼稚園
10:30 新年聖餐礼拝
13:00 全国青年会議(第2集会室)
19:00 黙想と祈りの集い(テゼ共同体の歌を用いて/礼拝堂)
1 月 8 日現在
聖ペテロ教会
ペテロ教会・
教会・奈多愛育園
←- 箱崎教会で合同礼拝
※毎月第 1 日曜日の聖ペテロ教会の礼拝はお休み
奈多愛育園始園日
10:30 女性の会仕事会・新年会(第 2 集会室)
10:30 顕現主日礼拝、礼拝後愛餐会(昼食)
、1 月定例役員会
10:30 顕現主日礼拝、礼拝後、聖書を読み祈る会
恵泉幼稚園始園日、10:00 恵泉幼稚園幹事会
10:30 恵泉幼稚園保護者会(礼拝堂)
10:00 恵泉幼稚園保護者「聖書サークル」
(第 2 集会室)
13:30 総会資料印刷作業(事務室、集会室)
15:00 九大コールアカデミー練習(礼拝堂)
9:00 教会学校合同礼拝(始業式/幼児科、小学科・中高科は礼拝
堂)
、10:30 主の洗礼日礼拝、礼拝後総会資料づくり(昼食ぜんざ
い/集会室)14:30 九大コールアカデミー練習(礼拝堂)
11:30 恵泉幼稚園年長組礼拝(礼拝堂)
福岡市監査
10:00 奈多愛育園礼拝(和田牧師)
10:30 主の洗礼日礼拝
人形劇観賞(ねずみの嫁入り)
10:00 奈多愛育園お誕生会(1 月)
19:00「フレッシュ de ハッピー」コンサート(音楽集団「奏」/礼拝堂)
10:30 女性の会聖書に学ぶ会(第 2 集会室)
記念会(記念堂)
奈多愛育園職員研修 17:00~20:00
10:00 奈多愛育園礼拝
9:00 教会学校(幼稚園はお休み、小学科・中高科は礼拝堂)10:30
顕現節第 3 主日礼拝、礼拝後、各会(女性の会、壮年会、こども
とのつどい・青年会)
、教会学校教師会
10:30 顕現節第 3 主日礼拝
11:30 恵泉幼稚園年長組礼拝(礼拝堂)
10:30 恵泉幼稚園おたんじょう会(12、1 月生/幼稚園ホール)
クッキング・サンドイッチづくり(年長ひかり組)
10:00 奈多愛育園礼拝(和田牧師)
9:00 教会学校合同礼拝(幼稚科、小学科・中高科は礼拝堂)
、
10:30 顕現節第 4 主日礼拝、礼拝後、箱崎教会総会
10:30 顕現節第 4 主日礼拝
11:30 恵泉幼稚園年長組礼拝(礼拝堂)
19:00 黙想と祈りの集い(テゼ共同体の歌を用いて/礼拝堂)
10:30 女性の会仕事会(第 2 集会室)
10:00 奈多愛育園礼拝(白川牧師)
9:00 教会学校(幼稚園は幼稚園ホール、小学科・中高科は礼拝堂)
、 ←- 箱崎教会で合同礼拝
10:30 顕現節第 5 主日聖餐礼拝
※ 毎月第 1 日曜日の聖ペテロ教会の礼拝はお休み
午後、聖ペテロ教会総会
11:30 恵泉幼稚園年長組礼拝(礼拝堂)
10:30 恵泉幼稚園保護者会(礼拝堂)
10:00 恵泉幼稚園保護者「聖書サークル」
(第 2 集会室)
10:00 おたんじょう会(2 月生/白川牧師)
10:00 奈多愛育園礼拝(和田牧師)
10:30「礼拝と音楽の集い」健軍教会
9:00 教会学校(幼稚園はお休み、小学科・中高科は礼拝堂)、10:30
顕現節第 6 主日礼拝、礼拝後、愛餐会(昼食)
、2 月定例役員会
10:30 顕現節第 6 主日礼拝、礼拝後、聖書を読み祈る会