Ⅱ クリスタルグラスの輝き-17世紀ヴェネツィアから現代まで

Ⅱ クリスタルグラスの輝き-17世紀ヴェネツィアから現代まで
【これくしょん・ぎゃらりい2階】
人類がガラスを生み出したのは今から4,000年以上の昔にさかのぼります。長い間、貴石を模倣した不透明なガラスが作られてきましたが、紀元前後のローマで吹きガラス技法が発明され、薄手
の容器が量産されるようになると、透き通ったガラスが主流を占めるようになります。
より透明なガラスを求めて、溶解温度を高くしたり、消色剤を用いたりするなどの試行錯誤が繰り返され、やがてクリスタル(水晶)のように透明度が高く、まばゆい輝きを持つガラスが開発されま
す。その光沢を引き立てるための彫刻や透明な器面を生かした絵付けなどの装飾技法も発展し、時代や地域によってさまざまな表現が生み出されました。
この展覧会では、17世紀のヴェネツィアから現代まで、無色透明なガラスをめぐる多様な展開を[Ⅰ ヨーロッパ][Ⅱ 日本][Ⅲ 現代]の3部構成でご紹介します。
作家名
作品名
制作年
技法・材質
1926年
ガラス:型吹き、カット、エングレーヴィング
Ⅰ ヨーロッパ-無色透明ガラスの探究
1
エーヴァルド・ダールスクーグ
蓋付台付鉢・メリーゴーランド
2
ヴェネツィアの工房
コンポート
17世紀初期
ガラス
3
スペインの工房
水差し
1930年頃
ガラス
4
ボヘミアの工房
高脚杯
19世紀中期
ガラス:金彩、カット
5
ボヘミアの工房
高脚杯
19世紀後半
ガラス:型吹き、金彩
6
ボヘミアの工房
高脚杯
19世紀後半
ガラス:型吹き、金彩
7
フランスの工房
高脚杯
19世紀後半
ガラス:金彩、カット
8
フランスの工房
高脚杯
19世紀後半
ガラス:金彩、カット
9
フランスの工房
高脚杯
19世紀後半
ガラス:エナメル彩
10
ドイツの工房
手付杯
1840年頃
ガラス、銀
11
ドイツの工房
ゴブレット
1770年頃
ガラス:宙吹き、カット
12
ボヘミアの工房
蓋付ゴブレット
19世紀中期
ガラス:ステイニング、エングレーヴィング
13
ボヘミアの工房
兎文鉢
19世紀中期
ガラス:ステイニング、エングレーヴィング
14
ボヘミアの工房
動物文ミルク入
19世紀中期
ガラス:ステイニング、エングレーヴィング
15
ボヘミアの工房
鹿文蓋付ゴブレット
19世紀中期
ガラス:型吹き、ステイニング、カット、エングレーヴィング
16
イギリスの工房
ワイングラス
19世紀中期
ガラス:エングレーヴィング
17
イギリスの工房
ワイングラス
19世紀中期
ガラス:カット、エングレーヴィング
18
イギリスの工房
オイル・ランプ
1890年頃
ガラス、真鍮:カット
19
イギリスの工房
デカンタ
1870年頃
ガラス:型吹き、カット
20
イギリスの工房
バター入れ
1820年頃
ガラス:型吹き、カット
21
イギリスの工房
銀飾デカンタ
1919年
ガラス、銀:カット
22
アイルランドの工房
サラダ・ボウル
1860年頃
ガラス:カット
23
アイルランドの工房
サラダ・ボウル
1860年頃
ガラス:カット
24
エミール・ガレ
鯉文花器
1878年頃
ガラス:型吹き、エナメル彩
25
エミール・ガレ
カマキリ文皿
1880年代
ガラス:宙吹き、エナメル彩、金彩
26
エミール・ガレ
昆虫文双耳花器
1880年代
ガラス:エナメル彩、金彩、金箔溶着
27
エスカリエ・ド・クリスタル
ゲンゴロウ文花器
1870年代
ガラス:型吹き、エングレーヴィング、エナメル彩、金彩
28
オーギュスト・ジャン
帯文花器
1880年頃
ガラス:宙吹き、エナメル彩、金彩
29
ルネ・ラリック
ラジエータ・キャップ・孔雀の頭
型:1928年
ガラス:型押し
30
ルネ・ラリック
ラジエータ・キャップ・5頭の馬
型:1925年
ガラス:型押し
31
ルネ・ラリック
ラジエータ・キャップ・とんぼ
型:1928年
ガラス:型押し
32
ルネ・ラリック
ラジエータ・キャップ・勝利
型:1928年
ガラス:型押し
33
エードヴァルド・ハルド
蓋付ゴブレット・ニグロハウス
デザイン:1918年
制作:1924年
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
34
エードヴァルド・ハルド
鉢・花火
デザイン:1921年
制作:1927年頃
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
35
エードヴァルド・ハルド
鉢・葡萄の収穫
デザイン:1924年
制作:1925年
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
36
エーヴァルド・ダールスクーグ
蓋付高脚杯・テスピス
デザイン:1927年
制作:1927~31年
ガラス:型吹き、カット、エングレーヴィング
37
シーモン・ガーテ
人物文ゴブレット
デザイン:1920年
制作:1926年
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
38
シーモン・ガーテ
馬に人物文コンポート
デザイン:1920年
制作:1925年
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
39
ヴィッケ・リンドストランド
花器・真珠採り
デザイン:1934年
制作:1938年
ガラス:吹き込み、エングレーヴィング
40
ヴィッケ・リンドストランド
花器・洗濯
デザイン:1951年頃
制作:1950年代
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
41
ヴィッケ・リンドストランド
花器・漁網
デザイン:1951年頃
制作:1955/56年
ガラス:型吹き、エングレーヴィング
Ⅱ 日本-新しい素材の吸収
42
不詳
菊形杯
江戸時代
ガラス
43
不詳
菊唐草文蓋物
江戸時代
ガラス
44
不詳
菊形蓋物
江戸時代
ガラス:型吹き
45
不詳
菊形鉢
江戸時代
ガラス:型吹き
46
不詳
ちろり
1870年代
ガラス
47
不詳
花に蝶文徳利
明治時代
ガラス:エナメル彩
48
不詳
花に蝶文徳利
明治時代
ガラス:エナメル彩
49
不詳
葡萄唐草文鉢
明治時代
ガラス
50
不詳
月に雁秋草文鉢
明治時代
ガラス
51
不詳
月に雁秋草文鉢
明治時代
ガラス
52
不詳
香水瓶
19世紀
ガラス:カット
53
不詳
香水瓶
19世紀
ガラス:カット
54
不詳
切子蓋物
江戸時代末期
ガラス:型吹き、カット
19世紀
55
不詳
調味料入
56
不詳
脚付杯
ガラス:カット
ガラス:カット
57
不詳
コンポート
ガラス:カット
58
不詳
切子蓋付杯
59
各務 鑛三
皿・追憶
1929(昭和4)年
ガラス:エングレーヴィング
60
各務 鑛三
鉢
1943(昭和18)年
ガラス:宙吹き
61
各務 鑛三
ひょうたん型花器
1940(昭和15)年
ガラス:宙吹き、エングレーヴィング
62
各務 鑛三
雀文花器
1941(昭和16)年
ガラス:宙吹き、気泡封入、エングレーヴィング
63
各務 鑛三
鹿文花器
1948(昭和23)年
ガラス:宙吹き、エングレーヴィング
64
各務 鑛三
花器
1978(昭和53)年
ガラス:カット
65
各務 鑛三
飾花器
1969(昭和44)年頃
ガラス:宙吹き、気泡封入
ガラス:カット
66
各務 鑛三
花器
1938(昭和13)年
ガラス
67
各務 鑛三
皿・座る
1975(昭和50)年
ガラス:宙吹き、エングレーヴィング
68
小林 英夫
角出台付花瓶
1982(昭和57)年
ガラス:宙吹き、カット
69
小林 英夫
被硝子角溝切子皿
1981(昭和56)年
ガラス:被せガラス、カット
70
佐藤 潤四郎
三蔵法師舎利器とカバー
舎利器:1980(昭和55)年
カバー:1984(昭和59)年
ガラス:エングレーヴィング
71
岩田 藤七
花器・光りの美
1950(昭和25)年
ガラス:宙吹き
72
岩田 藤七
花器
1973(昭和48)年
ガラス:宙吹き
73
岩田 藤七
花器
1973(昭和48)年
ガラス:宙吹き
74
岩田 藤七
花器・涼
1976(昭和51)年
ガラス:宙吹き
75
藤田 喬平
空に舞う
1981(昭和56)年
ガラス:ホットワーク
「本のシリーズ」より"禁書”
1982(昭和57)年
ガラス:キャスト、カット、クラック
Ⅲ 現代-斬新なアプローチ
76
菅澤 利雄
77
船越 三郎
スリムなカプセル構成
1982(昭和57)年
78
エリック・ヒルトン
プリズムのページ
1982年
ガラス:宙吹き、カット
ガラス:カット、サンドブラスト
79
ヴィリ・ピストル
オブジェⅡ 1982年
1982年
ガラス:溶融カット技法、エッチング
80
スティーヴン・ワインバーグ
無題#580502
1985年
ガラス:キャスト、カット、研磨
81
デヴィット P. ダウラー
陸の船
1982年
ガラス:型落し、カット
82
クレグ・キャレンバーガー
タイタニック・シリーズ#33787
1987年
ガラス:キャスト、カット、研磨
83
オルドルジヒ・プリーヴァ
プリズム
1989年
ガラス:光学ガラス、カット
84
オルドルジヒ・プリーヴァ
立方体
1989年
ガラス:光学ガラス、カット
85
マリアン・カレル
開いた立方体
1982年
ガラス:キャスト、カット
86
カリン・シュテックレ=クルムバイン
人間の成長
1981年
ガラス:エングレーヴィング
87
ロナルド・ペネル
「危機に瀕して」 ヒューマニストの表現の試み
1994年
ガラス:エングレーヴィング、カット、研磨
88
スタニスラフ・リベンスキー/
ヤロスラヴァ・ブリフトヴァ
球体の中の立方体
1979~90年
ガラス:キャスト、研磨
89
ベルナール・ドゥジョング
円環
1994年
ガラス:光学ガラス、研磨、失透
90
ベルナール・ドゥジョング
白の上昇
1997年
ガラス:光学ガラス、フュージング、失透、のみによる研削、研磨
91
チェスラフ・ズュベール
無題
1988年
ガラス:ハンマーによるカット、研磨、サンドブラスト、着色
92
チェスラフ・ズュベール
無題
1988年
ガラス:ハンマーによるカット、研磨、サンドブラスト、着色