透析患者の足壊疽に対する 集学的治療における DFサーモ療法の位置づけ

第 25 回日本臨床工学会及び平成 27 年度公益社団法人日本臨床工学技士会総会
共催学術セミナー 8
透析患者の足壊疽に対する
集学的治療における
DFサーモ療法の位置づけ
∼臨床工学技士の立場から∼
会場 / 福岡サンパレス ホテル&ホール 第 9 会場 2 F「パレスルームA 」
日時 / 平成 27年5月23日
(土)
12:15 ∼13:15
●共催学術セミナーは整理券制です。
開催当日、共催学術セミナー整理券配布所にて受付の上、会場にお越しください。
●配布場所:福岡国際会議場 1 階 ロビー
●配布時間:5月23 日
(土)8:30 ∼ 11:45
座長
岡村 龍也
先生
医療法人 貴幸会 SKメディカルクリニック 透析室室長
演者
本間 久統
先生
山形愛心会 庄内余目病院 臨床工学科技士長
共催:第 25回日本臨床工学会及び平成27年度公益社団法人日本臨床工学技士会総会
透析患者の足壊疽に対する
集学的治療におけるDFサーモ療法の位置づけ
∼臨床工学技士の立場から∼
本間 久統
先生
山形愛心会 庄内余目病院 臨床工学科技士長
透析患者の足壊疽治療では、下肢動脈PTAや下肢バイパス術などの血行再建術や薬物療法、その他の治療として温熱療法、
運動療法、重症虚血肢に対しての血液浄化療法、高気圧酸素療法、などが行われている。当院では 2006 年より創傷ケアセンター
が開設され、足に悩みのある患者のフットケア外来、専門の装具士による3DO
(足圧測定評価システム)
を使ったフットウェア
外来と伴に一施設で実施するワンパッケージサービスを提供している。創傷ケアセンターでの足壊疽治療の流れはABI
(上下肢
血圧比)
、SPP
(皮膚組織灌流圧)
測定、血管エコー、3D-CT で評価し、血管造影、PTAステント留置、その後下肢バイパス術に
よる血行再建術と、創部のデブリードマンを実施している。これにより慢性創傷を急性創傷化しNPWT
(陰圧閉鎖療法)や
リハビリテーション、高気圧酸素療法、DFサーモ療法(加温式リサーキュレーション法)
を併用した集学的治療を実施している。
高気圧酸素療法(酸素加圧 2.0ATA 60 分)は昨年一年間で 9 名の創傷患者に延べ 164 回、1 人平均 18 回実施している。
DF サーモ療法は自動プライミング機能を搭載した多目的血液浄化装置 KM-9000(川澄化学工業)
を使用している。本装置の
特 徴 と し て①カ セ ッ ト 式 回 路 で の 誤 装 着 防 止 ② 写 真 付 き デ ィ ス プ レ イ で の 組 み 立 て③自 動 モ ー ド で の プ ラ イ ミ ン グ
④気密テストを実施し回路接続の緩みの確認⑤警報に対する処置を対話形式で誘導する等が挙げられ、経験の少ないスタッフ
でも安心して操作可能な装置である。DFサーモ療法は血漿分離器
(プラズマキュア)
で分離した血漿を加温しながら血漿成分
分離器(エバフラックス5 A:Alb 篩係数 0.9)で再循環させ、Albの補充をせずにフィブリノーゲンや LDLを除去することが
可能である。これにより血漿粘調度を下げ創傷治癒過程の補助治療として効果を示す。
糖尿病を合併する透析患者の創傷は Fontaine分類の段階的な進行ではなく、いきなりFontaineⅣに変化するため、早期での
発見と検査、できるだけ早く血行再建をするかが重要になり、血行再建後のDFサーモ療法の導入がより効果的であると考える。
多職種の関わりによる集学的な治療では、適切な時期での最適な治療が可能であると考える。
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