プレスリリース内容 - KISCO Ltd.

2008 年 6 月 11 日
プレスリリース内容
《 KISCO は英国 Nanoco Technologies 社と次世代光学電子材料で注目される
「量子ドット」の日本を含むアジアでの展開に関し独占販売契約を締結 》
KISCO 株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:岸本吉則、以下 KISCO)及び海
外グループ会社はこの度、ナノ材料、特に量子ドット(※)の生成・最適化に優れた技術を
持つ Nanoco Technologies 社(本社:英国マンチェスター、最高経営責任者(CEO) Michael
Edelman、以下 Nanoco)と、同社の製造する量子ドットを中心としたナノ材料に関して、
日本を含めたアジア地域での独占販売契約を締結いたしましたので、発表いたします。
KISCO は 1921 年創業の化学品・電子材料等を取り扱う専門商社であり、欧米・アジア 12
カ国に 25 社の海外現地法人を有し、拠点数は 32 拠点、そのうち商社拠点は 20 ヶ所、製造
拠点 16 ヶ所、を有するグローバルな企業です。一方国内での販売拠点は東京・大阪両本社
を含み 8 ヶ所、技術開発拠点 2 ヶ所、生産拠点としての国内グループ会社は 5 社を数え、
素材のスペシャリスト、アドバンスト・マテリアルの KISCO を標榜しています。KISCO
グループ企業では化学品の受託合成、コーティング剤 diX™ の製造とコーティングサービ
ス、変性エポキシ樹脂 EpiFine™などの独自開発商品・サービスの展開を行っており、その
中でも環境に優しい半導体エッチング残渣除去剤 EcoPeeler™ の製造、省力化に貢献する
ホットランナーシステムであるスピアシステムの製造など、環境配慮型の商材取扱にも注
力してきました。
一方、Nanoco 社は次世代の光学電子材料と注目される量子ドットの大量生産技術を持つ会
社です。カドミウム等の重金属を用いない量子ドットの実用化・大量生産プロセスを開発
し、世界で初めて産業用途での利用を可能としました。現在は日本を始め世界各国で、次
世代照明、ディスプレー、太陽電池、生物学的イメージングなどの分野でパートナー企業
などと量子ドットを活用したアプリケーションの開発を進めています。
今回、両社の事業展開の方向性にシナジーが見出せると判断した結果、独占的販売代理店
契約締結に至りました。KISCO は Nanoco 社の量子ドットの展開により KISCO の既存ビ
ジネスとの相乗・波及効果を大いに期待しており、エレクトロニクス市場への取組みを一
層強化してまいります。特に今後成長が期待されている「LED」「ディスプレイ」「太陽電
池」の各分野において、海外を含めた KISCO グループの総力を上げて取り組み、KISCO
の経営方針であります環境・省エネ等の分野で他社に先行し、時代の要請に応えて参りた
いと考えております
※量子ドットとは
量子ドットは半導体物質を数ナノメートル(1 ナノメートル=10 億分の 1 メートル)規模
に結晶形成した素材。電子や光粒子を吸収し、大きさによって定義される波長の光(紫外
線∼可視光∼遠赤外線まで対応可能)を高い効率で発光するのが特徴。また、大きさを調
整すれば出力される波長が自由自在に変えられる特異な性質を持っている。光を吸収させ
電子を放出させることもでき、こちらの性質は太陽光発電に応用される。発光材が必要と
される様々なエレクトロニクス分野の中で、特に環境面と省エネ、また変換効率の高さか
ら、非常に注目されている材料であります。
次世代の省エネ照明デバイスと注目される LED では、蛍光体として用いられた場合には従
来と比べ必要な蛍光体の量は数分の一以下となり、発光波長の設計自由度も向上すると期
待されています。また、太陽電池分野では薄膜太陽電池の低コスト製造を可能とする高性
能半導体インクの原料として注目され、また、量子ドット太陽電池と呼ばれる高効率(理
論的には∼60%)の可能性が注目される次世代太陽電池の原材料としても注目されています。
掲載記事リンク
Tech-On!「量子ドットの LED や太陽電池への応用を加速,英ベンチャが日本の商社と独占
販売契約 <2008/6/11>」
N
NAN
NO
OCO
O
T
TECHN
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いて
Nanooco Technologies につい
次世代
代の光学電子
子材料と注目
目される量子
子ドットの大
大量生産技術
術を基に 2001 年に英国マ
マンチ
ェスター大学よりスピンアウ
ウトされたナ
ナノテクノロ
ロジー(ナノ
ノ素材)ベン
ンチャー。共
共同創
業者は現マンチェ
ェスター大学
学化学部の学
学部長であり
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ットの研究の
の世界的権威
威であ
る Pa
aul O’Brien 教授と Dr Nigel
N
Pickettt
(現 Nanoco
o Technolog
gies 最高技術
術責任者(CT
TO))
。
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進められてい
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ウム系素材の
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カドミウム等
等重金
属を用
用いない量子
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を可能
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た。
現在は
は日本を始め
め世界各国で
で、次世代照
照明(LED、EL)、ディ
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(無機 EL)、太陽
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イメージング
グなどの分野
野でパートナ
ナー企業など
どと量子ドッ
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の開発を進め
めている。
量子ドットとは
量子ドットは半導
導体物質を数
数ナノメート
トル(1 ナノ
ノメートル=10 億分の 1 メートル)規模
に形成
成した素材。
。電子や光粒
粒子を吸収し
し、大きさに
によって定義
義される波長
長の光(紫外
外線∼
可視光
光∼遠赤外線
線まで対応可
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力され
れる波長が自由自在に変
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発光材料として注目され
れている。光
光を吸収させ
せ電子を放出
出させること
ともで
き、こちらの性質
質は太陽光発
発電に応用さ
される。
量子ドットの優位
位性の例
LED - 蛍光体と
として用いられた場合には従来と比べ
べ必要な蛍光
光体の量は数
数分の一以下
下とな
り、発
発光波長を設
設定の自由度
度向上も実現
現
太陽電
電池 - 薄膜
膜太陽電池の
の低コスト製
製造を可能と
とする高性能
能半導体イン
ンクの原料となる。
また、
、量子ドット
ト太陽電池と
と呼ばれる高
高効率(理論
論的には∼60
0%)の可能性
性が注目され
れる次
世代太
太陽電池の原
原材料ともな
なる。
概略
Nanooco Technologies 会社概
社名
Nanoco Teechnologiess Ltd.
所在
48 Grafton Street, Manchester,
M
UK
設立
2001 年
業務内
内容
量
量子ドット素
素材の研究・開発・製造
造
主要株
株主
O Capital Partners, 三菱 UFJ キャピタル他
Ora
キ
他