2014年 10 月 1 日 号 外 民主党滋賀県第4区総支部 総支部長 とくなが久志 近江八幡市出町 414-6 サツキビル 2F TEL・0748-31-3047 FAX・0748-31-3057 2014 年民主党滋賀県連パーティー盛大に開催 10 月 4 日、 「2014 年民主党滋賀県連パーティー」を千人余りの方々のご参加をいただき、盛大に開 催することができました。 開催にあたりましては、パーティー券の購入にご理解とご協力を賜りました皆様方に心より厚く感 謝申し上げます。もちろん、経済情勢が依然として厳しいなか、無理に無理をお願いしてご協力をい ただいたものと深く理解しております。皆さまから頂戴した、文字通りの物心両面でのご支援を必ず や今後の活動にしっかりと活かしていくことをお約束いたします。本当にありがとうございました。 パーティーでは、まず講演の部として、クレ ディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラ テジストの市川愼一氏より、「アベノミクスの 光と影 財政は大丈夫か?」と題してお話をし ていただきました。(抜粋を後段に掲載) その後、懇親会に移り、林久美子県連代表の 挨拶の後、民主党の海江田万里代表が「一強多 弱と評される自民党と野党の力関係が三日月 知事の当選で変わりつつある」と強調し、「下 野した自民党が与党を目指す上で重要になっ たのが統一地方選挙。私たちも政権に返り咲く ために統一地方選挙は極めて重要になる」と述 べました。 <2014.10.4 大津プリンスホテルにて> 来賓として挨拶した三日月大造滋賀県知事は、 「みなさんからいただいた(国会議員の)バッジ を返上し、滋賀のためにという決断を理解しても らった。統一地方選挙では、草の根自治をつくろ して待っていれば、いずれ美味しい鰻が食べられ るに違いない』と思っていたのがアベノミクス。 ところが待てど暮らせど美味しい鰻を食べるこ とはできない。それどころか、香ばしいいい匂い うという仲間の議員の議席拡大に力を貸してほ しい」と呼びかけました。 その後、1 区総支部長の川端達夫衆院議員、 2 区総支部長の田島一成氏、3 区暫定総支部長の 林久美子参院議員が挨拶しました。 が、硝煙の火薬のきな臭い匂いに変わってきてい るではないか。罪深きは、悪人の暴力よりも善人 の沈黙という言葉がある。今こそ、声をあげ、行 動していこう。その最大最高の機会が選挙。来春 の統一地方選挙は仲間の候補者と共に全力で戦 4 区総支部長として挨拶した徳永久志は、 「『鰻 の蒲焼のいい匂いがしてきた。都会の一部の人は う」と述べました。 そして、山田清連合滋賀会長より乾杯のご発声 すでに食べているらしい。地方の私たちも、期待 をいただき、歓談へとうつりました。 「アベノミクスの光と影 クレディ・スミス証券 財政は大丈夫か?」 チーフ・マッケット・ストラテジスト 市川愼一 (2014 年度民主党滋賀県連パーティー講演より抜粋) アベノミクスが実施されて 2 年が経過しようとしてい 底から上昇に向かう時期と偶然の一致をみたわけであ る。円安株高になり、経済に明るい見通しができたと好 る。まさに幸運としかいいようがないが、この幸運期を 感していたのが昨年の今頃までで、ここにきて、そもそ どう使うかが重要となってくる。 も「アベノミクスとは何か」がわからなくなった。 <円安はバラ色か> <外交面での変化> デフレ脱却にはお金の流通量を増やすことがその一 安倍政権が発足し、首相自らが外遊に行く回数が増加 策ではある。日銀は、FRB を上回るペースでベースマネ している。特に、ASEAN 各国との連携強化を意図し、精 ーを供給し、円高を是正しようとした。円安によって物 力的に訪問している。実際、ASEAN 諸国においては、日 価先高感を醸成し、消費・投資を喚起するというものだ。 本のイメージは良好で、最も信頼できる国として中国や これが、アベノミクスの核となっている異次元の金融緩 米国を抜いて日本はトップとなっている。 和の狙いである。 問題は対中国。中国は大学を卒業しても就職ができな ところが、円安が進んでいるのに国内の産業は潤わな い状況があらわれており、それが内政上の大きなリスク い状況となってきている。輸出数量の伸びは停滞したま となっている。したがって、雇用拡大が内政上の喫緊の まであり、貿易赤字は拡大してきている。これは、生産 課題となっており、いつまでも日本との関係を悪いまま 拠点の海外シフトが進んでいることが大きな要因とな 放置できないと考えている。その意味から、日中関係は っている。 今後良くなるものと思われる。こうした外交面での変化 は評価できるものである。 世界の製造業の常識は、消費人口の多い地域に工場を 立地させるというもの。人口減少が進む日本に立地する よりも、人口拡大の途中にある海外に立地するという流 <足下の景気動向を重視> 安倍内閣は高い支持率を誇っているが、この内閣支持 れは、例え円安の局面が今後続いたとしても変わらず、 生産拠点の海外シフトを止めるのは難しい。 率は株価と連動しているから面白い。高い株価は高い支 また、法人税を下げる話があるが、確かに近隣アジア 持率に直結している。では、安倍政権の政策の何が株価 諸国と比較すると高いのは事実なので下げた方が良い。 を押し上げているのかということになる。 しかし、法人税率だけでは効果はない。所得税など他の 日本の株価は、政府の政策等に関係なく、米国の株価 と連動しているのが現実である。つまり、日本株の上昇 税率もセットにして考えないと、日本に外国の企業が集 まることはないと断言できる。 条件は、米国の景気拡大によるところが大きいというこ とである。だから、私が投資家にアドバイスする際、日 本の株価は一切参考にせずに、米国だけを注視している のが本当のところである。 残念ながら民主党政権時代は不運としかいいようが <人口減少と経済> 日本は高齢化が進み人口は減少していく。この流れを 脱却する政策ができなければ、日本経済の持続的成長は ないといえる。北欧においても人口減少の問題がおきて ない。当時はリーマンショックの余韻をひきずる時期と いるが、移民を受け入れることによって対応している。 重なっていたため、株価上昇の材料が皆無であった。し 日本は、まだ移民について明確なスタンスが定まってい かし、安倍政権が誕生した時期は、リーマンショックの ない。 後遺症も癒え、景気低迷をぬけきったタイミングであり、 「経済の規模(GDP)=1 人が稼ぐ力(1 人当たり GDP) ×人数(人口) 」という単純化した方程式にあて コントロールがきかなくなる。これがアベノミクスの影 はめれば、1 人が稼ぐ力を高めるには生産性の向上が必 の部分である。 要となり、人数を増やす、あるいは維持するには、徹底 した増子化対策と女性の活躍、外国人を移民として受け <財政健全化へ> 入れることなり、これらはタブー視すべきではないと考 やはり、財政の健全化を早期にはかっていくことが大切 える。 である。アベノミクスの効果で景気が良くなれば税の自 然増収で賄えるとの議論がなされるが、それではまった <アベノミクスの影> く不十分である。 円安を進めるためにお札を刷りに刷って国債を日銀 歳出面の切り込みが必要で、何といっても社会保障費 が買い取っている。日銀の国債保有額は右肩上がりに上 をどう考えるかである。社会保障費は総額で年 2 兆 6 千 昇し、当然ながらそれに伴って国債残高、国の借金も増 億円増加しており、ここの改革なしに財政の健全化はあ 加を続けている。さらに、日銀による長期国債の大量購 りえない。 入で市場のボリュームが急速に縮小しているのも問題 である。 要は、保険料と税金を増やすか、サービスを抑制する か、である。米国はそもそも国が関与する社会保障政策 米国も同様の政策を一足早くやっていたが、景気回復 は大したものはないので簡単に削減できる。欧州はサー 局面に入ったとして金融緩和政策から卒業しようとし ビスの抑制よりも、間接税を20%以上にして対応して ている。金融緩和からの卒業の誘因としては、景気回復 いる。 とともに国の借金が減少していることが大きい。これは では、日本はどうするのか。どこまで保障し、その負 歳出面の伸びを抑制した面によるもので、特に、米国の 担をどこまで求めるのかが政治の課題である。安全保障 場合は、国が行う社会保障政策は大したものがないため や外交については民主党政権よりも安倍政権の評価は にできる所業であるともいえる。 高いが、この歳出面の改革、特に社会保障について改革 日本の場合は、借金が減っていないことが問題である。 日本財政は「中期財政フレーム」にそって実施されてい していく意思は安倍政権の姿勢はまったく見えない。人 口減少に対する改善策も同様である。 るが、これによると当初予算ベースにのみ枠がはめられ ていて補正予算を含めていない。補正予算を別枠にして、 <民主党への期待> 当初予算ベースでのみコントロールしているわけであ 日本の構造改革が進まないのはなぜかと問うた時、年 る。ただ、補正予算は災害対応など大きな金額となって 代別の選挙の投票率がヒントになる。民主党が政権を奪 おり、ここを別枠にしているから見かけ上は改善されて 取したときの選挙では、20 代 30 代の若い世代が 1 千万 いても、現実は逆に悪くなっている、借金が一向に減ら 人投票した。しかし、民主党政権に対する失望によって ない。ここが大きな問題である。 前回衆院選では、この若い世代の投票率は 30%近く低 お札を刷って国債を買う状況を進めて円安を進める。 下した。若い人が選挙に行かなかったのである。 円安が進んでも輸出はほとんど伸びない一方で、輸入品 その一方で、60 代以上の高齢者の投票率は、どんな のコストが上がり物価が上がる。輸出は伸びず貿易赤字 選挙でもほぼ同じ数字となっている。ここが、今の政治 が拡大しているので、物価上昇分を差し引いた実質的な の最大の問題点ではないかと個人的に思っている。この 賃金は上がらない。一方で、国の借金は増加する。そう 20 代 30 代の若い世代も多くの人が政治に参加する、投 なると、金融緩和政策の出口戦略が見いだせない。する 票に行く、という状況を作り出すことが求められている。 とズルズルと現状をひきずることになる。さらに円安が ここは、まだまだ民主党に期待したいところである。 進むと、日本国の信用が失われて国債が売りに出され 市川愼一氏 略歴 1963 年東京生まれ。明治大学を卒業後、和光証券、クレディ・リヨネ証券を経て、クレディ・スイス証券へ。現在、 クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジストとして、また、評論家・コメンテーターとしてマスコ ミでも活躍中。民主党政権では「事業仕分け」を担当する。 著書には、 『中国のジレンマ 日米のリスク』 『政策論争のデタラメ』など多数。
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