2.3.1 Work Program Features--APIs

ワークプログラムフィーチャ
OMAアプリケーションプログラムイン
タフェース(APIs)
OMA API プログラム
この数年間、OMAはAPI(Application Programming Interface)関連の標準化に力を入れてきました。この
活動はGSMAのOneAPI、Rich Communication initiatives、WAC(Wholesale Application Community)と深
い関わりがあります。
2011年の活動として、OMAではAPI関連の標準化活動を統合し、API整備プログラムを立ち上げました。
このOMA API整備プログラムは、通信ネットワークが提供するサービスインフラや、モバイルデバイス
が利用できるサービス(をデバイス上で動作するアプリから)への標準的なアクセス手段を提供します。
OMA APIは、これらのサービスを利用するための基本インタフェースに絞って規定しているため、通信
事業者やサービス事業者が自身のネットワーク・サービスを(サードパーティの)開発者に公開する際
に、開発者が要求する様々な開発プラットフォームに対応することができます。
従来、ネットワークインフラを利用するアプリを開発する際には、同等の機能を持ちながらサービス事
業者ごとに用意される数百にものぼるAPIへの対応が必要でした。また、サービス事業者側にとってもサ
ービスを外部に開放する際に、日々多様化するプラットフォームと開発者コミュニティに対応する必要
がありました。OMAは、標準化されたサービスアクセス用APIを整備することで、このようなサービ
ス・プラットフォームの増加や、サービス事業者ごとの非互換性の問題を解消しようとしています。
OMA API仕様を採用することで、サービス事業者は、そのネットワーク内部の制御プロトコルやサービ
ス・プラットフォーム、APIに関わりなく、モバイル・アプリケーションの開発者が必要とする共通的な
機能である、SMSやMMSの送信、端末位置の取得、課金のようなネットワーク・サービスを標準的な方
法で公開することが可能になります。
OMA API整備プログラムにより、既存モバイル・アプリケーションの展開を簡素化するだけではなく、
新しいモバイル・アプリケーションの開発コスト削減、及び、市場投入までの時間短縮に貢献します。
OMA API整備プログラムは、近い将来数百億ドルにも達すると言われるモバイル・アプリケーション市
場の活性化に標準化活動で貢献していくと考えています。
OMA API programに対する業界からの大きなサポート
OMAでは、OMA会員だけでなく、業界団体、標準化団体などからの意見も聞きながら業界のニーズに応
じて標準化の対象とするAPIの整備を進めています。OMA会員は、既存のWebサービスの相互接続性の
向上にも務めていますが、これから紹介するRESTful Network APIの整備のように新たなサービスパラダ
イムへの変化を促す標準化活動も推進しています。
OMAによるAPI標準化を推進するアプローチは、業界から賛同を受けています。ここに挙げたのは、
OMAのAPI整備プログラムへの賛同を表明している企業のリストです。この企業のリストには世界中の
通信事業者、ハードウェア・ベンダー、ソフト開発ベンダーが含まれており、賛同企業の数が増加して
いることを喜ばしく思います。
Aepona
Alcatel-Lucent
Bell Mobility
Birdstep Technology
Cambridge Silicon Radio, Ltd
China Mobile
China Unicom
China Telecom
Comverse
Deutsche Telekom AG
Ericsson
GSM Association (GSMA)
Hansol Inticube
HTC
Huawei Technologies
Interop Technologies
NEC Corporation
Nokia Siemens Networks
Neustar
Oracle
Red Bend Software
Smith Micro Software,Inc.
Songdo Telecom, Inc.
Telecom Itália
Telenor ASA
TeliaSonera
U.S. Cellular
ZTE Corporation
OMA RESTful Network APIs
OMA RESTful Network APIはREST(Representational State Transfer)スタイルのアーキテクチャに基づい
たHTTPプロトコル向けのAPIスイートです。
このAPIセットでは個々のAPIで使われる技術仕様のルール、例えば、namespaceの使用、(RESTfulリソ
ースに対する)命名規則、エラー処理、さらには複数のプロトコルで共用されるデータタイプが共通仕様
(Common Specification)として統一形式で規定されています。
RESTful Network API仕様は、API毎に処理シーケンス図、データタイプの定義、(RESTful)リソースの定
義、各リソースに対応したオペレーションの定義、発生する可能性があるエラーの説明が含まれていま
す。また、(データ転送用の)表現形式として、XML、JSON、form-urlencodedがサポートされており、そ
の使用例が説明されています。今後APIは順次増強されていきますが、仕様策定が完了したAPIには以下
のようなものがあります。
• Short Messaging: SMSメッセージの送受信、SMSメッセージング関するイベント通知の購読
(subscribe)
•
Messaging: MMS(モバイル向けEメール)メッセージの送受信、MMSメッセージングに関するイ
ベント通知の購読
•
Payment: 契約者への即時課金と後払いの併用を可能にした課金
•
Terminal Location: 移動機の位置特定と、位置変更に関するイベント通知の購読
•
Terminal Status:移動機の状態(NWの種類を含む)に関する情報の取得と、状態変化に関するイベ
ント通知の購読
•
Device Capabilities: 移動機の端末特性に関する問い合わせと、設定
•
Third Party Call: 発信者から複数の着信者への呼設定
•
Audio Call: テキストやVoiceXMLなどによるメッセージを音声に変換して再生
•
Call Notification: 呼設定に関するイベント通知の管理と、購読
OMA Device Management Client-Side API Framework
OMA API整備プログラムでは、ネットワーク内のリソースへのアクセスを提供するNetwork APIのみなら
ず、デバイスAPIも提供しています。一例として、OMA DM Client-Side API Frameworkでは、OMA DM
を搭載している移動機において、アプリケーションから同移動機内のManagement Objectへのアクセス
を可能としています。
•
DMを搭載した移動機内へアプリケーションを追加/削除した際、既存Management Objectへの登
録/登録解除通知
•
移動機内のアプリケーションによるManagement Object、及び、パラメータの修復
•
移動機内のアプリケーションによるManagement Objectのアップデート
•
DMを搭載した移動機内のManagement Objectとアプリケーションのインタラクション
OMA Device Management Client-side Frameworkにより、接続設定、ファームウェアアップデート、遠
隔診断、端末能力の管理・監視などの、OMA DMで規定されている様々なManagement Objectへのアク
セスが可能となります。