童画の国から - 目黒区美術館

press release 2016 MMAT
童画の国から― 物語・子ども・夢
(土)➡ 9 月 4 日
(日)
2016 年 7 月 16 日
目黒区美術館
午前 10 時-午後 6 時(入館は午後 5 時 30 分まで)
月曜休館(但し、7 月 18 日(月祝)は開館)、翌日 19 日(火)は休館 )
一般 600(450)円、大高生・65 歳以上 450(350)円、中小生以下無料
障がいのある方は半額・その付添者 1 名は無料、
( )内は 20 名以上の団体料金
主催:(公財)目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
協力:イルフ童画館、ちひろ美術館、弥生美術館
1 武井武雄 ≪暑い夏≫ 1967 年 水彩 ・ 紙
[ 『チャイルドブック』 1967(S42) 年 7 月号掲載]
イルフ童画館蔵
概要
大正から昭和にかけて、絵雑誌『コドモノクニ』
(1922 年創刊)などを
中心に、独特でモダンで、感性溢れる作品を描き、多くの子どもたちの心
『コドモノクニ』 創刊号
表紙 (武井武雄 画)
1922(T11) 年 1 月号
イルフ童画館蔵
を捉えた童画家、武井武雄(1894-1983)と初山滋(1897-1973)。この二
人の童画家は、それぞれ独自の表現で日本の童画界をリードし、その隆
盛に大きな功績を遺したパイオニアです。武井が描いた愛くるしい登場
人物と想像力をくすぐる不思議な世界、初山の流麗な線描やみずみずし
い色彩による輝くような世界は、時代を超えて、現代でもなお多くの人々
を魅了してやみません。
「童画」という言葉は、子どもたちに与えるために描かれた絵を指す言
葉ですが、1925 年に武井武雄が使い始めたといわれています。それま
で子ども向けの絵というと、画家の副業的な仕事と見られていましたが、
子どもにこそ本物の芸術を与えるべきだと武井武雄も初山滋も捉え、童
2 初山 滋 ≪あめのひ≫ 制作年不詳 水彩 ・ 紙
イルフ童画館蔵
画と真摯に向き合い、このジャンルに初めて高い芸術性を持ち込みまし
た。彼らの描く世界は、楽しさや夢や希望に満ち、子どものまなざし、子
どもへのまなざしを深くたたえた特別なものでした。彼らの描いた童画
は、多くの子どもたちの心に触れ、感性を育み、いずれ大人になっても心
の深いところにありつづける何か大切な贈りもののようなものだったとい
えるでしょう。
目黒とゆかりの深い工業デザイナー秋岡芳夫(1920-1997)は、武井
武雄と初山滋の贈りものを受けとった一人でした。後に工業デザインから
地域産業のデザインに至るまで様々な先駆的な仕事を残すこととなる秋
岡ですが、その創造活動の原点に童画があったことはあまり知られてい
ません。幼少期に武井と初山が活躍した『コドモノクニ』を愛読しなが
<1>
3 初山 滋 ≪おねがいね≫
1961 年頃 水彩 ・ 紙
イルフ童画館蔵
童画の国から ―物語・子ども・夢
ません。幼少期に武井と初山が活躍した『コドモノクニ』を愛読しながら
育った秋岡は、戦後まもなくして彼らが「日本童画会」を創設したことを
知ると、自ら入会を希望し、憧れだった初山に師事しながら、1950 年前
後には多くの童画を描きました。そして、デザインの仕事にシフトしていっ
た後も、根底には子どもへのまなざしを持ち続けました。それは、先達の
武井と初山がまさにそうであったように、子どものための仕事を捉える際
に、その視点が上からのものではなくて、子どもと同じ位置、同等の関心
領域で物事を捉えることのできるまなざしだったといえるでしょう。
本展では、今なお愛され続ける日本の童画家、武井武雄と初山滋の戦
4 武井武雄 「イソップモノガタリ」(表紙原画)
制作年不詳 インク、 水彩 ・ 紙
イルフ童画館蔵
後期の童画作品を中心に、彼らに導かれた秋岡芳夫の童画作品も織り
交ぜながら、魅惑的な童画の世界をご紹介します。
優れた童画は、優れた感性と技術を持ちながら、子どもの心を失うこ
とのなかった大人だけが描けるものといえるでしょう。本展を通じて、わ
が国の子どもたちの感性を長年にわたって育んだ二人の偉大な童画家、
武井武雄と初山滋、そして彼らに導かれた秋岡芳夫の作品の魅力、ノス
タルジーと希望の交錯する特別な世界に触れていただければ幸いです。
5 武井武雄 ≪たのしいぷーる≫ 1957 年
水彩、 クレヨン ・ 紙 [ 『チャイルドブック』
1957(S32) 年 7 月号掲載]
イルフ童画館蔵
構成
展覧会は4つの展示室で構成します。
●童画の国から ― 物語・子ども・夢
武井武雄、初山滋の戦後期の作品を中心に「物語」
・
「子ども」
・
「夢」
という3つの枠組で
「童画の国」
をご紹介します。
「物語」
は児童文学などの挿画を中心に、
「子ども」
では童画の国の主人
公、子どもたちの様々な表情をご覧いただきます。
夏をテーマにした絵や
童画の国のふしぎな住人たちにもアプローチ。
「夢」では、童画の国なら
ではの冒険心、
好奇心をくすぐるテーマのものをご紹介します。
●戦前 ― “童画”のはじまり
武井武雄と初山滋の戦前期の仕事をふりかえります。
水彩画、ペン画に
6 武井武雄 ≪あいすくりーむのやまですべろ≫
1957 年 水彩、 クレヨン ・ 紙
[ 『あそび』 1957(S32) 年 7 月号掲載 ]
イルフ童画館蔵
よる原画をはじめ、1920 年代から 30 年代に手がけた児童書、装丁本な
どにも注目します。
●版画 ― ひろがる創造性
武井武雄と初山滋は、
版画や造本などでも優れた作品を残しました。
本展では、なかでも創作版画をご紹介します。
抽象的な表現や色の組み
合わせなど、
二人の創造のひろがりをご覧ください。
●小展示 ― 1946 年 日本童画会と秋岡芳夫の童画
武井武雄、初山滋に憧れ、戦後すぐに童画家を目指した目黒ゆかりの工
業デザイナー秋岡芳夫。
秋岡のもとには、1946 年に武井と初山が創設し
た日本童画会の資料も残されていました。当館が所蔵する秋岡芳夫の
童画作品とともに、
1950 年前後の日本童画会の資料をご紹介します。
<2>
7 秋岡芳夫 ≪作品 (水族館)≫
1950 年 着彩 ・ 紙
目黒区美術館蔵
童画の国から ―物語・子ども・夢
開催情報
タイトル
童画の国から ― 物語・子ども・夢
会 期
2016 年 7 月 16 日
(土)
-9 月 4 日
(日)
会 場
目黒区美術館 (東京都目黒区目黒 2-4-36)
開館時間
午前 10 時-午後6時(入館は午後5時 30 分まで)
休 館 日
月曜日(ただし、7 月 18 日(月祝)は開館、翌日 19 日(火)は休館)
観 覧 料
一般 600
(450)円、大高生・65 歳以上 450(350)円、中小生以下無料
※ 障がいのある方は半額・その付添者 1 名は無料、
( )内は 20 名以上の団体料金
主 催
公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
協 力
イルフ童画館、ちひろ美術館、弥生美術館
交通機関
JR 山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線=目黒駅下車徒歩 10 分
東急バス=権之助坂(目黒通り)下車徒歩 5 分、田道小学校入口(山手通り)下車徒歩 3 分
※ 本展会期中に当館学芸員が展覧会や所蔵作品についておしゃべりする「大人のための美術カフェ」の開催を予定しています。
※ 詳細は当館ウェブサイトでご確認ください。
広報写真
本リリース掲載の写真画像の一部を本展広報用写真としてご提供いたしま
す。図版の左下 ① ~ ⑧ が図版番号です。
ご希望の方は、申込用紙(4 ページ目)
の内容をご確認の上、必要事項をお書
き添えいただき、FAX でお申し込みいただくか、同内容を本展担当者宛メー
ルにてお申し込みください。
8 武井武雄 ≪かえるのがくたい≫
同時開催
1953 年 水彩、 インク、 鉛筆 ・ 紙
ワークショップ 「童画と絵本」
本展開催中の土日や 8 月中旬を中心に、ワークショップ「童画と絵本」を
開催します。童画家たちも数多く手がけた「絵本」にまつわる内容で、子ど
もののコース、大人のコース、ご家族で参加できるコースなど多彩なコース
を開催します。
また、ご入館された方ならだれでも自由に参加できる「遊びの広場」
( 設定
日のみ)も開催します!
[ 『キンダーブック』 1953(S28) 年
6 月号掲載] / イルフ童画館蔵
※ 申込方法、設定日等の詳細は当館ウェブサイトでご確認ください。
本展の問合わせ先
目黒区美術館
展覧会担当(学芸)佐川 / 広報担当(事務)白川
〒153-0063 東京都目黒区目黒 2-4-36
tel. 03-3714-1201
(代) fax. 03-3715-9328
e-mail: mmatoffi[email protected] http://www.mmat.jp
<3>
童画の国から ― 物語・子ども・夢
宛先:目黒区美術館 〔担当〕 佐川・白川 宛て
FAX :03-3715-9328 E-mail:mmatoffi[email protected]
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